『第58回オールスター競輪(GI)レポート』 最終日編

配信日:9月23日
 「第58回オールスター競輪」は9月23日、5日間に渡る熱戦に幕を下ろした。激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦は竹内雄作が赤板前から果敢に先行。この3番手を確保した新田祐大が豪快にまくって圧勝。3月の日本選手権に続き、通算3度目のG1制覇を果たした。
ガールズユニット つばさFly ミニライブ
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8.6秒バズーカー お笑いライブ
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ムーディー勝山 お笑いライブ
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熱い声援が選手を迎える
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柳ゆり菜 トークショー
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決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると別線の動向をうかがいながら神山雄一郎が誘導を追いかける。新田祐大―神山で前団に収まり、以下の隊列は竹内雄作―大塚健一郎、桐山敬太郎―渡邉晴智―武井大介で稲垣裕之―稲川翔が後方に待機。
 青板前の4コーナーから上昇を始めた稲垣が出ると、その上を桐山が切って出てペースを落とす。竹内は新田の外併走から踏み上げ、桐山を押さえて青板の4コーナーから先行態勢を取る。桐山が3番手に飛び付くが踏み遅れる。すかさず巻き返した新田が、空いた3番手に入って赤板を通過。隊列は主導権を握った竹内に大塚。新田―神山、南関トリオが続いて、稲垣は一本棒の8番手で打鐘を迎える。4コーナーから桐山が反撃に出るも、車は進まず外に浮いて後退。竹内が飛ばして逃げる。
 最終2コーナー手前から今度は稲垣がまくりを打つと、新田もほぼ同じタイミングで3番手から満を持して発進。3コーナーで逃げる竹内を新田がとらえる。神山は離れ気味だが、大塚も阻めず神山が新田を追いかけ直線へ。そのまま後続を引き離した新田が3車身差でゴールを駆け抜け優勝。まくりで迫る稲垣を半車身凌いだ神山が2着に入り、稲垣3着。


ゴール
ゴール
胴上げ
胴上げ
表彰式
表彰式
<1R>
筒井裕哉選手
筒井裕哉選手
 6番手から動いてペースを落とした筒井裕哉(写真)は打鐘から奇襲のカマシに打って出た和田健太郎にも落ち着いて対応。詰めた勢いで2コーナーからまくるとシリーズ4走目でようやく白星をゲットした。
 「あれだけ(ペースを)落としたら誰か来るだろうと思ってた。(和田のカマシに)みんな対応しきれんかったと思うし、いっぱい付いて来てなくてよかった。今日は人気だったので応えられてよかったです」
 終始、単独で筒井の番手を回っていた池田良だったが逆転はならず。
 「和田さんがカマして行ったんで、あそこで脚に来た。どれだけ迫れるかと思ったけど、筒井さんは余裕がありそうだったし抜けなかったですね」

<2R>
牛山貴広選手
牛山貴広選手
 前受けの三谷竜生の後位は初手から競り合い。一旦、後方まで下げた三谷は赤板前から仕掛けて主導権を握る。守澤太志が打鐘から反撃に出て前団に迫るが、最終2コーナーで三谷に振られて落車。これを避けてバック3番手からまくった牛山貴広(写真)が激戦を制した。
 「まくりは狙ってました。出なかったらしょうがないと思って仕掛けました。出は悪かったけど1着は取れたので。今回は初日に負けてしまったし、ダメでしたね」
 三谷の番手を取り切った内藤秀久が3着で久しぶりに確定板に上がった。
 「昨日は決めずとコメントしたけど、自分のなかでは競りにいくと決まってました。取り切れたし、感じは良かったです。最近は不調が続いていたので、奮起して頑張りたいですね」

<3R>
近藤隆司選手
近藤隆司選手
 前に出た吉本卓仁は別線からの巻き返しがないとみるや、打鐘の1センターから誘導を降ろして先行策に出る。3番手を確保した単騎の稲毛健太は車間を詰める勢いで仕掛けると、合志正臣のけん制も乗り越えひとまくり。しかし、後方から近藤隆司(写真)が襲い掛かり、稲毛とゴール直前までサイドバイサイドの展開に。最後は近藤に軍配が上がった。
 「動いて中団からとは思っていました。昨日展開を作れずだったのに、今日も作ることが出来なかったです。結果的に決まったけど、反省を生かせてないですね。3車だと良いんですけど、2車だとどっかで気持ちが弱くなってしまっているのかもしれません」
 稲毛健太は近藤に交わされて惜しくも2着惜敗。
 「吉本さんの動きは想定外でしたね。あんなに早くいくとは思わなかったです。でも、落ち着いてはいましたし、今日は単騎でもレースを動かそうとも思ってました。吉本さんもすんなりだったし、まずいところで行って、まくられちゃいましたね」

