『ふるさとダービー観音寺(GII)レポート』 最終日編
 
配信日:4月22日



 香川県・観音寺競輪場で開催された「ふるさとダービー観音寺」はいよいよ最終日を迎えた。前日までの晴天とは打って変わり、あいにくの雨模様となった観音寺バンクだが、バンク内では雨雲を吹き飛ばすかのような勢いで激しいレースが繰り広げられた。
 


決勝戦ダイジェスト

 号砲で小倉竜二がゆっくりと誘導を追うが、新田康仁がそれを交わして正攻法の位置に入る。隊列は新田―兵藤一也、渡部哲男―小倉―加倉正義、加藤慎平―山田裕仁、山崎芳仁―飯嶋則之の順で落ち着き、淡々と周回を重ねる。
 青板バックから山崎がゆっくり上昇を始め、岐阜コンビがこのラインを追走する。山崎は三番手の外でしばらく渡部ラインにフタをするが、前受けの新田がスローペースに落とすと、打鐘前に動いて先頭に立つ。三番手には加藤がすんなり入り、五番手の位置を新田と渡部で取り合う展開に。山崎は後続の様子を窺いながら、徐々に踏み込む。最終ホームでもこの態勢は変わらず、山崎が一気にペースアップ。加藤が2コーナーから早めにまくるが、スピードはなく、バックで飯嶋のブロックをもらって失速する。外併走の態勢からまくった渡部も加藤のあおりを受けて後退。逃げる山崎のかかりは良かったが、飯嶋の後ろに切り替えて脚を溜めていた山田が4コーナーから踏み込むと、直線外を一気に伸びて優勝を飾った。2着には山崎が逃げ粘り、最終バック最後方から追い込んだ加倉が3着に入った。

ゴール
ゴール
表彰式
胴上げ
表彰式
胴上げ


<6R>
村本大輔選手
村本大輔選手
   6Rの村本大輔(写真)は最終日に待望の1着をゲットした。
 「今日の1着は嬉しいですね。(山内)大作があれだけ行ってくれたのに勝てないんじゃ申し訳ないでしょう。今回はちょっとオーバーワーク気味だったけど、体は良く動いていたと思う。あとは展開ですね。そこをさばきで克服していかないとダメなんだけど。次の京王閣ナイターでまた頑張ります」


<7R>
川崎健次選手
川崎健次選手
   川崎健次(写真)は7Rを奇襲のイン粘りで制した。
 「内が空いたので行けるところまで行ってやろうって感じで踏んでいったら、高橋さんが踏み遅れてたみたいで、すんなり番手にはさまれました。追い上げてくるかと思って構えてたんですけどね。こういうレースができるっていうのもアピールできたかな」


<8R>
吉川誠選手吉川誠選手
   吉川誠(写真)が8Rで待望の一勝を挙げた。
 「展開が向いてくれただけですけど、本当にすごく嬉しいですよ。ちょっと泣きそう。体調が悪くて精神的にも落ち込んでいたから、この1着でまた練習も頑張れそうです」
 高城信雄の仕掛けに離れてしまった沢田義和は「高城のダッシュに付いていけませんでした。久しぶりに千切れてしまった」とうなだれる。


<9R>
北津留翼選手
北津留翼選手
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
   9Rでは北津留翼(写真)が会心の逃げ切り。4日間すべての競走でバックを取った。
 「今回は体調は普通でした。今日も作戦を立ててもらっていたんですが、すんなり押さえて駆けられたのが一番ですね。中団が離れていたのを知らなかったので、最終バックも全開で行っちゃいました」
 岡部芳幸(写真)は3着。今シリーズは不本意な結果に終わってしまったが、「負けたレースでも得るものがあった開催でしたね。準決勝はレースを安易に考えてしまったかもしれません。レースが見えすぎてしまうんですよね。次の地元F1をしっかり走ります」


<10R>
池尻浩一選手
池尻浩一選手
   10Rは順位決定。自力型が不在のこのレースで主導権を握ったのは岩津裕介だ。番手を回った小野俊之がバック過ぎに手島慶介のまくりをブロックしながら前に踏むと、池尻浩一(写真)が鋭く伸びた。
 「何だか最終日に恵まれることが多いですね。こんなに思った通りの展開になるとは思いませんでした。(小野)俊之が行ってくれて、僕は交わすだけでしたからね。楽な展開になってラッキーでした」
 自力勝負の有坂直樹は「ペースが緩んだ最終ホームで仕掛けるべきだったかな…」とレースを分析した。


<11R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手

山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   クライマックスの11R決勝戦からは惜しくも敗れた選手のコメントを。まくりで勝負した加藤慎平(写真)は納得の笑顔。
 「番手に斬り込むことも考えてはいたけど、三番手だったので2コーナーからのまくり勝負と決めました。最高の展開になったんですけどね。山崎君が強かった。山田さんが優勝してくれて良かったですよ」
 山崎芳仁(写真)は打鐘からの先行で見せ場を作った。
 「このギアでも押さえ先行ができるってことを見せたかったんです。今日は先行しか考えていませんでした。中団の渡部が出るようならカマシだったんですが…。山田さんは脚があるので、2着になったのは仕方がありません」
 渡部哲男は悔しさを隠しきれない。
 「加藤さんが3コーナーでふくらまなければ行けたと思いますよ。今日は山崎君が流したところを一気にカマシてやろうと思っていたんですが、ちょっと駆けるのが早かったですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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