『第78回日本選手権競輪(GI)レポート』 初日編

配信日:4月30日

 今年の舞台はいわき平競輪場。輪界でもっとも権威のあるタイトル、令和6年能登半島地震復興支援競輪・大阪・関西万博協賛「第78回日本選手権競輪(GI)」が、4月30日に幕を開けた。初日のメイン、特選は、関東ワンツー決着。坂井洋のまくりを差し切った武藤龍生が1着。武藤、坂井に3着の和田圭の上位3人が、4日目の「ゴールデンレーサー賞」に進んだ。また、一次予選では山崎芳仁、成田和也のタイトルホルダーに小松崎大地が地元で白星発進。場内は、地元勢の活躍に沸いた。シリーズ2日目の5月1日は、特選2個レースと残りの一次予選で勝ち上がりが争われる。
 ダービーシリーズは開催中の毎日、ふくしま銘菓を先着で1000個プレゼント、グッズ販売、ワットバイク体験などの地元選手会コーナー、グルメブースなどが予定されています。また、5月1日の2日目には、「けっぱって東北」のライブ、「ハーラウ・ラウラーナニ」のフラショーなども行われます。いわき平競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

第78回日本選手権競輪開会式
第78回日本選手権競輪開会式
前年度優勝の山口拳矢選手から優勝旗、優勝杯の返還
前年度優勝の山口拳矢選手から優勝旗、優勝杯の返還
20回連続出場で表彰を受ける岩津裕介選手
20回連続出場で表彰を受ける岩津裕介選手
20回連続出場で表彰を受ける山崎芳仁選手
20回連続出場で表彰を受ける山崎芳仁選手
敢闘宣言をする高橋晋也選手
敢闘宣言をする高橋晋也選手

<1R>

	吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 赤板2コーナーで吉田拓矢(写真)が、稲毛健太を押さえて出てペースを握る。前受けから下げた河端朋之は、稲毛の横まで追い上げて4番手で併走。タイミングをうかがった河端は、打鐘3コーナー過ぎから持ち前のダッシュを利かせて仕掛ける。河端が主導権を握り、隅田洋介が続く。吉田が3番手に飛び付いて最終周回。大川龍二を弾いた吉田が3番手を奪い、後位が諸橋愛と大川の併走。逃げる河端の後ろの隅田は、車間が空いたまま詰められない。2センターで外に持ち出した吉田が、直線半ばで河端をとらえて1着。
 「(稲毛を押さえたあとは)先行するくらいのつもりで踏んで、河端さんが中団で止まった。そのままいてくれればと思って、ペースに入れたところで行かれた。ああなったら臨機応変に(気持ちを)切り替えてと思っていた。余裕はあったんですけど、隅田さんが車間を空けていたので行くのが遅くなってしまって、大森(慶一)さんまで連れ込めなかったです」
 大川との併走に最終2センターで踏み勝った諸橋愛は、吉田に2車身遅れてのゴール。
 「(吉田が)ジャンで踏んだので、先行するのかなっていう踏み方だった。(吉田の)踏み直しに離れてしまいましたね。(前回に)落車しているんで、いつもより緊張していたかもしれないですね。もっといいゴール勝負がしたかったんですけど。(最後は)直線(の長さ)に助けられました。とりあえず1走したので、力が抜けてくれればいい感じになると思う」

<2R>

小松崎大地選手
小松崎大地選手
 赤板2コーナー過ぎに渡邉雄太が先頭に立つが、渡邉一成の巻き返しが早い。スピードに乗せた渡邉一が打鐘4コーナーで主導権を奪い、地元3車が出切る。後方に置かれた松本貴治が、最終ホーム手前から踏み上げる。松本は中団で小休止してから、2コーナー手前からまくる。ギリギリの判断を迫られた小松崎大地(写真)が、逃げる渡邉一の番手からあわせて出る。松本を合わせ切った小松崎が地元で1着スタート。
 「ある程度、予測のできた展開だったので、対応できてしっかりと踏めた。ただ、(渡邉一が)主導権を取ったタイミングでは一番、嫌な展開だった。それで少し焦りはありました。(落車明けで走った感触は)練習で感じていたのとほぼ一致しているので、いいのかなと思います。戻るっていう表現が難しいけど、いいところまではきていると思います」
 後方で構えることなく中団まで俊敏に追い上げてから仕掛けた松本貴治は、まくり切れずも2着。
 「(最終ホームから仕掛けて)あのまま行っても良かったけど、1回ニュートラルに入れてからでした。(小松崎に合わされて)キツかったけど、気持ちで頑張りました。勝ち上がれたので良かったです」