<4R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 同県の先輩に任された野原雅也は青板から動いてそのまま主導権を奪う。阿竹智史の巻き返しに合わせて打鐘過ぎ4コーナーから脇本雄太(写真)が番手まくり。後輩の頑張りに1着で応えた。
 「野原には焦るなと思ったけどね。止めたかったけど、阿竹さんやし行かないかんかなと。残したかったけど、あそこまでペースが上がったし勝ちを意識せんとと思った。難しいですね」
 後方に置かれた中村浩士はコースを突いて鋭く伸びたが3着まで。
 「苦しかったですね。もっと楽できればいいけど、(脚を指差し)こっちが言うことを聞かなかった。練習して出直します」

<5R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 赤板から天田裕輝と古性優作で激しい主導権争いとなった。天田が突っ張り切ると、今度は後方から松岡貴久がまくりで前団に襲いかかる。芦澤大輔(写真)がこれをきっちり止めて追い込んだ。
 「天田君があれだけ行ってくれましたからね。誰も出させるつもりはなかった。踏み合っていたので、まくりが来るのは分かっていました。余裕はあったし、何とか勝てて良かったです。今回は初日に負けてしまって残念でしたけど、そのあとの3日間は3連対に入ることができた。特選まで上がれたし、うまくリカバリーできたと思います」
 天田裕輝は直線で力尽きて6着に敗れたが、突っ張り先行で長い距離をもがいた。
 「自分がやり合わないと、古性君のペースになってしまいますから。突っ張り切ったと思ったら、また来る感じだったし、古性君は粘っこいですね。その辺をもう少しうまく走れれば」

<6R>
石井秀治選手
石井秀治選手
 後ろから吉田敏洋が上昇すると、中団の鈴木裕が合わせて、赤板から先行態勢。後続を一本棒にして逃げまくる鈴木に対し、最終ホームから吉田が反撃を開始する。しかし、石井秀治(写真)が番手から合わせて発進。そのまま力強く押し切り白星でシリーズを締めた。
 「鈴木君が一生懸命頑張ってくれた。2周半いってくれたんでね。すんなり中団を取れたのも良かったけど、今日は彼の頑張りに尽きます」
 石井マークの福田知也がしっかり続き2着。南関ワンツー決着となった。
 「中団、中団って作戦だったんですけど、鈴木君も地元の意地ってのもあるし、秀治さんの前でってのもあったと思う。自分は付いていて、恵まれましたね。(今シリーズは)連日力のなさを感じたんで、戻って練習してきます」

<7R>
原田研太朗選手
原田研太朗選手
 原田研太朗(写真)のまくりがさく裂。逃げる平原康多を豪快に飲み込むと、最後は中川誠一郎の追撃をも許さなかった。
 「3.92は重たい。やっぱり86ですね。着はよかったけど、内で遅れて飛びつけなかった。後ろで付いてるのは楽だったけど、あの展開ではキツイ。でも誠一郎さんはすごいですね。差されたかと思いました。単騎なら9番手だったし、ついてもらえたのが嬉しかった」
 原田マークから鋭く迫った中川誠一郎だったがわずかに届かなかった。
 「捕らえたかと思ったし、交わしたかったですね。最後も伸びて行ったし、研太朗は強い。前の(坂本)健太郎を目掛けてのまくりだから、研太朗の一番得意なパターンでしたね。仕方ないです」
 6番手から先まくりを打った坂本健太郎も見せ場十分だった。
 「一発穴を空けたと思いましたけどね(苦笑)。最後は(ユニフォームの)色負け。ヤバイまくれると思ったけど、あと一歩でした」

<8R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
 早めに飛び出した岩本俊介を早坂秀悟が赤板で叩いて先行。中団で態勢を立て直した岩本がホーム前からまくるも不発。最終2コーナーから自力に転じた海老根恵太(写真)が豪快にまくり切った。
 「岩本がホームで無理やり行ってくれたおかげですね。(菊地)圭尚に(ブロックを)もらって厳しかったけど、何とか乗り越えられました。今回は準決勝が悔しかったけど、前の人の頑張りで、それ以外は結果を残せました。自分1人ではまだまだ厳しいですね。このあとも千葉記念、G1もまだあるんで頑張ります」
 早坂秀悟は力強い先行策で2着。シリーズ3連対を果たした。
 「(岩本が)駆ける雰囲気は感じていたけど、早めに行けば大丈夫だと思ってました。長い距離を踏んで、きつかったです。今回は二次予選がダメだったし、そこが自分の甘さですね。戦える準備はできているし、競輪祭は必ず決勝に乗ります」

