『第60回オールスター競輪(GI)レポート』 初日編

配信日:8月11日

 スターたちの夢の競演。いわき平競輪場を舞台に「第60回オールスター競輪(GI)」は、11日に熱戦の火ぶたが切って落とされた。初日のメーンはファンによって選ばれた9選手による「ドリーム」。ファン投票2位の新田祐大が、まくりで逃げる深谷知広を仕留めて地元シリーズで幸先のいいスタートを切った。また、勝った新田をはじめ上位5着までの選手が、3日目の「シャイニングスター賞」にコマを進めた。12日の2日目のメーンは「オリオン賞」。さらにガールズケイリンコレクション2017いわき平ステージ「アルテミス賞」が、一発勝負で行われる。
 本場では開催中の毎日、1000人に先着プレゼント(2日目はみよし「じゃんがら」)。オリジナルうちわ、300円分のお食事券が当たるラッキーカードの配布。女性限定でオリジナルミニタオルのプレゼント。レース展望予想会、「いわきグルメ」の大集合、未確定車券抽選会、「ハーラウ・ラウラーナニ」のフラ&タヒチアンショーなどを行っています。また、12日の2日目には、「北村姉妹」による青森県郷土芸能・津軽三味線演奏、函館けいりんメーンPRキャラクター「りんりん」と、はこだて観光大使の「暁月めぐみ」によるライブ、スピーチーズ&長田真友子ライブ!、ガールズケイリンカフェ、地元選手トークショーなども予定され、いわき平競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

和やかに開幕
和やかに開幕
敢闘宣言をする渡邉一成選手
敢闘宣言をする渡邉一成選手
長田 真友子 ライブ
長田 真友子 ライブ
アイくるガールズ ライブ
アイくるガールズ ライブ
鈴木尚広 トークショー
鈴木尚広 トークショー
アルテミス賞出場選手トークショー
アルテミス賞出場選手トークショー
戦いを明日に控えバンクに集合
戦いを明日に控えバンクに集合
練習に臨むガールズ選手
練習に臨むガールズ選手

ドリームレース レース経過

 号砲で岩津裕介が出て、目標の原田研太朗を迎え入れる。初手は原田-岩津、新田祐大-中川誠一郎、深谷知広-浅井康太、平原康多-武田豊樹、稲垣裕之の並びで落ち着き、周回を重ねる。
 青板周回のバックから平原が上昇を開始。前受けの原田は車を下げて、平原が誘導員の後位に収まる。4番手の外で原田と併走となった深谷は打鐘前から踏み込んで主導権を握る。これを受けた平原が3番手を確保し、単騎の稲垣は5番手、6番手の位置を原田と新田で取り合う。ホーム前に内を1車すくった原田が稲垣と併走すると、今度は8番手から新田が抜群のスピードでまくり上げる。懸命に逃げる深谷、番手で車間を空けて備えていた浅井を鮮やかに抜き去り、先頭でゴールを駆け抜けた。新田マークの中川が直線で詰め寄って2着。即席タッグでワンツー決着となった。深谷の逃げを利した浅井が3着に入った。


<1R>

坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 オープニングレースは、坂本亮馬(写真)が制した。レースは取鳥雄吾にフタをした近藤隆司が、打鐘で飯野祐太を叩く。続いた坂本と飯野で中団が併走になると、取鳥は4コーナーからスパート。抵抗する近藤を最終1センターでとらえた。しかし、桑原大志は付け切れず近藤に絡まれる。中四国勢を追った坂本は2センターから鋭い追い込みで1着まで届いた。
 「メンバー的に厳しいと思ったけど、思ったよりデキがいいですね。どこからでも勝てる感じがしました。展開が向いたというより、向くでしょう。(取鳥との)新旧スター対決は旧式が勝ちましたね(笑)。ちょっと寝不足だったので、(二次予選は1日空くので)よかったです」
 近藤に叩かれた飯野は、山賀雅仁を飛ばして番手を奪取。齋藤登志信は飯野に乗って、直線で中のコースを追い込んで2着に入る。
 「前々に踏んでくれた飯野のおかげです。この条件ならよかった方だと思うよ。二次予選は、もっと厳しくなると思うので。それに対応していかないといけない」
 中四国3番手を固めた堤洋が、直線で伸びて3着に食い込む。
 「1着だったら良かったけど、前回(岸和田665着)に比べたら上デキでしょう。(取鳥)雄吾を目標に抜けるかなと思ったら、直線が長かったし抜けました。体調もいいです」

