『被災地支援競輪第70回日本選手権競輪(GI)レポート』 最終日編

配信日:5月5日
 静岡競輪場で開催された今年2度目のダービー、平成28年熊本地震被災地支援競輪「第70回日本選手権(G1)」は、5月5日の最終日に決勝が行われた。レースは主導権を握った新田祐大に深谷知広が襲い掛かり両者で踏み合い。最後方から中川誠一郎が、大まくりを決めてG1初制覇。優勝賞金6500万円(副賞含む)を手に入れ、年末の「KEIRINグランプリ2016(GP)」の出場権を獲得した。

ふなっしー ステージイベント
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競輪選手会静岡支部 競輪選手のたまご
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決戦を前に意気込みを語る
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熱気に包まれる静岡競輪
熱気に包まれる静岡競輪
決勝戦 レース経過
 1番車の渡邉晴智が号砲で飛び出すと新田祐大を正攻法に迎え入れる。単騎の3選手はそれぞれ中団に納まり、周回は新田―渡邉―松坂英司―中川誠一郎―牛山貴広―稲川翔―深谷知広―吉田敏洋―近藤龍徳の並び。
 青板の3コーナーから動いた深谷は4コーナーで誘導員を下ろすが、新田は簡単に車を下げず吉田の内に。深谷が外の動きに目をやった一瞬の隙を突いて内を抜け出し1センターから先行態勢に入る。外を回した松坂も3番手で続き、すくわれた深谷が吉田のアシストで4番手に入ったところで打鐘。中団で休むことなく3コーナーから深谷が再度仕掛けたが、合わせて新田もペースを上げて残り1周前から両者で激しいモガき合いに。松坂が口が空いたところを逃さず吉田が3番手に入ったが、外に浮いていた深谷を目掛けてホーム最後方から中川が一気に仕掛ける。気づいた吉田も2コーナーから仕掛けたが、スピードの違いは歴然。中川が後続を大きく離したまま押し切って、嬉しいG1初優勝を飾る。新田に合わされながらも中川を追った吉田が2着。新田後位から吉田に切り替えた渡邉が3着入線した。

ゴール
ゴール
表彰式
表彰式
胴上げ
胴上げ
<1R>
松浦悠士選手
松浦悠士選手
 誘導を残しながらまだまだスローペースの佐川翔吾の番手に、松浦悠士(写真)がインから追い上げて林巨人と競り合い。佐川が徐々にペースを上げると、打鐘の2センターで松浦が林を外に張って林は落車。柴崎俊光も乗り上げる。高橋陽介は落車を避けて大きく立ち遅れる。逃げる佐川の番手を奪取した松浦が、追い込み直線で抜け出した。
 「佐藤(龍二)さんが粘るかと思ってたんですけど…。誘導も残っていたし、4番手じゃ勝負にならないと思って、番手に行かせてもらった。林さんに返す時に、林さんが遅れてて外したらああなってしまった。林さんには悪いことをしました。佐川さんを抜けたし、早めに行けば桑原(大志)さんまでもっていう気持ちだったんでよかったです」
 落車に見舞われた林に後輪が接触した桑原大志だったが、松浦に流れ込み2着。ホッと胸をなで下ろす。
 「松浦君が強かった。どういうあれ(作戦)かわからなかったけど、勝てるように走ってくれればと。内に行くとは思わなかった。林君に自分の後輪が当たったけど、なんとか走れました」

