『ふるさとダービー富山(GII)レポート』 3日目編
 
配信日:8月7日
 


 大会3日目を迎えたふるさとダービー富山。2日目は薄雲があり多少は過ごし易かったが、3日目は再び強い日差しが照り付けて30℃を軽く超える猛暑。灼熱のバンクで準決勝をメインに激しい攻防が繰り広げられた。

<4R>
 まずは4レースから。一次予選こそ失敗した沢田義和だが、2日目は逃げ切り、3日目もまくり強襲と見せ場を作った。
  「打鐘で中途半端に仕掛けてしまったので、もう一度引いて立て直した。郡さんの落車で僕も落ちたかと思った。あれがなければまくり切れる手応えはあったんだが…」


<5R>
 続く5レースは乾と石毛での二分戦。押さえた乾準一が快調なペースで駆けるとそのまま押し切ってしまう。
  「仕掛け所とかより僕のコンディションが良かったみたいですね。今朝起きた時の体調が良かったですから。押さえ先行含め、色々な先行の仕方を試してます」
  対する石毛克幸はガックリと肩を落として引き揚げてくる。
  「出られたら厳しいのでイン粘りまで考えましたよ(苦笑)。仕掛けても車が出ませんでしたね…。力も入らなかったし、やはり落車の影響が残ってるのかな」


<6R>
 6レースは出入りの激しい競走になったが、最終バックでまくった村上博幸が酒井耕介の追撃を振り切ってシリーズ1勝を決めた。
  「4月から6月は調子も悪くバランスが狂ってたんですが、松本(整)さんに色々アドバイスをもらって7月位から調子が上がってきてます。二次予選はレースが見えていながら動けなかったので、その分も今日は踏み込めて良かった」


<8R>

 8レースは打鐘カマシを決めてライン独占と最高の結果を出した武井大介の動きが光った。
  「初日特選で今日のカマシを決めたかったんですが…。ペースを落とさずに踏んだのが正解でしたね。それでも最終バックで一息入れて、三角過ぎから踏み直しました」
  中団キープからまくり上げた松崎伊佐央は松永晃典の牽制で不発に終わり、悔しそうに汗を拭う。
  「武井君のレースを僕がしたかったが、最近は車番が悪く、道中の位置取りが難しい…」



<9R>
平原 康多選手
平原 康多選手
小川 巧選手
小川 巧選手

   9レースから決勝の椅子を巡り激しい攻防となる。七番手に置かれて万事休したかに見えた平原康多(写真)だったが、豪快にまくると大塚のブロックの上を踏み込み快勝。
  「前受けで突っ張る事も考えてたんですが、中川さんの勢いがよくて引くしかなかった。余裕はなかったが、落ち着いて立て直そうと心掛けて仕掛けましたが、後ろに悪い事をしました」
  佐々木龍也はうまく高橋大作をドカして平原後位にスイッチするも大塚のブロックで弾かれ伸び切れなかった。
  「自分の作戦がハッキリ決まらないまま走ってしまった。とりあえず中団だったが、平原君が来て被ってしまったので、高橋君をドカす形になったが、その後大塚君に弾かれて終わりですからね。自分の力はこんなもんです…」
  中川に乗って優参を果たした大塚健一郎だが、じっくりと考えながら言葉を選びつつレースを振り返る。
  「今回は調子が良いとは言えないけど、番組と展開に恵まれてますね。小川さんに掬われたのは苦しかったが、小川さんもあそこは待てないでしょう(苦笑)」
  逃げた中川誠一郎は大塚が決勝に乗ったとはいえ自身は残れなかった。
  「自分では落ち着いて走ってるつもりでも、最終ホームからバックにかけて力が入り過ぎてロスがありました。そこが残念です」
  久し振りにGII優参を決めた小川巧(写真)。大勢の記者団に囲まれて冗談を交えながら喜びを語った。
  「いつ以来のGII決勝か?、調べて教えてくださいよ(笑)。僕が内を締めっ切りで三番手の仕事してたの見てくれました?(笑)。(大塚に)悪いとは思ったが、あそこは待てん。調子が良ければチャンスもありそうだが、ほんとに重くて厳しいんです」


<10R>
武田 豊樹選手
武田 豊樹選手
大薗 宏選手
大薗 宏選手

   10レースは二次予選に続いて豪快にまくった武田豊樹(写真)が人気に応えて茨城ワンツーを決めた。しかし、打鐘でペースが緩み、内に詰まった時点では危ういと思われたが…。
  「抜け出せない時に坂本さんにカマされてたらマズかったですね。あそこは反省点です。イン粘りも頭に少しあったが、引いて正解でした。四番手に入ってからは楽だったし、良いタイミングで仕掛けられましたね」
  2日間連続で武田とワンツーの大薗宏(写真)はまたしても差し迫れず。武田を称えながらも交わせない悔しさを覗かせる。
  「しかし、武田は強い。昨日よりは交わせるかと思って目一杯交わしに行ってるが全然ダメですね(苦笑)。決勝もまずは武田君の番手を死守!。そしてゴール前では何とか抜きたい」
  紫原のブロックに合いながらも凌いで3着に入り決勝進出の渡辺晴智だが、満足そうな表情ではない。
  「武田君の三番手というプレッシャーはあったかな。紫原さんにからまれたとはいえ、離れてしまってショックです。武田君のスピードが違ってたから何とか凌げたが、前とのスピードが合ってしまったら苦しかったでしょうね」
  武田相手に果敢に逃げた八谷誠賢だったが、強烈なまくりに屈した。
  「ボコボコにされちゃいました(苦笑)。僕が駆けなきゃいけない組み合わせだとは思ってたが、武田さんに四番手に入られてガックリ…。あせって踏んだせいかスピードの乗りもイマイチでした」
  打鐘時には絶好のカマシ頃に見えた坂本勉だったが動けずに終わってしまった。
  「予想してた展開と違って見過ぎてしまい、体が反応しなかった…」


<11R>
加藤 慎平選手
加藤 慎平選手
渡部 哲男選手
渡部 哲男選手
   11レースはダントツ人気の小嶋敬二がゴール前で末を欠き、まさかの4着。長い長いクールダウンを終えた後もさすがに言葉少な。
  「踏みっぱなしの展開だったので苦しかった…」
  勝った加藤慎平(写真)も地元の雄・小嶋を残せずに表情は複雑。
  「まくり追い込みで来られたのでキツかったが、僕がまだ未熟です。もっと車間を切るなりして対処出来なくては…」
  大外をまくり迫った渡部哲男(写真)もハイペースなレースに苦しそう。それでも梶応と共に優参を決めて嬉しそう。
  「小嶋さんが仕掛けてからは踏みっぱなしで追ったが、小嶋さんのかかりが良くなかなか追い付けなかった。脚は軽く感じたし調子は良いと思う。最後に内に誰が来たんだ?と思ったら梶応さんでした(笑)」
  ベテラン梶応弘樹も久々のビッグ優参。巧者らしいコースを突いて伸びた。
  「脚は結構一杯だったよ。哲男(渡部)の外は厳しいので内に入ったが、加藤君の内まで行くかちょっと迷ったね。結果的にギヤを上げたのが正解でした」

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