『第76回日本選手権競輪(GI)レポート』 初日編

配信日:5月3日

  いわき平競輪場を舞台に輪界でもっとも権威のあるタイトル「第76回日本選手権競輪(GI)」が、5月3日に始まった。初日のメイン、特選では、浅井康太がシャープに伸びて1着。2着の清水裕友、3着の諸橋愛の上位3人が、4日目の「ゴールデンレーサー賞」に進んだ。また、一次予選では飯野祐太、高橋晋也の師弟コンビがオープニングで勝ち上がると、伏見俊昭、山崎芳仁、小松崎大地、成田和也が二次予選に進出。初日一次予選に出場した地元勢全員が勝ち上がった。5月4日の2日目には、特選2個レースと残りの一次予選の5個レースで勝ち上がりが争われる。
 なお、開催中は福島県新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に基づきまして、一般入場の場内滞留人数の上限を4000人とします。4000人を超えた時点、入場規制をしますので、ご了承ください。いわき平競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

25回連続出場で表彰を受ける小倉竜二選手
25回連続出場で表彰を受ける小倉竜二選手
20回連続出場で表彰を受ける三宅達也選手
20回連続出場で表彰を受ける三宅達也選手
敢闘宣言をする佐藤慎太郎選手
敢闘宣言をする佐藤慎太郎選手
第76回日本選手権競輪が開幕する
第76回日本選手権競輪が開幕する

<1R>

飯野祐太選手
飯野祐太選手
 前受けの高橋晋也は、誘導を残したまま赤板前に下げる。近藤隆司、原田研太朗、稲毛健太の順番で各ラインが出て、高橋に早めに仕掛けどころが訪れる。打鐘で楽に先頭に立った高橋がレースを支配。別線は動かず、最終ホーム過ぎからペースを上げた高橋が逃げる。番手で車間を空けた飯野祐太(写真)は、弟子の高橋を目標に絶好の展開をモノにした。
 「素直にうれしいですね。(高橋)晋也のタイミングで行って力を発揮してくれればって思っていました。(高橋は後ろで見ていて)落ち着いているなと。普段一緒に練習をしているので、どんなダッシュで、どんな掛かりでタレ具合もわかっていた。それで自分も落ち着いて車間を空けられました。でも、ちょっと(阿部)力也に悪いことをしました。原田君が来るとは思っていなかった。3コーナーでは見えていなかったんで。気付いた時には横にいました。油断ではないんですけど。脚は悪くないと思います」
 打鐘で主導権を握った高橋晋也は、別線を引きつけてからペースアップ。後続を一本棒にして風を切り、長い直線を3着に踏ん張った。
 「勝ち上がれたのは素直にうれしいですけど、ラインで決められなかったのは悔しいですね。風は強かったですけど。思ったよりも全然、掛かっていなかったと思います。脚の状態は悪くないですけど」

<2R>

東龍之介選手
東龍之介選手
 九州コンビを受けて根田空史が打鐘で3番手に入る。6番手に長島大介、竹内翼が8番手で最終ホームを通過する。逃げる伊藤の掛かりもいいが、バック手前から長島がまくる。根田が3コーナー過ぎに長島に合わせるように外に膨らんで、その内を踏んだ東龍之介(写真)が伸びて1着。
 「(根田は)好位を取れてたんで、まくり追い込んでくれればと思ってました。そしたらちょっと上にもっていく感じだった。(根田に)ああいう展開をつくってもらって、(岡村潤に)番手を回らせてもらって1着だった。今日(初日)はとくに気張ることもなく、平常心で走れたかなと」
 伊藤の番手で好展開が巡った中本匠栄は、内、外を警戒しながら追い込んだ。
 「あれで(竹内)翼が来てくれれば、(伊藤は)出したと思うんですけど。来なかったんで、風が強いなかで先行してくれた。自分はギリギリまで待ったけど、あれ以上待つとっていうのもあったんで踏ませてもらいました。前回(高知)よりしっかりと疲れも抜けて調整できてるんで、(調子は)問題ないと思います」

