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レース展望

  函館競輪場で3年ぶり5回目のふるさとダービーが開催される。山崎芳仁を筆頭にいつもどおりの豪華な顔ぶれが揃った地元・北日本がシリーズの主役を務め、武田豊樹率いる関東の追撃を盤石の構えで迎え撃つ。北日本と関東の二大勢力が真っ向から叩き合うようなら、曲者揃いの九州や南関東などの逆転一発も十分で、真夏の暑さを吹き飛ばす熱戦の連続が期待できるだろう。

真夏の暑さを吹き飛ばす熱戦
層の厚い北日本勢がリード!
山崎芳仁を筆頭に盤石の構えで地元優勝を目指す

  先の寛仁親王牌では準決勝で山崎芳仁、佐藤慎太郎らが脱落したが、それでもなお北日本の選手が4人も優出しており、北日本の層の厚さを改めて証明してみせた。出場選手数では関東や南関東にはかなわないが、地元開催のふるさとダービーで大挙の優出がありそうだ。
  山崎芳仁は寛仁親王牌の準決勝で金子貴志の先行を叩き切れず不発に終わってしまったが、2日目ローズカップでは4・00の大ギアながら器用に捌いて3番手を確保、そこから余裕の捲りで快勝しており、体調面の不安は全くない。大ギアでも苦もなく捌いて見せた山崎の脚力のすごさはやはり尋常ではなく、今回も文句なしの優勝候補の筆頭だ。
  ホームバンクでの開催で燃えているのが菊地圭尚だ。4月の武雄記念決勝では北日本勢を連れて先行して齋藤登志信の優勝に貢献、6月の立川国際では準決勝でクレイグ・マクリーンを捲りで破るなど近況は好気合いだ。今回も北日本勢を連れての積極的な走りで見せ場を作ってくれるだろう。
  今回、機動力の面で侮れない存在になりそうなのが南関東だ。石橋慎太郎は本来は捲りを得意にしているが、5月の大垣記念決勝で中途半端な捲り狙いで不発に終わったのが薬になったのか、近況は先行も辞さない積極的な走りが目立っている。寛仁親王牌では一次予選で敗れているが、3日目一般では逃げ切りで通算100勝目を達成、4日目一般では捲りで101勝目を挙げている。
  海老根恵太や丸山啓一も急速に復調してきており、彼らの頑張り次第では鈴木誠や高木隆弘らのベテラン勢の勝ち上がりが期待できる。
山崎芳仁選手
山崎芳仁 福島・88期
 
 
 
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎 静岡・88期
 
 
気力も脚力も充実の武田豊樹がビッグ初制覇を狙う
九州復活の波に乗って中川誠一郎が好走する

  九州は昨年のタイトル戦線では3人がタイトルを獲得、今年も優勝こそはないがコンスタントに優出を果たしており、一時期の低迷を脱して勢いを取り戻してきている。
  中川誠一郎は近況はビッグレースでの目立った活躍はないが、今年はFⅠで2度の優勝があり調子は決して悪くない。寛仁親王牌では3日間凡走してしまったが、4日目特選では前受けから志智俊夫の打鐘ガマシを突っ張って逃げ切っており、最後の最後で先行選手としての意地を見せた。今回も山崎芳仁や武田豊樹らのトップクラスが相手のレースではやや苦しいが、北津留翼や荒井崇博の活躍で九州はいいムードになっているので、中川も同県の合志正臣との連係で大駆け一発が期待できるかもしれない。
  北日本に待ったをかけられるのは、やはり武田豊樹や矢口啓一郎らの強力先行を擁する関東だ。
  武田豊樹は寛仁親王牌では二次予選で失格と残念な結果に終わってしまったが、6月の富山記念決勝では小嶋敬二を相手に逃げ切って優勝しており、調子は万全だった。5月の宇都宮記念決勝でも関東ラインを引っ張っての先行策で後閑信一の優勝に貢献しており、課題だった積極性も全く問題がない。武田はいまだにビッグレースでの優勝はないが、気力も脚力も充実している現在の状態ならば優勝のチャンスは山崎芳仁と互角といってよく、今度こそのビッグ初制覇が期待できる。
  矢口啓一郎も近況好調だ。寛仁親王牌では二次予選で敗れたが、一次予選は追い込みで、3日目特選は捲りで2勝を挙げている。極めつけは4日目特別優秀で、矢口自身は8着に沈んでいるが、得意のダッシュで先手を奪って山崎芳仁を不発に終わらせ、稲村成浩のホームバンクでの1勝に貢献している。大ギアの山崎にとっては、ダッシュのいい矢口のような選手が一番の苦手で、今回も王者・山崎を相手に矢口が金星を挙げるシーンがありそうだ。
  追い込み型では後閑信一が充実した走りを見せている。ディフェンディングチャンピオンだった寛仁親王牌では準決勝で惜しくも4着に敗れたが、5月の宇都宮記念では武田豊樹―神山雄一郎の3番手から鋭く伸びて優勝、6月の京王閣国際の決勝戦では藤田竜矢の先行を目標に番手捲りを放ち、ボス、ニムケ、ビノクロフの外国人勢を打ち破って優勝している。
中川誠一郎選手
中川誠一郎 熊本・85期
 
