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レース展望

新時代の競輪が今スタートする!

 
第60回日本選手権競輪(GI)が平塚競輪場で開催される。新春の競輪祭を優勝した山崎芳仁を擁する北日本勢が中心となるが、北日本勢に負けぬ機動力を誇る関東勢も手強く、近況やや元気のない地元・南関東勢の奮起にも期待がかかる。

2個目のタイトル獲得で山崎時代が到来!
 競輪祭の決勝戦では大量落車のアクシデントがあったが、山崎芳仁が猛追する伏見俊昭を振り切って逃げ切り、2個目のタイトルを獲得した。 昔から「タイトルは2個獲って本物」と言われているが、山崎は昨年の高松宮記念杯での初タイトルからわずか7カ月余りで2個目を獲得、吉岡稔真の8カ月、神山雄一郎の9カ月よりも早いハイスピードで、これにより世代交代と山崎時代の到来は確定的なものになったといえる。 昨年のビッグレースでは戦国時代を象徴するかのように、勝ち上がり戦は混戦模様の連続で、決勝戦は先行一車の組み合わせというパターンが多かった。今年第1弾の競輪祭も決勝戦は先行一車の組み合わせになったが、山崎芳仁という新王者が頂点に君臨することによって、今後のビッグレースはもう少し落ち着いた勝ち上がり戦となっていくだろうし、決勝戦も神山・吉岡の2強時代や小嶋敬二、村上義弘、伏見俊昭の3大先行の時代のときのような3分戦や4分戦の組み合わせが増えてくるだろう。 そして、打倒山崎といった明確な目標を得た若手たちがもっと伸びてくれば、新時代の競輪界は新たな盛り上がりを迎えることになるだろうし、新時代の幕開けとなる今回の日本選手権競輪は、1日たりとも見逃すことのできないシリーズとなるはずだ。 今大会も当然ながら山崎、そして奈良記念、東王座戦を優勝と波に乗る佐藤友和が率いる北日本勢が中心となるが、有坂直樹はグランプリ優勝後も競輪祭で優出と好調を維持しているし、山崎の急成長に引っ張られるようにして調子を戻してきた伏見俊昭の走りにも注目が集まるだろう。
山崎芳仁
山崎芳仁(福島・88期)
 
加藤慎平
伏見俊昭(福島・75期)
 
北日本と関東の2大勢力の激突!
昨年と同様に伏兵ラインの浮上も十分だ

 北日本に匹敵する機動力と北日本をはるかに上回る選手層の厚さで一大勢力を築いているのが関東だ。競輪祭では武田豊樹こそやや低調だったが、平原康多と矢口啓一郎は好走して関東勢の勝ち上がりに大きく貢献した。
  とくに平原は準決勝突破こそならなかったが、初日特選予選と2日目ダイヤモンドレースでは平原らしい積極的な走りで神山雄一郎と連日のワンツーを決めている。後掛かりタイプの山崎芳仁と比べると末の粘りがやや弱いが、ダッシュ力は平原のほうが優れているので、主導権取りに関しては平原が一枚上だ。今回も平原率いる関東ラインと山崎率いる北日本ラインの真っ向対決がシリーズを盛り上げてくれるだろう。
  しかし、昨年のGI戦線も関東と北日本の2大勢力の対決が常にシリーズの中心となっていたが、終わってみれば伏兵的な存在だった九州勢が3個ものタイトルを奪取していた。今回も北日本と関東の対決が激しくなればなるほど、機動力の面でやや劣る地元・南関東や中・四国や九州の手たちにも優勝のチャンスがふくらんでくるだろう。
  関東では手島慶介も好調だ。競輪祭の決勝戦では落車失格という最悪の結果に終わったが、単騎の競走で初手から山崎芳仁の番手を狙いにいった気合いはよかった。
  手島は関東の選手といっても、ビッグレースで埼玉の平原康多や茨城の武田豊樹にジカ付けできる機会はあまりなく、全日本選抜の決勝戦で平原の番手の神山雄一郎のところへ追い上げていったように、関東同士で番手争いをするケースも少なくない。
  これがライン戦の弊害というか、手島のような選手はラインに縛られていては実力を発揮しきれない場合が多く、北日本の岡部芳幸のように、手島も今後はラインに関係なく単騎で戦うケースが増えてくるだろう。
  中部では小嶋敬二が相変わらず元気だ。近況は記念でも準決勝で敗れて優出を逃すケースが多く、競輪祭でも二次予選でまさかの敗退となってしまったが、怪物パワーは健在だ。2月の四日市記念では準決勝こそはヒヤヒヤの3着入線だったが、残り3走は小嶋らしい豪快な捲りで3勝して今年初優勝。2月の西王座戦でも完全優勝を飾っており、今回も十分に優勝候補のひとりに挙げられるだろう。
 九州勢の筆頭は小野俊之か。競輪祭こそ(4)871と二次予選で敗退してしまったものの、2月西王座戦では初日に村上義弘の番手から抜け出して1着、決勝戦では小嶋敬二の後位を濱口高彰から奪取して2着と強気な攻めが身上の「小野らしさ」が戻ってきた印象だ。
 GI競輪の決勝戦は05年の名古屋オールスター以来ないものの、気持ちで走るタイプだけに、波に乗ると一気に初となるGI競輪の優勝も狙えるだろう。そのためにも九州勢の自力型の活躍は必須条件で井上昌己、中川誠一郎、そして新鋭・北津留翼の力走に期待したいところだ。
小嶋敬二
小嶋敬二(石川・74期)
 