<3R>

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 赤板2コーナー手前で切って出た渡邉雄太(写真)は、ソツなく近畿コンビを出させて3番手の好位を確保する。中西大はそのままペースを落とさずに駆ける。前団との車間を空けた渡邉は、詰める勢いで最終2コーナーから仕掛ける。村上義弘のブロックでスピードは鈍ったものの、渡邉が中西をとらえて後続をちぎった。
 「車間を切ることができたし、行けるタイミングで行けた。けど、(中西)大さんの踏み直しと、村上さんのブロックがあってキツかったです。乗り越えてからも、(ゴールまで)遠くてヤバいと思った。なんとか乗り越えられた。ここに向けて深谷(知広)さんたちと仕上げてきたので1着で良かった」
 渡邉マークの内藤秀久は、村上にからまれるも3車身離れて2着をキープした。
 「(渡邉)雄太がまくりにいって、村上さんにいいブロックをもらっていた。けど、(渡邉は)止まってないから、村上さんの(自分に対しての)2回目はないと油断した。ヤバいと思ったが、調子がいいから踏み勝てました。コーナーの洞察力をもっとしっかりすれば、(田中)晴基までいけたかなって。川崎記念の失格でひっ迫して、崖っぷちなので、気持ちが入っている」

<4R>

菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 打鐘手前で取鳥雄吾が出て、中四国ラインの主導権。4番手は坂本貴史(イン)と森田優弥での併走になり、決着がつかないまま最終ホームを通過する。1コーナーから踏み込んだ森田は、高原仁志とからみながらも前に迫る。4コーナー手前で森田がまくり切り関東勢での直線勝負に思われたが、後方から強襲した菊地圭尚(写真)が外を突き抜けた。
 「ああいう展開になるかなって思っていた。森田君がいる時点で、なにをしてくるかわからなかった。ここの競輪場は直線が長いので助けられましたね。坂本君が頑張ってくれたので、外を踏むタイミングができたと思う。ラインのおかげ。最近は感覚が良くなってきていたので、気持ち良く踏めました」
 森田マークから追い込んだ神山拓弥は、森田をねぎらいこう振り返る。
 「森田君が頑張ってくれた。相当、苦しい展開だったと思うんですけど、まくり切ってくれた。(ラインの)3人では決められなかったですけど、僕と柿澤(大貴)君にチャンスが生まれた」

<5R>

荒井崇博選手
荒井崇博選手
 黒沢征治が先頭に立った打鐘の3コーナーで、岩谷拓磨は構えることなく強引に仕掛けて出る。最終ホームで岩谷が叩き切り、雨谷一樹のけん制を乗り越えた荒井崇博(写真)、松岡貴久まで続く。切り替えた雨谷がバックからまくるが、荒井が止めて抜け出した。
 「(岩谷は仕掛けを)とりあえず待とうかって感じだったんですけど、風が強いし、(バンクが)重たいんで、結果正解でしたね。(自力に転じた雨谷は)頭数に入れてなかったので焦ったけど。(岩谷が)あそこまで行ってくれたし、きれいに止めたんで1着を取りにいった。あれで(松岡)貴久まで連れていければ良かった。(状態は)たぶんいいかなと」
 後方からまくり気味に追い込んだ島川将貴があおりで外に膨らむと、門田凌が中のコースを追い込んだ。
 「シマちゃん(島川)は思ったよりも踏んだんで脚を使ったのかなと。(最終3コーナー過ぎからは)シマちゃん、ゴメンと思って内を踏ませてもらいました。2着なんで、自分としては可もなく不可もなくですかね。シマちゃんのおかげです。練習の感じはいいんですけど、それがレースになると出てない。そこが修正できたらと思います」

<6R>

宮本隼輔選手
宮本隼輔選手
 じわりと先頭に立った野原雅也は、ペースを落として別線の動向をうかがう。打鐘で宮本隼輔(写真)が押さえて出て、野原は番手に飛び付いたように見えたがインから宮本をすくう。4コーナーから大石剣士が仕掛けるも、野原が合わせて、神田紘輔が大石を止める。中団からまくり気味に追い込んだ宮本が直線で伸びて、伏見俊昭、神田とのゴール勝負を制した。
 「流れに乗ってと思っていましたけど、まさか(野原に)突っ張られるとは思わなかったですね。そこから、冷静には走れたと思います。気持ちは入れて走れた。そんなに強くないし、ここに向けてというより、いつか戻れるようにと思ってやってきた」
 大石が合わせられると、伏見俊昭は最終1センターでいったん中団に降りて再度外を追い込んだ。
 「大石君は徹底先行だし、前からカマそうとしていました。けど、GIクラスでリスクもありましたね。一発狙うくらいの気持ちじゃないと、ラインでは決まらないですから。駆けているのが野原君で、合わされそうだったので宮本君のところに降りようと思いました。リカバリーができたのは地元の意地です。宮本君に出ていかれて厳しいと思ったけど、(最終)2センターから4コーナーの山降ろしでどこまでかなって。ダービーは勝ち上がるのと、そうでないのでは全然違うので今日(一次予選)のは大きい」