<3R>

菅田壱道選手
菅田壱道選手
 赤板過ぎに俊敏に動いた菅田壱道(写真)は、8番手から切った皿屋豊の上を押さえる。そこを四国コンビが仕掛けて、太田竜馬が打鐘で主導権を握る。菅田は思惑通り3番手を手に入れて、皿屋が5番手。佐々木悠葵は一本棒の7番手に置かれて、最終ホームを通過する。3番手で車間を空けた菅田が、後続を警戒して、皿屋、佐々木も動けない。3コーナーで皿屋が踏み込んで、合わせるように追い込んだ菅田が突き抜けた。
 「細切れ戦で徹底先行がいなかったので、どう組み立てるかでした。けど、初手が前から2番目(のライン)になって位置をしっかり取ってと。ジャンで皿屋さんをしっかり切るので脚を使った。風もキツくて位置を取って安心して、(最終)2コーナーで詰まったけど、仕掛ける勇気がなくて反省です。皿屋さん、佐々木君が踏んでからと気持ちが弱いところが出た。行っていれば(佐藤)友和さんとワンツーができたかもしれない。状態は波もなく安定している」
 佐々木に託した中田健太は、最終バックで8番手。佐々木が不発で3コーナー過ぎから内を進出。直線でも渡部哲男のインを追い込んで2着に届いた。
 「菅田さんの動きがすごかった。何度か緩んだところがあった。佐々木君なら力で行っちゃうと思ったけど、(最終)2コーナーでも仕掛けていなかったので外は厳しいと思った。(佐々木の)スピードをもらうだけもらって最後の3コーナーの下りを使えて良かった。(前回の)西武園まで乗り方を変えていたけど、自分には力が足りなくて、その後に(武藤)龍生に乗り方と自転車を見てもらって、(2月小倉で)優勝した時のデキにはあります」

<4R>

窓場千加頼選手
窓場千加頼選手
 叩き合いにはならず、打鐘手前で吉田有希が出て先行態勢を取る。岩谷拓磨は4番手を確保。後続を一本棒にしたまま、吉田が徐々にペースを上げて駆ける。窓場千加頼は最終ホームで反撃。7番手からまくった窓場は合わせて出た岩谷を乗り越えて、4コーナー手前で逃げる吉田をとらえる。人気の近畿コンビの直線勝負は、2人が並んだところがゴール。1着同着に三谷将太が振り返る。
 「(窓場は最終)ホームから行ったので、後方からのレースっていう感じじゃなかったです。(1着同着で)一番いい結果になりました。二次予選は(一次予選が)2、3着だと厳しい。これでチャンスがあるかもなので。(窓場とは)前回から一緒なので、感覚はつかめていると思います」
 7番手でも冷静に最終ホームからの一撃で仕留めた窓場千加頼(写真)は、同着でGI初勝利を飾った。
 「吉田君と岩谷君が脚を使ってでも前々に踏んでいたので、自分は慌てずに。(最終)ホームか2コーナーからと思って仕掛けました。(最終2)コーナーの入り口で瓜生(崇智)君とスピードが合いそうだったんですけど、あれだけスピードが上がっていると前に踏むしかない。加速したままゴールに向けて踏みました。これでGI初勝利なので、(三谷)将太さんと同着で記憶に残る思い出ができました」

