『KEIRINグランプリ2010シリーズ レポート』 初日編
配信日:12月28日
いよいよ今日から立川競輪場でGPシリーズ「寺内大吉記念杯」が開幕した。11Rのヤンググランプリは深谷知広が上がり11秒2のまくりで前団をひと飲み。デビューから僅か1年半の新星が同世代のバトルを制した。明日は11RでSSカップみのりが開催され、新S級S班9名による一発勝負が繰り広げられる。
明日は4R終了後にKEIRINグランプリ2010出場メンバー、7R、9R終了後には滝澤正光氏によるトークショーが。場内特設ステージでの予想会には久保千代志氏(3R終了後)、工藤元司郎氏(5R終了後)が登場します。初心者ガイダンスや賞金ボード撮影会などイベント盛りだくさんの立川競輪場へぜひご来場ください。。
ヤンググランプリ・レース経過
号砲と同時に単枠3名が飛び出したが、最内の深谷知広が有利にSを取った。並びは深谷-岩本俊介が前で、以下は牛山貴広-木暮安由、水谷好宏-三谷将太、脇本雄太-西谷岳文に単騎の坂本貴史が続く。
周回が進み、赤板の1コーナーから脇本がカマシ気味に出て、前を叩いたところでジャンが入る。深谷がすぐに下げると、牛山、水谷の順で切り替えていき、結局深谷は8番手に。3番手の坂本との並走を嫌った牛山がホームで叩きに出ると、脇本も踏んで主導権を譲らない。牛山が外に浮くと、木暮が自力まくりを敢行し、これを追う形で水谷、坂本も前に踏んで行く。バックからは力勝負となり、各車懸命にゴールを目指したが、隊列が短くなったところを深谷が後方から豪快にまくり、直線で前団を捕えて優勝。水谷が2着に入り、マークした三谷が3着となる。
ゴール
胴上げ
<1R>
勝瀬卓也選手
S級シリーズのオープニングレースは川口直人の逃げに乗った
勝瀬卓也(写真)
が展開をモノにした。
「俺は付いてただけ。まくりは絶対止めるつもりだったけど、4番(善利裕生)も無理そうだなと思った。余裕はありましたね。直線が長すぎて川口くんを残せなかったのが残念。怪我とかで今年はダメだったけど、ようやく良くなってきてると思う」
川口直人
は「ゴール前は夢を見ましたけどね。まぁ出し切れたので」。惜しくも3着で勝ち上がりを逃したが、達成感溢れる表情でレースを振り返った。
<2R>
山賀雅仁選手
中団からまくった
山賀雅仁(写真)
が、しっかりと1番人気に応えた。
「売れてたし、絶対に決めないとと思ってました。僕が1着を取れば後ろは2、3着に入れると思ってましたしね。8月くらいからかみ合わず良くなかったけど、前回は久しぶりに決勝に乗れたし、今年最後のここを優勝で締めたい。競輪祭で海老根(恵太)さんの走りを見て、オレは何やってんだろうと思ったし、また貪欲に勝ちたい気持ちになりました」
<3R>
國村洋選手
伊原弘幸が主導権を握ると、岡田征陽は下げて7番手。そこからまくりに行くがバックから
國村洋(写真)
に合わされ不発に終わる。まくった國村はしてやったり、レース後は口も滑らかだ。
「もうアレしかないでしょ。柏野くんとは何も話してないけど、僕の動きに対処しますね。前にも別線でこんなレースになったんですよ。1番(岡田)がどこで粘るんだろうと思ったら全部引いたので、ダメ元で行った。押し切りたかったけど、直線が長すぎる」
柏野智典
には思わぬ形で4角番手の展開が転がり込んだ。
「ほんとは自分でまくるつもりでした。ホームで詰まったときにタイミングはあったけど、自分の(航続)距離ではなかった。(岡田が)来たのに合わせてと思ったら、ちょうど前(國村)も行った。近藤(修康)さんとワンツーを決めたかったけどね」
<4R>
須賀和彦選手
ホームからカマした
須賀和彦(写真)
が今日唯一の逃げ切り勝ちを収めた。