<2R>
田中晴基選手
田中晴基選手
 赤板過ぎから飛び出し高久保雄介が踏み込んでハナに立つと、中村一将が離れて3番手に早坂秀悟が入る形に。離れてしまった中村が松岡健介の後ろに付け直そうと最終ホーム手前から追い上げると、8番手に置かれていた田中晴基(写真)が中村に乗ってスパート。逃げる高久保を最終バック手前で飲み込んで武井大介と千葉両者の決着。
 「打鐘過ぎにカマシに行こうと思ってたんですけど、行けるようなスピードじゃなかったですね。中村さんがいなかったら行けてないかも。前回の西武園からフレームを換えたんですけど、自分の短所を補うフレームにしたら、体の反応に自転車がついてきていない感じですね。もっとこう反応良く踏んだら出てくれるフレームを作りたくなりました」
 スピード抜群の田中に懸命に食らいついた武井大介が2着。
 「早坂君と高久保君がいたので先行争いになるんじゃないかって。でも、決着がつく前に仕掛けようと思っていたみたいで、うまく決まりましたね。お互いに仕事してワンツー決まったしよかった」
 3着の松岡健介は番手回りの難しさを痛感。悔しそうにレースを振り返る。
 「3番手に早坂君が入ったのも見えていたし、後ろがいなくなったのもわかったんで。2車なら車間を空けようと思ったので、そういう部分ではステップアップできていると思いますけどね。車間を空けたときに中村さんが追い上げてきて、その後ろから田中君がきたので反応できなかったですね。高久保君の先行を無駄にしないように、頑張ったつもりですけどダメでした」

<3R>
石井秀治選手
石井秀治選手
 南関勢を警戒しながら早めに動き始めた北日本勢だったが、前受けから小川勇介が分断策に出て飯野祐太と併走。前団の隊列が縮まると、打鐘の2センターから松坂洋平が巻き返す。逃げる永澤剛の番手を奪取した小川が合わせて出るも、松坂がねじ伏せて番手の石井秀治(写真)は飛び付いた小川との併走をこらえて追い込み1着。
 「松坂君が強かったです。小川君が内に来たし、もう1回復活してきて、もってくる可能性もあった。自分はそこを冷静に対処できたと思います。(番手は)その都度難しいけど、経験を積んでいけば前での動きにも幅が出てくると思います」
 踏み負けた飯野を迎え入れた菊地圭尚は、最終2コーナーで石井に締め込まれた飯野の態勢が整うのを待ってから追い込み勝負。シャープな伸びで2着に届いた。
 「(飯野)祐太のところで粘るとは思わなかった。想定外だったけど、自分がキメて祐太にも(反撃の)態勢を作ってあげたかった。もうあそこでは祐太もいっぱいになっているみたいだから、それで踏みました」
 北日本勢を分断して番手を奪うも、松坂に飲み込まれた小川勇介は4着。
 「モガき合いになってくれれば一番いいんだけど、それだと人任せになってしまうんで。負けても自分で勝負をしようと思っていた。自分のなかでは(松坂が)もっと遅く来ると…。あそこを合わせ切れればよかった」

<4R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
 小松崎大地を出させまいと郡司浩平が打鐘から飛び出して外から巻き返す小松崎を突っ張って風を切る。一度は引いた小松崎だったが、最終ホーム手前からもう一度、力強く踏み込んでスパート。番手の和田圭が遅れて、郡司が番手にはまる。が、8番手から勢い良く巻き返してきた矢口啓一郎(写真)が前団を一気に飲み込んで最終日で白星を飾った。
 「自分自身がレベルアップできていると感じられたし、自信を持てた開催ですね。最終日だし一発狙って仕掛けようと。前と結構離れていたけど、感じ良く踏めたし車も流れてくれた。ただ、昨日は人の後ろを回って失敗してしまっているんで。これからはもっと(人の後ろを回ることが)増えてくると思うのでその辺を克服してきたい」
 地元の片寄雄己は志村太賀にも出られて、上甲勢に次ぐ3着。連日奮闘している郡司の頑張りを称える。
 「連日、本当に気持ちがうれしい。簡単なことじゃないですからね。自分もその気持ちに応えようと頑張ったんですけど(ラインが)2車だってのもあったし難しかった。いつか(郡司のホームの)川崎とかで返したいですね。もっと脚力つけて自分自身も頑張らないと。負けていられませんね」
 小松崎に叩かれはしたものの、郡司浩平が果敢に攻めた。
 「気持ちだけですね。やっぱり片寄さんがついているのでそこはしっかりやらないと。でも、風が強くてキツかった。まだまだですね」

