『KEIRINグランプリ2012シリーズ レポート』 前検日編

配信日:12月27日
 優勝賞金一億円(副賞含む)をかけた輪界最高峰の一発勝負「KEIRINグランプリ2012(GP)」が30日に行われるKEIRINグランプリ2012シリーズが、京王閣競輪場で28日に3日間開催の幕を開ける。今年の輪界を席巻した武田豊樹をはじめとするベストナインが、前検日の27日に京王閣競輪場に到着。多くのフラッシュ浴びたトップ選手たちの登場で、大一番を控えた検車場のムードはピンと張り詰めた。また、28日に「ガールズグランプリ2012(F2)」、29日には「ヤンググランプリ(G2)」も行われ、見どころは満載。F1シリーズの「第5回寺内大吉記念杯」の3日間に渡る攻防も見逃せない。
 本場では開催中の毎日、先着スピードくじ、先着でオリジナルおかきの無料配布など、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。28日の初日には「mihimaru GT」によるトークショー&ミニライブなども予定されています。ぜひ、京王閣競輪場へ足をお運び、見応えのあるトップレーサーたちのスピードバトルと、イベントをお楽しみください。
KEIRINグランプリ2012出走選手
KEIRINグランプリ2012(GP)出場選手
ヤンググランプリ2012出走選手
ヤンググランプリ2012(GII)出場選手
ガールズグランプリ2012出走選手
ガールズグランプリ2012(FII)出場選手
<1R>
柏野智典選手
柏野智典選手
 シリーズのオープニング「寺内大吉記念杯」の1レースには、6月の高松宮記念杯で決勝にコマを進めている柏野智典(写真)がスタンバイ。
 「良くなって落車、良くなって落車の繰り返しでしたからね。それが最近は落車もなくなって、(前々回の)競輪祭は成績はまとまっていないけど、自分の中では悪くない感じだった。練習の感じも良くなってきたし、前回の宇都宮よりも今回の方がいいと思う。あとは流れですね。初日は城(幸弘)君に付ける、結構強いって聞いてるんで、これで流れが変わってくれれば」
 岡村潤は前回の平塚261着。ようやく自転車との一体感を得て好感触。自然と笑みがこぼれる。
 「前回の平塚が終わって、次の日に追加がきた。結構、日にちがあって練習もできたし、調整もできた。2場所前の佐世保くらいから感じが良くなって、前回は久しぶりに自転車が流れる感じがしたんで、いいと思いますよ」

<2R>
岸澤賢太選手
岸澤賢太選手
 岸澤賢太(写真)は前回の高知が741着と、一息だったにもかかわらず手応えは悪くない様子。
 「成績がイマイチですけど、感じは悪くない。ただ、結果が出ていないんで…。それから中5、6日あったと思います。練習はいつもと変わらずやってきた。今期は始まったころが悪くて、それよりも今は感じはいいです」
 同県の後輩、武井大介に番手を預けた飯田辰哉は、南関ラインの3番手でリラックスムード。
 「前回の平から日にちはあったんですけど、(落車の)痛みがある中で練習をやって。それで治りが悪かった。それでも練習はやってきたし、3番手なんでチャンスを見て突っ込むところがあれば、突っ込みたいですね」

<3R>
 近況は大敗と背中合わせの坂本健太郎。苦笑いをしながら自転車を組み立て、こう自己分析をする。
 「悪くないとは思っているんだけど、そんなにいいって訳じゃないし…。どうしても開催ごとのムラが出てしまったりしている。昔からそういう傾向にはあったけど、点数があった時はムラが少なかった。まだ(長い)距離が踏めないっていうのもあります」
 前回の武雄で正規配分を終えた坂木田雄介は、追加でのシリーズ参加には手馴れたもの。余裕の顔で自転車を整備する。
 「武雄で今年は走り納めかと思ってたんですけどねぇ。なんか追加が来る予感はしていた。追加が来たのは一昨日ですけど。急な追加でもそういう時の調整の仕方はわかっている。補充、追加は慣れてますから」

<4R>
大塚玲選手
大塚玲選手
 大塚玲(写真)はA級の来期を見据えて、長距離トレーニングを積んで今期のラストを迎える。
 「来期がA級なんで、しっかりと乗り込みたいと思って。今回は伊東記念が終わってから、長い距離を乗ってきた。こんだけ距離を乗ってきたのが初めてなんで、脚の疲れがどうかなって感じはある。今の自分の感覚では大丈夫だと思うんですけど」
 3場所前の岸和田を121着で友定祐己は今年初優勝。その後は岐阜213着、広島記念4453着と近況は尻すぼみ。
 「岸和田は絶好調の感じだった。それから岐阜では少し感じが落ちて、広島では全然ダメだった。体のどこが悪いとかじゃないし、あとは展開もある。岸和田みたいな感じがあればいいですね」