<2R>

合志正臣選手
合志正臣選手
 中団争いのもつれが解けた打鐘の4コーナーで、松岡健介が巻き返して逃げる金子哲大をとらえる。最終ホームで井上昌己との連結を外した合志正臣(写真)は、バックからインを進出。外の高橋陽介を弾いた合志が、直線で鮮やかに突き抜けた。
 「ジャンのところでシューズのサンがちょっと…。それで常にペダリングを意識して走っていましたよ。今回は(中川)誠一郎と何日間か一緒に練習したんで、それで自信もつけさせてもらいました」
 九州コンビに付けた柏野智典は、直線で松岡と東口善朋の間を突いて2着に届いた。
 「途中からは合志さんに任せるような感じでした。合志さんが外に行ったので、自分は内で行けるところまでと思って。前回の落車の心配もなさそうですね」
 好展開かに思われた東口善朋だったが、外の合志、内の柏野にのみ込まれて長い直線に泣いた。
 「松岡さんがいいタイミングで仕掛けてくれました。なんとか残したかったけど、後ろもスピードがすごくて…。自分も慌てて踏みました。脚は問題ないと思います」

<3R>

坂口晃輔選手
坂口晃輔選手
 打鐘で切って出た柴崎淳の上を、外目のコースを豪快に飛び出した根田空史が主導権。別線をクギ付けにして、ハイペースで駆ける。最終バックを通過しても4番手の柴崎、6番手の小川勇介は動けず、番手の渡邉晴智には絶好の流れ。抜かりなくチャンスをモノにした渡邉だが、ゴール手前で根田が沈んでの5着に言葉少な。
 「根田の先行はすごいですよ。あとは僕の技量不足。それでけですね、言うことはない…」
 3番手の萩原孝之が、渡邉に4分の1輪まで詰め寄って2着。
 「根田がすごく掛かってました。自分も中よりも外を踏もうって思ってた。最後はさすがに根田もタレてましたね」
 4番手の柴崎が空いた車間を直線の入り口でようやく詰めると、それに乗った坂口晃輔(写真)が、外を伸びて3着に入った。
 「(柴崎)淳さんの勢いをもらった。だいぶ内を見て、見てだったけど。詰まった勢いもあって、外を踏み切ろうと思った。前の2つのレースを見ていて、外が伸びていたのもあった。内より外を踏むクセがついているんで、伸び切れてよかった」

<4R>

長島大介選手
長島大介選手
 打鐘で関東勢が主導権を握って、山田久徳はソツなく中団をキープ。最終ホームでは一本棒の7番手に置かれた山中秀将は、山田の仕掛けを待ってバックから踏み出す。番手まくりの長島大介をゴール寸前でとらえた。
 「状態が良くなってきたのはわかっていたんで、仕掛けの悪さを調子の良さでカバーした感じです。前回も一緒だった山田君がホームくらいから行くかなと。自分も行くとしたら同じタイミングだった。だから、そこは警戒していました。(前回の)岸和田を一本走れたことで、この状態までもってこられた。あの追加(岸和田)は大きいですね。あとはそこ(仕掛け)だけ。あの仕掛けをしていたら、二次予選以降は通用しないですから」
 逃げる鈴木竜士の番手で車間を切った長島大介(写真)は、山田の中団まくりを張りながら番手から出て2着。反省しきりで振り返る。
 「僕に技術があれば…。山田さんを張ったら、(鈴木)竜士のところに戻り切れなかった。仕事をする余裕はあるんですけど、技術がなくて…。VTRを見て、先輩に聞いてみていろいろ勉強します」
 山中の快速まくりに続いた成清貴之が、3着に汗をぬぐう。
 「山中は溜めてドンっていう感じなんで、自分も一緒に溜めてました。山中のキレはすごいんで、自分もできるだけ脚を使わないようにと。それでああいう付き方になった。ただ、(大塚)玲には申し訳なかった」

