『第62回日本選手権競輪(GI)レポート』 前検日編
配信日:3月2日
いよいよ明日から岸和田競輪場で第62回日本選手権競輪が開幕する。競輪界最大のGIレースは「だんじりダービー」の名に相応しいハイレベルな攻防戦になることは必至。ここを勝てばグランドスラムに王手をかける山崎芳仁を筆頭に、小嶋敬二、昨年MVPの井上昌己らが火花散る頂上争いを繰り広げる。
開催中はイベントも盛りだくさん。先着1008名には3連単車券を大入り袋に入れて、さらに3000名には素敵な賞品の当たるラッキーカードを配布します。当日のはずれ車券5000円分で、先着1000名に賞品が当たるスピードくじもあります。さらに岸和田の特産品物産展や「ブランド王ロイヤル」協賛のブランド品即売会などさまざまなイベントを予定。明日はぜひ岸和田競輪場へご来場ください。
<1R>
長塚智広選手
1レースの
長塚智広(写真)
は東王座の落車で肩鎖関節を脱臼。ダービー出場は絶望的と思われたが、元気な姿で検車場に姿を見せた。
「ふつうは90日かかるみたいだけど、ドクター3人がかりで、色々な治療をやってもらった。痛みはほぼないけど、来る前は4日間パワーマックスに乗っただけだし、調子が良いわけはないですからね。正直、走ってみないと分からない」
オープニングレースから繰り広げられる
松尾淳
と新田祐大の先行争いも見どころのひとつだ。
「前回から中10日、休養も取ったし、その後しっかりと練習もできた。山内(卓也)との相性も良いし、脚の感じも良い。基本的にはいつもどおりの先行だけど、ビッグレースにかぎっては引けなくなったときには粘ることもあるかもしれない」
<2R>
菅原晃選手
2レースの
菅原晃(写真)
はあっせん停止で1カ月の欠場明け。今回は準決勝に進出した競輪祭以来の実戦となる。
「その間に脚が上がったと思えば。1カ月あったし、前半は沖縄でのんびりして、それからみっちりと練習をしてきました。岸和田はなぜか成績が悪いので正直苦手だけど、しっかり頑張ります」
新井秀明
は1月大垣FIの優勝から成績がひと息だが、今回は期待できそうだ。
「大垣で優勝してから調子こいてセッティングをイジッたのがダメでした。今回はまた元に戻したので良いと思う。嫁さんの実家が久留米にあって、年に何回か行くんです。前回のあとに行ったんだけど、藤田(剣次)と内容の濃い練習ができたと思う。あとは結果ですよね」
<3R>
吉田敏洋選手
3レースの
吉田敏洋(写真)
は前走の岐阜FIで無傷の完全優勝。前半戦の大一番を前に着実に調子を上げている。
「FIだから今回とはメンバーが全然違うけど、前回は自分がイメージするレースができた。その分、ダービーまでの時間は短くなったけど、大げさだけど自分の中ではダービーを走ってるくらいの気持ちだったし、走りながら感覚を磨いていくのが僕のやり方だから。明日からは気負うことなく走ります」
今年は決勝進出こそないが、
太田真一
も今年は好調。それだけにビッグレースで存在感を示したい。
「中1週間あって、強めにやってきた。(小林)大ちゃんとは前回(岐阜FI)の最終日にも一緒だった。まくられちゃったけど、そこから三、四番手に切り替えて1着取れてるし、今回もサラ脚で回ってくれば突っ込めると思う」
<4R>
三宅達也選手
前回の奈良で嬉しい記念初優勝を飾った
三宅達也(写真)
は最高の流れでダービーに参戦。検車場でもひと際多くの記者に囲まれた。
「流れが良いので、これが明日出るかどうかですね。奈良の後は石丸(寛之)さんとふつうに車誘導をやってきました。中5日で体調を崩さずしっかり練習できたから、前回の状態は維持できてると思う。でもみんな強いですからね。負けないように頑張りますよ」
佐々木健司
は「けっこう練習はしたけど、3.86のギアが合わないみたいだから、また4回転に戻します」。明日からの動向が不気味な一人だ。
<5R>
村上博幸選手
5レースの
村上博幸(写真)
は昨年末に腰を痛めるなど体調を崩していたが、何とか地元地区のダービーには間に合わせたようだ。
「準備は万端です。11月にギックリ腰をやってからは体には神経質になったし、ケアなどは欠かさずにやった。その分、最近は自転車が進むようになってきましたね。それまでは展開が向いても判断を誤って生かせないことが多かったけど、今は8割方マシになってきました。あとは一戦、一戦って感じですね」
金山栄治
にとっては正規配分で走る近畿地区のGIは久々。4年前に当所で開催された全日本選抜以来となる。
「僕はいつもどおりですよ。直前も近畿地区の合宿には参加せずに練習してきました。岸和田は冬場の風がキツいけど、それ以外はそんなに気にならない。最近はいつもどおりの自分の成績に戻りつつあるけど、とりあえず頑張ります」