<5R>

佐々木眞也選手
佐々木眞也選手
 簗田一輝、原田研太朗の順番で切って出て、伊藤颯馬と福永大智が中団でもつれる。外の伊藤の上昇を阻んだ福永が、強引に持ち出して打鐘手前で原田を押さえて出る。3番手で原田と併走になった伊藤が、2センターから巻き返すも福永は突っ張る。荒井崇博は連結を外して、後方になり最終周回へ。稲垣裕之に弾かれた伊藤は、簗田にもブロックされ後退。5番手の原田が3コーナーから踏み上げて、簗田も3番手で合わせる。簗田マークの佐々木眞也(写真)は、直線で近畿勢の間のコースを伸びて1着。GI初出場でいきなり白星を挙げた。
 「(自分たちのラインは)外枠なので、どうしても一度切る形になる。そのなかで簗田君がしっかりと位置を取ってくれた。自分は信頼して追走してました。あとは簗田君の仕掛けと自分のコースをと。空くと思ったので踏み込みました。感じは悪くないと思います。(GI初出場での1着は)すごくうれしいです」
 原田研太朗は最終ホームで6番手。浮いた伊藤が力尽きると、3コーナーからのまくり追い込みで2着。
 「たぶん切っても後ろになるんじゃないかと。そこまで脚を使わずにいけたのが良かった。みんな脚を使っていたけど、自分はサラ脚だった。(最終)バックを過ぎて、3コーナーに入ったくらいで外に出した。簗田君が反応したけど、佐々木君が内に行った。それで簗田君に付いていこうと。あれで佐々木君が外だったらキツかった。内だったんで助かりました。気候も暖かくなっているし、練習の感じも上がってきている」

<6R>

成田和也選手
成田和也選手
 佐々木豪、橋本優己までは順番通りに動いて切ったが、松岡辰泰は根田空史に併せ込んで5番手に入る。7番手に下げての立て直しを余儀なくされた根田は、打鐘で仕掛ける。佐々木がインを進出も、根田が主導権を奪って最終周回。3番手は飛び付いた佐々木と内藤宣彦で併走。逃げる根田の掛かりが良く、別線は動けない。番手の成田和也(写真)が、ゴール前で根田を差し切った。
 「(根田とは)前回の函館でも一緒だったので、その感覚のまま走れた。大きい大会の初戦で緊張感はありました。自分でも結果を残したいというのもあるし、前回から根田君が良さそうだった。根田君が掛かっていたので大丈夫だと思ったけど、自分のできる仕事はしたいなって思っていた」
 地元の成田とワンツー。根田空史は得意パターンに持ち込んで2着に逃げ残った。
 「松岡君が切ってくれると思ったけど、そこは潔く引いて自分の仕掛けどころが来ると。(橋本を)叩ける感じはあったけど、佐々木君が内から来ていたので、そこはしっかり踏んで脚を使ってキツかった。成田さんは地元ですし、前回も連係しているから信頼をしていた。荷が重かったけど、いいレースができてワンツーを決められて良かった」

<7R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 赤板1コーナーで先頭に立った志田龍星は、その上を押さえに来た岩本俊介(写真)を突っ張る。松谷秀幸のアシストもあり、岩本は3番手に収まって打鐘を迎える。6番手の橋本瑠偉が2センターから仕掛けて、最終ホームで志田を叩く。離れながらも吉本卓仁まで4車が続いて、1センター過ぎから岩本がまくる。逃げる橋本の番手の鈴木竜士のブロックを乗り越えた岩本が1着。
 「切った上をしっかり切ってと思って、赤板でスイッチしていったんですけど。(志田に)突っ張られて一番苦しい展開になりました。でも、しっかり届いているので脚色はまあまあかなって。脚を使って一番後ろになってからの仕掛けになった。タフなレースでしたけど、終わってみれば結果として出ている」
 岡本総とからんだこともあり、松谷は岩本を追い切れない。橋本を利した鈴木竜士が、直線で差し脚を伸ばした。
 「僕もですけど、(橋本)瑠偉も(レース展開が)見えていたんじゃないかなって。一番いい場所で仕掛けてくれた。脚力的にも気持ち的にも余裕があって、仕事をしようと思っていた。(松谷が内に入ってきたのは)ちょっとイレギュラーだった。あれがなければ(橋本を)3着には残せたかなって思うんですけど」

