『第76回日本選手権競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:5月2日

 いわき平競輪場を舞台に輪界でもっとも権威のあるタイトル「第76回日本選手権競輪(GI)」が、5月3日にロングラン、6日間シリーズの幕を開ける。地元の佐藤慎太郎や2月に行われた今年最初のGI、全日本選抜を制した古性優作らS級S班9人が勢ぞろいする。輪界のトップ162人のなかで輪界の頂点に立つのは誰だ。前検日の5月2日は、選手各々が入念な調整をして、激戦の幕開けに備えた。
 なお、開催中は福島県新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に基づきまして、一般入場の場内滞留人数の上限を4000人とします。4000人を超えた時点、入場規制をしますので、ご了承ください。いわき平競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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阿部力也選手
阿部力也選手
 オープニングは北日本勢が強力な布陣。阿部力也(写真)は、高橋晋也、飯野祐太の地元師弟コンビの後位を固める。
 「(前々回の)平塚はかなり調子が良くなってた。仕上がるのが早すぎたかなっていうのがありました。そのあとに練習をしたら、疲れが残ってて(前回の)高知はあんまり良くなかった。そのあとは疲れを取ることを意識して練習してきた。仕上がってきているかなと思います」
 3月、ホームの当所FIを125着で決勝にコマを進めている飯野祐太は、弟子の仕上がりに目を細める。
 「弟子の(高橋)晋也とは、直前も一緒に練習した。(高橋は)103点の脚じゃなかったですよ。かなり仕上がってたし、110点くらいの力はあると思う。自分ですか、150点くらいに仕上がりました(笑)。晋也とは何度も連係していますし、GIでも連係がある」

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中本匠栄選手
中本匠栄選手
 3月ウィナーズカップのあとは、別府FIを625着、高知FIを352着と勝ち星のない中本匠栄(写真)だが状態はどうか。
 「(前回は)ちょっと自分が思ったよりも良くなかった。ただ、原因がわかっているんで、今回に向けて調整をしてきました。乗り方だったりポジショニングを調整しました。ここは直線が長いので、そこを考えて走りたい」
 2月全日本選抜での落車による怪我の影響が残っている根田空史だが、復調気配がひしひしと伝わってくる。
 「(落車で骨折した)鎖骨に入れてあるワイヤーが出てきてしまったので、切ったら動きやすくなりましたし、自転車にも乗りやすくなりました。(一次予選は)車番は悪いですけど、うまく立ち回れるように頑張りたい」

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渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 渡邉雄太(写真)は、直近の3場所で西武園、豊橋とFIを2Vと乗れている。前回の青森FIの517着から2週間以上空いた。
 「深谷(知広)さんたちとバンクで練習をしてました。(体調の方も)順調です。(平のバンクは)なんか走りやすいような気がします」
 前回の宇都宮ミッドナイトを317着で手ごたえを得た中西大が、村上義弘と連係に気持ちを込める。
 「ここ何場所かはなんとかしのいでいる感じでしたけど、前回の宇都宮(の準決)は2分戦で7車立てっていうのもありましたけど、しっかりと先行して残れているので状態的には上がってきている感覚がありますね。(一次予選は)村上さんに任せていただけたので、自分の力を出し切れるように」

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神山拓弥選手
神山拓弥選手
 近況は安定した戦績を残している神山拓弥(写真)は、勝ち星こそ少ないものの、3月の地元、ウィナーズカップ優出など要所での動きは悪くない。
 「(前回の)豊橋は新車だったんですけど、違和感なく走れました。そのあとは腰痛で休んだ。(一次予選は)森田(優弥)君をしっかりと追走したい。(連係は)結構、決まってるんじゃないかと」
 試行錯誤をした森田優弥は、前回の西武園FIで答えを出して大一番に臨む。
 「前々回の大垣は新車を使ったけどダメだった。それで前回の西武園から去年使っていたフレームに戻したら、感じは良かったです。(一次予選は)しっかりと存在感を出せるように頑張りたい」

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荒井崇博選手
荒井崇博選手
 地元、武雄記念では2勝をマークしている荒井崇博(写真)は、そこから中5日。一次予選は、武雄の最終日でも連係した松岡貴久と番手、3番手で岩谷拓磨に託す。
 「武雄が調子が良かったんで、(ここまで)そのままきていると思います。岩谷君次第だけど、頑張りたい。(岩谷との)連係は初めてだと思います」
 前回の高知FIを726着の黒沢征治は、成績以上に手ごたえを感じている。
 「前回の高知から新車に乗り換えてセッティングも出ているので大丈夫だと思います。ここ最近は平原(康多)さんと一緒に練習をさせてもらって、いい刺激をもらえているので頑張りたいですね」