<5R>
 実質的には先行一車と展開有利に進められそうな橋爪亮は、メンバーをにらんで気を引き締める。
 「先行一車みたいなのはよくあるんで。成績ですか? 五分五分ですね。たまに奇襲作戦にやられることもあるんで、そこら辺は気を抜かないで。調子の方も良くなっているし、自転車が進んでいる。前は人の自転車に乗っているみたいだった。体調が戻ってきたことが、一番大きい要因だと思います」
 宮崎に冬期移動をしている山田敦也は、雪や凍結による練習不足に泣かされていることはなさそう。
 「11月のなかごろから宮崎に行って、練習をしている。寒くないし、練習は全然問題ない。感じとしてもそこまで悪くないし、しっかりやるだけですよ」

<6R>
松岡孔明選手
松岡孔明選手
 松岡孔明(写真)は佐世保記念から2週間以上空いたゆとりのローテ。計画通りに練習メニューをこなし、気合を入れる。
 「佐世保からかなり空いていたんで、思い通りの練習ができた。前回よりはいいと思っています。そこそこ追い込んでやってきたけど、疲れの方も大丈夫だと思う。今年はここが最後なんで、頑張って勝てるように」
 伊原克彦は相変わらず好不調の波が激しいが、今回は仕上がり万全だ。
 「前回の佐世保記念は悪かったんですが、終わってからしっかり練習してきたので、修正できたと思います。今回はかなりいい手応えがあります。同期の松岡君は佐世保記念で対戦して負けているので、明日はしっかり勝ちたいですね。(渡辺)十夢さんとワンツーを決められるように頑張ります」

<7R>
山中秀将選手
山中秀将選手
 山中秀将(写真)はF1シリーズの争覇級にすっかり定着した。予選では結果が求められる。
 「だんだん良くなっているという感覚がありますね。最近の中では一番いい状態。気持ちも盛り上がってきているし、あとはかみ合うかどうかでしょう。来年のダービー出場もほぼ大丈夫と聞いているので、気持ち的には楽。明日は自分の力を出し切るだけ。思い切り走ります」
 山中とセットのメンバー見た勝瀬卓也が、表情を引き締める。
 「山中君は強いんで離れないように。前々回の平で優勝はしているけど、調子はいい時と比べるとまだダメだなって。それでも思うように練習ができているのは、いいことだし。ここも来年に向けて頑張ります」

<8R>
永井清史選手
永井清史選手
 取手記念を挟んでF1では5場所続けて優出を果たしている永井清史(写真)は、ゆっくりと上昇カーブ。来年を見据えた長いスパンでの土台を作りに励んでいる。
 「踏み出しだとか、持久的なものとか。全体的に徐々に良くなってきている。オールスターが終わってからは、また一から基礎トレーニングをやり始めているんで。来年の夏ごろにはと。基礎から(体を)作り直すには、最低半年はかかると思っているんで」
 昨年の8月にはA級ながらも、当所で3連勝の完全優勝を遂げている岩崎大和だけに、京王閣のイメージは悪いはずがない。
 「ここは久しぶりにA級に落ちた時に優勝をして以来ですね。だから悪い感じはしない。今期は失格を2回してしまっているんで、S級の点数を取るのはきついと思うけど。来期につながるように」

<9R>
田中晴基選手
田中晴基選手
 ファンが注目する大一番、GPシリーズへの初参加に田中晴基(写真)が、いつもに増して目を輝かせる。
 「グランプリの開催に出るのは初めてなんで。お客さんも多いと思うし、頑張りたいですね。広島記念から中2日なんで、疲れを取るように調整してきた。いい状態だと思うし、初日は後ろに地元勢が付くみたいだから気合も入る」
 予選のメーンに抜擢された地元の柴田洋輔が、田中の番手を回る。
 「調子は変わらず。普通に練習をやってきた。一時期よりも調子は上がってきた。来年の1月はあっせんが止まってしまうし、その前にここで頑張りたい」
 西村光太は4回転ギアを手の内に入れ、タテ攻撃の破壊力に磨きがかかった。
 「11月があっせん停止で、その期間に充実した練習ができました。でも、復帰戦の佐世保記念は結果が出なかった。4倍ギアが主流になっていて、その対応が遅れました。今はフレームを換えて、大ギアも踏めるようになっている。調子自体はいいので、今年最終戦でしっかり結果を残したいですね」