<8R>

谷口遼平選手
谷口遼平選手
 谷口遼平(写真)が中国ラインを受けて、打鐘3コーナーではそれほど脚を使わされることなく主導権を握った取鳥雄吾のペースかに思われた。が、地元勢がそれを許さず、佐藤一伸が前団に襲い掛かる。取鳥を押し込みながら、佐藤は最終2コーナー手前で出切る。谷口は6番手から金子幸央に合わせて、2コーナーまくりを打つ。飯野祐太も外をけん制しながら追い込むが、谷口が外を抜け出した。
 「(打鐘3コーナー過ぎは取鳥)雄吾が出させてくれるだろうみたいな雰囲気だったので、(突っ張るか)迷った。けど、2車で突っ張ったところで厳しいなと思った。そのあとは(佐藤)一伸さんの勢いがすごすぎて、ちょっとビックリしました。金子さんが追い上げてきているのもわかった。かぶったらヤバいと思って持ち出した。スピードをもらったわけじゃないので、スピード自体は出なかった。ただ、そんなに脚を使ってなかったので、最後まで踏めました」
 このメンバーでは先行力で抜きん出ていた取鳥を敢然と叩いた佐藤の気迫のこもったレースを飯野祐太が称える。
 「一伸がいい感じで行ってくれました。(最終)2コーナーで岩津(裕介)さんにもってこられそうだったんで、前に付いていくようにした。でも、そこからが難しかった。全体的には(周りが)見えていた。谷口をちょっと振って、あとは岩津さんも内にいたんでツケマイでした。一伸が本当にいい競走をしてくれたんで、それに感謝です。去年の後半からセッティングが出てなくて、毎回違う。今回は少し落ち着いたけど、まだ違和感がありますね」

<9R>

山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 前受けの高橋晋也が関東勢を受けて、4番手で松本秀之介と併走になる。松本は外併走から打鐘で仕掛けるが、長島大介が先行の腹を固めて突っ張る。両者の踏み合いも、高橋もかぶって出られない。長島の主導権で最終ホームを通過して、高橋は1コーナーでようやく外が開ける。2コーナー手前からまくった高橋はじわじわと前団に詰め寄るが、武田豊樹のブロックでスピードが鈍る。山崎芳仁(写真)が4コーナーから外に持ち出して、ホームバンクの直線で豪快に突き抜けた。
 「ああいう展開もあると思っていたけど、(高橋)晋也は引くのが遅かったですね。内に行っちゃいそうだった。(一次予選は)晋也が力を出せばラインでいい着と思っていた。晋也は引いてタイミングを見て追いかけたと思う。ラインで1着を取れればと思っていた」
 松本が不発になり、井上昌己は、関東勢の後ろで位置を確保してじっと我慢。直線は狭いコースを強襲した。
 「長島君がヤル気でしたね。あんなに踏むのは想定外だった。なんとか最後に行けるところを突っ込めた。余裕はありましたけど、(踏んだ感じは)もうちょっと欲しい。上積みがあんまりない感じです」

<10R>

伊藤旭選手
伊藤旭選手
 切って出た中国勢を受けた森田優弥は、3番手から赤板2コーナー手前で仕掛ける。打鐘手前で森田が出て先行態勢。後位は内から片岡迪之、伊藤旭(写真)、宿口陽一で3車が重なるが、片岡が番手に入り、宿口はその後ろ。4番手で伊藤と大槻寛徳の併走で最終周回。森田が徐々にペースを上げて風を切り、4番手は伊藤が取り切る。伊藤は4コーナーで宿口を内から弾いて、ゴール寸前で前の2人をとらえた。
 「車番的にも後ろになると思っていたんですけど、中団になった。切るのがベストだったんですけど、森田さんが突っ張る感じかなって思った。片岡さんが出て森田さんが中団になったので、反省点は結構ある。宿口さんが遅れていたように見えたので、体が動いた感じですね。宿口さんと片岡さんでアンコになったので4番手まで下げた。(最終)2コーナーで仕掛ける余裕があれば良かったんですけど。それまでにあたふたして落ち着きが足りなかったです。あの位置でも1着を取れたので(状態的には)悪くないと思う。ただ、(園田)匠さんと決めたかった」
 森田の番手がすんなり転がり込んできた片岡迪之は、車間を詰めながら追い込んで2着。
 「伊藤君が叩くと思ったんですけど、来なかったので自分が粘りにいこうと思っていました。(森田の番手は)ラッキーでした。(内を)空けたら来ると思った。森田君もなかなか駆けてくれなかったので、(宿口が追い上げに)来るだろうと思っていた。(番手に入ってからは)タイミングが取りづらかったんですけど、抜けているので悪くないと思います」