<7R>

久米康平選手
久米康平選手
 出切った山田諒を目標に、赤板2コーナーから踏み込んだ野口裕史が主導権を奪い、山崎芳仁、永澤剛まで続く。久米康平(写真)が4番手に追い上げる。番手の山崎芳仁に流れは向いたが、最終2センターから外に持ち出した久米が最後のハンドル投げでわずかに抜け出した。
 「最近はうまくいかないことが多かったので、キッカケにしたいですね。車番が悪かったので前か後ろかって考えた時に、どっちも一緒だなと。だったら前からって感じでした。あの展開になれば野口さんの4番手に切り替えられるかどうかと、山田君のところが空いているかだと思った。ポイント、ポイントはうまくこなせたのかなって。(前回の)落車の影響はないですし、かなりつかみかけている感じはあった」
 8番手に置かれた野田源一は、最終2コーナーからまくりを打つ。前が遠かったが、外を伸びて2着には届いた。
 「山田君を突っ張るか、山田君のペース次第で考えるか。ちょっと久米君の動きが想定外で、やり合ってくれれば面白かったんですけど。風は気にならなかったですけど、吉田(敏洋)君もタテ脚があるので、自分が行った時に合っちゃったら嫌だなって思って、仕掛けが遅れてしまいました」

<8R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 松本秀之介を押さえた小松崎大地が先頭に立つ。打鐘の3コーナーから竹内雄作が巻き返して、最終ホーム手前で出切り先行策に出る。小松崎は近藤龍徳が遅れた3番手に飛び付く。7番手の松本が2コーナーからまくるも中団まで。近藤とからんだ和田圭が遅れて、小松崎後位に中川誠一郎(写真)が降りる。3番手から踏んだ小松崎の外を中川が鮮やかに追い込んだ。
 「(松本は)いいところで仕掛けてくれたんですけどね。今日(初日)は意識してなかったけど、もうちょっと自分が我慢したら、(松本)秀之介は伸びたかなって。そこは心残りです。和田君も遅れてたし、吸い込まれるように反応してしまった。僕の動きは悪くない。しっかりとここに向けて調整もして、それがうまくいったかなと」
 レースの流れに柔軟に対応した小松崎大地は、松本に合わせてまくり気味に追い込んだ。
 「自分が出たタイミングがいいペースだったんで、竹内君も来るのがキツいだろうと、踏んで待っていた。もう(竹内に)出切られるスピードだったんで、あとは合ったところでと。そしたら(中部勢の)3番手が空いてたんで、とっさの判断でした。(3番手からの仕掛けは)自分のタイミングで行けなかったし、竹内君が掛かってたのですごく苦しかった」

<9R>

皿屋豊選手
皿屋豊選手
 関東3車が出て、末木浩二がペースを握る。松井宏佑は後方まで下げることなく、4番手で皿屋豊(写真)と併走になる。慌てることなく、末木は最終ホームから徐々にペースを上げていく。4番手外併走から皿屋が2コーナーからまくり、番手発進の杉森輝大をのみ込んだ。
 「松井君は引くと思ったけど、引かなかったんで、それなら外併走でまくれると思ってあの形になりました。松井君が断トツだったので、そこを封じればチャンスがあると思っていた。前回の向日町で外併走でコケて、師匠(舛井幹雄)と外併走の練習をしてきたのが良かった。脚は溜まっていたので、番手から出られてもいける自信はありました。(前回の落車は)怪我もなくて、逆に体に刺激が入っていいですね」
 目標の松井がインに封じ込められて、成田和也は最終2コーナーで長尾拳太をさばいてアシスト。松井が皿屋を追いかけて、成田は直線で中のコースを伸びて3着の松井とともに勝ち上がった。
 「松井君を入れてから、行けるだろうなと思ったが、(皿屋に)合わされていましたね。皿屋君を抜ければ良かったが、もう少しでした。今日(初日)は1着で通過したかったです。(ここまで地元の福島勢が全員が勝ち上がってたので)自分も続かないとって思っていました」

