『第66回日本選手権競輪(GI)レポート』 5日目編

配信日:3月23日
 立川競輪場で行われている「第66回日本選手権競輪」は5日目が終了。5日目は準決勝3個レースが争われ、決勝戦に勝ち進む9名が決定しました。
 立川競輪場では様々なイベントでダービーを盛り上げます。最終日、24日(日)は未確定抽選会(13:00~15:00)、『ホリvsダブルネーム』ものまねバトル選手権(4R、8R終了後)が予定されています。さらに開催中は毎日予想会が朝イチ、3、5、9R終了後に行われます。最終日は山口幸二さんが担当です。ぜひ、立川競輪場に足をお運びください。

日替わり予想会での工藤元司郎氏
日替わり予想会での工藤元司郎氏

「角川 博」トーク&ライブ
「角川 博」トーク&ライブ
東北物産コーナー
東北物産コーナー
<1R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
 松岡篤哉、山田裕仁(写真)は3日目に続く連係。松岡の先行を山田がしっかりと追い込んで勝利した。
 「今日は松岡君が頑張ってくれました。練習も一緒にやってるし、3日目を反省してしっかり駆けてくれた。今回は最後のレースになるし、勝つ展開になったのでしっかりと勝たせて貰いました」
 逃げた松岡篤哉は4着に沈んだ。
 「今日は行けるタイミングでしっかりと踏めました。今回は勝ちあがれずに悔しい思いをしたので、来年もまたダービーに出られるように、その時はしっかりと勝ち進めるように頑張りたい。まだまだレースが下手なので、色んなパターンに対応できるように練習していきたいです」

<2R>
内藤宣彦選手
内藤宣彦選手
 打鐘で先頭に立った永澤剛が最終ホームでピッチを上げて先行態勢に。番手の内藤宣彦(写真)は上昇する岩本俊介をけん制するなど、仕事をきっちりとこなした上で、直線で追い込んで勝利した。
 「風がもの凄いきつかったから、永澤は中団からのまくりでもいいと思ってたのに先行してくれた。せめて番手の仕事はと思い、後ろを警戒してました。初日に情けないレースをしてるので、大きなことは言えないけど、4日目、今日と連勝できたことは自分にとっても大きいし、今後にしっかりと繋げていきたい」

<3R>
池田良選手
池田良選手
 連日、果敢に攻めている菅田壱道がここも先行策に出る。この3番手を確保した神山拓弥のまくりは岡部芳幸にけん制されて不発。岡部後位に切り替えた池田良(写真)が直線で鋭く伸び切った。
 「同期の神山がいい位置を取って、仕掛けてくれたおかげです。切り替えてからも余裕はありました。1着は嬉しいですね。初めて4.08にギアを上げてみて感触は悪くなかったです」

<4R>
志村太賀選手
志村太賀選手
 根田空史が打鐘過ぎに先行態勢に入るが、3番手に入った上原龍が最終ホーム手前から一気に叩く。番手絶好となった志村太賀(写真)が直線で鋭く追い込み、G1初勝利を飾った。
 「上原は3番手の位置に入って、あそこで良かったのに、すかさず行ってくれました。その気持ちが本当に嬉しい。やっとG1初勝利。それも後輩に頑張ってもらっての1着だから格別ですね」

<5R>
柴崎淳選手
柴崎淳選手
 北日本勢を追走した柴崎淳(写真)は3番手の好位置をキープ。後方の仕掛けに合わせて3コーナーから踏み出し直線をしっかりと伸びた。
 「2コーナーで前と詰まってしまったけど、そこから仕掛けると直線で後ろから行かれると思い待ちました。北も自力、自力の並びでフカしてたし、番手の飯野(祐太)さんの仕掛けを待ちました。悪いときは気持ちまで沈んでたけど、今回は強い気持ちを持ってレースに臨みました。ようやく身体と自転車がマッチするようになってきてるし、良い状態に戻るまでもう少しだと思います」

<6R>
山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 中団3番手の位置を確保した山賀雅仁(写真)が最終バックからスピード良くまくって勝利した。
 「上手く位置を取れましたね。普段やらない動きで、自分を追走して失格した勝瀬(卓也)さんに申し訳なかったし、素直には喜べない1着でした。たまには、位置を取るような動きを見せておきたいと、ずっと思ってはいたんですけど、ようやくレースで出せました。これから上のレースで勝っていくには必要なことだし、位置にこだわる時はこだわる、力勝負の時は力勝負とメリハリを付けられるようにしていきたいですね」
 水谷好宏は、山賀の仕掛けに続く形で3番手でゴール線を通過。勝瀬卓也の失格により2着へと繰り上がった。
 「才迫(勇馬)の逃げがすごくカカってました。山賀さんの位置取りは想定してなかったけど、それでももう少し早いタイミングで駆けられたら1着まで行けた展開でした」