<11R>

武藤龍生選手
武藤龍生選手
 前受けの坂井洋は、松浦悠士の上昇を赤板で阻んで、そのあとの北日本ラインを受ける。そこをすかさず松井宏佑が仕掛けて、新山響平と松井で叩き合い。最終ホーム手前で松井が叩き切り、郡司浩平の追走。3番手で新山と松浦の併走。香川雄介をさばいた坂井が、その後ろから2コーナー手前でまくって出る。郡司のけん制も坂井はとまらず、松井に並びかけて直線へ。坂井マークから外を踏んだ武藤龍生(写真)が1着。
 「(スタートで前が取れたんで)これならチャンスがあるかなと。自分は全体的に踏み遅れていた。けど、ニュートラルに入ってからは、落ち着いて見ながらでした。坂井君も余裕をもっていた。(坂井が仕掛けて)あとは郡司君が番手から出ていくのかでした。そこを松浦君と併走していたんで、しのがないとっていうのがありました。(直線は)こんなチャンスはめったにないんでね。3着までとは思ったけど1着が取れた。坂井君と2人で(4日目のゴールデンレーサー賞に)上がれたのは大きい」
 直前で特選に繰り上がった坂井洋が、2着で4日目のゴールデンレーサー賞に進出。前々への意識が感じられる俊敏な動きからまくりを放った。
 「松浦さんの先切りは突っ張る感じで、あとは前々にと思ってました。ジャン4(コーナー)ですかね、かぶりそうになったんで、香川さんをうまくさばいて、外に行きました。併走でキツかったけど、そこにいてもしょうがないんで郡司さんが出ていく前に(仕掛けた)。(郡司に)一発くらったけど、自分が踏みやめたら付いている(武藤)龍生さんもキツくなる。(特選に繰り上がって、4日目のゴールデンレーサー賞に進出で)めっちゃ、大きい。宝くじに当たった気分ですね(笑)。仕上がりも、(最近のなかでは)一番いいですね」
 北日本ライン3番手の和田圭は、最終バックで8番手。前の守澤太志の動きと余力を確かめてから追い込んだ。
 「(新山も)すごかったけど、その上を松井君が叩き切っちゃった感じなんですよね。あとでVTRを確認してみます。坂井君が行って、(新山)響平が下がってきた。守澤がなんとかしてくれると思って見てたら、フワッとなっていた。俺も外を回せないんで、内に入った。いいところに入れて、やっとこ3着なんで周りが強すぎますね」

<2日目5R 一次予選>

小林泰正選手
小林泰正選手
 前回の向日町FIが634着。日本選手権の前に及第点までは届かなかった小林泰正(写真)だが、上積みが見込めそうだ。
 「(前回は)前日までダービーに向けてしっかり(練習を)やってきたんで、疲れが残った状態で3日間、走った。最低限、決勝に乗って3着以内と思ったけど、ギリギリ決勝(4着)なのでベースが上がってないですね。そのあとは前半にしっかりやって、疲れも抜いてきた。前回よりはいいと思います」
 弟の眞也(117期)との同配分での大舞台。近況は高いレベルで安定した戦績を残している佐々木龍は、昨年10月の寬仁親王牌以来のGIに闘志を燃やす。
 「(平は2月に352着で)成績はあまり良くなかったんですけど、いいイメージはある。(一次予選の)野口(裕史)さんの番手は久々ですね。福田(知也)さんに前を任せてもらえたので、しっかり頑張りたい。兄弟で一緒にGIを走れるのはうれしい」

