『第60回日本選手権競輪(GI)レポート』 4日目編
 
配信日:3月23日


ゴールデンレーサー賞レース経過

 号砲が鳴ると、山口富生がポンと飛び出して正攻法の位置を占める。しかし、山口はすぐに後方に下げてしまい、結局、山崎芳仁―伏見俊昭―佐藤慎太郎―小野俊之―武田豊樹―神山雄一郎―手島慶介―兵藤一也―山口で隊列は落ち着いた。
 赤板周回を迎え、誘導のペースも徐々に上がって行くが、態勢に変化なし。赤板を過ぎた所で武田が前との車間を斬って仕掛けるタイミングを図るが、武田が動き出す前に、山崎の方が車を外に持ち出すと、2角で誘導を交わしてそのまま先行態勢に入った。打鐘、最終ホームは元の並びのまま一本棒で通過。しかし、最終2角に入ると、武田のまくりが逃げる山崎に襲い掛かる。迫る武田に対して、バック過ぎに伏見が車を振って牽制を見せるが、武田のスピードは鈍らない。武田は、2センターで山崎をきれいにまくり切って先頭に立った。武田には神山がピッタリ続き、両者の一騎打ちとなるが、武田がそのまま押し切ってGR賞を制した。2着は神山で、3着には手島をドカして武田―神山の後位にスイッチした小野が入る。

ゴール
GR賞を制した武田豊樹選手
ゴール
GR賞を制した武田豊樹選手


 第60回日本選手権競輪「湘南ダービー」は大会4日目を迎え、初日、2日目の特別選抜戦を勝ち上がった9名によるゴールデンレーサー賞をメインに、残りの二次予選2個レースと、惜しくも上位進出を逸したが、シリーズ初勝利を挙げた選手をレポートします。
 明日24日は準決勝3個レースをメインに熱戦が繰り広げられる。場内では早朝予想会「ウキウキモーニング」が9時45分~10時10分に大テント下特設ステージで行なわれ、コージー冨田お笑いライブが3R・8R終了後ログステージで行なわれる。また、同時に2車単Dayはずれ車券抽選会もなぎさ投票所前(正門側)で3レース終了後に行なわれる。


<5R>
内藤宣彦選手
内藤宣彦選手

   先ずは5レースの特一般でホームカマシの松崎伊佐央―坂本勉の三番手から内藤宣彦(写真)が直線で鋭く外を強襲した。
 「詰まる可能性のある位置だから、それだけを気をつけました。松崎(伊佐央)君が仮に不発でも坂本(勉)さんが何とかしてくれると思い安心して任せていました。脚を余していたし、気持ちにも余裕がありました。今日も少ししか踏んでいないから明日からも楽しみだね」
 番手で絶好態勢となるも2着に終わった坂本勉は「坂上(忠克)君が見えたので前との車間を空けて備えたが、内藤君がゴール前凄いスピードで来たね。勝ったと思ったけど、でもラインでワン・ツーを決められたので良かった」。


<6R>
豊田知之選手
豊田知之選手

   6レースの特一般からは岡村潤をホームから叩いた吉田勇人のラインへ巧みに切り替えた豊田知之(写真)が、直線で外を鋭く強襲して勝ち星を挙げた。
 「ラインの目標がないから最初から先手ラインに切り替え策を考えてた。狙い通りのレースが出来たね。今日か、明日は一発穴を狙おうと思っていました」
 吉田勇人の番手で絶好となり、三百勝達成かと思われた川口満宏は引き揚げて来るなり、「やっちゃったョ~。展開が良すぎて余裕を持ちすぎたかな。でも豊田さんが強かったね。また明日、明日は頑張る」と気を取り直す。


<7R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手

   7レース選抜1で浜田浩司の先行を好回転のまくりで快勝した稲垣裕之(写真)は「連日2車のラインで仕掛けどころを躊躇したが、今日はレースの流れが良く見えていた。バックで斎藤(登志信)さんのブロックで一瞬止まりかけたが、凌いでからは何とかなると思いました。脚は問題なく、初日も自信はあったんだけどね。残りも力を出し切ります」。


<8R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手

   8レース選抜1は、菊地圭尚(写真)が最終のホームから主導権を奪った佐々木則幸の三番手に割り込み、バックから一気のまくりを決めて快勝した。
 「練習も出来ているし脚も問題ない。三番手に入れた時点で理想的な展開になりました。大レースで1着を取ると自信になるし、日毎に良くなっているので次も頑張ります」


<9R>
渡辺晴智選手
渡辺晴智選手
吉岡篤志選手
吉岡篤志選手
   準決進出の切符を賭けた残りの二次予選からはまず9レースを。渡辺晴智(写真)が同県の栗田雅也の先行に乗って直線鋭く抜け出した。
 「本当に気持ち良く行ってくれた栗田君のお陰です。でも前を残せなかったし、新藤敦さんも引き込めなかったのは自分の力不足。外に金成和幸君が来ていたのも見えたし、踏むしかなかった。まだビデオで確認していないが、踏むのが早かったかな」とラインを気遣う。
 最終ホームは9番手に置かれるも、直線で大外を鋭い差し脚をで強襲して2着の吉岡篤志(写真)は「ホームでは一瞬ヤバイと思ったがバックでは余裕がありました(笑)。最後は荒井崇博さんを目標に外を踏んだけど良く伸びたね。2着は上出来です」と笑顔がこぼれる。


<10R>
北津留翼選手
北津留翼選手
沢田義和選手
沢田義和選手
   10レースは北津留翼(写真)が好回転のまくりを決めて、合志正臣と九州ワン・ツーで準決勝に駒を進めた。
 「自分のペースで行けと言われていたので、落ち着いて2センターから仕掛けられました。3角まで行けば後は合志(正臣)さんが何とかしてくれると思ったし、後ろに勝ってもらう位の気持ちでした。GIの準決進出は二度目で嬉しい」。
 一方の合志正臣は「北津留君は2角からペース駆けだったね。4角でまた踏み直していたし本当に強かったですよ」と称えていた。
 武井大介と長い写真判定の結果、3着同着で準決進出を果たした沢田義和(写真)は「岡部(芳幸)さんの後ろからでも良かったが、なかなか行かないから、躊躇しながら内を突いたので4着かと思ったが。ツキがあるね」。


<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   メインのゴールデンレーサー賞は、打鐘から突っ張り先行に出た山崎芳仁を、武田豊樹(写真)がバックから一気にまくり切って神山雄一郎と連を独占した。武田は「先行する気もあったので最初からまくりに構えるつもりはなかったが、山崎(芳仁)君が中バンクに上がり早めに突っ張ったからね。まくりになったが脚の状態は問題ないですね。明日の準決も楽しみ」と仕上がり具合は万全の様相。
 神山雄一郎も「前も掛かっていたし、今日は武田君が本当に強かったですね。俺が弱いのかな(笑い)。また明日は頑張るよ」。
 山崎芳仁の番手を回った伏見俊昭(写真)は、「コーナーに入れば何とかなったと思うが、直線で武田さんが来ていた。前に踏みながら張らないといけないし難しいね。それにしても今日は武田さんのスピードが違ったね」とサバサバとした表情で振り返る。
 打鐘から突っ張り先行に出た山崎は「あそこで引いたら切り替えられて7番手に置かれるから行くしかなかった。ギヤを変えるかどうかは明日になって考える」。
   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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