<5R>

岡村潤選手
岡村潤選手
 稲毛健太の反撃を警戒しながら、坂本貴史が先行の腹を固めて最終ホームを通過する。きっちり中団を確保した松谷秀幸が、7番手の稲毛に合わせてまくり追い込む。松谷に付けた岡村潤(写真)は、最後のハンドル投げで松谷を微差、交わした。
 「全部、松谷君がやってくれた。自分はそのおかげですね。直線で交わせているけど、新田(康仁)さんと一緒に(二次予選に)乗れなかったのが残念です」
 逃げる坂本を射程圏に入れた松谷秀幸が、まくりで直線の踏み合いを制して南関ワンツーをメイクした。
 「やっぱりGIなので。内容とかよりも結果でしょ。(ラインの)3人で決められなかったのは残念ですけど、しっかり踏めているし、かぶる前にも仕掛けられたんで悪くはない。二次予選以降も、しっかりと頑張ります」
 稲毛を後方に置く積極策から、坂本貴史が3着に粘り込んだ。
 「展開も良かったですね。(松谷に)切ってもらって、それで自分を出させてくれた。それに後ろも援護してくれた。調子自体は毎場所、毎場所上がっている感じなので、自分の力を出し切れてよかった」

<6R>

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 渡邉雄太(写真)が打鐘でハナに立つ。しかし、すかさず巻き返した伊藤成紀が、渡邉を最終ホームで叩いて主導権を握った。大阪コンビを受けてうまく3番手に入った渡邉は、2センターから外を踏み込みゴール線を先頭で駆け抜けた。
 「突っ張るつもりだったけど、(伊藤の)勢いが良くて…。3番手に入ってからは南(修二)さんが後ろを見ていてタイミングを逃したけど、落ち着いていけたかなと。終始余裕はあったし、ワンツーが決まってよかったです」
 海老根恵太が2着に流れ込んで、南関ワンツー決着。
 「ラインのおかげですね。最後は内へ行こうか迷ったけど。(松坂)英司さんが後ろにいたので、自分は外を踏もうと。反応はあまり良くないけど、二次予選以降に修正できればいいですね」
 伊藤の番手を回った南修二が、3着に入って二次予選に進出。
 「(伊藤)成紀が頑張ってくれました。強かったですよ。自分の状態は悪くないので、二次予選も頑張ります」

<7R>

河端朋之選手
河端朋之選手
 小原太樹が赤板で前に出ると、その上を中井俊亮が打鐘で叩く。小原が引き切らずに3番手で粘ると、河端朋之(写真)は4コーナーから一気の反撃。持ち前のダッシュであっと言う間に前団を抜き去る。後続を4車身ちぎって快勝した。
 「(組み立ては)中団からフタをされてどうするか。それか前を取って、引いてどうするかって考えていました。(仕掛けたタイミングは)緩んでいたのと、隊列が短くなったのと、どっちもですね。中井君と駆けるタイミングが合いそうになったけど、行くしかないなと思って。なんとか持ち味は出せたと思います。(状態は)まだ、パコパコする感じがある。バックの追い風にも乗れなかったですし。今は1回駆けて、踏んだり止めたりしないようにしています。(ナショナルチームは)練習に集中できる環境になったし、プラスになっていますね」
 稲川翔は河端を阻めず上を行かれると、すぐさま口の空いた三宅達也をブロック。さらに、空いた内を狙った高原仁志らを締め込む俊敏な走りを見せる。最後は中井を交わして2着も、レース内容を反省する。
 「なにもできなかった。(中井)俊亮も踏み直せていたし、僕が一人でなんとかしようとムダな動きが多かった。自分のなかではいいレースではなかったですね。西岡(正一)さんにもチャンスがあるレースをしないと」
 中井俊亮は、離れた河端を懸命に追って3着に入る。
 「(小原に)番手に飛び付かれたと思いました。先行態勢に入ったところで、河端さんに行かれてしまって。3番(小原)にも踏まれたし、難しかったですね」

<8R>

吉澤純平選手
吉澤純平選手
 小川真太郎の上昇に赤板で合わせて出た吉澤純平は、菅田壱道、小川の両ラインに挟まれ接触して大きくバランスを崩す。小川が主導権を握って、立て直した吉澤は結局、中団を菅田と併走。苦しい流れで窮地に陥ったが、いざ踏み出すと力の違いで逃げる小川をとらる。番手の牛山貴広が、ゴール前できっちり吉澤を差し切った。
 「(吉澤は)危なかったですね。(落車が)よぎりましたけど、付いていくしかないんで。そのあとはこれ(緩急)があるんで、離れないように注意してました。厳しい展開だった。自分もゴール前踏んだらいっぱいでした」
 大怪我からの復帰初戦にもかかわらず、吉澤純平(写真)は怯むことなく攻めのスタイルを貫きまくりで別線を沈めた。
 「(小川が)押さえに来るのが遅かった。赤板だったし、安全策で切りにいったけど…。中途半端でした。なんとか立て直せたんで、(中団で菅田に)当てられない位置で回っていました。ジャン前で脚を使ってたんで、(まくりの)タイミングを取ってしまった。レース(組み立て)はイマイチだったけど、なんとか気持ちでカバーできたかなと。(ライン3人での決着で)結果論だけどよかった」
 茨城コンビとの連結を外すことなく、佐藤悦夫が付け切ってラインで上位独占を果たした。
 「(吉澤は)行けないと思いました。正直、ダメかなと思いつつ…。吉澤君の力が違うんぶん行っちゃいましたね。自分もツラかった」