<2日目6R 一次予選>

和田真久留選手
和田真久留選手
 和田真久留(写真)は直近の3場所を連続で決勝に進出。前回の大宮FIでは直線で先頭に立つも、ゴール前で小岩大介の強襲にあい準Vだった。
 「(前回は)感じ自体は悪くなかったけど、最終日は勝ち切れなかった。タイミングさえ逃さなければ、いいレースができる状態にはある。ここ3場所がFIばっかりなので、若干の不安はある。(今回も)体調も含めて調子を崩してないし、いい意味で平行線で来られているかと思います」
 直近の3場所で5勝を挙げている中本匠栄の状態はどうか。
 「全日本選抜がダメで、(次の)玉野記念の前ぐらいから練習メニューだったり乗り方、フォームだったりを見直して感じ良く走れていますね。自分はオールガールズクラシックの開催前に久留米でバンクに入って練習したり、直前は一緒に街道で、(嘉永)泰斗とか(伊藤)旭、(松本)秀之介とかと練習してきました」

<2日目7R 一次予選>

寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 川崎記念では二次予選を2着でクリアもゴール後に落車に見舞われた寺崎浩平(写真)は、3週間以上空いたローテーション。
 「(落車の怪我は)ろっ骨を骨折したんで、たまに痛かったりする。一応、練習はしてきた。悪くはないけど、レースで走ってみないと。(一次予選も)いつも通り、積極的に行きたい」
 前回の四日市FIでは、逃げた福永大智の番手から昨年8月以来の優勝をつかんだ山田久徳は、寺崎との連係でここもチャンスを生かしたい。
 「前回は感触的にも良かったですけど、3日間とも番手回りだったので展開も向きました。(一次予選で連係する)寺崎君はいつも早めに仕掛けてくれる。今回は怪我明けみたいですけど、信頼して任せます。ダッシュがいいので、しっかりと付いていってラインで決められるように」

<2日目8R 一次予選>

小倉竜二選手
小倉竜二選手
 前回の別府FIの223着は3日間とも犬伏湧也とセット。前々回の佐世保FI、3場所前の武雄GIIIでは準Vの決勝も含めて、町田太我と連係が多くを占める小倉竜二(写真)だけに恵まれを強調する。
 「番組ですね。この3場所、町田君と犬伏君とずっと走っている。カマシじゃなくて、ロングで行ってくれてるんでありがたいですね。2周から2周半も行っているのに、抜けてないってことは(自分が)本調子じゃないってことですかね」
 前々回の高知記念でV奪取の阿部将大は、続く地元の別府FIを3連勝の完全優勝。勢いに乗ってGIを迎える。
 「いい流れでこられていますね。高知はしっかりと勝ちにいって勝ち切れた。前回の地元は(犬伏湧也と晝田宗一郎が)踏み合ってくれたので。(犬伏の番手を回っていた)小倉さんの横を通過するのはビビりましたけど、乗り越えられた。初日からいきなり同期の町田君が相手っていうのは嫌ですね。(今回の目標は)なんとか予選をクリアして、準決勝まで勝ち上がれたらいいですね」

<2日目9R 一次予選>

山田英明選手
山田英明選手
 前回の久留米FIでは大一番の今シリーズを見据えながら133着。山田英明(写真)が、セッティングを戻して正解を出した。
 「いろいろやって、一通りのセッティングで3日間を走った。その結果、あんまり良くなかったので戻します。ここに向けてモチベーションを保ちながら練習した。ハードにはできなかったけど、コンスタントにはできました」
 昨年3度にGI出場がある青野将大は、これが通算4度目のGI。初めての日本選手権は、北日本勢との連係で一次予選をスタートする。
 「自分の場合は成績に波はありますけど、とくに調子の波はないと思う。直前は川崎で今回出場するメンバーといい練習ができました。GIはたぶん4回目ですね。去年は高松宮記念杯、オールスター、寬仁親王牌って走っているので、ダービーは初めてです」

