『KEIRINグランプリ08【GP】レポート』 2日目編
配信日:12月29日
GPシリーズは今日が2日目。メインのSSカップみのり08(GI)は手島慶介が武田豊樹の三番手から鋭く追い込んで優勝。初代王者に輝いた。オールS級の寺内大吉記念杯では激しい勝ち上がり戦が展開され、石橋慎太郎や木暮安由ら決勝進出者が出そろった。
明日(30日)はいよいよ競輪界最大のビッグイベント、KEIRINグランプリ08が行われます。発走前には、つのだ☆ひろ氏による国家斉唱も予定されています。そのほか、髭男爵お笑いライブ(4、7レース終了後)や東京ブラススタイルミニコンサート(5レース終了後)などファンサービス、イベントも盛りだくさん。ぜひ、平塚競輪場へ足をお運びください。
SSカップみのり・レース経過
号砲でゆっくりと合志正臣が前に出ると、内枠を生かして神山雄一郎が中団をキープ。周回は石丸寛之―紫原政文―合志―武田豊樹―神山―手島慶介―海老根恵太―新田康仁―山口幸二の並びで進む。
動きのないまま赤板ホームを通過すると、中団の武田は1センターで一度後方に目をやる。車間を切って再度後方を確認した武田は、2コーナーから海老根の上昇に合わせて発進。ひるんだ海老根が打鐘の4コーナーで車を下げると、山口が関東ライン四番手に切り替える。その後ろに南関コンビ、西ラインは七番手以降に置かれてしまう。武田は振り返ることなくホームから加速する。この動きに中団の海老根が遅れると、石丸が2コーナーから先にまくって出る。前団を猛追した石丸は4コーナーで神山に並びかけるが、これを神山が強烈にブロック。空いた内をすかさず手島が突くと、ここで紫原、石丸、新田の3選手が落車してしまう。手島、石丸が審議の対象になったが、ともに判定はセーフ。手島が初代SSカップの覇者となる。2着には逃げた武田が粘り、内を伸びた山口が3着に入線した。
ゴール
表彰式
<5R>
松田優一選手
松田優一(写真)
が強力な同型を相手に最終ホームからタイミング良くカマして先行。別線の反撃を封じて見事に逃げ切った。
「初手も一番いい位置が取れたし、狙っていた通りの展開になりました。あそこで仕掛けないと八番手になってしまいますからね。かかりも良かったし、最後まで踏み切れたと思います。調子はいいので、最後も勝って締めくくりたい」
高橋雅之
が大井浩平マークから直線最内を強襲して2着に入った。
「大井さんが前々に踏んでくれたお陰ですね。前もかかってしまったから厳しいと思ったけど、脚には余裕がありました。最後は外を踏んでも届かないですからね。上手く内が空いてくれて突っ込めました」
<6R>
高谷雅彦選手
高谷雅彦(写真)
が若手機動型を相手に突っ張って先行。3着に敗れたが、納得の表情を浮かべる。
「突っ張るつもりはなかったけど、レースが始まってしまいましたからね。最近は力を出し切れないレースが多く、それで成績が落ちてきているという自覚があったので、今日は思い切って駆けました。気持ちの入ったレースはできたと思うし、調子もいいと思います」
突っ張られた
田中孝彦
は「杉山さんがあんなにけん制するとは思わなかった。前に踏まれてしまったし、中途半端でしたね」と反省しきり。
<7R>
坂上忠克選手
松岡孔明の先行を岡村潤が早めにまくり切ったが、これに切り替えた
坂上忠克(写真)
が直線外を鋭く伸び切った。
「最近は成績が悪く、このままではダメだと思って尻に火がつきました。今日は絶対に勝ってやろうというつもりで走りました。それが良かったんでしょう。いつもはリラックスし過ぎなんですね。これぐらいの強い気持ちで走った方がいいみたい」
まくって2着の
岡村潤
もレース内容は光っていた。
「ホームから仕掛けて叩き切れたんで、悪くないですね。中団が少し空いていたから少し見ちゃったけど、そのまま行って結果的に良かった。和田さんのところまで行けば何とかなると思いました。最後も坂上さんが強かっただけで、自分なりには踏み直せているし、調子は問題ないです」
<8R>
阿部康雄選手
木暮安由
が松坂洋平を叩いて先行。村上義弘のまくりを許さず、会心の逃げ切り勝ち。終始、笑顔でレースを振り返る。
「村上さんと中団を取り合いになるかと思ったけど、前が緩んだので思い切って行っちゃいました。無我夢中で踏んでいただけです。村上さんが来るのは分かっていたけど、後ろの先輩たちが仕事をしてくれたお陰で逃げ切れました。でも、村上さんが相手だから自信になります。明日も積極的に仕掛けます」
番手の
阿部康雄(写真)
は村上のまくりを好ブロック。木暮と関東ワンツーを決めた。
「中団外併走の展開になるかと思ったけど、駆けてくれましたね。慌てて付いていったけど、何とか追いつけました。あとは、村上君のまくりだけ警戒していました。最後は普通に抜きに行ったけど、木暮の踏み返しが強烈でした」
室井健一
が村上不発の展開からしぶとく3着に突っ込んだ。
「村上が頑張ってくれたお陰。練習はやっているし、脚には余裕があった」
<9R>
高谷敏史選手
村本大輔選手