「レース前まで気持ちがフワフワしてたけど、オイルを塗りながら倉野(隆太郎)くんを潰すと決めたらスイッチが入った。叩けるか叩けないかの勝負だったけど、叩けた瞬間にやったと思いました。1レースで(戸邉)裕将さんが2着に来るレースを見て、直線が長いなと思ったけど押し切れました。前回からギアを3.86に上げたのも大きかったです」
<5R>
前検日は弱気な発言ばかりだった
荒井崇博
だったが、フタを開けてみれば鮮やかなまくりで前団をひと飲み。それでも「予選じゃまだ分からない」と、けんもほろろ。準決勝を勝って明るいコメントが聞けるのか注目だ。
山本健也
は良いペースで駆けたが最後の最後に力尽きた。
「直線が長いなぁと思った瞬間にタレてしまった。まだメンタルが弱いんで…」
<6R>
常川佳介選手
布居寛幸と天田裕輝の壮絶な主導権争いを早坂秀悟がまくると、常川佳介の中割りをしのいだ
平沼由充
が久々の1着をゲットした。
「早坂くんは全開でしたね。俺に余裕があれば車間を切って残せたのに…。でも、あれで来れるんだから常川くんが強かった」
内から中に鋭く伸びた
常川佳介(写真)
の走りも光った。
「今回はギアを3.92に上げた。最後はギアのおかげですね。近畿勢の仕掛けに離れたけど、バックからはコースを見て。空いてるのが分かったので突っ込みました。来る前に(浅井)康太や柴崎(淳)に良い稽古をつけてもらってたから自信になりました」
<7R>
豊田知之選手
1センターで豊岡哲生に内をすくわれた
豊田知之(写真)
だったが、そのまままくって行った豊岡を追うと直線鋭く捕らえた。
「これが今年初勝利です(笑)。豊岡くんにすくわれたときにそのまま番手で止まられたらどうしようと思ったけど、そのまままくって行った。阿竹(智史)くんを入れたかったけど、彼はまだ内に差し込んでたから難しかった。落ち着いて走れたし、勝てて良かった」
豊岡哲生
は機敏な動きで復調をアピールした。
「ホームで阿竹さんが来るだろうなと思ったけど、警戒しすぎて口が空いてしまった。良いところで内が空いたんで良かったです。展開は悪かったけど、動きは良かったと思います」
<8R>
辻力選手
逃げる片寄雄己を田中雅史が鮮やかにまくると、番手の
辻力(写真)
がきっちり捕らえた。
「バックではスピードに乗ってたのでイケると思いました。1着は5カ月ぶりですよ。1着を取るまでは禁酒すると11月から決めてたので、正月は美味しいお酒が飲めそうです。8月、9月と忙しくて成績が悪かったけど、調子自体は場所ごとに良くなってきてたんですよ」
まくった
田中雅史
は飄々とした受け答え。
「良い組み立てができたと思います。今日の勝因はそこですね。仕掛けはダメでも2コーナーと決めてました。もう少し気持ちよくまくりたかったけど、調子は良いと思います」
<9R>
予選最後の9レースは逃げる根田空史を番手の
山崎充央
がきっちり捕らえた。
「根田くんには初めて付いたけど強いですね。脚的には戻ってるので、あとは気力と思ってたけど、地元で良い気合も入りました。きっちり勝てるのも戻ってる証拠ですね。でもこれでやっとスタートラインに立ったと思ってる。優勝したいし、明日以降も頑張ります」
力を出し切った
根田空史
は、レース後に足を押さえて「痛ててて…」と顔をゆがめる。
「重さは感じなかったけど、ちょっと風が出てきたので。さすがにちょっと直線が長いですね」
<10R>
諸橋愛選手
特選は藤田竜矢の逃げに乗った
諸橋愛(写真)
が快勝。レース後は「ここを照準に来たので」と胸を張る。
「藤田くんのペースだったし、余裕はありました。ああいうジワジワ踏むのは好きなので。2回目持って行ければ三宅くんも止まって、晴智さんと決まったのに」
