『第68回日本選手権競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:3月16日
 明日17日から京王閣競輪場で第68回日本選手権競輪が開幕する。G1唯一の6日制で最高峰の歴史と権威を誇る大会だ。14年MVPの武田豊樹をはじめ、大会3連覇の偉業に挑む村上義弘、グランドスラムに王手をかけている山崎芳仁ら豪華メンバーが参戦。前検日の今日は明日からの熱戦に備え、参加選手162名が車体、身体検査を無事に終了した。
 本場では様々なイベントでダービーを盛り上げます。初日は選手会東京支部選手お出迎えに始まり、バンク内での開会式、ブラスバンド演奏が予定されています。また、2,000名様にラッキーナンバーカードとオリジナルグッズプレゼント抽選券の配布、さらにコカ・コーラ社ドリンクサービスも予定されています。ぜひ京王閣競輪場でお楽しみください。
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稲毛健太選手
稲毛健太選手
 このメンバーで先行力が際立つ稲毛健太(写真)がダイナミックな走りで、G1戦オープニングレースを湧かせる立役者となるか。
 「最近は位置取りや普段はやらないんですけどまくりをやったりといろいろ試してます。自転車のセッティングも出てきました。練習はいつもどおりやってきました。初日は南(修二)さんが付いてくれるので後ろに迷惑をかけないように、一つでも上のレースで走れるように頑張ります」
 今年の石丸寛之はすでに2Vを獲得。近況上々で勢いがあり、昨年より確実に調子が上がっているようだ。
 「(オープニングレースは)早いから、40歳にはきついです(笑)あっという間に終わってしまいますしね。半年くらい腰の痛みがあって、練習すると出ますけど、うまいこと付き合っていくしかないと思ってます。今は痛みも落ち着いてるし、しっかり練習できました。花粉症もあるんですけどそんなにきつくないし、力を出せたらいいと思います。ダービーは早帰りが多いから、今年は最後までいられるように」

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松川高大選手
松川高大選手
 成績に波がある根田空史だが、前回西武園の最終日は後続を7車身千切るまくりで圧勝。仕掛けがはまったときのパワーはやはりケタ違いだ。
 「ちょっと時間があったので、いつもどおり千葉のバンクで練習してきました。新しいフレームの感じもつかめてきました。自分の走りができれば。全日本選抜のときに、後方に置かれるときついということがわかったので、前々にいこうと思っています」
 全日本選抜で2勝した松川高大(写真)は、今シリーズに向けてもしっかり準備してきたようだ。
 「約1カ月空いたので、合宿に3回行ってしっかり練習してきました。前回は調子は良くなかったんですけど気持ちが入っていたので。今回も気持ちは十分ですし、前回より楽しみです」

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牛山貴広選手
牛山貴広選手
 牛山貴広(写真)は前回の玉野記念で、師匠である武田豊樹の優出に貢献するなど、見せ場の多いレースを展開している。
 「(ギア規制に関しては)良くなってきました。調子が良いという感じでもないけど、やばいという感じはなくなりました。昔の3.92の感じに戻すんじゃなくて、今の92のやり方でやっていけたらと思います。体重も2~3キロ減らしました」
 昨年末から上向き出した海老根恵太は、近況も白星や優出が目立っている。以前の輝きを取り戻しつつある。大舞台で健在ぶりをアピールする。
 「(前走から)あまり間隔がなかったから、地元で練習してきました。前回から体調も維持できてます」

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吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 吉田敏洋(写真)は地元名古屋記念で熱い走りを見せた。中5日で迎えた今シリーズも気力で戦い抜く。
 「名古屋記念の前からダービーまで見越して練習はしていたんですけど、やっぱり前回は地元だったからその分気持ちが多めに入ってましたね。レースとしても自分のやれることはできました。中5日あったから、ここに向けて調整してきました」
 北津留翼は大敗もあるものの、2月小倉で完全Vなどそれ以上に見せ場も多い。
 「最近のレースは緩んだところを叩けたら結果が出ています。G1だからといって特に変わったことはしないで、いつもどおり練習して調整してきました。ラインで決まるように力を出し切りたい」
 坂本健太郎は近況白星が目立っている。
 「調子は半年くらい前から上がってきましたね。ここは予備だったから、次の福井のF1に向けて練習してましたよ。久しぶりにあまり準備しないまま来ました(笑)」