<10R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 今年最後のG1、競輪祭までグランプリシートを争った渡邉一成(写真)の走りに、3日間注目が集まる。
 「競輪祭が終わって、イベントとかもあって1週間くらい自転車に乗っていなかった。だから体が休まっているのかと思ったら、疲れていました。それで前回の宇都宮が悪かったんで、今回はなんとかしたいって思って修正するトレーニングをしてきた。普段と違うトレーニング方法だったんで、それがいい方向にいけばいいですね。自分は基本的には、前を取って組み立てる選手なんで。あとはどんなタイミングでも、仕掛けられるような気持ちで」
 木暮安由は前々回の佐世保で通算2度目の記念優勝。前回の松阪は432着で準Vと好調をキープしている。
 「調子は変わらずいいと思いますよ。松阪では疲れがあったわりに、そこそこ踏めていたし。松阪が終わってからはバンクに入れたから、バンクで調整もできたんで」
 今年はビッグレースで2度の優出を果たした稲垣裕之が、シリーズの盛り立てを約束する。
 「ヤンググランプリは2回走ったことがあるけど、F1でのGPシリーズに出るのは初めて。シリーズを盛り上げるレースをしたいですね。ここ4場所新しいメーカーのシューズを試して、メリットとデメリットの両方を考えた結果、今回から元の履き慣れたシューズに戻しました。体調自体は悪くないと思います」

<11Rガールズグランプリ2012>
加瀬加奈子選手
加瀬加奈子選手
 先行での決まり手はグランプリメンバーでは群を抜いている加瀬加奈子(写真)が、一発勝負でも自らの哲学を貫く。
 「熱い走りをしますよ。この大きな舞台で先行をできるのはひとりだけだし、(先行を)自分の美学としているんで。出し切るいつもの自分のレースをしたい。師匠にも言われたけど、(後ろに)差されることを恐れずに。先行して差されたなら、また練習をすればいいんで。仕上がりに関してはいいと思います」
 大外の7番車に入った中川諒子は、レースの流れに応じた走りを強調する。
 「7番車なんで、どの位置を取れるかもわからないので。取れた位置から冷静に戦いたい。(兄の誠一郎からは)レースに関しては何も言われてないです。あとは雰囲気に飲まれないように。一発勝負はそのレースにだけ集中すればいいから、自分にとってはいいと思う」

<2日目11Rヤンググランプリ2012>
井上嵩選手
井上嵩選手
 京王閣で日々練習に精を出している井上嵩(写真)は、ホームバンクでのアドバンテージを最大限に生かして地元Vを目論む。
 「普段から練習をしているバンクなんで、気合は自然と入ってくると思います。この中で一番バンクの特性を知っていると思うんで、それをうまく生かして。小さくならないで、でっかい競走をしたい。後悔をしないように、やれるだけのことは全部やってきました」
 小松崎大地は師匠の岡部芳幸のアドバイスを胸に秘め、単騎での一発勝負に臨む。
 「いろいろとアドバイスをもらって、それがあるっていうだけで心が全然違いますね。このレースに限っては1着以外は一緒だと思うし、優勝を狙っていきたい。今回はひとりでのレースになると思うけど、僕にもチャンスはあると思う」

<3日目11Rグランプリ2012>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 武田豊樹(写真)は今年2回のG1優勝を含めてグレードレースのみで10度の優勝と充実の一途。
 「今年はいい一年だったし、最後をしっかり締めたい。優勝を目指してやるだけ。グランプリも初めてじゃないし、これからの過ごし方もわかっているんでしっかりと」
 検車場で村上義弘は、いつもの真剣な眼差しで自転車を組み立てる。
 「競輪祭が終わってからは、ここまでできることをしっかりとやってきた。自分にとって日にちはどれだけでも欲しいし、その中でやるしかないんで。あとはいつも通りにこれからの3日間を精進するだけです」
 結束する北日本勢の番手を回る山崎芳仁は、重責を背負ってこう言う。
 「今のデキだと僕が3番手っていうのも…。でも番手を回る以上はしっかりと。それにチャンスがない訳じゃないし、(佐藤)友和を援護してチャンスがあれば優勝を狙っていく」
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