『ふるさとダービー福井(GII)レポート』 2日目編
 
配信日:8月24日
 


 福井競輪場で開催中の「ふるさとダービー福井」も2日目。今日は11レースの「福ノ井賞」をメーンに二次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりを争った。今日も近畿勢が大活躍、総勢5名が明日の準決勝へ駒を進めた。なお、「福ノ井賞」は濱口高彰が初日特選に続いて連勝。明日は準決勝3個レースでファイナルの座を争う。
  明日は滝澤正光氏が来場し、7レース発売中にはトークショーが。4、9レース発売中には伊藤克信、佐藤久剛氏による予想会も行われます。明日も福井競輪場へご来場ください。


福ノ井賞・レースダイジェスト
 スタートと同時に最内の濱口高彰が踏み込み誘導員後位へ。これで自然に小嶋敬二-濱口-小倉竜二の西勢が前受けになる。平原康多-後閑信一-山口貴弘が中団、金澤竜二-長塚智広-飯嶋則之が後攻めで関東軍は別線を選択。
  赤板と同時に金澤が上昇を開始。いきなり前団は押さえずに中団の平原を牽制する。打鐘を目掛けて金澤が全開で踏み込むと、突っ張りかけた小嶋は車を下げる。出切った金澤が一瞬流した瞬間に平原がカマシ先行を敢行。最終ホームではハナに立った。金澤が叩かれた為、長塚は平原ラインに切り替え中団をキープ。2コーナー立ち上がりから七番手の小嶋が仕掛けると、ぐんぐん前団に迫っていく。これに気付いた後閑は車間を切りながら、二度、三度と小嶋をブロック。小嶋も避けながら踏んたが、前団を飲み込むところまでは行けない。小嶋のスピードが鈍ると、小嶋の内にコースを取った濱口が四角から鋭い伸びで突き抜けた。濱口後位の小倉が濱口に続き2着。まくれずも外々を堪えた小嶋は届かず、逃げ粘った平原が3着入線。
ゴール
濱口高彰選手
ゴール
濱口高彰選手

<1R>
鈴木良太選手
鈴木良太選手
   1レースは逃げる坂本亮馬、まくる原真司で混戦になると、そこを出口眞浩がまくる。続いた鈴木良太(写真)が嬉しいビッグ初勝利を挙げた。
  「出口さんの後輪しか見てなかったから、ゴチャゴチャしてるなってくらいで展開は分からなかった。必死でしたよ。ビッグ初勝利は嬉しいですね。100勝も福井だったし、そのときも初日は6着だったんです。成績に出てなかったけど、ずっと脚の感じは良かったのでこれで流れが変わればいいですね」


<4R>
戸邉裕将選手
戸邉裕将選手
   4レースは松本一成の先行に乗った戸邉裕将(写真)がまくってきた松山勝久を巧みにブロックし、直線鋭く抜け出した。
  「松本君がどういう走りをしても良かったんですが、積極的に駆けてくれましたね。良くかかっていたし、まくりも何とか止められました。今日は松本君のおかげです。練習の感じは良かったので、明日以降もがんばります」


<5R>
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
   5レースからは3着までが準決勝に進める二次予選競走。岡部芳幸(写真)が金子貴志の先行を七番手から豪快にまくり切り、ライン3車で上位独占を果たした。
  「今日は(坂本)英一さんの言う通りに走っただけ。(中川)誠一郎も中団を取って内を締めて脚を使ったんでしょう。誠一郎のタイミングが整う前に仕掛けました。後ろの2人のおかげです。何とか連れ込むことができて良かったです。ここ1カ月ぐらいは自力とマーク戦の切り替えをテーマにしていたけど、今日は上手くいきましたね」
  2着に流れ込んだ坂本英一は「3じゃなくて2だったね。今日は岡部ががんばってくれたおかげ。後ろになってしまったけど、一番いいところで仕掛けてくれた。根本(雄紀)が3なのが嬉しいね」と笑顔が絶えない。
  まくられた金子貴志はサバサバした表情でレースを振り返る。
  「2コーナーの向かい風がすごくてスピードに乗り切れなかった。バックから踏み直したけど、岡部さんがもう来ていました。岡部さんが強すぎましたね。自分なりには悪くなかったし、あと2日間もしっかり走りたい」


<6R>
廣川貞治選手
廣川貞治選手
   6レースは菊地圭尚が先行し、中団には小林大介、人気の荒井崇博は七番手に置かれる。バックで小林がまくるが不発、そこから中バンクを伸びた廣川貞治(写真)が激戦を制した。
  「コースが空いたし、一番いいところを伸びた。小林くんが行ければ良かったけど、行けなかったときのことも考えてたし、体が動いてくれました。機敏に動けましたね」
  もはや届かないと思われた七番手から荒井崇博が大外を強襲した。
  「前のレースで岡部(芳幸)さんが七番手からまくってたし、今日は七番手でも勝負になるなと気持ちが楽でした。でも仕掛けるポイントがなかったし、ヒヤッとしましたね」
  僅差の3着争いはスピードに優った池尻浩一に軍配が上がった。
  「ホームから菊地のマイペースやし、どうしようかと思ってましたよ。2センターで内藤(敦)が内に行ってコースがなかったけど、荒井もよく踏んでたし付いていきました。3着でも(二次予選)クリアだし、ホッとしました」