<9R>

岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
 吉田敏洋が赤板で早坂秀悟に併せ込んでフタをする。早坂も引かず、そのまま打鐘を通過。2センターからようやく踏み込んだ吉田を、松岡貴久も突っ張る。両者の踏み合いで絶好のまくりごろかに思われた早坂だったが、あおりを受けた志智俊夫に接触して落車。成田和也が乗り上げる。落車を避けた岡部芳幸(写真)は、最終2コーナーから追い上げるようにまくって1着。
 「前の2人のおかげですね。ただ、手放しでは喜べない。落車の危機回避はできていた。早坂の勢いをもらったから、あとは行けるところまでは行こうと思って踏み上げました。近藤(龍徳)の動きも見ながら行けましたよ。最後は友定(祐己)に押してもらった感じです」
 踏み合いを制した吉田に続いた近藤龍徳は、吉田の余力を図りながらギリギリの判断を迫られて2着。
 「普段から(吉田)敏洋さんと一緒に練習しているので、一緒に勝ち上がりたかったです。(吉田は)出切るまでに脚を使ったのかなと。自分にもっとテクニックがあれば、一緒に(二次予選に)乗れたかと思います」
 松岡マークの友定祐己は、直線で中割り及ばずも二次予選にコマを進めた。
 「松岡君が頑張ってくれました。あそこまで頑張ってくれたのだから、もう1人ラインから連れて勝ち上がりたかった」

<10R>

小松崎大地選手
小松崎大地選手
 赤板手前から好スピードで出た小嶋敬二は、いったんペースを緩めるも再び2コーナーから加速。7番手の小松崎大地(写真)に主導権を奪う隙を与えずに逃げる。後方に置かれた小松崎だったが、打鐘の4コーナーからロングまくり。4番手から合わせて出た松浦悠士を乗り越えて、前団をとらえるとそのまま押し切った。
 「(まくりは)押し出されるように、詰まって出ちゃったんで。最初から(あのタイミングで)狙っていたらいい感じで出られたと思う。バンク的には、ああいった感じで後半に伸びているレースが多かった。それは頭にはありました。踏み切れたんですけど、反省点だらけです」
 まくった小松崎のスピードを判断して追うのをやめた山崎芳仁は、隊列が詰まってはいたものの8番手。最終3コーナー過ぎからまくり気味に追い込んで、小松崎との地元ワンツーを結実させた。冷や汗をぬぐう山崎が、苦笑いで口を開く。
 「(小松崎)大地が強かった。浮いたように見えたけど、行ってしまっているんでね。大地は俺が付いていこうが、離れようが1着だから良かったけど、永澤(剛)には悪いことをした。俺が付いていってれば…。やっちゃったと思った」
 4番手キープから小松崎のまくりに合わせて出た松浦悠士は、小松崎に次いで山崎にまで行かれて3着。
 「しっかり仕掛けようと思ってた。あれで合わせられれば、(ラインの)みんなで決まっていたと思う。合わせ切ったと思ったんですけど、行かれちゃったんで。もっと自分に力があれば…。力のなさを感じました」