<5R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 中団の渡邉一成に併せ込んだ渡邉雄太が、赤板を通過すると1コーナーから踏み上げて一気に主導権を握る。桐山敬太郎(写真)、新田康仁と南関の屋台骨となってきた2人を連れてグングンと加速。単騎の三谷将太は外に浮いて切り替えかなわず、4番手を阿竹智史がキープするも前との車間は詰まらない。7番手の渡邉一も同様で、最終バック手前から番手まくりを放った桐山がそのまま押し切った。
 「(渡邉雄は)まだタレてなかった。一列棒状にして、よく頑張ってくれた。強かったですよ。ただ、今日は(新田と)ワンツーを取らないと意味がないし、また3人で残るレースがあると思う。例年だと(ゴールデンウィークは)平塚記念に合わせていたんだけど、それがダービーになっただけなんで、自分にとってはいいかもしれない」
 前3走すべて4着が並び歯がゆい戦績だった新田康仁が流れ込んで2着。シリーズを振り返る。
 「自分に関してはこれが現状ですね。レースの流れに乗れているだけで、まだ3割くらいしか戻ってない。自力で戦うとなると、まだまだ全然です」

<6R>
三谷竜生選手
三谷竜生選手
 山崎芳仁が上昇して誘導員後位に入る。三谷竜生(写真)は根田空史にフタをしたあと、再度踏み上げ打鐘で主導権。後方から根田が巻き返していくが、出切れないと判断して、空いていた6番手に降りる。軽快に駆ける三谷に別線は動けず最終バックを通過。ようやく2センター山崎が踏み込む。車間を切っていた川村晃司も直線で詰め寄るが、三谷が強じんな粘りを発揮して押し切った。
 「今日は先行基本に。あとはどこまで残れるか。(根田が)来たら合わせようと思っていました。でも、来なくてもあそこくらいから踏むので。(今シリーズは)調子は良かったので、次はしっかり勝ち上がれるように」
 川村晃司は三谷をとらえることができず2着で、近畿で連独占。
 「今日は番手の仕事をしっかりしようと。ゴール前は踏んだんですけどね。三谷君が強かったです。今開催は直前が上向いていたので、勝負はできると思ってはいたけど。でも、深谷(知広)君とか上位との力の差を感じました。練習をし直して頑張ります」

<7R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
 ライン4車の脇本雄太と吉澤純平で打鐘前から激しいモガき合いに。叩きにきた脇本を内から吉澤が突っ張ると、後ろの飯嶋則之は吉澤と連係を外す。飯嶋は意地で追い上げを狙ったが、番手にはまった脇本のところまではいけず古性優作に弾かれてしまい後退。脇本が番手まくり上げて白星をゲット。
 「キツかった。(打鐘のところで)結構踏んだし流してないぞって…」
 脇本に続けず3着となった古性優作も、「ダメですね。脇本さんが番手に入ろうと減速した時に(飯嶋に)来られたのでキツかったですね。こういう(脇本の番手を回る)チャンスが来たときにしっかり生かせないとダメ。そのために頑張っているで」と、振り返る
 2人とは対照的に、吉本卓仁に乗って2着に突っ込んだ岩津裕介(写真)は笑顔。
 「なんかこうやっと(らしさが)出せましたね。昨日とかも良くなかったけどうまく修正できたし、体も反応してくれた。吉本君がまくれないと思ったけど、その勢いのままうまく突っ込めた」

