グランプリシリーズのオープニングを飾ったのは柏野智典だ。目標の城幸弘との連結は外してしまったが、中団で態勢を立て直してバックからひとまくり。力の違いを見せた。 「不細工なレースをしてしまいました。城君に申しわけなかったです。ホームでガシャンという音がして引いてしまった。あとは岡村君が来るのは分かっていたので、そこに合わせて踏むだけでした。後味は悪いけど、勝ち上がれてホッとしています。明日はしっかり頑張ります」 |
武井大介選手 |
柴田竜史が打鐘から一気に仕掛けて主導権を奪う。番手絶好となった武井大介(写真)が勝機をきっちりものにした。 「柴田君が頑張ってくれたし、その気持ちが嬉しかった。もう少し援護できれば良かったんですけどね。お客さんの期待にも応えないといけないので、最後はシビアに踏ませてもらいました。練習してきたから体調は問題ないです」 飯田辰哉が2着に続いて、千葉ワンツー決着となった。 「最高の展開でした。武井も最後はそこそこ踏んでくれたので、何とか2着に入れた。勝ち上がれて良かったです。踏んだ感触も悪くないですね」 |
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望月裕一郎選手 |
坂木田雄介が最終ホームから絶妙のペース駆け。番手の望月裕一郎(写真)が直線できっちり捕らえ、人気に応えた。 「前のおかげです。うまく駆けてくれました。かかりも良かったので、まくられないだろうと。1Rから本命選手が勝っていたから変なプレッシャーがあったので、勝ててホッとしています。体調はいいので、明日も頑張ります」 坂木田雄介は4.33の特大ギアで持ち味を存分に発揮した。 「松井(英幸)さんを出したら、レースが終わっちゃいますからね。あそこで突っ張って、少しペースを崩したけど、うまく駆けられたと思います。S級点へ勝負駆けなので、明日も気を引き締めて走ります」 |
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友定祐己選手 |
後攻めの大塚玲が赤板過ぎに押さえて先頭に立つと、友定祐己(写真)は4番手を伊藤成紀と併走。 「あれで自分が前に出てしまうと、これからも周りにそういう組み立てをされて粘られるし。今日はそこで勝負だと思ってました」 中団の腹を固めた友定は、外併走から最終2コーナー手前から一気。まくりで後続を振り切って人気に応えた。 「ちょっと重かったし、踏み出しではヤバいかなって思った。もうちょっとスッと出てくれれば後半が楽だったんですけど。今日はずっと重かったですね。前回の広島記念とそんなに調子は変わらないけど、ちゃんと動けたんで。明日からも何とかなるかなって」 踏み出しで伊藤と絡みかけ、直線では鈴木良太に当たられた室井健一だが、ソツなく2着に入った。 「離れたらいけないし、出脚だけはと思って注意していた。その後も(友定を)抜けなくても、付いていかないとと思って。追加が来たのは2日前で調整はしてないけど、ここでは飛べないんでね」 |
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廣川貞治選手 |
北野武史が腰痛による当日欠場で8車立て。実質的な先行一車と恵まれた橋爪亮は、赤板を迎えても動かずじっくり待機。落ち着いて打鐘前の2コーナーから踏み出し、主導権を奪取。マイペースの逃げで押し切り、久々の白星を飾った。 「恥ずかしながら、これが今期初勝利ですよ。よかったです。今日はこの(先行一車の)展開を生かさないとって思ってた。今期はずっと調子が悪くて、最近になってやっと上がってきた。これで自信もつきますね」 前受けの山田敦也が番手でイン粘り。競り負けて一度は車を下げた廣川貞治(写真)だが、インを突いて再度追い上げを敢行。山田から番手を奪い返し、橋爪後位を守り2着キープ。 「内に入れたんで恵まれた。自分でも頭の中に内の方が有利って思っていた。気合も入っていたし、やっぱり地元は違いますよ。それにやっと脚が戻ってきたから、あれができるんだし。疲れたけど本当によかった」 |
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伊原克彦選手 |
松岡孔明の逃げを伊原克彦(写真)が中団から鮮やかにまくって快勝した。 「後ろのラインが斬った上を叩いて先行するつもりだったんですけどね。来るのが遅かったので、先に動いたら、すんなり中団が取れました。あとは自分のタイミングで仕掛けました。風で空気が重い感じがしたけど、伸びは悪くなかった。前回よりは全然いいですね」 渡辺十夢が完璧マークで2着に流れ込み、福井ワンツーが決まった。 「伊原君が賢いレースをしてくれました。強くて差せなかったです」 |
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勝瀬卓也選手 |
打鐘過ぎの2センターから山中秀将が一気のカマシ。別線は手も足も出ない。勝瀬卓也(写真)が番手から鋭脚を発揮した。 「今日は山中君の頑張りに尽きますね。踏み込んだ瞬間に、出切ってしまうと思いました。僕は恵まれただけ。展開ですね」 山中秀将は積極的な仕掛けで南関ラインを上位独占に導いた。 「踏み出しでいけると思いました。流すところがなくて、きつかったけど、かかりは悪くなかったと思います。抜かれたのは仕方がないですね」 |
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朝日勇選手 |
永井清史の先行に乗った朝日勇(写真)が直線でズブリ。2車単の一番人気にきっちりと応えた。 「粘られるのは覚悟していたけど、あんな早い段階で(桑原亮が)来るとは思わなかった。あれでスイッチが入ったんだけど、向こうが結局下げて、すんなり番手になりましたね。そこからは永井君がどんどんかかっていくので苦しかったです。前の選手が頑張ってくれての自分だし、永井君のおかげです」 永井清史は冬場の重いバンクを最後までもがき切った。 「うまく駆けられたと思います。感じは悪くなかったし、調子も問題ないですね。明日もしっかり頑張ります」 |
