『KEIRINグランプリ08【GP】レポート』 前検日編
 
配信日:12月27日


 グランプリを見なきゃ08年は終われない! 08年の総決算・KEIRINグランプリ08の舞台は平塚競輪場。明日28日にはヤンググランプリ08、29日には新設されたSSカップみのり08が開催されます。今日の平塚は、寒波の訪れを感じさせない暖かな一日に。輪界が誇るトップ9の面々は、それぞれ思い思いの趣向を凝らして検車場に現れた。併催される寺内大吉杯にも好調選手がそろい絢爛豪華な3日間に否が応でも期待は高まる。
 開催中毎日、先着2,000名様にホットドリンクをサービスいたします。明日はグランプリ出場選手のトークショー(4R、5R終了後)、滝澤正光氏トークショー(9R終了後)などステージでは様々な催し物が。ぜひ平塚競輪場に足をお運びください。


<1R>
柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
   S級予選の1レースは来期A級降格が決まっている柴崎俊光(写真)がS級最後のシリーズで意地を見せる。
「やっぱり、弟(淳)や浅井康太と一緒にヤンググランプリに乗りたかったですけどね。まだまだ弱いってことですね。前期に結果を残せなかった事が悔やまれるけど、今期は(来々期の)S級の点数も取れたので手応えはつかめました。ただ、まだS級では一度も決勝に乗れていないので、最後は何としても優参で締め括りたいです」とハナ息も荒い。


<3R>
和田圭選手
和田圭選手
   12月のレインボーファイナルで優参。特進を果たした和田圭(写真)のS級初舞台となる3レースは徹底先行の片寄雄己、川村晃司と強敵がそろった。
  「平塚では特進を失敗したり、あまり良いイメージがないバンクだけど、それはナイター開催の時の話。今回は昼開催なので大丈夫なはずです。自分はまだまだチャレンジャーなので、しばらくはとにかく主導権奪取にこだわりたい。色々考えるのは結果が出なかった後です」と微塵も迷いはない。


<5R>
岡村潤選手
岡村潤選手
   “逃げ屋”のイメージが強い岡村潤(写真)だが、ここ数場所でまくりの決まり手が急増。戦法の幅が広がり、それに伴い大崩れするケースが激減した。
  「あまりにも成績が悪くA級落ちが現実味を帯びてきたので、11月位から思い切って徹底先行をやめました。それによりレースの幅も広がったけど、何よりも気持ちが凄く楽になりましたね。今は自然体でレースに臨めています。明日もあれこれ考えずうまくレースの流れに対応していきたい」


<7R>
伊原克彦選手
伊原克彦選手
   11月小田原で優勝した後、一カ月以上の間隔が空いた伊原克彦(写真)は「軽いギックリ腰が出ちゃって…」と理由を語る。
  「せっかく優勝できたんで、そのままの勢いで練習してしまったのが良くなかったのかな。思い切って4日間ぐらい休みました。もちろん、その間は体のケアに専念。鍼も行ったし、マッサージもやった。神戸まで行った日もありますよ。できれば11R(ヤンググランプリ)に出たかったですね。今年は前半の不振が響いてしまった。今シリーズは来年に繋がる走りができれば」
  先日の地元記念で2連対を果たした山口泰生
  「今回にS1の点がかかってるけど、そこは意識せずに走ります。前回の3日目は自分で思ったよりも車が進んでくれた。体幹を鍛えるトレーニングをするようになってから、バランスを意識して踏むようにしているんですけど、それが体に染みついてきたのかもしれません」


<8R>
高谷敏史選手
高谷敏史選手
   徹底先行の高谷敏史(写真)は、冬本番に備えて練習地を移動。充実した調整ができたと言う。
  「前回から仙台に移動しました。夜が楽しいのでつい遊んじゃうけど(苦笑)、しっかり練習できたし、今回は感触もいいと思います。桐山さんとは何度か対戦した経験もあるんですが、逃げさせてくれるかどうかも分からないし、組み合わせとしては微妙ですね(苦笑)」


<9R>
木暮安由選手
木暮安由選手
   相変わらず各地で大暴れしている木暮安由(写真)
  「千葉記念の前に落車した影響はほとんどなくなりましたね。特に、今回は2週間空いたのでしっかり練習できました。地元はいつも風が強いんですが、それをうまく利用してきましたよ。向かい風は踏む練習になるし、追い風はスピード練習になりますからね。今年は慌ただしい1年でした。平塚は高速バンクってイメージが強くて、すごく好きですよ」
  一方、高谷雅彦は番組を見るなり天を仰ぐ。
  「北日本はすごいラインですね。(坂本)勉さんの前を走るのはいつ以来かな? しかも木暮君が相手とは。でも、来る前に練習で和田圭君を叩いて先行できているので、自信を持って走りますよ」