<7R>
園田匠選手
園田匠選手
 園田匠(写真)は最終バックを最後方で通過の苦しい展開も、直線でコースを見極めて強襲。1着通過の南修二は落車の原因となり失格の判定。園田に1着が転がり込んだ。
 「まずは落車を避けられたことが大きい。今回は完璧な仕上がりで、連日余裕をもって走れていただけに、3日目の二次予選がもったいなかった。2走目から使ってる4.08のギアは練習でも踏んだことはないけど、実際に走ってみて、自分には合っている。勝ち上がりには失敗したけど、収穫のある開催にはなってます」

<8R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 打鐘で先頭に立った新田康仁(写真)。平原康多が最終ホームでカマすと、新田は平原の番手へすっぽり。新田は最終2センター辺りから、平原との差を詰めるように仕掛けて勝利を手にした。
 「平原君を出させるとその後が辛いし、出させるつもりは無かった。最終ホームで身体を当ててでも止めようと思ったけど、サラリと交わされました。その後は車間を切って、なんとか脚を溜めようと思ってました。うまく後ろを見ながら仕掛けられました。でも先行するつもりで、先行できていないし、悔しさの残るレースでした」
 新田の仕掛けに続いた林雄一が2着に続いて南関両者でワンツー決着。
 「新田さんが強すぎです。ひとりで仕事をしてましたからね。自分は最終ホームのところで佐藤(真一)さんと絡んでしまい前と口が空いてしまった。最後は外を踏む余力が残ってなくて、新田さんの内から抜きに行ったけど届きませんでした」

<9R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
村上義弘選手
村上義弘選手
 ここからが準決勝。3着までが最終日の決勝戦に勝ち上がる。9レースは打鐘過ぎに先頭に立った脇本雄太が主導権。最終ホーム、バックと一本棒で通過し、脇本、村上義弘の近畿勢での決着と思われたが、後方から猛スピードで迫る佐藤友和(写真)が大外を伸び、白星をもぎ取り、決勝戦一番乗りを決めた。
 「4日目のゴールデンレーサー賞は、神山(雄一郎)さんに前に入られて、そこからは自力に切り替えて踏み出したんですが、その時に思ったよりも進んで、いい手応えをつかめていました。準決勝も、まくりで届くという自信をつかめていたし、後方になっても落ち着いていられました。勝って結果も出たし、問題ないでしょう」
 脇本マークから直線を追い込んだ村上義弘(写真)が2着。
 「打鐘で出切って、その後の脇本のカカリも良かった。自分は車間を切って、しっかりと追い込めば2人で決まった展開だと思ったけど、今日は思った以上に直線が長く感じました。そしたら残り5mくらいで外を行かれてしまった。脇本と勝ちあがれなかったのは残念だけど、勝負をさせてもらえるところまで勝ちあがれたし、一緒に戦った後輩達の分まで、決勝戦は頑張りたいです」
 佐藤友和を追走した菊地圭尚が3着入線。2007年9月、高知オールスター以来となる2度目のG1決勝戦に勝ち進んだ。
 「ここに来る前からずっと状態は良かったけど、前で頑張ってくれた北日本の後輩達の力が大きくて、自分が決勝戦まで勝ちあがれました。友和は後方になったけど、余裕がありそうだったし、最後まで信頼してました。踏み出すポイントだけ集中してました。決勝戦ではしっかりと自分の役割を果たせるように頑張りたい」
 地元ダービーに気持ちの入っていた岡田征陽は、脇本ライン4番手と絶好の位置を確保したが、力及ばず4着の結果。「何をやってんだ」と一言を発し、がっくりと肩を落とした。