菅原晃と桐山敬太郎で打鐘から激しい踏み合いとなるが、最終ホームで緩んだところを
高谷敏史(写真)
が一気にカマして先行。後続のもつれを尻目にそのまま押し切った。
「最近はカマシ先行をあまりしていないし、出切れるかどうか不安でした。流すところがなかったし、踏みっぱなしでしたね。後ろが仕事をしてくれたお陰で逃げ切れたし、明日も積極的なレースを心がけます」
伏兵の
佐々木昭彦
が最終4コーナーから空いたインコースを伸びて2着に入り、波乱を演出した。
「恵まれました。内が空いてくれただけ。大塚が行かないコースを踏もうと思っていました。前の2人が頑張ってくれたお陰です。GPの前座で決勝に乗れるなんて、いい思い出になりました」
村本大輔(写真)
も最終バック九番手の展開からしぶとく3着に食い込んだ。
「今日の展開で3着なら悪くはないですね。でも、ケンボウ(大塚)に当たってちょっと伸びを欠いたかな。明日の決勝は静岡2人で頑張って、GPに出る晴智さんを盛り上げたいと思います」
高谷の番手で粘った
菅原晃
は「押さえてきたのが桐山君だから突っ張ろうか迷ってしまった。流したところを一気に行かれてしまいました。ああなったら粘るしかないけど、今日はちょっと中途半端な組み立てになってしまった。調子もあまり良くないですね」。
見せ場なく終わった
桐山敬太郎
も元気がない。
「展開を読めていないし、流れも良くない。最後ぐらいはきっちり勝って終わりたいですね」
<10R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎(写真)
が後方から豪快にまくって圧勝。伊原克彦を相手に格の違いを見せ付けた。
「体調はだいぶ戻っているけど、気持ちの面でまだ戻ってないですね。いい時なら最終ホームで強引にでも巻き返していたと思います。とりあえず人気に応えられて良かったです」
鈴木誠
が完璧マークで2着に流れ込み、人気サイドの決着となった。
「石橋はバックからどんどん伸びて行ったし、大丈夫だと思いました。きっちり付いていけたし、調子は問題ないです」
西郷剛
は森田進に競られて1車引いたが、三番手から追い込んで3着。
「本当は意地を見せて外から競らないとダメなんですけどね。内が空いたら行くつもりだったけど、タイミングがずれてしまって…。せこく走って決勝に乗ってしまったけど、その分も明日は頑張りたい。流れが来れば勝てる状態だと思います」
<11R SSカップみのり>
武田豊樹選手
山口幸二選手
今年から新設されたSSカップ。初代王者となったのは
手島慶介
だ。3人が落車する波乱のレースとなったが、神山雄一郎がブロックして空いたインコースを鋭く伸びて優勝をさらった。
「審議になったんで、『神様助けてください』とずっと祈っていました。自分が審議になったときはアウトがほとんどなので。レースは神山さんが上に引っ掛かっている感じだったから、入られないように内を締め気味にいったら前に出てしまった。それからは必死だったし、気持ちが一杯一杯だったので何が何だか分からなかったです」
2着に粘った
武田豊樹(写真)
は満足そうな表情でレースを振り返る。
「海老根がなかなか来なかったので、先行する気持ちに火がつきました。あそこまで行ったので、神山さんに優勝してもらいたかったですけどね。直線は一杯で、少しタレてしまいました」
山口幸二(写真)
は勝負どころで武田ラインの四番手に切り替えたが、3着までが精一杯。
「切り替えたというより、バックを踏み切れずにそのまま前に行った感じ。咄嗟の判断です。手島の踏んだコースを行ければチャンスがあったけどね」
落車した
石丸寛之
だが、見せ場は十分だった。
「ケガが軽症で良かったです。今日は乗り切れたと思ったんですけどね。でも、大舞台であのスピードのまくりを出せたから自信になりました」
<グランプリ>
伏見俊昭選手
グランプリ組は決戦へ気持ちを高めていた。連覇に挑む
伏見俊昭(写真)
は去年と全く同じ流れで本番を迎える。
「直前の練習もここに来てからの過ごし方も去年と全く一緒。去年はそれでいい感じで走れて結果が出ましたからね。いい精神状態で今年も走れると思います。ここまで来たらもうレースに集中して力を出し切るだけです」
山崎芳仁
は4・08のギアで本番に挑むことを決めた。
「終わった後にああしておけば、というのは嫌ですからね。実戦では使ったことがないけど、練習ではいつも使っている。当たりもけっこういいので、思い切って変えてみます。これが吉と出るか凶と出るか。運があれば勝てると思います」
三宅伸
はGPの雰囲気を楽しんでいる。
「(夜間練習で)井上や山崎や永井と走れる機会なんてそんなないですからね。昼間の公開練習ではお客さんの声援も大きかったし、嬉しかった。明日はとにかく頑張るだけ」
公開練習・夜間練習
公開練習
夜間練習
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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