<10R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎選手村上義弘選手
村上義弘選手
   シリーズリーダー・石橋慎太郎(写真)は未だ自分の状態に確信を持てない様子だ。
  「良いのか悪いのか分からないですね。今のところ分かっているのは、全日本の時は疲れが溜まっていたということだけ。そこから岐阜まで、何もしなかったら状態は上向いてくれたから。今回も、ほとんど調整だけですけど、あとは気持ちをどこまで強く持てるかどうか。村上さんには分が悪いし、菅原さんには西武園で9着を取らされているので、何とか頑張らないと」
 村上義弘(写真)は、「三重で合宿してきました。佐世保記念の帰りに急遽決めたんですが、若い頃にはいつも行っていたところということもあり、初心に帰りたいという意識もあったんです。自分では、もう少し踏めるイメージがあるし、実際に体の状態も良いんですけど、レースでの結果がなかなか伴わない。ちょっと気分転換が必要でした。もちろん今回も(自分の)形で力を出し切りたい」と真剣なまなざしを見せた。


<ヤンググランプリ>

新田祐大選手
新田祐大選手
浅井康太選手
浅井康太選手

   初日のメインは最終11レースのヤンググランプリ。注目の北日本勢は4車で結束。先導役を務める菅田壱道はやる気に満ちた表情で意気込みを語る。
  「自分が一番前が自然でしょう。前回の京王閣はいい内容だったし、感じも悪くなかった。先行争いしてまくり頃になるのは避けたいけど、誰も出させるつもりはありません。他の2人はカマシが得意なので、気を付けます。もちろん、自分も優勝を狙って走りますが、とにかくラインの中から優勝者を出したい」
  新田祐大(写真)は全日本選抜でも勝ち上がりで2連対と存在感を発揮。北の番手ならチャンスは十分だろう。
  「全日本は思った以上に踏めていたと思います。風邪とかで思ったような練習はできなかったけど、状態は問題ないです。今年はラストチャンスだし、しっかり頑張ります。ヤンググランプリは北日本で3連覇中なので、今年もその流れを止めないようにしたい」
  浅井康太(写真)は同県の後輩・柴崎淳を目標に一発を狙う。
  「柴崎君が頑張ってくれると思うので、信頼して付いていくだけ。連係はもちろん初めてだし、番手を回るのも初めてなんですよ。でも、前で走るよりは緊張感がないし気が楽です。いつも通り練習して調子はいいし、後は展開ですね。チャンスがあれば獲りたい」
  落車明けの北津留翼からは強気なコメントが聞かれなかった。
  「擦過傷がけっこう酷くて…。10日ぐらい前から練習を再開したんですが、風邪を引いてしまい、そんなに練習はできなかった。もう痛みはないので、今回は気持ちで乗り切ります」
  北津留マークの坂本亮馬はリラックスムードでインタビューに応じる。
  「最近の成績は悪いけど、練習はしっかりやっていますから。ラインの先頭じゃないから気持ち的には楽。チャンスがあれば獲れるぐらいの状態には仕上がっていると思います」


<SSカップみのり>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   初代「みのり王者」をかけた戦いは2日目の29日に行われる。神山雄一郎は「走り納めとしては良い舞台だと思います。来年のグランプリに向けての予行演習だと思ってしっかり走りますよ」と余裕の笑顔。
  僅かな差でSS班の権利を手にした石丸寛之は苦戦をふり返る。
  「あんな思いは二度とゴメンですね。もちろん、今回も自分の競走をするだけです。岐阜が終わってからも、ホッとすることなく練習してきました」
  岐阜県を束ねる山口幸二は「SS支部長」として初代みのり王者を狙う。
  「色んな意味で大変でした。休みというか、練習ができたのは昨日ぐらいなもので、他はイベントとかに顔を出さなきゃいけなかった。でも、これぐらいじゃへこたれません。平成デビューの若者とは違うんです(笑)」
  武田豊樹は一年をふり返ってしみじみと語る。
「今年は落車もあったし、色んなアクシデントがあった中で、よく踏み止まったと思います。今日で競輪が終わる訳じゃないので、正月気分にならないよう、しっかり走りますよ」
  海老根恵太(写真)は全日本選抜で決勝3着と好走。続く佐世保記念でも決勝2着に入り、SS班へ滑り込んだ。
  「佐世保記念は全日本から中3日でかなり疲れが残っていたけど、気力で乗り切りました。SS班が決まるまで練習に身に入らなかったけど、決まってホッとしました。状態は引き続きいいし、優勝を狙って頑張ります」


<グランプリ>
集合写真
  1番車の平原康多は、初出場となるグランプリに「選手になったときから、グランプリに出ることを目標にしてきた。今この舞台にいることが嬉しいし、これからもずっとここにいたい」と感慨深げな表情でバンクを見つめた。
  昨年はロールスロイスで競輪場入りした小嶋敬二だが、今年のテーマは「エコ」。永井清史と二人で、自転車にまたがって平塚競輪場の門をくぐった。
  「永井も一緒にやってくれると言ってくれたのは嬉しかったですね。乗ってきた自転車はチャリティーオークションに出す予定です。グランプリに出場する全員にサインをしてもらって。僕自身、ここにはすごく良い状態で来られたので楽しみ。スケートの清水宏保選手と合宿したんですが、メールで激励してもらいました」
  前夜祭で「北は別線」とコメントした佐藤友和
  「僕の方から提案しました。山崎さん、伏見さんにも一日考える時間があって、その上での結論です。本番には、初手の並びで決まることもあるし、とにかくどんな展開になってもそれに対応できる感覚を磨いて臨みたいですね」


   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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