<10R>

脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)は、周回中で7番手のポジショニング。5番手の松岡辰泰が前と車間を切ってけん制するも、脇本が赤板2コーナー手前から踏み込む。合わせて動く小林泰正、突っ張る染谷幸喜をスピードの違いで脇本が叩く。脇本が主導権を握り、最終ホーム手前から仕掛けた松岡は三谷竜生の横まで。余裕をもって合わせた脇本が、危なげなく押し切った。
 「先行自体が3月ぶりだったので、わからないこともあった。まだ反省点はありますけど、とりあえずホッとしています。良くも悪くも普通だと思います。(周回中は後ろ攻めとなったが)いつも通りの自分の走りができると思った。踏めているっていう感覚は残っています。出し切れているけど、納得しているかっていわれたら、まだまだですね」
 最終2コーナーで松岡を弾いた三谷竜生が、そのまま脇本に続いて追い込む。が、脇本を4分の3車身まで詰めるのが精いっぱい。
 「ずっと脇本君のペースって感じでしたね。出切れるっていうのがあったと思う。ちょっと抜ける感じはなかったですね。新しいシューズにしたけど、ちょっといろいろ考えて調整したい。ついて行く分には問題はないので、抜けるように」

<11R>

浅井康太選手
浅井康太選手
 打鐘手前で眞杉匠が主導権を握るが、すかさず新山響平が襲い掛かる。眞杉が突っ張り切って、3番手に新山が入る。古性優作が4番手に続いて、外に浮いた渡邉一成は後退する。再度、最終2コーナーから仕掛けた新山は進まない。3コーナーから清水裕友がまくり追い込むと、古性マークの浅井康太(写真)は、清水を外に振って返す刀で内に切り込む。直線で諸橋愛と古性の間を浅井がシャープに伸び切った。
 「全部、古性君に任せていた。選手紹介でも感じは悪くなかったし、自分は(古性に)しっかり付け切ることをと。(3番手に入った)新山君が行き切れないでバックを踏む状態だった。あれで清水君には行かれたくないっていうのもあったんで、外をちょっとだけ踏んであとは内を狙ってました。厳しいコース取りになったけど、なんとか抜け切れたんで良かった」
 6番手で脚を溜めた清水裕友は、最終3コーナーからまくり追い込んで上々の伸びを見せた。
 「前受けはあんまり嫌だったんですけど、けん制も入ったのでそれならと。作戦とは違いましたね。後ろでやり合いになって放置される展開だった。古性さんは自分より前にいて、北日本は浮いていた。それで最低でも中団はあるかなと思ったんで、落ち着いて仕掛けようと。自分のGIは初日(1走目)がすべてみたいなところがあるんで、(4日目の)ゴールデンレーサー賞に進めて良かった」
 眞杉が北日本勢を制して主導権を死守。番手の諸橋愛は、最終4コーナーから追い込んだ。
 「想定内の展開だったし、新山君が3番手に入ってくるのも読んでいました。全部、予定通りだったけど、(眞杉は)1周半いってたので、最後はタレていた。あれでバックを踏むなら前にと思って踏みました。勢いをもらうのと自分で踏み上げていくのは違う。このメンバーなんで追い込まれるかなと思ったけど、なんとか3着まで入れた」

<2日目5R 一次予選>

松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 松谷秀幸(写真)は、前回の川崎記念を1128着。決勝は郡司浩平のまくりに付け切れず課題を残した。
 「(川崎の決勝は)不甲斐なかったですね。前回よりは今回の方がいいと思います。順調に練習ができたんで、徐々に良くなってきていると思います」
 前回の地元、小松島FIで3連勝の完全Vを遂げた小川真太郎は、前々回の川崎記念では車体故障の二次予選を除いて3勝と近況は白星ラッシュ。
 「川崎記念からいい感触で走れていて、地元戦(小松島)で新車を使ったらさらにいい感じで戦えましたね。ここまでいい流れでこられていますし、今回は頑張りたいです」

<2日目6R 一次予選>

吉澤純平選手
吉澤純平選手
 前回の松戸FIを651着から中5日の吉澤純平(写真)が、順調をアピールする。
 「(練習では)いろいろ試しながら、ひとりでやってきました。体の方は全然、問題ないです。平もそんな悪いイメージはないし、大丈夫だと思います」
 前回の武雄記念で上々の動きを披露した柴崎淳は、気温の上昇とともに着実に状態を上げてきている。
 「前回の武雄に行く前くらから練習の感じも良くなってきていた。準決で松浦(悠士)君を出させず駆けられたし、感触も良かった。あれは自信にもなりましたね。やっぱり気温が上がってきて、体が動くようになってきたのも大きいです」

