『KEIRINグランプリ08【GP】レポート』 初日編
配信日:12月28日
いよいよ今日からGPシリーズが開幕。初日はヤンググランプリをメインに、オールS級の寺内大吉記念杯(FI)でも熱戦が展開された。ヤンググランプリは北日本作戦が奏功し、ラインで上位を独占。三番手を回った飯野祐太が優勝し、北日本勢で4連覇を果たした。 明日は今年から新設されたSSカップ08が行われます。北京五輪パラリンピック金メダリスト石井雅史さんの表彰式(10レース終了後)や滝澤正光氏によるトークショー(4レース終了後)などイベントが盛りだくさん。この機会にぜひ、平塚競輪場へお越しください。
ヤンググランプリ・レース経過
スタートで勢いよく飛び出した北津留翼が正攻法を確保。中団を嫌った浅井康太が中バンクに上がって車を下げると、周回は北津留―坂本亮馬―松岡貴久―菅田壱道―新田祐大―飯野祐太―鈴木謙太郎―柴崎淳―浅井の並びで進む。
動きのないまま赤板ホームを通過。中団の菅田が1コーナーで後方に目をやり波を作ると、追い出しをかけるように柴崎が内をすくう。柴崎に駆ける気がないと見るや、菅田が2コーナーから一気に踏み上げて打鐘から主導権を奪う。これで北日本4車がきれいに出切ると、続いた柴崎が中団を確保。北津留は絶体絶命の七番手に置かれてしまう。中団の柴崎はしきりに北津留を警戒したが、2コーナーからは車間を切っていた新田が番手まくり。痺れを切らせた浅井は柴崎を捨てて内から鈴木後位にスイッチする。番手絶好になった飯野は車間を切って後方の反撃にそなえると、直線鋭く抜け出し快勝。これで北日本勢がヤンググランプリ4連覇を飾る。2着には新田が粘り北勢で確定板を独占した。懸命の中割りを見せた浅井だが、わずかに届かず4着に敗れた。
ゴール
胴上げ
<2R>
松岡孔明選手
先行した大沼孝行の後位にはまった松岡孔明が最終バックから番手まくり。好マークの
穴井利久
が直線で鋭く差し切った。 「ケガの影響がまだ残っているし、今日の感じじゃまだまだですね。松岡君が早めに出てくれて、恵まれただけだけど、勝ち上がれて良かったです」 2着の
松岡孔明(写真)
は勝ち上がれず、悔しそうな表情でレースを振り返る。 「もうちょっと待ってから出た方が良かったかな。でも、あんまり遅いと誰かに来られてしまいますからね。1着権利だからちょっともったいなかったです」
<4R>
小西誠也選手
後ろ攻めの田中孝彦が前を押さえて中団を高田大輔と辻力で争ったが、内のスペースが空くと辻がスルスルと抜けて最終的に主導権を奪った。番手の
小西誠也(写真)
がゴール前で追い込み1着を手にした。 「辻さんは急に内を行ったけど、自分もしっかり体が反応した。1か月ぶりの実戦だったけどレース勘も大丈夫みたい。しっかりと練習してきた甲斐がありましたね」
田中孝彦
は不覚をとった。 「中団を取り合って併走していたんでもらったと思ったんですけどね。外の高田さんしか気にしていなかった。中団に入ったけどタイミングがとれなかった。失敗しました」
<6R>
松坂洋平選手
松坂洋平(写真)
が豪快に逃げ切って快勝。地元ファンの期待に応えた。 「先行することしか考えていなかったけど、予想以上に出切るまでに脚を使わされたし、苦しいレースでした。何とか逃げ切れて良かったです。1着だし、体調は問題ないです」 松坂の番手にはまった
大井浩平
だが、2着に流れ込むのが精一杯だった。 「自分より強い人に駆けられては厳しいし、今日は先行するつもりでした。でも、松坂君はやっぱり強いですね。番手に入っても交わせなかった」
<7R>
十文字貴信選手
ジャンで杉山剛が前を押さえると、緩めることなくそのまま先行。バックで杉山がタレ始めると、島田竜二がためらうことなく番手まくりを敢行した。松田優一は合わされて不発となったが、内々の経済コースを踏んだ
十文字貴信(写真)
が1着をさらった。 「杉山君に行かれたのは予想外だったけど、松田君はまだ余裕がありそうだった。でもまさか、番手から島田さんが出るとは思わなかったね(苦笑)。松田君は車の進みも今ひとつだった。内を行ったのはとっさの判断。ダービーの出場権利がかかっているし、1着が取れてホッとしまいした(苦笑)」
島田竜二
は2着で準決行きを決めた。 「番手まくりは考えていなかったけど、あそこまで行ってもらったからには番手の自分はしっかりと勝ち上がらないといけないから。決勝に乗れるくらいには仕上がっていると思うので明日も頑張りますよ」 逃げた
杉山剛
は「今の自分の状態だと行かれたら巻き返しは無理だから思い切っていきました」と力を出し切り満足げ。
<8R>
伊藤大志選手
高谷敏史が押さえ先行からマイペースに持ち込み、別線の桐山敬太郎、坂上忠克を完封。番手の
伊藤大志(写真)
がキッチリ追い込んで1着となる。 「高谷君が強かったね。最後にまた踏み直していたんで、早めに踏まないと抜けない感じだった。最近は成績が悪いけど、今回は練習がしっかりとできたし、1着がとれてよかった」 すんなりの先行で2着となったものの、
高谷敏史
の強さが象徴させるレースとなった。 「押さえてから桐山さんが巻き返してくるだろうし、踏み合いになると思ったんですけどね。最後は苦しかったけど、誘導もフルに使えたし楽な展開になりましたね。いつもと違い、誘導を使って駆けたから脚の感じはよく分からないけど、2着に残れたんで悪くはないと思います」