手島慶介
手島慶介(群馬・75期)
 
平原康多
平原康多(埼玉・87期)
 
地元のGIで五十嵐力が積極的に攻める!
安定した成績を維持する渡邊晴智が優出を目指す

 地元の南関東は海老根恵太が12月のアジア大会と練習中の落車の影響により長期欠場中で、今回出場してきても万全の状態は望めず、機動力の面での苦戦は免れない。神奈川の五十嵐力や吉川誠らの若手が地元ファンの声援に後押しされてどこまで頑張ってくれるかが見どころになる。
  五十嵐は思い切りのいい早駆けが売りで、神奈川の選手たちに何度となく優勝をプレゼントしてきており、トップクラスが相手のレースでも十分に見せ場を作れる力を持っている。競輪祭は一次予選で敗れたが、2日目選抜は捲って2着、3日目特選は逃げて3着で、番手の渡邉晴智が1着になっており調子も良好だ。1月の立川記念では初日特選が捲りの1着、準決勝Bが逃げ切り、決勝も逃げて5着で、やはり番手の渡邉晴智が2着に食い込んでいる。
 後手を踏まされたときの巻き返しにやや難があり、力を出しきれないまま終わるレースも少なくないが、地元のビッグレースで悔しい思いをしないためにも、今回は連日の積極策で臨んでくるだろう。
 吉川誠はビッグレースではこれといった実績はないが、12月の佐世保記念では二次予選が捲りの1着、準決勝Aが逃げて3着に粘り、小嶋敬二を不発に終わらせている。
 競輪祭を2連勝で準決勝まで勝ち上がった三ツ石康洋のように、若手は勢いに乗るととんでもない力を発揮するので、地元戦で気合いが入る吉川誠も決して軽視できない。
  追い込み型では渡邉晴智が好調だ。記念では、12月の広島と名古屋、1月の立川、2月の四日市と4場所すべてで決勝2着、2月の東王座戦も決勝2着と安定した成績を残しており、目標がしっかりしていれば大崩れの心配はまずない。盟友の新田康仁が競輪で久しぶりにGI競輪優出を果たしのにも刺激されているはずで、3月までには差し脚の強化を図り優出を目指してくるだろう。
渡邉晴智
渡邉晴智(静岡・73期)
 
五十嵐力
五十嵐力(神奈川・87期)
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日本選手権の思い出
第50回 平成9年3月27日決勝
優勝 濱口高彰


記念すべき大会で濱口高彰が初タイトル
 日本選手権競輪は昭和24年に第1回が開催され(第16回までは全国争覇競輪の名称)、平成9年に第50回大会が岸和田競輪場で開催されたが、その記念すべき大会を制したのは山田裕仁の先行に乗った濱口高彰だった。決勝戦は先行型が山田裕仁と渡会宏和の同地区の2人だけで、山田と渡会は別線勝負となった。スタートは山田裕仁が飛び出して、以下は濱口高彰−小橋正義−金田健一郎−古原勝己−児玉広志−遠澤健二−渡会宏和−松本整の並び。赤板で渡会が上昇して先頭に立つと、金田以下が切り替えて山田は7番手。渡会がしきりに後ろを見ながらスローペースに落とすと、山田がすかさず最終ホームからスパートして主導権を奪い、渡会は引いて3番手の小橋のインで粘る。山田の後ろを無風で回った濱口が直線抜け出して初タイトルを獲得、2着は山田、3着は金田だった。

平塚・湘南バンク400m
平塚バンクの特徴

捲りの難しい先手有利のバンク
 力互角のレースほど捲るのが難しくなる
 カントも直線の長さも標準的な400バンクで、走路は癖もなく、直線で変に伸びるコースもなく力どおりの勝負ができる。
 基本的には先手有利のバンクで、コーナーのカントが浅いので捲りは難しいとされている。先行は早めに仕掛けて最終ホームで主導権を取り、2コーナーからバックにかけて踏んでしまえば捲りは3コーナーで止められるので、そのまま先手ラインで押し切れてしまう。
 03年に開催された日本選手権の決まり手を見てみると、全66レースのうち1着は逃げが11回、捲りが16回、差しが39回、2着は逃げが2回、捲りが11回、差しが30回、マークが23回となっている。
 確かに他の競輪場でのGI競輪よりも捲りでの連絡みが少なめになっている。しかも捲りが決まったのは一次予選や負け戦などの自力型の力の差がはっきりしていたレースが多く、力互角の二次予選や準決勝では捲り不発のケースが多かった。覚えている人も多いだろうが、このときの準決勝は9Rで吉岡稔真が逃げ切り、10Rで神山雄一郎が逃げて3着に粘り、11Rで山田裕仁が逃げ切りと、3強が先行で魅せてくれた大会だった。

平塚バンク

基本的には先手有利
 周長は400m、見なし直線距離は54.2m、最大カントは31度28分37秒。以前は軽くてクセのない走りやすいバンクとして選手間でも評判が高かったが、02年に改修してバンクを塗り替えてからやや重たい感じになり、タイムも出にくくなっている。直線は変に伸びるコースはないが、捲りは外で粘ってコーナーを踏み切ることができれば、直線に入ってから外を一気に伸びることができる。


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