『ふるさとダービー弥彦(GII)レポート』 3日目編
 
配信日:4月21日


 新潟県弥彦競輪場で開催中の「ふるさとダービー弥彦」もいよいよ三日目。勝ち上がり戦も大詰めを迎え、メーンの準決勝3個レースではシリーズのベストナインをかけた激しいバトルが展開された。準決勝では平原康多、小嶋敬二に山崎芳仁と実力者がきっちり勝ち星を挙げ、明日の頂上決戦は見応え十分。明日の11レースで優勝賞金1540万円(副賞を含む)をかけた最後の戦いが繰り広げられる。
 明日は先着入場された1500名様に投票券を配布し、見事決勝戦優勝者を当てた方には抽選で1名に5万円分の旅行券をプレゼント。50名に弥彦競輪オリジナルジャンパーが当たるスピードくじ抽選(先着入場1500名様)や新潟支部選手会による「寺泊番屋汁」のサービス(先着入場500名様)など様々なイベントでご来場をお待ちしています。ぜひ明日も弥彦競輪場へ足をお運びください。


<5R>
齋藤登志信選手
齋藤登志信選手
   5レースは齋藤登志信(写真)が格上の意地を見せて快勝した。最終ホームから山下渡、竹田和幸によるし烈な主導権争いをひと飲み。「久々に自力を出すと直線が長いね。差されたと思ったけど。残り(1走)、明日も頑張ります」と早くもシリーズ最終走へ視線を向けた。
 金川光浩もまずはワンツーを決めて満足げ。
 「齋藤くんはこの辺じゃ力が違う。抜ける感じじゃなかったし、内に入られないように、2着確保にいきました。まずは人気に応えられてよかった」


<6R>
米澤大輔選手
米澤大輔選手
   一つグレードの上がった6Rは特選競走。まくりを主戦法とするタイプがそろって出入りの激しい展開となったが、最終的に主導権を取ったのは高木竜司だった。番手は米澤大輔(写真)。懸命の援護を見せたが…。
 「何もできなかったね。僕の後ろがもつれていたのは見えてたので、最終的に外になったラインがまくって来ると思い、構えていたんだけど。真後ろが違うラインだから、けん制したらしゃくられるっていうのもあって、うまく仕事ができませんでした」
 勝ったのは南修二。初日、二日目と苦戦が続いたが、ようやく本来の走りで1着を手にした。
 「僕も自在タイプなんで、あの位置を取るのは最低条件です。早めに誰かが駆ける展開になれば番手をさばく事も考えてはいましたよ。最終バックで中井さんが遅れてるのが見えたので、そこで外に持ち出して踏みました。後ろが落車してしまったのは残念ですけど、とにかく勝てて良かった」


<7R>
阿部康雄選手
阿部康雄選手
   7レースは地元の阿部康雄(写真)がシリーズ初勝利。最終的に金山ラインの三番手をキープすると、最後は外を鋭く伸びて人気に応えた。
 「(金山の番手に)もう一度追い上げようと思ったら、金山はガツンと踏んだので。それでも単独で三番手だったから、早めに外を踏もうと思ってた。地元で1着は嬉しいですね。昨日、今日で寿命が縮んだけど、明日もう一回頑張ります」
 阿部に前を任せ、直線で中を割った宗景祐樹が2着に。
 「阿部さんは頑張ると言ってくれたので。外は混戦だったし、最後は中を行けるところまでと思って踏みました」
 苦しい展開をしのいで3着に食い込んだ高橋大作だが、「今日はまくりを考えてたけど、降りてきた久米(康徳)さんをバック踏んで入れたのがダメだった。感じは良いのに、すげえ失敗しましたよ」と判断ミスを悔やんだ。


<8R>
金古将人選手
金古将人選手
   8Rでは壮絶な番手戦が展開された。新田祐大が先行態勢に入ると、最終ホームで高峰賢治が追い上げる。さらにバックでは飯田辰哉も参戦。これらをしのいだ金古将人(写真)は坂上忠克のまくりも止め、まさに一騎当千の活躍。さすがにゴール前では力尽きたが、存在感をアピールした。
 「入れ替わり立ち替わりですから。疲れましたよ。仕事もできたし、坂上のまくりも見えてました。最後はしょうがないですね」
 三番手を固めていた佐藤康紀が1着。バツが悪そうに、「先輩に頑張ってもらって申し訳ないですね。でも1着は嬉しい。これが今年初勝利ですから。ずっと展開が悪くて、調子は普通なのに勝てないから落ち込んでいたんですよ。励みになります」と勝利の喜びを語る。
 先行した新田祐大は「スンナリ駆けて粘れないようじゃ駄目ですね。アジア選手権が終わってから、体調が良くなってきたので練習しすぎたかもしれません。今一つですね」と肩を落とす。