<7R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   7レースは佐藤友和(写真)が人気に応えて快勝。吉本卓仁を相手に格の違いを見せつけた。
  「作戦は有坂さんにお任せしていました。田村(真広)さんが切り替えなかったので、すごく助かりました。今日はバックが流れず、先行はきついですからね。まくりが良く決まっていたし、後手を踏んでも巻き返せると思っていた。少し重く感じたけど、落車前の状態には戻っています」
 有坂直樹が小野俊之にからまれながらも、きっちり2着をキープした。
  「作戦通りですね。今日は友和の力が違っていた。小野が自分のところに来るのは分かっていたし、逃げ気味に踏んでいった。勝ち上がれてホッとしました。調子は問題ないと思います」
  中団確保からまくった坂上樹大は不発。
  「力がないですね。かぶる前にと思って無理やり仕掛けたけど、車が全然進まなかった」


<8R>
前田拓也選手
前田拓也選手
   8レースは前受けから下げた稲垣裕之が最終ホームから一気に主導権奪取。ゴール寸前で番手の前田拓也(写真)が捕らえ、5月武雄FI以来となる久々の勝ち星を挙げた。
  「ほんとに久々ですね。最近ちょっと意識してたので良かったです。バックで見たら葉狩(伸泰)も付いて来てたので、ラインで決まったと思ったのにもったいなかった。稲垣も強くて、最後は際どかったけど、抜けてるので悪くないと思う」
  逃げた稲垣裕之も2着に粘り、昨日のうっ憤を晴らした。
  「昨日は最低のレースをしてしまったので、同じ失敗だけは繰り返さないようにと思ってた。武井くんの波に惑わされて、出足が鈍ったので末がなかったですね。昨日より疲れは取れてるけど、まだ少しスピードに乗り切れてない気がする。明日はギアを3.64にして走ります」
  最終2センターで葉狩をすくって三番手を取った武井大介が佐々木龍也の強襲をしのいで準決勝に進出。
  「今日はイン粘りか中団の作戦だったけど、車番が悪かったので後ろ攻めになってしまった。稲垣さんの先行はまくれないし、番手に行きたかったけどスピードが違いました。3コーナーで前の6番が浮いたのが分かったのですかさず内を行ったけど、そのあとはバタバタでした。キツかったけど、最後はツキがありましたね」


<9R>
丸山啓一選手
丸山啓一選手
   9レースは桐山敬太郎の逃げを中村一将が抜群のスピードでまくり切り、連勝を飾った。
  「誰かが落車したのは分かったけど、西岡(正一)君だとは思わなかった。踏み出しは良かったんですが、バックで桐山君に踏み直されたし、重くてきつかったです。でも、何とか乗り切れましたね。今回は練習の成果を出せているし、やっと流れが来ました」
  伏兵の丸山啓一(写真)が2着に強襲し、2車単、3連単ともに高配当となった。
  「恵まれすぎて怖いですね。桐山君があんなに行ってくれるとは思いませんでした。(渡邉)晴智さんに付いていくことだけに集中し、直線だけ思い切り踏みました」


<10R>
村上博幸選手
村上博幸選手
   10レースは荒木真慈がまたまた高配当を叩き出した。松本大地と新田康仁で中団争いになると、バックから空いたインコースをスルスルと上昇。そのまま逃げる近畿勢の中を割って連勝で準決勝に進出した。レース後、多くの記者に囲まれると恐縮しきり。
  「なにせGIIも初めてなのに、いいんですかねえ(苦笑)。バックで緩んだのでスピードを殺さず内に行ったけど、上手くコースが空いてくれました。ツイてますね。余裕があるのでレースも見えてます」
  荒木の強襲に屈したが、松岡が3着に残ったことで村上博幸(写真)は安堵の表情を浮かべる。
  「誰が来たのか分からずに、有賀(高士)さんかと思ってました。バックで松岡さんは重そうだったけど、3コーナーで何とか残せるかなと。近畿勢が多く勝ち上がってたし、僕らも頑張らないとっていう気持ちはありましたね。1着取りたかったけど、状態は良いです」
  「今日は先行するのが仕事だった」と話す松岡健介は中団の争いを尻目に3着に粘った。
  「今日は先行だけ考えていました。(村上と)どっちかが勝ち上がれるレースをしようと思ってたけど、村上が強くて、よくかばってくれました。(初日、2日目とギアを変えて)今日のほうが良い感じだったけど、重いですね。回してる感じがなかった」


<11R>
濱口高彰選手
濱口高彰選手
   最終11レースの「福ノ井賞」を制したのは濱口高彰(写真)。小嶋敬二のまくりに乗って、直線シャープに追い込んだ。
  「小嶋君と一緒の時は何も考えることはないですから。今日も良く頑張ってくれました。僕の伸びも悪くないと思います。明日も小嶋君と同じみたいだし、4日間一緒に走れるといいですね」
  小嶋ラインの三番手を選択した小倉竜二が2着に続いた。
  「今日は濱口さんに付いていっただけ。2着なら上出来です。感じも変わらないですね」
  しぶとく3着に逃げ粘った平原康多は「金澤(竜二)君が積極的に行くのは分かっていたけど、強引にでも叩いていこうと思っていました。後ろで仕事をしてくれた後閑(信一)さんのおかげですね」と納得の表情。
  人気の小嶋敬二はまくり届かず4着。
  「平原と中団は取り合いたくなかったけど、先行するとは思わなかった」
  平原に叩かれて見せ場なく終わった金澤竜二は「早く押さえないと突っ張られるし、早めに動いたけど、簡単に叩かれましたね。スピードが全然違うし、レースにならなかったです」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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