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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 最近の成績はパッとしない郡司浩平(写真)だが、毎戦積極的な走りを披露している。初出場のダービーでどこまでやれるか注目だ。
 「着はちょっと悪くても満足のいくレースができています。たくさんの人が見ているし良いレースができればいいです。雰囲気にのまれないように、みんなに負けないくらい力を入れていきます」
 郡司の番手回りを選択した小埜正義は前回の和歌山で落車。状態が懸念される。
 「落車したし、ハンドルも変えたので走ってみないとわからないですね。郡司君とお互い信頼し合って離れないように。これからは番手戦も増えてくるだろうし頑張ります」
 筒井裕哉は頻繁に確定板を決めており、近況の動きもしっかりしている。
 「やれる感じはあります。靴やセッティングとかいろいろ変えて、それがしっくりきています。前回から中5日だけど疲れもないし、前回より今のほうが良いです。やれる感じはありますね」

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佐藤友和選手
佐藤友和選手
 佐藤友和(写真)は、今年に入ってF1戦を2V。しかし、ここ2場所は勝ち星がなく、苦しい現状を吐露した。
 「ギアとか、セッティングとか、いろいろ試しているんだけど、正直良いのが見つかっていない。1着もないし、はっきり言って状態が良いとは言えないですね。体は動かないし、車も出ていない。原因が知りたいですね…」
 野田源一は、2月宇都宮で準V。続く小倉では準決勝敗退といまいち波をつかみきれていない。初日は筒井敦史を味方に付け、1次予選突破を狙う。
 「(筒井が)付いてくれて心強い。ライン戦でも戦えるところを見せていかないと。前回から中8日だけど、ここまでは調整程度。調子がいいんだか、悪いんだかわからない成績だね。まあ、行けるところから仕掛けて、チャンスがきたら物にできるようにしたい」

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芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 芦澤大輔(写真)は、近況成績が上昇中。控えめ振り返るが「ここに向けて仕上げてきた」と、静かに闘志を燃やしていた。
 「流れと言うか、展開が向いているだけであって、自分の力は中堅の下だと思っています。前までは大ギアでごまかせてたけど、ギア規制がかかって周りとの差を感じてしまいますね。ただ、動きやすくはなって、自分には向いているとは思います。京王閣のイメージは悪くないですし、ましてや地元の関東なんで、そういうところ生かして、何としても勝ち上がりたいですね」
 原田研太朗は、これでダービー出場が2回目。輪界最高峰の大会に気持ちを引き締める。
 「直前は軽めに練習をしてきました。京王閣は走りやすいイメージがありますし、感触は徐々に上がってきています。ダービーは2回目なんで、初心忘れずというか、良い緊張感で走れますね。前々に攻める気持ちで頑張ります」
 原田マークの渡部哲男は、状態面に不安がある様子。
 「(前回の)小田原は見ての通り、あまり調子が良くない。その辺が不安だね。やれることはやってきました」

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早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
 早坂秀悟(写真)は、佐藤慎太郎と今年5度目の連係。「後ろが慎太郎さんなのは心強いですね。調子は普通です。相手がどうこうよりも、先行基本で頑張ります」と言えば、佐藤慎太郎も「早坂とは最近何度も連係しているし相性が良いね。今回も上手く走ってもらいたい」と、互いに信頼を口にした。
 田中晴基は、2月防府でVを飾るなど、復調の兆しが見えてきた。
 「上向きなのは確かだし、戻ってはきています。ただ、大ギアの時はなじめてたけど、ギア規制はプラスではないかも。それも踏まえて試行錯誤していますね。前回の小倉にいく時は調子悪くなかったんですけど、終わってから疲れが出たんで、一息ついてから練習をしてきました。チャレンジャー精神で頑張ります」
 田中の番手を回る松坂英司は、名古屋記念で落車も、大事には至らなかった。
 「落車した時は絶対(骨が)折れてると思ったんですけど、大丈夫でした。胸はまだ痛いですけどね。名古屋からは休んで、軽く自転車に乗ってきました」

