『第64回日本選手権競輪(GI)レポート』 5日目編
配信日:3月5日
いよいよ大詰め・準決勝戦! 名古屋競輪場で開催されている第64回日本選手権競輪は準決勝戦を終えていよいよファイナリスト9名が確定した。場内のボルテージも詰めかけたファンの熱気でヒートアップ。いよいよ頂点を決める戦いに期待が高まる。
明日は11Rのファイナルをメインに熱戦が期待されます。SKE48のメンバーも競輪場で大会を盛り上げます。ぜひ名古屋競輪場で熱戦をご覧ください。
<1R>
石橋慎太郎が打鐘で主導権を奪うと、松岡健介も叩きに行く激しい展開。
田中誠
は前を任せた同期・吉本卓仁が内に詰まったのを見て、自力策に作戦を変更しバックまくりで快勝した。
「吉本が内に詰まっていたし、被ってもうダメと判断した。出脚も良かったし最後まで踏めた。勝ち上がりに失敗はしたけど連勝で終わって良かったです」。
<2R>
位置を決めずに戦った
南修二
が、先行した中四国勢を追い掛けて四角で堤洋をインからすくって一気差し。
「小川(勇介)君は積極的なタイプじゃないし、インを斬るだけだと思った。駆けるのは三宅さんだと思ったし追走した。内をすくったのは空いていたのが分かったし、勝負所と判断したから。この後は地元の岸和田記念。1回緩めてもう一度練習してきます」。
<3R>
後攻めの金澤竜二が打鐘過ぎから先行勝負。後位を回った
飯野祐太
が三角から番手発進して人気に応えた。
「自分から人気になっていたので緊張しました。金澤君が良い感じで先行してくれたので、自分は番手で楽をさせてもらいました」。
<4R>
諸橋愛選手
目標不在の苦しいレースをしのいだ
諸橋愛(写真)
は引き上げると勝利の余韻に浸った。
「今日は朝からずっとレースのことばかりを考えていました。いくつもの展開を想定していたんですが、僕から余り車券が売れていないみたいだったので、一発やってやろうと気合が入りましたよ。ようやく3.85ギアの流れも分かってきたし、これをいつも使いこなせるようにしていきたいね。この1着はかなり納得ですよ」
<5R>
岩津裕介選手
浅井康太
が豪快なまくりで今シリーズ2勝目。だが「強引でしたね。タイミングとしては最悪」と手放しで喜ぶ様子はない。
岩津裕介(写真)
も自力を出して見せ場を作った。
「4.08のギアは悪くない感じですね。いつもこれを使えるようになっていきたい。出足はイマイチで、菅原さんに合わされそうになったけど、車は伸びていった」
<6R>
小野俊之選手
九州コンビでワンツー決着。
小野俊之(写真)
は「良く抜けましたね」と笑顔を見せる。
まくられてしまった
小嶋敬二
。大きく息を弾ませながら、「内を空けたら桐山君にしゃくられてしまいそうだったし、中団に坂本君が入っているので流すこともできない。かなり苦しいレースでした」と語る。
<7R>
渡邉一成選手
渡辺一成(写真)
が昨日のうっぷん晴らし。豪快に前団をまくって今シリーズ初白星。
「1着がなかったので、勝ちたかったんですよ。木暮が内を空けそうな気配があったので、そこはしっかり見ていました。案の定、石丸さんが踏んでいったので、やばいとは思ったけど、何とか出切れてよかった」
佐藤慎太郎
は「抜けませんでしたね。タイミングが取れなかった。石丸さんを締め込んだのも痛かった」と悔しそうな表情だ。
<8R>
芦澤大輔選手
関東コンビが巧みなレース運びから連を独占。
芦澤大輔(写真)
がG1初参加で初勝利を達成した。
「嬉しいですね。今日は神山君に全て託していた、僕の仕事は離れないように付いていくことだけ。彼が勝てるレースをしてくれれば、僕にもチャンスがある訳ですからね。初めて参加したG1で予選をクリアできたのは自信になります。1着も取れたし、次につなげていきたいですね」
佐々木則幸
は「ラインがもう一車長ければ全く違うんですけどね。このメンバーを相手に先行できたし、内容的には良かったと思います」。
<9R>
松岡貴久選手
山口幸二選手
いよいよ準決勝。最初に突破を果たしたのは
松岡貴久(写真)
だ。これが初めてのG1優参。だが、普段のキャラクターそのままに、冷静にレースを振り返る。