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神田紘輔選手
神田紘輔選手
 3月を練習に充てた野原雅也は、現状の課題を冷静に踏まえて一次予選を迎える。
 「あっせんが止まっていた期間にトレーニング方法や乗り方を変えたりいろいろと試してきて、良くなってきている部分もあります。けど、末の粘りがいまの課題ですね。でも、初速はすごく良くなりました。(一次予選は)しっかりと勝ち上がれるように立ち回りたい」
 その野原に委ねて番手回りの神田紘輔(写真)は、好メンバーだった平塚記念も含めて4場所連続の優出中。
 「前回(岸和田)から新車にした。感じもいいので、明日(一次予選)もそれにします。しっかりと練習もできて感じがいいんで、仕上がっていると思います」

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山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 地元のダービーでグランドスラムをかける山崎芳仁(写真)だが、気負いはない。10日以上空いた今シリーズも自然体で、目の前の一戦に集中する。
 「自転車はいじってなくて、走り方を変えたりしたけど、うまくかみ合ってないですね。前回がダメだったんで、今回は頑張りたい。しっかりと練習をしているので、(チャンスがくればモノにできる)そういう脚はある」
 前回の函館FIを332着。決勝は見せ場たっぷりのまくりで準Vの野田源一
 「ちょっとずつ良くなってきていますね。3月まではレース間隔が詰まっていて、まとまった練習できていなかった。けど、4月に入ってからは月2本になったので、やりたい練習ができていますね。今回は前回の函館よりも上積みがあると思うので頑張りたい」

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中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 松山FIで今年2度目の優勝を遂げた中川誠一郎(写真)は、その後四日市などの欠場もあって約1カ月半近く空いた。
 「(欠場は)腰痛です。リフレッシュというわけではないので、ちょこちょこ休みながら(練習を)やってました。(状態的に)走れるのは、走れると思います」
 小松崎大地は、前回の武雄記念2247着から中5日。目に見えない疲労の蓄積もあったようで、地元のGIには抜かりないコンディショニングを施した。
 「前回の武雄は自覚症状はなかったんですけど、終わって帰ってから疲れが溜まっていたなって感じたので、しっかりケアをして今回に備えました。直前の感覚は前回とは全然違って、すごく良かったですね」

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成田和也選手
成田和也選手
 2月全日本選抜、3月ウィナーズカップと今年はビッグで連続の決勝進出。地元の大一番に成田和也(写真)は、好調をキープしているようだ。
 「(前回の)川崎はいい感じで走れました。そのあと2週間あったんで、しっかりと練習して調整もしました。普段通りやれることをしっかりととやってきた。(一次予選で連係する松井宏佑は)ダッシュが強烈なんで、(そこを注意して)追走したい」
 ナショナルチームでイギリスのグラスゴーでの競技大会に出場していた松井宏佑は、時差もあっただけに調整が簡単にはいかなかっただろう。
 「ネーションズカップがあって、イギリスから帰ってきたのが先週の火曜日です。直前は追い込むというよりも、疲れが抜けるように調整してきました。成田さんとは去年の小田原記念で連係してワンツーだったので、今回も決められるように頑張ります」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手
 3月の玉野記念Vも含めて、直近の5場所は17戦14勝。驚異の勝率を残している脇本雄太(写真)が、初日の一次予選のトリを務める。
 「調子自体も徐々に良くなっている。4月は番手戦が多くて、わからないところもあって、感覚がつかめてない。FIで7車立てばっかりだったので、9車立てに戻ってどうかなっていうのがあります」
 フレームを戻した前回の武雄記念は一、二次予選を連勝。三谷竜生が上昇カーブを描いている。
 「前々回の前橋は別のフレームを使ってダメだったけど、前回の武雄は戻して感覚が良かったですね。2日目は先行で逃げ切れましたし、最後までしっかりと踏み切れましたね。練習の感じも良くなってきているので、調子自体も上がってきています」

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渡邉一成選手
渡邉一成選手
 前回の松戸FIを114着で好感触を得た渡邉一成(写真)は、17年のオールスターを制した地元バンクのダービーを特選スタート。
 「(松戸は)ようやく上向いてきたかなと。松戸はすごくいい状態で走れたし、自然とここに向けて状態が上がってきた。(初日に連係する新山)響平は(イギリスの競技大会の)ネーションズカップを見ても走れていると思う。期待したいですね」
 3月のウィナーズカップで4度目のビッグ制覇を遂げた清水裕友は、そこから1カ月以上が空いた。
 「(ウィナーズのあとは)ちょっと体調を崩してしまって走れなかったです。(直前の感触は)それなりかなと思います。練習に関しては、影響はそこまで感じてはいません。レース勘は問題ないと思うけど、体がレースでどうかなというところだけですね」
 昨年8月の当所オールスターでは、脇本雄太の番手で初のタイトル奪取となった古性優作は、その後年末のグランプリを獲り、2月には全日本選抜を優勝した。
 「(ここまでは)しっかりトレーニングしてきました。(平では昨年のオールスターを制しているが)脇本(雄太)さんに優勝さしてもらいましたし、相性はいいバンクかなと思います」