『第61回日本選手権競輪(GI)レポート』 前検日編
 
配信日:3月17日


 G1レースの最高峰・第61回日本選手権競輪が明日から開幕する。前検日の本日、トップレーサー162名が全国各地から静岡競輪場に集結。ダービーに賭ける思いを胸に愛車を整備し、車体と身体の検査を受けた。今日から決勝戦までの約1週間、舞台裏の選手の様子をレポートいたします。
 なお、本場では開催を盛り上げるべく盛り沢山のイベントが用意されております。まずは、明日の初日から五日目まで「縁日コーナー」が開かれます。4,8レース終了後には竹田栄治氏、阿部道氏によるトークショーが行われます。こちらもどうぞお楽しみに。

<1R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
   開幕の1レースは好調が続く中川誠一郎-紫原政文の九州コンビに人気が集まりそう。中川誠一郎(写真)は前回G1の競輪祭では期待に応えられずに初戦で敗退。今回は気合が入る。
 「競輪祭は調子が悪かった。でも、今回は名古屋の前後に合宿をやってきたし順調に仕上がったと思います」
 対戦するのは松田優一。いつも通り積極的なレースでチャレンジする。
 「前回は調子は悪くなかったけど、レース運びが悪かった。でも、玉野が終わってからキツめに練習してきたし、その後は休養も十分したので前回よりは走れると思います」


<2R>
岡村潤選手
岡村潤選手
   2レースは地元の先陣をきって岡村潤(写真)が登場する。
 「12、13日と、ここのバンクで合宿をした。飯野(祐太)君と対戦するのは初めて。自分の力を出し切るには先行がいいと思うけど、展開を良く考えていく。番手は仕事をしてくれるので、信頼して自分のレースができれば。結果を出して静岡に良い流れを作りたい」
 石丸寛之は佐世保記念で優参し復調かと思われたが、前回の地元玉野記念では途中欠場。今回の体調が気掛かり。
 「練習はやっているけど、結果がなかなか付いてこない。踏み出しは良いんだけど、後半の伸びがなくてピタッと止まってしまう。開き直って戦うしかないですよ」


<3R>
金子貴志選手
金子貴志選手
   3レースは金子貴志(写真)に最近の様子を聞いた。本来なら格上の存在だが、不調のトンネルにさまよい、なかなか出口が見えない。
 「練習ではタイムが出ているんだけど、レースになると結果が出ない。そろそろ(調子が)戻っても良い頃なんだけどね。今は結果を待っている状態です」
 大塚健一郎は目標がなく一次予選から厳しい試練を受ける。
 「良い位置を取って、流れで何でもするつもり。膝痛は大分よくなりました」


<4R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
   4レースは桐山敬太郎(写真)を。前回のびわこで大量落車の原因をつくったとして痛恨の失格。自らも落車し鎖骨を骨折してしまった。
 「前回は申し訳ないことをしました。手術をしたけど、骨はまだくっついていません。すぐ自転車に乗れたけど、モガけるようになったのは10日くらい前から。それまで練習はできていたし脚は落ちていないと思う。体のバランスは悪くなっていると思うけど、その分は気持ちでカバーしていく」


<5R>
 5レースの三宅達也は今回からギアを上げてレースに挑む。
 「G1だとタイムも上がるし対応できるようにと思って。前回(広島)は練習不足だったのがモロに出てしまった。最終日はまくりに行っても車が全然出なかったし。でも、今回は練習での感じは良かった。あとは流れと展開が向くかどうかだけ」


<6R>
新田祐大選手
新田祐大選手
   6レースの新田祐大(写真)は競輪祭に続き、今回が2度目のG1レースとなる。
 「前回は初日に飛んでしまったから、G1に参加している感じがしなった。今回は初日を突破したいですね。練習はいつも通りやってきたので問題はない。明日は実質先行一車と言うけど、すんなり駆けてもまくられる可能性もあるし、(和田健太郎や東口善朋の)奇襲先行があるかもしれないから、油断しないように」


<7R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   7レースは落車禍が続く加藤慎平(写真)を取り上げたい。不死身の加藤だが、最近だけでもびわこ、玉野記念と落車が続けば体に変調をきたすもの。
 「強気なことを言えば嘘になるし、正直、調整程度にしか乗れなかった。最近は順調に行かないのが俺の持ち味になっているね(笑)。前回はカッコ良く(ブロックして)決めようと思ってしまって(落車)。どんなときでも気持ちを入れて行かないとダメですね。いい勉強になりましたよ。今回からぶっつけ本番の新車でいきます」
 地元の萩原孝之が中部阻止を図る。
 「直前の練習では感じが良かったし仕上がったと思います。理想は中団からだけど、1周くらいだったら駆けてもいい」


<8R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
   8レースは菊地圭尚-山田敦也の北海道コンビに注目が集まる。菊地圭尚(写真)は前回の小倉で途中欠場しており体調が気掛かり。
 「ここ2場所は気持ちと脚が噛み合っていなかった。小倉では腰痛がでてしまって。もともと腰痛持ちで、これ以上無理して走ったらマズい感じだったから、大事をとって途中欠場しました。今回は問題ありません」
 絶好の目標を得た山田敦也はやや緊張の面持ち。
 「G1で圭尚の番手なんて緊張しますよ。やるべきことはやってきたから調子は問題ないと思うけど、走ってみないと分からないですね」


<9R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
   9レースは矢口啓一郎(写真)の先行一車の番組構成となった。
 「井上(剛)さんが何かしてきそうだし、油断しないでいきたい。予定通り仕上げてきたのに、自分のレースができなかったら何もならないですから。静岡は相性が良いバンク。ダービーは二次予選止まりなんで、今回はそれ以上の成績を残したい」


<10R>
村本大輔選手
村本大輔選手
   10レースは地元の村本大輔(写真)が宮杯以来、2度目のG1制覇に向けスタートする。
 「3月に入る前と直前の2回、合宿をやってきた。十分仕上がったと思うので楽しみ」と臨戦態勢は整っている。
 牽引役は海老根恵太だが、直前にアクシデントが発生。体調が気がかりだ。
 「ノロウィルスにかかってしまい、練習ができるようになったのは5日か6日前から。練習があまりできなかったし、調子は走ってみないと分からない」


<11R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   最終11レースは横綱・山崎芳仁が登場。前回、名古屋記念は欠場した分、調整十分で挑む。
 「名古屋の前は練習ができていなかったので休ませてもらいました。2日練習して1日休むいつものサイクルで仕上げてきました。いつも通り、自分のタイミングでドカンと仕掛けるだけ。自分はそれで勝つか負けるかのどちらかですから。でも、前回よりは体調は良いですよ」
 番手は伏見俊昭(写真)。前回東王座では落車しており怪我の具合が心配されるが。
 「まだ体調は万全ではないけど、マニエも落車したことを知っていて、距離を乗るトレーニングを組んでくれたから徐々に体は戻っている。それと、東王座の前までに積み重ねてきたものがあったからスケジュール通りにいった。4年前、ここでダービーを獲ったときは、遠征帰りで時差ボケのなか、何とか体調を戻せて優勝できた。今回はここを目標にしてやってきたし、条件は4年前より良いんで頑張りたい」
   
↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.