<2日目7R 一次予選>

和田真久留選手
和田真久留選手
 ホームバンクの平塚記念5124着から中3週と、和田真久留(写真)がゆとりのローテーション。
 「(平塚)記念のあと腰を痛めて、最初は療養してそのあと練習ができました。ある程度、いい状態までもってこられたかなと。ここ(平)は風だったり、直線が長かったりもあるけど、成績が出てるんで気持ち良く走れている」
 2月の全日本選抜から3場所連続で落車に見舞われた小原太樹は、その後の岐阜、大垣のFIを連続して優出。
 「3回続けて落車したのでかなりダメージはありましたけど、徐々に戻ってきている感じはありますね。(和田)真久留とは何度も連係していますし、いつも頑張ってくれるので番手で頑張ります」

<2日目8R 一次予選>

町田太我選手
町田太我選手
 前回の武雄記念で新車を投入した町田太我(写真)は、3連対で絶好の手ごたえをつかんで、引き続き同じフレームで迷いなくGIに挑戦する。
 「新車の進みも良かったんで楽しみです。そこからも順調にきているんでいいと思います」
 渡部幸訓は、今シリーズが3月のウィナーズカップでの落車からの復帰場所。地元のGIに慎重な姿勢を崩さない。
 「去年の(8月の)地元オールスターはいい感じで頑張れましたけど、今回は落車明けなのでどこまでやれるかって感じですね。左の肩甲骨を骨折してしまって、もう可動域制限はないんですけど」

<2日目9R 一次予選>

太田竜馬選手
太田竜馬選手
 太田竜馬(写真)は別府FIを完全V、続く前回の四日市FIを115着。FIシリーズではさすがのスピードを見せていた。
 「悪くないし、(調子も)問題ない。いい状態をキープできていると思います。(前回で)ちょっと疲れた感じがあったんで、その疲れを取る感じでやってきた」
 4月の平塚記念の初日に落車に見舞われた岡崎智哉の状態はどうか。
 「平塚で落車して擦過傷がひどかったので、帰ってからは少しはゆっくりしました。けど、逆にここに向けてと思ってしっかりと調整してこられたので、落車の影響はもうないと思います」

<2日目10R 特別選抜予選>

平原康多選手
平原康多選手
 平原康多(写真)は、前回の武雄記念優勝で大宮、大垣に次いで今年3度目の記念V。弾みをつけて武雄記念の決勝でも連係した吉田拓矢との初日特選からスタートを切る。
 「(武雄記念は)まあまあだったですね。(今年は)一番最初(の立川記念)に落車してしまってどうなるかなと思ったんですけど、少しずつ立て直せていると思います。(ここまでいろいろやってきたことも)ある程度は煮詰まってきたと思います」
 平原がV奪取した武雄記念の決勝で果敢に積極策に出た稲川翔は、冷静にこう振り返る。
 「(前回の武雄記念は)日に日に良くなったって感じで。初日は逆にすごく悪くて。悪いからいろいろ考えて良くなったって感じです。(最終日の先行は)自分は村上(義弘)さんが後ろなんで、しっかりチャンスある走りをしないとっていう必死の走りでしたね」
 松浦悠士との同着優勝だったホームの川崎記念から、郡司浩平は2週間をダービーに向けたトレーニングに充てた。
 「(平塚記念、川崎記念と)連戦でしたけど、その気持ちのままっていうか、しっかりダービーに向けてやってきた。そこら辺(状態)は変わりないと思います。(川崎記念のあとは)少し疲れを取りながら、いつも通り練習は追い込めたので良くも悪くも普通の状態で来られたなと思います」

<2日目11R 特別選抜予選>

松浦悠士平選手
松浦悠士選手
 奈良、川崎記念の優勝を含めて今年は8場所すべてで決勝に進んでいた松浦悠士(写真)だったが、前回の武雄記念は準決4着で優出を逃した。
 「(武雄は)感触自体はかなり良かったです。レースの判断ミスだったり、自分のペース配分のミスだったり、それが響いたかなという感じです。(ここまで中5日だが)しっかり練習とケアをして、昨日(5月1日)の感触はかなり良かったので大丈夫だと思います」
 ダービーに照準を絞りハードなトレーニングをこなしてきた深谷知広の仕上がりはどうか。
 「(前回の川崎記念のあとは)計画的にいい練習はできたと思います。質の高い練習はできてると。あとはもうしっかりここからレースに向けて準備するだけです。(平は)走りやすいバンクですし、そういう面で不安はないです」
 山口拳矢は、前回がミッドナイトの宇都宮112着。そこから中4日とタイトなスケジュール。
 「(前回がミッドナイトで)ミッドボケが2日くらいあったんですけど、しっかり直してきました。(そこから日にちもなくて)ガッツリ練習というよりはリカバリーメインでやってきました。(状態は)とくに問題はないです」