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎 群馬・86期



武田豊樹選手
武田豊樹 茨城・88期
 
 
 
波はあるが、伊藤保文の自力勝負での一発が侮れない
ベテランの底力で三宅伸が安定した走りを見せる

  今回は北日本と関東の2大勢力が強力すぎるほど強力だが、彼らが真っ向から叩き合うような展開になれば伏兵陣にもチャンスが巡ってくるし、その可能性は大きい。
  三宅伸は05年4月のふるさとダービー武雄温泉で優出後はこれといった戦歴は残していないが、ビッグレースでも大敗が少なく、なかなか侮れない存在となっている。今年も競輪祭と高松宮記念杯では準決勝まで勝ち上がっているし、寛仁親王牌でも一次予選が1着、二次予選が3着で準決勝までコマを進めている。奥の手の捲りもまだまだ健在で、今回も展開が向けば優出が十分に考えられる。
  中・四国では濱田浩司もまずまず好調だ。寛仁親王牌では短走路特有のめまぐるしい展開に翻弄されて力を出し切れなかった印象があるが、それでも2走で主導権を取っているし、3日目選抜では坂上忠克が濱田の先行を目標に1着になっている。濱田自身も近況の成績は悪くなく、5月の松山FⅠでは金子貴志の先行を捲って優勝、6月の別府記念では準決勝Bを捲りの1着で突破して優出を果たしており、調子は明らかに上向きだ。今期は2班だが、なかなか調子の戻らない佐々木則幸に代わって、濱田が中・四国の選手をぐんぐん引っ張っていくだろう。
  伊藤保文も近況の調子はまずまずで、相変わらず成績の波は大きいが、ここぞというときにファンをあっと驚かせるような思い切りのいい走りを見せてくれるので侮れない。寛仁親王牌では二次予選で落車に見舞われてしまったが、一次予選では井上昌己を相手に先行策に出て2着に粘り、井上を不発に終わらせて富永益生と中近ワンツーを決めている。5月の大津びわこFⅠの決勝戦では89期の山本健也の先行を7番手からあっさり捲り切って、自身は3着に沈んだが、地元・北川智博の優勝に貢献しており、回転力の鋭い先行・捲りは今もなお抜群の破壊力を有している。
三宅伸選手
三宅伸 岡山・64期
 
 
伊藤保文選手
伊藤保文 京都・71期
 
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齋藤登志信が2度目のふるさとダービー優勝を飾る!
ふるさとダービーの思い出【平成16年6月29日決勝・優勝 齋藤登志信】
  決勝戦は北日本、関東、中部の3地区の戦いとなり、2車の中部は山田裕仁―一丸安貴の並びだが、4人揃った関東は格上の小橋正義が栃茨の戸邉英雄に神山雄一郎の番手を譲り、神山―戸邉―小橋―金子真也の並びとなった。北日本も齋藤登志信と岡部芳幸のどちらが前を回るか注目されたが、2日目優秀では前を回った齋藤が山田に先手を取られて不発に終わった経緯があり、決勝戦では岡部―齋藤―渡邉晴智の並びとなった。
  レースは北日本が前、中部が中団、関東が後攻めで周回。青板から神山が上昇して岡部にフタをしてから先頭に立つと、打鐘過ぎから今度は山田が岡部の内をついて中団を取りにいく。すると岡部が打鐘過ぎから意を決しての先行策に出て、最終バックまで一本棒の展開になる。絶好の展開となった齋藤がゴール前で抜け出して1着、2着も渡邉で、3着には小橋が入った。

ふるダビ函館の思い出




海に近い重たい走路で、追い込み型が有利
浜風の影響をモロに受けるので自力型は苦しい
  函館バンクは海に近く、直線が南北方向に走っているので、風の影響を受けやすい。
  だいたい昼頃から風速3~4mの浜風が吹きはじめるが、バック向かい風の時はインが重く、捲りが決まりやすい。逆にホーム向かい風の時は捲りが決まらなくなる。
  函館は昔から走路が重いといわれてきたが、03年の全面改修後もその傾向は変わっておらず、旧バンクに比べて直線が長くなった上にカントが浅めなので、先行・捲りの自力型にはやや苦しいバンクとなっている。
  04年に開催されたふるさとダービーの結果を見てみると、全44レースのうち1着の決まり手は逃げが7回、捲りが12回、差しが25回、2着は逃げが4回、捲りが6回、差しが20回、マークが14回で、戦法的には追い込みが絶対有利となっている。
  しかも追い込みは、先手ラインや捲りのラインからの抜け出しだけでなく、4、5番手からの直線一気で1着や2着に届いているケースが多く、その結果、スジ違いの出現率も高くなっている。

  周長は400m、最大カントは30度36分51秒。見なし直線距離は51.3m。直線が長くて重たいバンクなので、先行ラインだけでなく捲りのラインのズブズブの出現率も高い。04年の大会では先手ラインの選手が1着になったのは全44レースのうち16回しかなく、函館では先手ラインの番手が必ずも有利とはかぎらない。

函館バンク



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