「実感はあまりないですね。いつも目の前のレースに集中しているんで、嬉しいけど、そこまで手放しで喜ぶような状態じゃないです。今日はある程度、村上さんラインからという感じでの組み立て。あとは自分が行けると思ったところで踏み込みました。完全にはほど遠いけど、うまく流れに乗れていますね」
村上義弘
は笑顔でクールダウン。今日もまた勝負所で全くためらうことなく仕掛けた。
「僕はいつも後手を踏まないように仕掛けることだけを考えているので、今回に関してはここまでの3走はそれができているなと感じています。松坂君が前を取るのは以外でしたけどね。もちろん勝ちにこだわっていきたいし、内容も大事だと思う。あと何回、G1の決勝戦に乗れるか分からないし、明日は両方を求めて走りたいですね」
落車負傷からの復帰戦がこのダービーとなった
山口幸二(写真)
。だが、その影響を感じさせない力強い走りで決勝戦に勝ち進んだ。
「今回に関しては初日が全てでしたね。あれで周囲の評価を高めることもできたし、流れを引き寄せられた。もちろん痛みはあるけど、レースへの影響はないですね。ダービーで決勝に乗れたのは大きい。二年連続で味わっている次点(グランプリ出走権)はもう嫌なので、ここで頑張りたいね。それにしても村上は凄いね」
<10R>
鈴木謙太郎選手
太田真一選手
鈴木謙太郎(写真)
が得意のカマシ先行で押し切った。松岡に次ぎ、G1初優参を果たす。
「自分の持ち味で勝負できましたね。3.77のギアと体がマッチしてきた感じがあります。できればこの後に走る山崎さんと一緒に乗りたい。練習も一緒にさせてもらって、背中で教えてもらっています。どちらかが優勝できるようなレースができれば」
市田佳寿浩
もクレバーな走りで危なげなく優参。
「反省点はそれなりにあるけど、決勝に乗れたのは嬉しいですね。ケガをしてリズムを崩したけど、良く立て直せたと思います。ダービーの決勝はこれが2回目。前回が千葉なので10年ぶりですね。今年最初のG1で村上さんと乗れたのは大きいですよ」
太田真一(写真)
は久しぶりのビッグ決勝に感慨深い表情を見せる。
「いやぁ久しぶり。嬉しいですよ。練習では周りに敵わないけど、最近、自転車と体がしっかりとなじんでいる感触があるんです。だから多少悪い位置からでも突っ込めてるんですよ。軽めのギアも自分に合っていますね」
<11R>
長塚智広選手
山内卓也選手
長塚智広(写真)
が一次予選から無傷の三連勝達成だ。二列併走の前団にホームスパートを浴びせて「追い上げるつもりが、車が意外に出た。ギアとシューズ、フレームが噛み合っている」と、好調の秘訣を語った。
兵藤一也
が長塚智広の快速まくりに完璧マークで2着入線。一昨年の岸和田大会以来、3度目のダービー決勝進出を果たした。
「長塚君が凄いダッシュ。どこかへ追い上げかと思ったら、そのまま長い距離を踏み切った。オレは踏み出しで遅れた分、深谷(知広)君と併走になったりで脚を使った。疲れ? そんなこと言ってられないよ」。
山内卓也(写真)
は兵藤へ切り替え、直線では大外へコースを選んだ。坂本亮馬とは僅差の3着入線に、「最後は無我夢中で、どんな展開で、自分がどう踏んだか覚えてない。状態? ダービーの決勝に乗れたメンバーで、悪い人なんていないでしょ」。
深谷知広
は逃げて着外に沈んだ。山崎芳仁が自身の後位に飛び付くなど、展開も味方せず「先行の仕方を忘れちゃいましたね。流れが見えてないし、踏めてもいない。後ろの状況も分からなかった。でも、明日も大事。しっかりと頑張ります」。
山崎芳仁
はグランドスラムは来年の熊本大会へ持ち越しになった。深谷後位へ飛び付き策が裏目に出て、「長塚さんや(坂本)亮馬がいて、簡単に引いた後では巻き返せない。後ろが2人だし、前に前に踏んでからと。朝日(勇)さんと併走が長引いたのも痛かった。グランドスラム? 気持ち切り替え、来年こそは! もちろん、明日も頑張ります」。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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