<8R>
原田研太朗選手
原田研太朗選手
 平原康多、櫻井正孝、原田研太朗(写真)の順で前に出ると、前受けから引いた村上義弘が赤板の2コーナーから踏み込む。原田は一旦突っ張るも、松岡貴久に迎え入れられ3番手に下がる。今度は櫻井が2センターから巻き返していく。しかし、こちらは中団までが精いっぱい。すると、態勢を立て直した原田が最終1センターからスパート。岡村潤の抵抗を凌いで前団をひとまくりして、そのまま1着でゴール線を通過。
 「村上さんを突っ張る予定でしたけど、突っ張れなかったです。でも、その後は対処できたと思います。ラインでワンツースリーだったんで、うれしかったですね。準決は悔しかったですけど、最後に気持ち良く1着を取れてよかったです」
 番手の松岡貴久は突っ張った原田と口が空くも、その後は冷静に対処して原田を迎え入れる好アシスト。最後は直線で迫ったが、タイヤ差で2着に。
 「ちぎれはしたけど、(村上が)出切りそうなタイミングだったので、引いてくるかなと。最後は(抜きにいくのが)ちょっと遅かったですね。人の後ろは難しい」
 原田を止められなかった岡村潤は番手からタテに踏むも、力及ばず5着。地元G1の最終日に結果を残せず悔しそうな表情を浮かべる。
 「もうちょっとコーナーの手前で来てくれたら、2番(原田)をもっていって6番(櫻井)も外に浮かせられたんですけど。止められなかったです。(今シリーズを振り返って準決が)悔しかったですね。もう少しできると思っていました。でも、これが現実なので、これを糧に今後も頑張ります」

<9R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 正攻法に構えた竹内雄作が、後ろ攻めから上昇してきた近藤隆司を突っ張りそのまま先制。中近ラインの後ろにいた菅田壱道が最終1コーナーから一気に踏み込んで巻き返しを狙ったが、浅井康太が外に張りつつタテに踏んで抜け出すと北日本勢は外に浮かされ万事休す。浅井を追走した村上博幸が直線で差し脚を伸ばして、名古屋ダービーと同じくシリーズ3勝を挙げた。
 「ああいう展開になれば、自分の持ち味が発揮できますね。でも昨日(準決)みたいなレースだと力負けしてしまう。結果的に3勝できたけど、自分自身でも大事なところで勝てていないなって印象ですね。やっぱり準決でどれだけ勝負ができるかだと思う。それは結果だけじゃなくて内容の部分でも。その辺をもうちょっとどうにかしたい」
 竹内の余力を判断して浅井康太(写真)は番手まくりの選択。
 「竹内君が赤板で突っ張ってペースを落とすかなって思ったけど、そのまま踏んでいったので。竹内君とも村上さんとも信頼関係はできているので(竹内には)悪いと思ったけどあそこは踏ませてもらいました」

<10R>
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
 後ろ攻めの稲垣裕之が先に前に出た武田豊樹を打鐘で叩いて、最終日も先行策に出る。しかし、山田英明の巻き返しも早い。山田が稲垣を1センターでねじ伏せてラインで出切る。番手の大塚健一郎(写真)が、絶好の展開をモノにして、久しぶりに白星を手にした。
 「今年初勝利ですね。でも、ちょっと抜きすぎました。ここまで苦しかったけど、戦い方は間違っていなかったね」
 「ちょっと見ちゃいました」と、語るのは芦澤大輔。目標の武田が金子貴志に合わされると、コースを選んで鋭く伸びて2着に入った。
 「あのまま金子さんをどかして前に踏めればよかったですね。でも、展開を作ったのは武田さんだし、付いていただけなのでなんとも言えないです。今後はこういう(責任のある番手の)場面が多くなるかもしれないし、その時はしっかり仕事をこなしていきたい。そういう時にアベレージの力を出せるよう、日々努力を怠らないように」