外を強襲した
三宅達也
が2着に食い込んだ。
「ホーム過ぎに行こうと思ったけど、勇気が出なかった。(諸橋のあおりで)だいぶスピードが殺されたけど、踏んで伸びてるんで感触は良いんじゃないですか。ただ今日は単調すぎた。明日は同じレースをしないようにしたい」
3着の
渡邉晴智
だが「2着に来ないといけないのに情けない。脚がないですね」とレースを振り返った。
<11R ヤンググランプリ>
三谷将太選手
木暮安由選手
深谷知広が史上最短、最年少でヤンググランプリを制覇。惜しくも2着に敗れた
水谷好宏
だったが、見せ場はたっぷりだった。
「深谷くんが引いたのは分かったし、先に仕掛けんとと思ってました。それにしてもビックリするくらい僕の展開になりましたね。外は分からなかったし、とにかく前に踏むので精一杯だった。これをプラスに、来年からは大きいレースの勝ち上がり戦を走りたい」
3着の
三谷将太(写真)
は悔しさを隠せない。
「失敗や…。ハンドルを投げるのが早すぎた。水谷さんは抜きたかったなあ。みんな強いです」
バック手前から自力に転じた
木暮安由(写真)
だったが、水谷のまくりに遭い5着に。
「(牛山貴広に)任せてたんで悔いはないです。それに自分で仕掛けられましたからね。踏んだ感じは悪くなかったけど、勝った深谷が強かっただけです」
深谷の番手を選んだ
岩本俊介
だったが、バック9番手。結果的にはあまりにも優勝に遠い位置だった。
「深谷くんは勝ちに徹するコメントをしてたけど、もう少し前々に行ってくれるかと思ってた。しょうがないですね」
<SSカップみのり>
大塚健一郎選手
本番前日でも出場選手はリラックスムード。
大塚健一郎(写真)
は「ここくらい換えとこうかな」と朝から気分転換にハンドルのグリップを交換する。
「昨日初めて(SSの)赤パンをはいたけど、格好良いですね。競輪祭でSSが決まってからも、伊東記念を走ったし、終わってからは3日間家でゆっくりしました。上積みできる時間はないので、何も変わらないけど疲れだけは取ってきました」
佐藤慎太郎
も午前中から愛車整備に余念がない。「ASの2着だけですけど、赤パンをはけたのはデカいですね。今回は前座的なレースだけど、来年はグランプリに乗りたい。怪我したあとはこんな成績でも十分なのかなと思ったけど、そこを払拭しないと面白くない。やっぱりタイトルが欲しいです」。タイトル再奪取へ、ここで弾みを付けるか。
<グランプリ>
山崎芳仁選手
グランプリ出場メンバーは8R終了後の公開練習、全レース終了後の夜間練習でバンクの感触を確かめた。
もはや
山崎芳仁(写真)
にとってグランプリは暮れの恒例行事。今日、明日の2日で微調整を行ないながら本番を待つ。
「今回は体調がすごく良いんで楽しみです。(佐藤)友和くんのダッシュに付いて行くために、ハンドルポストを5ミリ短くしてみたんだけど、全く感触が合わなかったのでやめます。ギアも本番は4回転に戻すつもり。過去5回走ってるのでリラックスしながら過ごせてますね」
初の舞台を前に
村上博幸
は「楽しめてますね」とリラックスムード。明日から徐々に戦闘モードに入っていく。
「当然、リラックスしすぎてもダメですからね。今日は夕方もしっかり調整で乗ろうと思ってます。(開催中に)これとこれだけしとこうってことはあったけど、地元で仕上げた感じはある。まずは疲れだけ残さんように。バンクは思ったより軽いですね」
公開練習・夜間練習
GP公開練習
SS公開練習
夜間練習
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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