<10R>
深谷知広選手
深谷知広選手
牛山貴広選手
牛山貴広選手
 鈴木謙太郎が最終主導権。深谷知広(写真)は後方8番手に置かれて展開は苦しくなる。「深谷の巻き返しはきつい」と、検車場ではレース映像を見る選手達が声をそろえたが、怒涛の3コーナーまくりで直線を強襲。10秒6のバンクレコードを叩き出す快走劇を披露した。
 「気付いたら8番手になっていました。バンクとの相性の良さはずっと感じてるし、実際に勝って、決勝に勝ちあがれたけど、ここのところラインでの決着がほとんど無くて。今日も付いてもらった浅井(康太)さんに迷惑をかけてます。決勝はもっと厳しくなるし、もう一度気を引き締めなおしたい」
 バンクレコードに関しては「後方から追い込んだだけだし、自分だけ届く仕掛けだったので」と叩き出した数字よりも、レース内容に反省と言った表情だった。
 鈴木謙太郎、山崎芳仁ラインを追った牛山貴広(写真)が直線で追い込み、2着で初のG1決勝の舞台へ。
 「ずっと後ろに居たら、そこに居ただけになってしまうし、外併走になってもいいと覚悟して(北ラインを)追いかけました。怖がらず、前に踏み出せたことが結果につながったと思います。G1の準決勝も初めてだったし、決勝はもちろん初めて。引き上げて来たときに、次のレースの武田(豊樹)さんが握手をしてくれました。普段から、師匠、弟子の関係よりも、1人の選手として自分のことを見てくれているし、うれしかったですね。決勝戦は自分がやることは一つだと思っているし、しっかりと走りたいです」
 山崎芳仁は鈴木謙太郎の仕掛けを追い込み3着で決勝戦進出。
 「今日は謙太郎のカカリが良かった。車間を切って追い込むと、後ろもごっそり連れ込んじゃうと思って、来たら全部ブロックするつもりで走ってました。3コーナーで後ろを見ても誰も来てない、4コーナーで見ても来てないので、謙太郎を残し気味に追い込めば、ワンツーか、最悪でもワンスリーで決まると思ったけど、外の深谷がもの凄いスピード。謙太郎には申し訳ないけど、あれは対処しようがない。またグランドスラムに挑戦できるところまで来れたし、チャンスだと思って決勝戦も頑張りたいです」
 逃げた鈴木謙太郎は4着。松山全日本選抜に続くG1の決勝戦進出は果たせなかった。
 「打鐘過ぎたところで、(前にいた)藤木(裕)が全然駆けてなかったし、自分が先行だなと覚悟を決めました。いい展開にはなったと思うけど、あの深谷のスピードを見せられたら、仕方がないとしか言えませんね」

<11R>
成田和也選手
成田和也選手
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 打鐘2センターで先頭に立った新田祐大が主導権。中団は武田豊樹、川村晃司でもつれて北日本勢に絶好の展開に。新田マークの成田和也(写真)がしっかりと追い込み勝利した。
 「武田さんが中団の位置に居るので難しいレースにはなりましたが、新田が積極的に行ってくれて、(佐藤)慎太郎さんがしっかりと内を締めて、それぞれが役割をしっかりと果たせた結果ですね。今回の北日本勢は強いです。昨年のグランプリが終わってからは、ダービー連覇を念頭に置いてここまでやってきました。決勝も北日本勢でしっかりと力を出し合って頑張りたいです」
 佐藤慎太郎は成田に続く形で2着入線。
 「久々のG1決勝ですね。結果を出せる時に出しておかないといけないし、決勝進出は本当に大きいです。前回、小倉のミッドナイトで落車してて、正直、不安はあったんだけど、走ってみたら影響はそこまで無かったのかなという感じ。北日本にはグランドスラムを目指す人(山崎芳仁)、連覇を目指す人(成田和也)が居るし、決勝では自分は自分の位置をしっかりと走るだけですよ」
 武田豊樹(写真)は中団の位置を確保するも、川村晃司の仕掛けが真横でフタとなる苦しい展開に。3コーナーで川村を退け、直線で追い込む形で3着に食い込んだ。
 「川村君も強い選手ですから。自分の仕掛けるタイミングで行けなくて難しかった。最後はなんとか決勝に届きました。決勝戦は厳しいメンバーになるけど、しっかり力を出し切って優勝を目指したい」
 川村晃司は最後まで武田豊樹を苦しめたが、外併走で展開は厳しく、3コーナーで力尽きた。
 「もっと早く仕掛けていれば前に行けた。あの展開にしてしまった自分が悪いです。G1の準決勝だと、本当の超一流が集まってるしきついですね。自力でやっていける時間は限りがあると思うし、もうちょっと頑張らないと上には行けない。気持ちを切り替えて、また頑張って行きたいです」
 先行した新田祐大は4着惜敗、決勝進出にはあと一歩届かなかった。
 「気持ちの昂ぶりというか、ホームからガツンと踏んで、最後の直線で一気に力が抜けてしまった。うまく気持ちをコントロールできるようにならないと。学べたことを最終日のレース、その先のレースへと繋げていけるようにしたいです」
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