<9R>
平原康多選手
平原康多選手
諸橋愛選手
諸橋愛選手
   9レースからは準決勝戦がスタートした。レースは後ろ攻めから押さえた平原康多を海老根恵太が叩いて最終ホームから主導権。ホームを八番手通過となった平原康多(写真)だったが、2コーナーから仕掛けると、豪快に前団を飲み込んだ。
 「あそこまで届いたので良かったけど、(八番手になって)どうなるかと思いましたよ。コーナーでもどんどん加速したし、ギア(4回転)の効果はすごいですね。強引だったけど、よく行けたなあ。良かったワンツーで」
 平原にきっちり食い下がり地元勢からは唯一の優出を果たした諸橋愛(写真)はホッとした表情を見せる。
 「地元のパワーです。一歩目で離れて脚をロスしたけど、何とか付いて行けた。スピード的には行けると思ったけど、準優で八番手から(1着)なんて、平原はすごいですよね。実は初日に二人目の子供が生まれたんです。そういう意味でも今回は気合が入ったから、決勝に乗れて良かった」
 逃げる海老根恵太の番手から3着に入った鈴木誠はこれが嬉しい今年初優出。
 「今日は恵太と村本(大輔)のおかげ。最後に叩いて中部の二車を出させる作戦だったけど、来ないので恵太が駆ける展開になった。アレ? (平原が)来ないな、来ないなと思ってたら、4コーナーですごいスピードで来た。振ってはいたけど、遠かったね。体調は良かったけど、成績に出てなかったので嬉しいです」
 逃げた海老根恵太は悔しさを隠せない。
 「楽な1周先行で3着までに残れないようじゃダメ。弱いです。でも誠さんが決勝に乗ってくれたので」
 伏見俊昭は上手く四番手を確保したが、内を志智俊夫にすくわれて万事休す。  「内を来る人はいないと思って警戒してなかった。志智さんにやられましたね」


<10R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
加倉正義選手
加倉正義選手
   準決勝2戦目には小嶋敬二(写真)が登場。懸命に逃げる矢口啓一郎を2コーナーまくりであっさり仕留めた。圧巻の横綱相撲で決勝進出。検車場でも笑顔が絶えない。
 「(渡部)哲男が前を取ると思ってたけど、後ろでになって、しかも2車で何をするんだろうと思ってました。早めに押さえに来たので引いたんですけど、あのタイミングで出ようと思えば出られましたね。ただ、そこで脚を使うのもどうかって感じだし、大事を取って中団に構えました。今日はギヤを上げていた分、楽でしたね。体も動いてくれました」
 小嶋マークの加倉正義(写真)は優参という結果にも、どこか100%手放しでという喜びは見られない。
 「いやあビックリですね。僕の調子が悪いのか、小嶋さんが強すぎるのか。感じは良かったんで楽に付いていけるかなと思ってたんですけど、前を確認しようと車を外したら置いてかれちゃいました。決勝に乗って嬉しいけど、なんだか半分ぐらいですね」
 3着は手島慶介。矢口の番手から伸びて久しぶりのビッグ優参を果たした。
 「初日はどうなるかって体調でしたけど、日に日に良くなってきた。でも今日は余裕がなかったですね。何もできなかった。全て矢口くんのおかげです」
 寸前で決勝の二文字がスルリとこぼれ落ちた牧剛央。悔しそうに、「手島くんはそんなに余裕がある感じじゃなかったし、僕は外だから踏み負けることはないと思ったんですけどね。でも、初めて『脚が三角に回る』って感じを味わいました。決勝に乗れると思って踏み込んだけど、全然、車が前に出なかった。経験の差が出ちゃいました」


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
小橋秀幸選手
小橋秀幸選手
   11レースは元祖4回転男・山崎芳仁(写真)が逃げる石橋慎太郎を力でねじ伏せ、ラインで上位を独占した。
 「あまり構えすぎてもみんな脚が溜まっちゃうから4コーナーから車間を詰めた勢いで行った。新田さんが番手から出てくるのは解ってたけど、乗り切れば何とかなると思ってました。踏んだときに出たから調子は戻ってるのかなと思ったけど、あともうひと踏みできないとダメですね。落ちた体重もあと1キロ。今日ひと晩で何とかなると思います」
 山崎に続いた有坂直樹だったが、「抜けないですよ」と2着キープが精一杯。
 「よく付いて行ったよ。山崎しか見てなかったし、新田の動きは全然気にならなかった。明日は面白そう(なメンバー)ですね」
 きっちり三番手を追走した小橋秀幸(写真)は嬉しいビッグ初優出を決めた今シリーズのラッキーボーイだ。引き揚げてくるなり先輩達に冷やかされると思わず苦笑い。
 「僕はただ付いて行っただけです。山崎がホームで行ったときに付いていけば3着はあるなと思ってました。4コーナーで外に外したときにまだ内に新田さんが残ってたし、井上くんもいい勢いで来てるのが見えて慌てて締めた。あとでモニターで見たらだいぶ詰め寄られてたみたいで危ないところでした(苦笑)」
 石橋の番手から合わせて出た新田康仁だが山崎のパワーに屈してしまった。
 「ホームで山崎が来るのが見えたので、外まで来てからでは遅いから迷わず番手から行った。でも行かれちゃったね。どうしようもできなかった…」
 井上昌己は惜しくも4着で優出を逃す。
 「新田さんは絶対番手から出るだろうと思ったけど、ホームの併走で山崎のまくり頃になったと思った」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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