『KEIRINグランプリ2010シリーズ レポート』 前検日編
 
配信日:12月27日


 いよいよ明日から競輪界最大のシリーズが開幕する。今年の舞台は立川競輪場。10Rまでは「寺内大吉記念杯」と銘打ったF1戦が開催され、11Rは初日にヤンググランプリ、2日目にSSカップみのり、そして最終日には優勝賞金1億円をかけてKEIRINグランプリ2010が開催される。今日はグランプリ出場メンバーらが多くの報道陣に囲まれながら前検日の作業を終了。明日は若手の登竜門ヤンググランプリをメーンに熱戦の火ぶたが切って落とされる。
 場内イベントも盛りだくさん。明日(28日)は10時からバンク内での開会式に始まり、SSカップみのり出場選手によるトークショー(4R終了後)、前WBCコーチの伊東勤氏によるトークショー(9R終了後)が予定されています。開催中は毎日、選手会東京支部の選手によるお出迎えや山口健治氏による朝イチ予想会(9時40~55分頃)、特設ステージでの予想会(明日は3、5R終了後)なども開催されます。明日から始まるグランプリシリーズを立川競輪場でお楽しみください。


<1R>
柴田洋輔選手
柴田洋輔選手
   シリーズ開幕戦を任されたのは地元の柴田洋輔(写真)だ。まだ本調子とはいえないが、来年からの巻き返しへここで流れをつかみたい。
 「佐世保記念のあとは普通に休んで練習して来ました。1レースですか、嫌だなあ…。あまり好きじゃないんですよ。でも、3年前のこのシリーズで初優勝したし、ファンも大勢入るから良いイメージがある。良い締めくくりができるように頑張ります」
 今年は自在型に戦法チェンジした川口直人も動向が不気味だ。
 「まずは出し切れるようにですね。3番手に中井(大介)さんが付いてくれるのも大きいです。自在になったといってもメンタル面がまだまだ。来年は色んな意味でもっと成長したいですね。立川は思っている以上に走りやすいし、成績も良い。気持ちの余裕ができますね」


<2R>
緑川修平選手
緑川修平選手
   やや緊張した面持ちで検車場にやって来た緑川修平(写真)はさっそくの決意表明。
 「先行主体、いや先行で頑張りたいですね。S級に上がってからは力の差を痛感することばかりだし、前回の佐世保記念も散々だったけど、とにかく自分の力を出し切るしかないですからね。練習はしっかりやってこられました。直前は大雪でしたけど、栃木との県境あたりまで行けば(自転車に)乗れますから。調整はしっかりしてきました」


<3R>
柏野智典選手
柏野智典選手
   岡田征陽は地元でのビッグレースに追加参戦だ。
 「追加は3、4日前に連絡を受けたので問題ない。前回から中4日で1回遠乗りに行ったけど、感じも良かったです。ここ最近点数を落としちゃったけど、今回からは112点あった頃のフレームが修理から返ってきたのでそれに戻します。明日も勝てるように走ります」
 柏野智典(写真)は目標不在のレースとなってしまった。
 「夏場の良かった感じから上積みを狙ってセッティングをイジり過ぎた。それがダメな方に出てましたね。ずっと成績が悪かったので、今回は元に戻してきました。調子は悪くないと思います。今年最後だから悔いのないように仕上げてきたけど、あとはレースでどれだけ出せるかですね」


<4R>
倉野隆太郎選手
倉野隆太郎選手
   「だんだん良くなってきましたね」と笑顔を見せる倉野隆太郎(写真)
 「もともと夏場は苦手なんですけど、それに加えて落車が多かったので、今年は本当に最悪でした。一時期は100点を切るぐらいのところまで点数を落としてしまった時期もあった。なるべく波を小さくしていきたいんですけど…。今回は深谷君とも練習してきたし、良い仕上がりだと思います。バイク練習みたいな感じでしたよ」


<5R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
   右膝の手術から競輪祭で復帰した荒井崇博(写真)。競輪祭も振るわず587着に終わると、今回もまさかの予選スタート。当然、強気なコメントは聞かれない。
 「調子ですか? 全然分からないですよ。練習という練習もやってないからね。不安だらけ。キツいかもしれないですね。まくりも出ないと思う」
 「調子は大丈夫です」と話す山本健也の番手が巡ってきたのは和田健太郎だ。前走の前に1カ月半の欠場があったが、全く状態に不安はないようだ。
 「腰痛もあって1本欠場したら1カ月半空いてしまった。前回走ってレース勘も戻ってるから大丈夫です。今回で完璧に元に戻しますよ」


<6R>
 徹底先行の早坂秀悟からは強気なコメント。「前回の前橋で感じをつかめました。今回もいつも通りの競走で力を出し切る、それだけです。感じは上がってますから」と報道陣に答える。


<7R>
阿竹智史選手
阿竹智史選手
   阿竹智史(写真)は2場所前の松阪F1で3年半ぶりの優勝を飾った。調子は良好、追加参戦にも全く不安はない。
 「次の仕事まで空いてたので、追加は入ると思ってた。大丈夫です。調子はたぶん良いと思います。脚が軽い。理由は回転がなくなってきてたので、ギアをかけた練習をやめて軽いギアで練習をやるようにした。そしたら久留米ですぐに決勝に乗れました。僕は合った練習をすると結果が出るのが早いんです」
 ベテラン豊田知之は「調子は悪くないけど、まとまらない感じ。でも練習はやってるので」。今年最終戦で流れを変えられるか。