<9R>
出口真浩選手
人気の
木暮安由
が最終ホームで篠原龍馬を叩いて先行。そのまま力強く押し切り、ライン3車で上位独占を決めた。 「緩んだら先行しようと思っていました。勝ち上がるにはその方が堅いですからね。感じ良く踏めたし、ラインで決まって嬉しいです」 番手絶好となった地元の
出口真浩(写真)
だが、交わせず2着。 「木暮君はバックから踏み直していたし、強かったです。余裕はあったんですけど、僕の今の状態では抜けませんね」
<10R>
村上義弘選手
村上義弘(写真)
がタイミング良く仕掛けて主導権奪取。絶妙のペース配分で石橋慎太郎を封じ、会心の逃げ切り勝ちを収めた。 「タイミングだけは逃さないように意識していたし、いいタイミングで踏めたと思います。先行はやっぱりしんどいけど、こんなレースは久しぶり。最後は差されたと思いましたけどね。調子はだいぶ良くなっているし、こういうレースを増やして、自信を取り戻していくしかないですね」
西郷剛
は絶好の展開を生かせず、僅差の3着に敗れた。 「村上君が強かった。かかっていたから石橋君も止まると思いました。最後は中を割られて慌てて踏んだけど、ダメでしたね。この展開で3着はもったいない」
<11R ヤンググランプリ>
飯野祐太選手
新田祐大選手
鈴木謙太郎選手
ヤンググランプリを制したのは
飯野祐太(写真)
だ。番手まくりの新田祐大を直線で鋭く差し切り、初タイトルを獲得した。
「前の2人に任せて、自分はしっかり付いていくことだけを考えていました。あんなにすんなりした展開になるとは思わなかったです。最後は脚に余裕があったし、優勝できて良かったです。今日はラインみんなのお陰ですね。これからも一戦一戦大事に走っていきたい」
2着の
新田祐大(写真)
は納得の表情を浮かべる。
「優勝したかったけど、しょうがないですね。飯野さんや鈴木さんが後ろを固めてくれて、こういう展開になった訳ですから。もう少し遅く仕掛けても良かったんですが、それで後ろがゴチャつくよりはと思って早めに出させてもらいました。最後はもう一杯でしたね」
北日本ライン四番手を回った
鈴木謙太郎(写真)
もきっちり3着に流れ込んだ。
「ラインみんなのお陰です。4コーナーからは内を踏もうと思っていたけど、余裕はあったし、後ろから来る気配もなかったので外を踏みました」
ラインを上位独占に導いた
菅田壱道
も満足げ。
「自分の力は出し切れました。北勢で4連覇できてホッとしています。来年は自分の番だと思ってしっかり頑張ります」
中団に入った三重勢は見せ場を作れず。
浅井康太
は「ホームで(柴崎に)行って欲しかったんですけどね。狙っていたんで、悪いとは思ったけど、内を踏ませてもらいました。ちょっと悔いが残るレースになったけど、気持ちを切り替えるしかないですね」と肩を落とした。
坂本亮馬
は目標の北津留翼と共倒れ。
「突っ張ればどこか入れるかもしれないし、そういう作戦だったんですけどね。一番、最悪のパターンになってしまいました。ホームで切り替えようか迷ったけど、任せていたから動けなかった。この展開ではどうしようもない」
<SSカップみのり>
紫原政文選手
明日のメインは今年から新設されたSSカップ。
紫原政文(写真)
は初代王者へ意欲を見せる。
「段々盛り上がってきました。明日は今年最後のレースだし、今年の総決算になるでしょう。自分の中では、明日の結果が来年一年に影響するってくらいの気持ち。作戦は石丸任せだけど、展開次第では何かを、と思っています」
海老根恵太
は「今日は朝にローラーを乗ったぐらい。後はみんなの自転車を取りに行ってました。体調は全く問題ないですね。明日は新田さんに勝ってもらうぐらいの気持ちで走りたいと思います。その方が結果もいいはず」と意気込みを語る。
練習中のケガが心配される
手島慶介
は「まだ痛みはあるけど、そんなことは言ってられませんからね。気力で頑張ります」。
<グランプリ>
永井清史選手
グランプリ組は笑顔で談笑するなどリラックスムード。
山崎芳仁
は本番で使うギアをまだ決めていない。
「体調はいつも通りですね。今日はギアを上げてみて、指定練習で感触を試してみました。それに合わせてハンドルのセッティングも変えてみたけど、まだどのギアにするかは分からないですね」
小嶋敬二
は「(本番まで)何もする事が無く、検車場でブラブラしてると、記者さんに色々と話を聞かれるんですけど、もう話す内容は全部一緒です(苦笑)。ゆっくりするのもいいけど、リラックスモードは今日くらいまで。少しずつテンションが上げていきますよ」。
永井清史(写真)
もプレッシャーは全く感じていない。
「今日はリラックスして過ごしました。ローラーを乗ったぐらいですけど、体調は問題ありません。緊張感も全くないですね。走るのが待ち遠しいです」
公開練習・夜間練習
公開練習
夜間練習
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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