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後閑信一選手
後閑信一選手
 地元の後閑信一(写真)は、2年前の当所オールースターでタイトルを奪取。上向く調子を追い風に、4度目のG1制覇を狙う。
 「レスポンスを上げるための練習をしてきました。気持ちも充実しているし、獲れる時に(タイトルを)獲りたいです。でも、いつも気合が入りすぎちゃうから平常心で。オールスターの時はそれができていたんでね。今回は6日制だから休みを生かして走りたい。ベストを尽くして頑張ります」
 地元コンビに任された相川永伍は、前回小倉で久々の優出。不調の原因を見つけ出し状態が上向いてきた。
 「休みも取ったし、練習もしてきました。軽いギアになったんで、練習方法とかを大きく変えすぎちゃいましたね。乗り方も変わっちゃったし、あんまり良い乗り方でもなかったです。段階的に変えて行けばよかった。今持っているものをすべて出して走りたいです」

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中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 中川誠一郎(写真)は、競技と本業の競輪で多忙を極めるなか、前回玉野記念では8162着と2連対。優出こそ逃したが持ち前のスピードを発揮して、要所でキレのある動きを披露した。
 「京王閣はこの前の日韓戦で走っているから問題ないです。その時くらいからこのギアが踏めるようになってきましたね。玉野が終わってからは、ほとんど熊本で練習をしてきましたし、体も競輪に戻せています」
 菅原晃は中川の番手を得た。今年に入ってブレーキがかかっていたが、手応えをつかみ出した。
 「着は悪いけど、着以上に動けていますし、練習すればある程度はいける。広島のあとは、雨が多かったので、室内で練習してきました。離れないように頑張ります」
 三谷竜生は兄の将太とダービーに同配分。平常心で1次予選突破を目論む。
 「しっかり練習をしてきました。兄弟あっ旋は、あまり気にしないですね。相手が誰でも、いつも通りに走るだけです」

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深谷知広選手
深谷知広選手
 初日のメーンとなる特選には、1次予選以上の強豪たちが各地区から顔をそろえた。深谷知広(写真)は、2月千葉で自転車を新しくすると、前回の名古屋記念では復調を予感させる走りで優出を飾った。
 「セッティングをいじりながらなんで、良くなってくれればいいですね。(名古屋も)だいぶいじって、終わってからも調整しました。フレーム自体はオーソドックスなんで、どれだけ良いセッティングが出せるかですね。良い仕掛けで残れれば、また自信になるんで。やれることはやったつもりなんで、あとは結果が出れば(ダービーには)間に合ったということ。(ダービーは)一番大きいレースなんで、存在感を出していきたい」
 平原康多は今年に入ってハイレベルで安定。前回の名古屋記念では神山拓弥に差されるも、自力で準Vなど仕上がりは順調な様子だ。
 「もともとパワー系じゃないんで、回転系のギアになって良かった。勝負できる状態にはあると思う。いつも通りの調整できたんですけど、まず決勝を目指して。前検日なんで、大きいことは言えないですけど、乗れた段階で優勝を意識したいです」
 木暮安由は2月川崎を完全V。調子を上げて臨んだ全日本選抜では落車の憂き目も怪我による影響は少なそう。初日特選は平原後位から抜け出しを狙う。
 「怪我は大丈夫です。走った感じも問題ない。平原さんは勉強になることがいっぱいあるんで、いろいろ吸収させてもらいます」
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