『第64回日本選手権競輪(GI)レポート』 3日目編
 
配信日:3月3日


 第64回日本選手権競輪は大会3日目を終了した。名古屋競輪場を舞台に覇権が争われているが、今日からは二次予選がスタート。昨年覇者の村上博幸が姿を消すなど波乱ムードの一日となった。
 明日(4日)はゴールデンレーサー賞をメインに熱戦が繰り広げられます。SKE48のメンバーも連日、ダービーを盛り上げてくれています。ぜひ現場で生の迫力を体感してください!


<1R>
 打鐘過ぎから西谷岳文がペース駆けに持ち込み、番手を回った坂上忠克が後閑信一との踏み合いを制した。
 「西谷君がうまく駆けてくれたお陰。藤田(竜矢)君がまくってくるし、後閑さんが内をすくってくるしで番手は忙しかった。(後閑に)踏み負けたと思ったけど一着で良かった。初日は展開が悪かっただけで状態が良いし、残りのレースも頑張ります」。
 藤田の仕掛けに乗って内を突いた後閑信一は惜しくも二着。「藤田が仕掛けてくれたから自分も踏むコースができた。今回から新車なんですが、初日はセッティングがイマイチだった。でも何もすることがなかった2日目にセッティングをいじって感じが良くなった。あと少しですね」。


<2R>
 矢口啓一郎が会心のレースで勝ち星をゲット。思わず笑顔がこぼれる。
 「稲村さんの位置取りが全てでしたね。相性が良い訳が分かりました。脚の感じは問題ない。シリーズ途中で見送られるのは嫌なので、次もしっかり気合を入れます」


<3R>
金子貴志選手
金子貴志選手
   金子貴志(写真)が溜飲を下げた。最終1コーナーからの豪快なまくりで快勝。
 「無理矢理な感じで追いかけていったので、正直言って厳しかったですよ。一度、菊地君の後ろに入ってから踏もうと思ったら、後輪が接触した感触があってビックリしました。今日は変な風が吹いていて、先頭に立ってからが重いですね」


<4R>
中村一将選手
中村一将選手
   インに詰まる絶体絶命のピンチから甦った中村一将(写真)。4コーナーでインコースを抜け出した。
 「こんな事もあるんですね。打鐘では自然に体が反応して突っ張ったんですが、その時点で脚はかなりきつかった。外を踏む力は残っていなかったけど、いきなり前が空いたので助かりました。この1着は大きいですね」


<5R>
藤木裕選手
藤木裕選手
   初参戦のG1で初勝利を挙げた藤木裕(写真)。感慨深げにレースを振り返る。
 「なかなか勝てない人もいるのに、すんなり1勝できてホンマに嬉しいですよ。大きな舞台で走るということの意味を分かっていなかったけど、今回は本当に勉強になることばかり。出足でちょっと踏みすぎたけど、その後は落ち着いて走れました。こういう舞台をどんどん経験していって、もっと強くなりたいですね」


<6R>
竹内智彦選手
竹内智彦選手
   展開はもつれにもつれたが、脚を溜めた竹内智彦(写真)が直線一気の快勝劇。
 「いやぁラッキーのひと言ですね。追い上げ、追い上げの展開になったけど、自分はとにかく脚を溜めて踏むだけと思っていました。うまい具合にコースが空いてくれただけですけど、この1着は大きいですよ」


<7R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
   二次予選最初のレースを制した鈴木謙太郎(写真)は初戦の充実ぶりそのままの完勝だった。
 「今日は自分の展開になりましたね。スローからの仕掛けになったし、まるでスプリントみたい。競技でスプリントをやっていて良かったですよ。感触は良いですね。慎太郎さんとワンツーが決まらなかったのが残念です」
 クレバーな走りを見せた小林大介が2着で準決勝進出。
 「誘導を早めに切ってしまうのは作戦でした。自分は軽めのギアなので、一度ペースを落とした方が有利だと思って。G1は格上相手のレースばかりなので、色々と考えて走っているのが良いのかもしれませんね。状態は悪くないと思います」


<8R>
山内卓也選手
山内卓也選手
   地元中部勢がレースを席巻。山内卓也(写真)が抜け出して連勝を達成した。
 「永井君のおかげですね。何とかワンツーを決めたかったけど、かなり早くからモガいていたので、ちょっと失速気味でしたね。今回は地元のG1だけど、不思議と入れ込みすぎる感じがないんです。ホームの一宮記念の方が緊張するぐらい(笑)。ダービーは初日に1着を取ると、二次予選は3着になってばかりだったんです。そういう意味でも、この1着は僕にとって大きいですね」


<9R>
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
   昨日はレース終了後にへたり込んでしまうほど疲労困憊していた坂本亮馬(写真)だが、今日は見違えるような好レース。早めの巻き返しで浅井康太を捕らえた。
 「昨日は本当に体調が最悪だったけど、逆に吹っ切れたというか、気持ちのスイッチが入って今日は動けましたね。HSでカマすのは考えていた通り。前半を目一杯で行ったから最後はきつかったですね。村上さんばりに魂の走りができました」
 勝った白戸淳太郎は「本当にタマタマですよ。今日は作戦なし。流れに乗って踏むことだけを考えていました。一本棒の状態になったら終わってましたね。コースが空いてくれただけ。勝っているし、調子は悪くないと思います。準決勝は流れだけで勝てるほど甘くはないので、気を引き締めて臨みますよ」と話す。


<10R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
   長塚智広が異次元のスピードを見せた。見事な勝ちっぷりに場内からはどよめきも。
 「稲垣さんが先行する展開を考えていたので、その通りになりましたね。中団で併走していたので苦しかった。ギアを上げてからダッシュ力が上がった気がします。今日はスローから一気に踏む流れになったので、自分のダッシュ力を生かせました。たまたま連勝できたけど、そんなには続かないと思うので、準決勝は関東ラインで平原君や武田さんと一緒に戦いたいですね」
 稲垣裕之(写真)は2着ながら表情は硬い。
 「完敗です。自分としては簡単にまくられるスピードではないと思ったけど、あっさり行かれてしまいましたね。正直、長塚さんが強いとしかいいようがない。先行屋としては、最低でも3コーナーまでまくられないよう駆けるのが仕事だし、そうじゃないと番手の人だって何もできないですから。次に当たる時は同じ負け方をしたくないし、対策を考えてきます」


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   一走目は見せ場なく敗れた山崎芳仁(写真)だが、ギアを4.33に上げて乾坤一擲の勝負をかけた。これが結果、大正解。いつもの走りを取り戻し、圧倒的な強さで二次予選をクリアした。
 「今回は新しいフレームで参加しているんですが、初日の4.00ではスカスカして踏みごたえがなかった。あまりにも進まなかったし、ここで(ギアを)変えておかないと後悔すると思って上げました。良い感じで踏めたし、展開も思った通りになった。ここで負けてしまっては(グランドスラムの)権利もなくなっちゃうので、気合が入りましたよ」
 山崎マークの岡部芳幸も山崎には脱帽するしかないといった表情だ。
 「彼のタイミングだし、すべて作戦通りだった。吉田君を相手にやる気満々だったけど、とにかく自分が勝ち上がることを第一に考えてくれと伝えたんです。すごいスピードでした」
   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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