<2日目10R 特別選抜予選>

古性優作選手
古性優作選手
 古性優作(写真)にとっては、平は21年のオールスターでGI初制覇を遂げた思い出のバンク。その時に連係した脇本雄太が今シリーズは欠場を余儀なくされただけに、より強い気持ちで近畿勢を引っ張る。
 「(前回の川崎記念は)感覚というよりも、いま思うとただの力不足ですかね。(ここまでは)伊豆に行ってナショナルチームの方たちの練習にまぜてもらった。いままで体験できなかったトレーニングとかをさせてもらって、すごく刺激になりましたし、自分の考えが甘かったなと。(練習は)川崎が終わった次の日からで、いろいろ感じることもありました。今後4年ぐらいのスパンで自分が成長できたらいいなと思います」
 昨年の“シンデレラボーイ”。日本選手権で初戴冠を遂げた山口拳矢は、前回の西武園記念で新車を投入した。
 「(前回は)3日目、最終日が1着でしたけど、そんなにいい感じではなかった。(直前は)感触としてはそんなに悪くないかなと思います。(レースで)仕掛けどころだったりとかもうちょっと考えてって感じですね。(最近変えたことは)前回からフレームを換えました。もうちょっと練習で乗りたいなと思いますけど、前回も悪い感じはしなかったので初日走ってみて、もうちょっと手を加えるかどうするかって感じですね」
 前回の川崎記念を2111着。インパクトのあるまくりで通算3度目のGIIIを優勝した嘉永泰斗にタイトル奪取の期待も自然と膨らむ。
 「(川崎は)日に日に良くなっていく感覚もあって、体と自転車がすごくマッチしたので良かったです。(ここに向けて手応えを)つかめました。(強敵相手の優勝で)収穫がありました。(そこから3週間空いて)練習もしっかりできて調整もできたので問題ないと思います」

<2日目11R 特別選抜予選>

眞杉匠選手
眞杉匠選手
 眞杉匠(写真)は、前回の西武園記念の決勝では5車で結束した地元勢とは別線。どっしりと構えてのまくり一撃で肝のすわった立ち回りが光った。
 「(西武園は)日に日に良くなっていった感じです。(決勝は)関東が分かれて難しいレースだったんですけど、しっかり優勝できて良かったかなと思います。ちょっとワンテンポ早く踏んじゃうと浮いてしまうので、(仕掛けは)あれがベストだったかなと。前回の新車があまり良くなかった。でも、しっかり優勝できてフレームの面も自信ついたんで良かった。(そのあとも)体の感じはいいかなと思います」
 3場所前のウィナーズカップで落車の犬伏湧也だが、その後の高知記念、別府FIともに決勝に進んでいる。
 「(前回の別府は)しっかり動けてるんで、そこは悪くないかなと。(ウィナーズカップで落車して)高知記念はちょっとどうなるかなと思ったんですけど、しっかり動けたんでそこからはわりといつも通りという感じに戻ってるかなと思います。(直前は)ケアを中心に、疲労を取ってきたって感じですね。現状、別府と変わらないくらいかなと思います。(ここに向けて変えた点は)高知記念くらいからセッテイングいじってるのが、良くなってる要因かなと」
 あっ旋をしない処置で1カ月以上を練習に充てた渡部幸訓は、地元の日本選手権で特選スタート。
 「事故点で1カ月、あっ旋が止まってました。1カ月空くのがわかってたので、気持ちのリフレッシュと体もいったん休めて3週間ほどいつも通り練習してきた。(前回のウィナーズカップは)調子うんぬんの前に脚力自体が勝負になってなかった。課題がいろいろ見えたので、この1カ月間できるだけそこの差を埋められるように意識しながら、いつも練習をこなしてきた。(感触は)前回の競走よりは自分の実感としても脚力も上がってますし、調子ももちろん上げてきてるつもりではいる」