<6R>
武井大介選手
6レースの
武井大介(写真)
は競輪祭を除く全ての開催で決勝に進出するなど、今年の成績は安定している。
「ここ何場所かは自分で動いてないし、番組一本ですね。海老根(恵太)さんとか強い人の後ろを回ってるだけです。でも調子は悪くないと思います。直前は天気があまりよくなかったけど、雨じゃなければ海老根さんとかと街道に行ったり練習はやってきましたよ」
鈴木謙太郎
はこれがGI戦初出場。1月西武園FIから3場所連続で決勝戦の確定板を外さないなど、調子を上げているだけに今大会の台風の目になれるか注目だ。
「暖かくなってきたのもあって、最近は力が出し切れるようになってきた。調子は戻ってきてますね。でも岸和田は鬼門なんですよ。今まで3回来て、2回車体故障で1回が落車。今回は流れを変えられるように降りる空港を変えてきました。何とか流れが変わって欲しいですね」
<7R>
濱田浩司選手
濱田浩司(写真)
はダービーに地元記念と今月は大事な大会が目白押し。「気合で頑張るしかないですね」と意気込みを話すが、ここへ来て明るい材料も少なくない。
「前回(岐阜FI)は踏めてない感じだったけど、ここに来る2日前から踏める感覚が戻ってきた。調子は上がってきてるかもしれませんね。大事な時期だし、それは良かった。あとはレースの持って行きかたですね」
<8R>
柴崎淳選手
8レースの
柴崎淳(写真)
にバンクの印象を聞くと、「風が強い。直線が長い。重い」と出てくるのはマイナスイメージな言葉ばかり。それでもダービーは初出場、輪界最大のGIで今年の未勝利を脱出したい。
「ダービーは初めてだけど、ここまでは普通にやってきた感じですね。西王座後の沖縄合宿もリフレッシュを兼ねたものだったから。(優勝を)狙える位置ではないし、挑戦者の立場で頑張ります」
<9R>
成田和也選手
9レースの
成田和也(写真)
は同県同期の渡邉一成との連係でシリーズの好スタートを狙う。
「岸和田のイメージはけっこう良いですね。走りやすいです。GIはみんな気合が入るだろうけど、(賞金の高い)ダービーは頑張りどころですね。僕も気合が入ってます。練習は普通にやってきたけど、調子は大丈夫だと思います」
加藤圭一
は前々回の松戸FIで落車、前回の武雄FIで車体故障と最近は流れが悪い。
「調子は悪くないんですけどね。落車の影響は前回まであったけど、今は痛みもないし大丈夫。直前は五十嵐(力)、福田(知也)と3泊4日の宮古島で良い練習をやってきました。岸和田では1着もあるし、イメージは悪くないです」
<10R>
村上義弘選手
10レースは今大会に並々ならぬ気合を入れる
村上義弘(写真)
が登場。今年は立川、静岡記念で優出するなど、復調ムードが漂っている。
「去年夏の終わり頃から、ダービーに向けて何とかしないとと思ってました。トレーニングはプランどおりに行ってたけど、体がプランどおりに動かなかったりしたけど、今年に入ってそれも何とか解消された。あともう少し確実なものにしてから入りたかったけど、戦える状態には持っていけたと思う」
村上を苦しめるのは
福田知也
か。昨年、夏場から調子を戻し、今年も2月平塚FIで優勝するなど好調を維持している。
「走ってみないと分からないけど、踏んだ感じも練習の感じも良い。GIは初めてだし、まずは初日クリアすることを目標にしたい。直前の宮古島合宿も練習環境が良かったです」
<11R>
山崎芳仁選手
11レースは初日唯一の特選競走。まず注目を集めるのは、ここを優勝すればグランドスラムに大手をかける
山崎芳仁(写真)
だ。
「東西王座の最終日あたりから具合が悪くなって、その風邪が長引いた。表彰式もあったし、練習を再開したのは20日くらいからですね。でも4日前のバンク練習ではスピードが出ていたので大丈夫だと思う。明日は4.08のギアでいくけど、それ以降はバンクの状態次第で変えるかもしれません」
今年は早くも6勝と年頭から飛ばしているのが
渡部哲男
だ。毎年、春先に悩まされる花粉症の影響も軽く、今大会も期待ができそうだ。
「直前は雨ばかりで、練習は計画の7割くらいしかできなかったですね。ちょっとはあるけど、こんなに花粉の影響がないダービーは初めて。岸和田は3回目だけど、過去2回もそんなに悪くないと思います」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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