<11R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
新田祐大選手
新田祐大選手
 「平成28年熊本地震被災地支援競輪」として行われた今シリーズに、熊本勢からは6人が出場。いまもなお、やまない断続的な地震に練習どころか、普段の生活さえままならない苦しい状況のなかで、みんなの思いを背負い中川誠一郎が逆境を乗り越えてドラマティックなG1初制覇を遂げた。
 「もう感謝しかない。この被災地支援競輪で僕が優勝できたのも、みんな応援してくれたおかげだと思っているので本当に感謝しています」
 4月14、16日と熊本を大きな揺れが襲った。2度の地震の際には神奈川と静岡にいた中川だったが、福岡を経てなんとか故郷に戻ったのは数日後だった。
 「2回目の地震で移動ができなくて1日、2日待って。福岡に飛んで先輩に迎えに来てもらいました。高速も通ってなくて、バスと電車も止まってた。(自宅の)建物自体はなんとか持ちこたえたんですけど。家の中はぐちゃぐちゃでした。5日間くらいは熊本でできる限りのトレーニングと、片付けに追われてた感じです。それで2、3日前に川崎に入って練習をさせてもらった」
 故郷の大きな被害を目の当たりにした中川は、ダービーでの走りで被災地にエールを送ることを誓った。
 「僕ができることは走ってアピールすることなので、それができたのでサイコーですね」
 レースは、深谷知広に押さえ込まれた新田祐大が番手で粘り、吉田敏洋と併走で赤板を迎えた。深谷がインを空けると、誘われるように新田が内を抜け出して主導権。4番手で立て直した深谷が、今度は打鐘の3コーナーから反撃。新田、深谷、輪界を代表する両者の踏み合いで中川にチャンスが生まれた。
 「いろいろ考えたんですけど。やっぱりもう自分が一番得意な悔いのない戦法で思い切り、ワンチャンスだけ集中していこうと思っていました」
 牛山貴広、稲川翔と中川以外の単騎の2選手が流れに遅れまいと前々に踏み込むが、中川だけは打鐘を過ぎても車間の空いた9番手の最後方。じっと脚を溜めて自らの爆発力を信じて一撃にかけた。
 「出切った時に新田君と吉田君が追いかけているので必死でした。それだけでした。(ゴールを先頭で駆け抜けて)シビレました」
 最終ホームから踏み込むと、不発で浮いた深谷のあおりを物ともせず大まくり。合わせるように自力に転じた吉田、逃げる新田をとらえても中川のスピードは衰えず、2着の吉田を4車身ちぎって初戴冠を成し遂げた。
 「なんて言うんですかね…、自分の力だけじゃないところがあるような感じがして。みんなに獲らせてもらった感じです。本当に自分に6日間追い風が吹いていたような感じです」
 優勝賞金6500万円獲得し、年末のグランプリ初出場を決めた中川は、8月には2度目の五輪出場でメダルの期待がかかる。
 「(賞金は)全部って言いたいところですけど(笑)。(五輪で競輪を)3カ月くらい休むんで、多少なりとも熊本に使っていただけるように(寄付を)考えたいと思います」
 故郷の熊本への支援を約束する中川が、今度はリオ五輪で被災地を元気づける。
 新田に合わされ深谷のスピードが鈍ると、吉田敏洋(写真)は松坂英司が遅れて空いた渡邉晴智の後ろを確保。自らまくって出たが、中川のスピードが違い離れた2着。タイトル奪取は次回の名古屋、高松宮記念杯以降に持ち越された。
 「(新田に)一番やられたら苦しいことをやられた。新田のイン粘りは想定していた。深谷の気持ちも僕には十分伝わって頑張ってくれました。(中川が)見えた時にはギアが3枚くらい違っていた」
 新田マークから直線で追い込んだ地元の渡邉晴智が3着。中川の優勝を称えて、静かに振り返る。
 「タイトルというのは、獲るべき人が獲るもの。それが今回は中川だったということ。自分はキツかったけど。子どもたちのためにいいところを見せられたかなって思います」
 愛知分断策から深谷をすくって主導権を握った新田祐大(写真)は、深谷を突っ張りきったものの中川のまくりまでは合わせ切れず6着。
 「流れのなか(でイン粘り)だったんですけど。そこからも(深谷に)スピードがあれば出ちゃうかなと思ったら…。攻めるつもりでやったんですけど、獲れなかったんでまた練習します」
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