『ふるさとダービー富山(GII)レポート』 2日目編
 
配信日:8月6日
 


11R 峻峰剱賞・レースダイジェスト

 スタートで加藤慎平が飛び出し小嶋敬二を受けた。前から小嶋―加藤―佐々木龍也―渡部哲男―大塚健一郎―紫原政文―平原康多―佐藤慎太郎―坂本勉の並びで周回が進んでいく。

 青板過ぎから平原が上昇を開始。前受けの小嶋を押さえると、小嶋は車を下げる。赤板で渡部が巻き返しにかかると平原は踏み合わずに中団に車を下げた。打鐘からペースを上げて踏み込む渡部に最終ホームから平原が襲いかかる。大塚のブロックを凌いだ平原がまくり切って直線に入ると追走の佐藤が伸びて平原を差し切った。小嶋は七番手に置かれまくり不発に終わる。

ゴール
表彰式
ゴール
表彰式


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 開催2日目を迎えた富山競輪場は、初日に続き好天に恵まれた。初日は自力型、追い込み型の両方から一様に「重い…」というコメントが出たが、2日目も風こそないものの、やはり暑さと湿度で重いバンクの中、二次予選、峻峰剱賞が行われ、準決進出を賭けた激しい戦いが演じられた。


<5R>
 準決進出を賭けた二次予選は5レースから。初日は打鐘先行で押し切った中川誠一郎が最終ホーム手前からカマシ先行を決めるとライン3人で上位独占を果たした。
  「初日ほど重く感じないで駆ける事が出来ました。武井君が突っ張って鈴木さんが離れてるのは見えたけど、もうホームだし出切って駆けた方が良いと思い、そのまま踏みました。ゴール前はちょっとタレたけど、準決でも戦える手応えは掴みましたよ」
  武井大介に飛び付かれて一瞬あせった小川巧も安堵の表情で引き揚げてくる。
  「武井君にもってこられたので締め返しておきました(笑)。中川君は全開で仕掛けてないね。様子見ながら踏んでる感じ、あれじゃ付いてる方はキツイよ。準決進出?、初日に渡部(哲男)君に付け切ってれば準決は決まってたはずですよ(苦笑)」


<6R>
榊枝輝文選手
榊枝輝文選手 渡辺晴智選手
渡辺晴智選手
   6レースは高城信雄、和田健太郎らを出させず逃げた松崎伊佐央が殊勲者と言えよう。
  「ちょっと早い仕掛けだとは思ったけど、出させてしまったら苦しくなりますからね。榊枝さんが良い仕事をしてくれてたみたいだけに残念」
  浜口高彰の強襲に屈したとはいえ番手の仕事をこなした榊枝輝文(写真)は松崎に感謝、感謝だ。
  「今日は全て松崎君のおかげです。前取ってそのまま逃げる展開は予想してなかった。高城君は上手く止められたけど、後ろに浜口さんが入ったのが分かったんで厳しかった」
  勝った浜口高彰は冷静沈着な判断力が光り、ゴール前でも伸び切った。
  「高城君が仕掛けた時に榊枝君のブロックで接触してバックを踏んだが、僕も一緒にバックを踏まされるとキツイので切り替える形になった。ゴール前でも申し分の無い伸びだったが、レースも冷静に見えていたね」
  もうひとりの殊勲は渡辺晴智(写真)。バック手前から自らまくって大外を強襲。3着とはいえ出色のスピードだった。
  「和田君が内を踏んでいったんで僕は外を踏んだ。思った以上に車の伸びは良かったですね。苦しい展開を凌いでるし、調子は良いと思いますよ」


<8R>
森内章之選手
森内章之選手
   8レースは3連単20万を大きく超える高配当が飛び出した。初日も伸び良かった森内章之(写真)が四角中割り強襲で2着に突っ込んだのが高配当の大きな要因。
  「菊地君はまくり追い込みかと思ったが早めに仕掛けてくれたね。2センターからは中割りしか考えてなかった。『僕の道が開いた』って感じでしたね(笑)」


<9R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
   9レースは初日に赤板先行でまくられて調子が不安視された武田豊樹(写真)がケタ外れのスピードで七番手まくりを決めた。四角から交わしにかかる大薗宏を全く寄せ付けずに完勝。
  「初日はレースが終わって不安になるほど重かった。コンディション作りに失敗したのか?とあせりましたよ。でも今日は全然違ったし、四角から再加速しましたね。準決も比較的戦い易い組み合わせなので頑張る」
  番手を回った大薗宏も武田の強さに脱帽。
  「四角から車を外したが『こりゃ無理だわ』って諦めるほどのスピードでした。まさか準決も一緒なんて(笑)」


<10R>
池崎太郎選手
池崎太郎選手
   10レースは吉岡稔真がまくり不発に終わる波乱となった。その吉岡をまくらせずに逃げたのは池崎太郎(写真)。したたり落ちる汗を拭いながらレースを振り返る。
  「高橋君が中団を取ってくれたので、高原君の動きに合わせて突っ張るか、出させてその上を叩くつもりでした。GIIの準決なんて勿論初めてだし、凄く嬉しいですね」
  三番手から突き抜けたのは藤原憲征。最後は内を突く形となったが伸び切った。
  「ちょっと油断して車間が空きすぎました。後ろに吉岡さんが入ってるのに気付いたので、仕掛けてきた時に合わせられる様に構えてました」


<11R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   最終11レースは全員準決の権利を得ている峻峰剱賞だけにヨコの動きは少なくタテ勝負となったが、最終ホーム手前から仕掛けた平原康多が渡部哲男の逃げを捕らえた。
  「中団を取れたけど、あのままじゃ小嶋さんが来るし、イチかバチか仕掛けた。渡部さんもかかってて苦しかったですね。佐藤さんに抜かれちゃうあたりがまだ力不足ですね」
  差し切った佐藤慎太郎は余裕の表情でレースを振り返る。
  「全面的に平原君に任せたが、僕の思ったとおりの走りをしてくれました。大塚君のブロックを乗り越えていくあたりはさすがに強いね。今日は展開9割、脚が1割だね(笑)」
  1番人気に支持された小嶋敬二(写真)は思惑と違った展開に苦笑い。
  「平原君はシューズが新しいみたいだったので、駆けると思ったのが裏目に出ました。(平原が)踏まないので僕は内につっかかってしまった…」

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