<11R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 ファンに選ばれた9選手による夢の激突は、地元の新田祐大が勝利した。レースは、深谷知広が先に前に出た平原康多を打鐘で叩いて主導権を握る。いったんは続こうとした新田だったが、原田研太朗と併走した後に8番手で最終ホームを通過。苦しい展開となるも、1コーナーから一気の反撃に出た。車間を切っていた浅井康太の上をいくと、逃げる深谷を最終2センターでまくり切る。最後は中川誠一郎の追撃も振り切った。
 「どんなレースになるかは、走ってみないとわからなかったです。負けられない気持ちでいっぱいだったし、ガムシャラにゴールへ向かっていった感じですね。原田君とは考えが同じで、引けない戦いになってしまって。でも、最後は(中川)誠一郎さんとゴール前勝負ができたし、1着が取れてよかったです。ファンの投票でこのレースを戦えていますし、恩返しがしたかった」
 いったんは連結を外した中川誠一郎(写真)だったが、新田が8番手に下げて再度ドッキング。その後は新田の強烈なまくりに続いて、ゴール勝負もわずかに交わせず2着。
 「新田は強いので、ある程度はどんな形でも勝負できるところには行ってくれると思っていました。あの踏み出しは苦しかったですね。でも、あれはいい刺激になりますよ。(直線では)1着かと思って踏み込んだら、ハウスしてしまいました」
 新田ラインに上を行かれた浅井康太は、最終2センターで平原をけん制。直線で追い込んで3着に入る。
 「(3番手の)平原さんしか見ていなかった。平原さんは脚を使っていないし、いかに邪魔をするか。深谷が強かったけど、それ以上に新田が強かったですね。スピードがすごかった。(上を行かれてからは)深谷を4着に残して、どう3着に入るか考えていました。深谷を残せなかったのは技量不足。反省します」
 武田豊樹は最終4コーナーからコースを見極めて5着。ファン投票1位の平原とのタッグに思いを込めて、レースを振り返る。
 「平原君に任せていたので、平原君が失敗であれば、僕も失敗と思っていました。(平原が3番手を確保したが)前も強い先行屋(深谷)ですから、平原君もタイミングが取りづらかったと思う。ファン投票1位の平原君なので、早い段階から内コースを行くということはないかったです。最後の最後に見極めて踏みました」

【12日・2日目】

<7R>

野原雅也選手
野原雅也選手
 野原雅也(写真)は7月福井記念を優出など、グレードレースでも好走を披露。今年初のGIでも、進化した機動力で勝ち上がる。
 「(出走が)2日目になったけど、1日準備ができるので。(最近は)結果も良くなってきているし、練習もしっかりできている。いいんじゃないですか。でも、FIだと予選スタートなんで、(別線に警戒されて)やりづらい。小さいレースになってしまっています。一次予選はしっかり展開を見て、勝ち上がれるように」
 野原の番手を回るのは椎木尾拓哉。前回の弥彦記念で準Vを果たすなど、持ち前の鋭脚に磨きがかかっている。
 「夏になってきて、感じが良くなってきています。(好調の要因は)日々の積み重ねですね。セッティングはほとんどいじってないので。弥彦の前まで連戦だったので、弥彦を帰ってからは休みながら練習をばっちりやってきました。疲れは大丈夫です」
 和田真久留は、前回の宇都宮FIを115着。信頼する先輩を背にして、積極的に攻める。
 「宇都宮自体は良かったんですけど。決勝で隙というか、ヨコの脆さとかいうか。そういうのが微妙な感じでしたね。(2日目に出走は)オーバーワーク気味だったから、ちょうどよかったとプラスに考えて。後ろも信頼している内藤(秀久)さんなので、そういう組み立てをしたいです」

<8R>

太田竜馬選手
太田竜馬選手
 四国勢の未来を担う太田竜馬(写真)がGIに初登場。近況は小松島記念で1116着と好走すると、前回の岸和田FIを222着のオール連対。気配良く乗り込んできた。
 「(岸和田を走った感触は)安定してきましたね。岸和田の決勝が一番軽かったです。(初のGIは)攻めたいですね。ここまでは中5日で台風もあったけど、それなりに乗れました。(状態は)普段通りだと思います。(前回の岸和田が良かったので)悪くなっていなければいいですね。目標はないです。力を出し切れれば」
 落車の影響で一息の成績が続く山田義彦。不振脱出に向けて気合いを入れた。
 「(近況は)落車の影響で反応できていなかったです。動ければ勝負できるので、動いていくしかない。(200勝まであと1勝だが)前までは意識していなかったんですけど、最近になって意識してきました。ここで、決められるといいですね」