<8R>
 大西祐は冴えない表情。番組を見てしばし無言。
 「片寄さんとは2対1ぐらいで勝ち越していると思うけど、ちょっと調子がね…。前々回の平から状態が今ひとつなんです。フワフワするというか、うまく力が伝わらないんです」


<9R>
山崎充央選手
山崎充央選手
   来年はヤンググランプリ出場を狙う根田空史が予選のトリを飾る。
 「落車で感じが悪かったけど、千葉記念のあとに整体に行ったら感じが戻った。不調の原因はバランスだったんでしょうね。来年のためにもまずはこの雰囲気を味わっておこうと思う。いつものレースがしたいし、中4日でも体調は問題ないです」
 地元戦に気合が入るのは山崎充央(写真)だ。「すごい良い。ほんと良い」と自身の状態も良いだけに、好結果を残したい。
 「年頭から悪かったのがようやく戻ってきましたね。今まで悪かったのは、全てこの開催のためだと思って頑張りますよ」


<10R>
三宅達也選手
三宅達也選手
   追加参戦の三宅達也(写真)。「ビックリしました」と突然の通知に戸惑ったが、今年最終戦に向けての戦意は高い。
 「まさかこんな追加が来るとは思わなかったけど、せっかく走るからには良いところを見せていきたいですね。グランプリシリーズだし。前回は内に詰まって失敗してしまったけど、ただ引いてばかりいても面白くないので、これからも色んなレースをしていきたい。状態は変わっていないし、むしろ良い方だと思います」
 南修二は「去年も(グランプリシリーズを)走っているんですけど、成績は最悪でした。今年こそ見せ場を作りたい」と意気込む。


<ヤンググランプリ>
深谷知広選手
深谷知広選手
   注目は何と言っても深谷知広(写真)だ。競輪祭でG1初優出を飾るなど近況も好調で、初のビッグ制覇に期待が高まる。
 「今年はすごい良く出来た1年だったと思います。出場が決まってからも競走が入ってたので、一戦一戦走りながらと思ってたけど、調子は保ててるし、良いと思います。練習での手応えも良いので、しっかり頑張ります」
 深谷との対決が注目される脇本雄太は立川2度目の登場だ。
 「競輪祭のあと、ナショナルチームの海外遠征でコロンビアに。時差ボケがキツかったんで、2、3日休んで、さあ練習というところで雪に降られた。だから室内中心のメニューで調整です。立川は8月のF1で来たんですが、初日、2日目とまくって連勝で勝ち上がった。重いというよりまくりが決まるって印象ですね」
 木暮安由はヤンググランプリ2度目の挑戦。昨年失格の悔しさを今年にぶつける。
 「前回の前橋が終わった次の日から練習はやって、徐々に抜いていった感じですね。去年のヤンググランプリは失格だったけど、自分はやることはやったと思ってるので悔いはない。魅せる競走をします」


<SSカップみのり>
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
   今回から初のS級S班になるのは4名。「龍馬伝」さながら、今年一気にブレイクした坂本亮馬(写真)は1番車を身にまとっての登場だ。
 「気負って入ったことはないので、今回もリラックスしてます。怪我は徐々に良くなってるので、前回よりは良いと思うけど、万全には遠いですね。タイムも出てないし、6、7割くらいです。ユニフォームに初めて袖をとおしたときは嬉しかった。さらに1番車でよかったです。みんなが見てくれてるところで楽しいレースがしたい。自力で場内を沸かせられればいいですね」
 新田祐大は競輪祭の準VでS級S班に滑り込んだ。
 「決勝は(海老根恵太に)付いて行くときに硬くなってた。その時点でダメ。優勝は難しいなと思ってました。でも、SSになったことで、来年からはタイトルに近いところからスタートできますからね。コロンビアのW杯から22日に帰ってきたけど、時差ボケは大丈夫だと思う。気温差と疲れでちょっと体調が良くないけど、レースは明後日だからそれも大丈夫でしょう」


<グランプリ>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
市田佳寿浩選手
市田佳寿浩選手
   昨年のGPではゴール寸前で涙を飲んだ武田豊樹(写真)。今年はリベンジに燃えていると思いきや、本人は至って自然体だ。
 「ここまでは普通にやってきました。立川には平原君たちと1回入ったけど、特別こみ上げることもなかったですね。今年もとにかく全力を尽くしたい。やりたいことは全部やれたので大丈夫です。入ってからやることも特にはないけど、気持ちを高めていくだけですね」
 初出場の市田佳寿浩(写真)は大事な一戦を前に静かに口を開く。
 「変わったことも特にないし、ここまでは順調そのもの。抜群とはいかないけど、状態的には良いと思います。記者さんはもっと何か欲しいだろうけどね。福井の中島孝平(競艇)が賞金王? そのネタがありましたね。彼は同じ町内だし、今年は僕が町一番(の稼ぎ頭)だと思ってたんですけどね(笑)。応援してる選手だし、僕も負けないように頑張りますよ」
 平原康多は「万全に近いと思う」と胸を張る。
 「練習や乗った感じは大丈夫です。立川には武田さんとかと一緒に入ったけど、予行演習のつもりで入ったし、良い緊張感を持って走れました。ちょっと練習メニューを変えたところもあるけど、すぐに結果はどうかな。まずは疲れのないように本番まで過ごしたい」

GPレーサー集合

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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