<9R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 後ろ攻めの郡司浩平が中団から合わせた村上義弘を制してハナに立つ。村上は前受けから下げた山崎芳仁を警戒したのちに、再度踏み上げ強引に主導権を奪う。山崎が打鐘の2センターから巻き返すと、村上も必死に抵抗して力勝負。しかし、山崎のスピードが勝り、最後は番手の佐藤友和(写真)が交わして1着。
 「(作戦は)山崎さんに任せていました。強かったですね。無理に仕掛けてくれたおかげです。ワンツースリーで決めれましたし、最終日にやっと勝てて良かった」
 まくった山崎芳仁が2着。3着にも和田圭が続き北勢で確定板を独占した。山崎は検車場に引き揚げてくると、汗を拭いながらレースを振り返る。
 「後ろだったら突っ張る作戦でしたね。(村上と)良い勝負ができたと思います。(踏み出しは)カカっていたと思うし、悪くはなかったですね。(次走の千葉記念は)また練習して頑張ります」

<10R>
橋本強選手
橋本強選手
 中団の渡邉一成にフタをしてから前に出た鈴木謙太郎は赤板からハイペースで飛ばす。番手の武田豊樹は2コーナーから番手まくりに出ると、浅井康太のまくりを諸橋愛がブロック。武田、諸橋で決まったかに見えたが、浅井ライン3番手から俊敏に内を突いた橋本強(写真)が1着をさらった。
 「浅井が(ブロックを)もらってバランスを崩してたので、ゴメンと思って内に行った。全然空いてましたよ。武田さんが降りたら外を行こうと思ってたぐらい余裕もありました」
 2着の武田豊樹はまず鈴木の頑張りを称えた。
 「鈴木君は赤板からけっこう踏んだからね。岐阜記念では相川(永伍)君の番手で止めに行って失敗してる。2コーナーではタレてきてたので行きました。内を空けたつもりはなかったけど、判定の結果だから。鈴木君はかかってましたよ。後半戦は大丈夫じゃないですか」
 3着には諸橋愛が流れ込んだ。
 「俺があの(浅井を止める)役割をしないとと思った。武田さんのところが締まってれば、俺が橋本を締めて決まってたけどしょうがない。展開は整ってたので、ワンツーならよかったんですけどね」

<11R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦を制したのは新田祐大だった。レースは赤板前から竹内雄作が果敢に飛び出して先行。ハイペースで飛ばしていく。この3番手を確保した新田が最終2コーナーから豪快にまくって圧勝。3月の日本選手権に続き、今年2度目のG1制覇を果たした。
 「神山(雄一郎)さんとの連係だったので、昨日同様に2人で決まるレース展開を考えていました。残り2周半の動きのなかで竹内君が先頭に立って、桐山(敬太郎)さんが3番手で、攻めていいのか迷ったんですけど、ダメでも行ってしまえっていう気持ちでいったのが結果的にいい位置が取れました。ナショナルの合宿もあって、それに参加した選手はみんなつらい状態だったと思うけど、このなかで結果を出していかないと。タイトルが獲れたのはファンが選んでくれたからで、それが優勝につながりました。感謝したいです」
 神山雄一郎(写真)は踏み出しで離れながらも懸命に新田を追って2着に続いた。
 「新田が強かったですね。(3番手に)追い上げたときも相当なスピードで離れそうになったし、それから間髪入れずにまくっていきましたからね。ちょっと離れてしまった。一番人気なんで何とか2着に入ろうと。この2着は大きいですね」
 稲垣裕之(写真)は勝負どころで立ち遅れて8番手。最終1センターからまくり上げたが、3着に入るのが精いっぱいだった。
 「一番強い新田君に3番手を取られてしまった。桐山(敬太郎)君が入られてしまったのが想定外でした。運びとしては最悪でしたね。前はすごいかかりでした。人の動きをアテにして勝負権のないレースをしてしまった。G1優勝を目標にしているし、反省するところは反省して次に生かします」
 竹内雄作はライン2車でも果敢に主導権を奪った。
 「ただ先行しただけですね。もうちょっと落ち着いて走れれば良かったけど難しかったです。新田さんが3番手に入って、焦って踏んでしまった。あれを合わせ切れるようじゃないとダメなんですが、スピードが足りないですね。4コーナーまでは持たないといけないし、大塚(健一郎)さんに迷惑をかけてしまった」
 桐山敬太郎は3番手を新田に取られたのが痛かった。
 「(3番手に)ピッタリ付いていければ自分の展開でしたね。内も気にしながら油断もありました。あの位置になって付いていけば3着はあったかもしれないけど、一番長いラインでそれはできない。新田のところまで何とかと思って踏んだけど力不足です」
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