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柴田洋輔選手 |
田中晴基が地元の2人を連れて積極的に逃げる。柴田洋輔(写真)が番手から最後はシビアに踏んで抜け出した。 「田中君が前で頑張ってくれたおかげです。もうちょっと待ってから踏みたかったんですが、まくりも迫っていましたからね。田中君には申しわけなかったです。やっぱり番手は難しいですね」 7番手から好回転でまくった西村光太は2着で勝ち上がりを決めた。 「早めに引いて、前が流すようなら叩こうと思ったんですけどね。けっこう踏んでいたし、2着権利なので勝ち上がりを意識した走りになりました。2コーナー過ぎから中団の高谷(雅彦)さんをめがけて踏んだら伸びてくれました。4回転ギアをしっかり踏めるようになってきました」 |
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後閑信一選手 |
特選レースは地元の後閑信一(写真)が勝利への執念を見せた。目標の木暮安由が稲垣裕之をまくれないと見るや、3コーナーから内に斬り込み、鋭く追い込んだ。 「地元なんで必死でした。余計なことを考えずに身体が勝手に反応している感じ。最後は内が空いたんで突っ込んだけど伸びてくれました。お客さんの声援が励みになっています」 番手の南修二は後閑に内をすくわれたが、態勢を立て直して2着に追い込んだ。 「稲垣さんが強かったです。余裕はあったんですけどね。内をしゃくられなければ、ワンツーが決まっていたかもしれません」 園田匠は立ち遅れて後方に置かれたが、最後は大外を鋭く伸びて3着に食い込んだ。 「この車番では初手でいい位置は取れないので、先手ラインに付いていこうと思っていました。不意をつかれて(ホームで)内をすくわれてしまった。あとは後閑さんを追っていこうとしたけど、中途半端な走りになってしまった。あの展開で3まで来れているから悪くないと思います」 |
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荒牧聖未選手 |
ガールズグランプリ2012は小林莉子が番手から追い込んで快勝。優勝賞500万円を獲得し、初代女王に輝いた。3番手をキープしていた荒牧聖未(写真)は車間を空けて後続の踏み出しに合わせて踏み込んだが、届かず2着で準Vまで。 「後ろの動きが気になって仕掛けられなかった。コーナーがうまく踏めなかった。もう少しコーナーでうまく踏めていたら、伸びもよかったんで違ったかもしれない。でも、この2着が今の実力です」 公言通り加瀬加奈子が主導権。我が道を頑なに貫きレースを支配したが、ゴール前は力尽き失速の3着。 「先行をしようと思ってました。誰かが来ると思ってたけど、来なかったんでペースで駆けられました。先行にビビって動けないってこともなかったし、悔いはないです。(後閑)百合亜のお父さん(信一)に2センタートップスピードで行けば、逃げ切れるってアドバイスをもらったんですけど。あとは根性が足りなかった。鍛え直します」 加瀬と人気を2分した地元の中村由香里は最後方に置かれて、まさかのシンガリに惨敗。引き揚げて来ると、しばし茫然自失。 「応援してくれたファンの方々に申し訳ない。レースに対してはいつも通り臨めたつもりだった。難しいですね…」と、言葉を絞り出すのが精いっぱいだった。 中川諒子も外枠が響き、持ち味を発揮できなかった。 「外枠でスタートが取れないことは想定していました。ホームから思い切りいこうと思っていたんですけどね。タイミングが合ってしまい、仕掛けられなかった。守りに入ってしまいました」 |
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松岡篤哉選手 |
明日29日のメーンはヤンググランプリだ。絆の強さでV争いをリードするのは中部コンビ。松岡篤哉(写真)は弟弟子の竹内雄作の番手で優位にレースを運ぶ。 「こういう大きな舞台で同門で走れる機会はなかなかないので、しっかりチャンスをものにしたいですね。去年のヤンググランプリはラインの先頭だったけど、今年は番手で気が楽。今日は朝から開会式に出て、公開練習もして気持ちは盛り上がってきています。竹内君には冷静に走ってほしい。信頼して付いていって、最後は優勝を狙います」 竹内雄作は強じんな地脚を武器にバンクを駆け抜ける。 「兄弟子とこの舞台に立つことができて幸せです。今日はリラックスして過ごせています。前回の成績は悪かったけど、ここを目標にやってきたし、大丈夫でしょう。落ち着いて自分の力を出し切るレースをします」 |
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深谷知広選手 |
グランプリ出場メンバーは決戦を2日後に控え、終始リラックスムード。8R終了後には公開練習が行われた。深谷知広(写真)は競輪祭の初日に落車。ぶっつけ本番で大一番に挑む。 「両脚を捻挫して、1週間ぐらい休みました。状態が戻るまで時間はかかったけど、戻ってからは急激に良くなりました。練習でタイムは出ているし、仕上がりは悪くない。去年は中部3人だったけど、今年は2人でプレッシャーもそんなにない。力を全て出し切ります」 浅井康太は前検日に深谷の番手を回ることを表明した。 「前夜祭のときは深谷の状態が未知数だったけど、前夜祭が終わってから3日間、深谷君と合宿させてもらって、深谷君の調子も悪くなさそうなので、一緒に連係しようと思いました。今日は公開練習があったけど、普通に周回しただけ。感触は秘密です」」 |
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