<9R>

石井寛子選手
石井寛子選手
 石井寛子(写真)はガールズケイリンフェスティバルを優出するなど、変わらずの安定感。妹の貴子との初対決にも注目が集まる。
 「疲れもないし、状態はいいと思いますよ。前回の西武園(126着)は調子が良かったんですけど、結果はそんなに良くなかったですね。(姉妹対決は)楽しみっていうのもあるけど、やりづらさもありますね。でも、初めてのことだし、お客さんも珍しいと思う。これでガールズがおもしろいと伝えられれば」
 賞金ランキングで上位につける長澤彩。ここで結果を出して、年末のガールズグランプリに近づけたい。
 「ガールズケイリンフェスティバル(564着)は、調子が良いと思っていたけど、空回りしてしまいましたね。自分のダメなところが出てしまいました。前回(豊橋)はセッティングを変えていったんですけど、感触は悪くなかったです。(ここで結果を出せばグランプリも)見えてくると思うので、なんとか頑張りたい」
 小林莉子は、7月松戸の決勝で落車失格の憂き目。状態が気がかりだ。
 「落車してから、すぐに手術して。2日後から自転車に乗っていました。その間トレーニングができなかったし、全身麻酔の影響もあるかと思って。早めに動き出せば、ここに向けて間に合うかなと。ガールズケイリンフェスティバルに出られないのはわかっていたので、基礎練習からトレーニングをしてきました。なかなか、レースがつまっているとそういう時間も取れないので。優勝目指して頑張ります」
 石井貴子はビッグレースに初参戦。姉・寛子を意識しつつ、好走を誓った。
 「単発レースは初めてなんですよ。普段は初日を走ったら調子がわかるんですけど、それもないですし。指定練習を走って状態を確かめます。(姉妹対決は)私なりに考えて走ります。優勝を狙っていきたい」

<10R>

諸橋愛選手
諸橋愛選手
 前回の弥彦記念で諸橋愛(写真)は、逃げた渡邉雄太の番手から追い込み悲願の地元記念制覇。これ以上ないリズムで今度はGI獲りをにらむ。
 「(地元記念の優勝は)やっぱり違いますね。狙い撃ちしてただけにうれしいいです。(優勝した)次の日から気持ちを切らさないように乗っていました。気疲れはあったけど、練習だけはしていました。(地元記念Vで)終わりじゃないんで、やっぱりGIですから。(シャイニングスター賞へは1着権利なので)そこを狙っていきたい。あんまり先行選手がいないから、よく考えて」
 5月ダービー、6月の高松宮記念杯とGIで連続優出の山田英明は、前回の福井記念でまさかの二次予選敗退。しかしながら、その後は連勝で今シリーズへとつなげた。
 「暑かったので、そんな追い込んだ練習はやってません。いつもと変わらずですね。(GIの決勝には)よく乗れたなって思うけど、過去のことなんで、もう気にしてないです。それでも(決勝に)乗れないと、獲れないので決勝には乗りたいです」

<11R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 地元の渡邉一成は、サマーナイトフェスティバルを準V。準決では新田祐大のまくりを差し切るなど、状態は上向いている。1月当所記念でVを決めた新山響平の番手から、再び白星を狙う。
 「(ここまでは)もう練習漬けです。もちろん、目標にしていた今年一番のヤマだと思います。(Vを決めた1月当所)記念が予行演習だと思って、ほんと緊張しましたけど、いい結果を残せたので。今回は気持ち楽に走れるなと思います。(地元記念を制覇して)ちょっと大きく、一歩成長できたかなとは思いました。(オリオン賞は)新山君はここのために頑張ってきたっていう風にも言ってましたし、最近のレースも上向きだし任せてくださいと言ってくれたので、信頼して付きたいと思います」
 前回の7月福井記念で落車した郡司浩平(写真)だが、「そんなにひどくはなかった」と、状態に問題ない様子。年末のグランプリに向けて巻き返しを誓った。
 「(ここまでは)何日か気持ちの切り替えもあったので、休養したんですけど。ここ来る前は合宿とかもして、やってきたので。ちょっと空いたし、時間があってよかったです。しっかりとここに向けてはやったつもりです。走るからにはしっかり走りたいし、言い訳はしません。ここで流れを戻せれば」
 脇本雄太は7月福井記念、続く川崎ナイターGIIIを優出など、本業でも流れを手繰り寄せている。
 「福井記念は本当に優勝できてよかったです。川崎(GIII)の方は、前検日にちょっと腰痛が出て不安もあったんですけど、決勝にも上がれて、自分らしいレースもできたんで、調子は悪くないと思います。(競技との兼ね合いでハードスケジュールだが)こればっかりは慣れないといけないと思うので、しっかり頑張りたいと思います。(ここまでは)腰痛がひどかったので、練習もほとんどやらずにケア中心に。疲れもたまっていたので。(オリオン賞は)川崎GIIIの優秀みたいに、(単騎で)気楽に一発狙っていきたいと思います」