『KEIRINグランプリ2012シリーズ レポート』 2日目編

配信日:12月29日
 輪界最高峰の一発勝負「KEIRINグランプリ2012(GP)」を翌日の30日に控えたKEIRINグランプリ2012シリーズは、京王閣競輪場に多くのファンが詰めかけ2日目が行われた。メーンの11レース「ヤンググランプリ2012(G2)」では、同県の竹内雄作マークから番手まくりを打った松岡篤哉が優勝。初のG2制覇を遂げて、来年の飛躍の足掛かりとした。
 本場では最終日も先着スピードくじ、先着でのオリジナルおかき無料配布など、様々なファンサービスでお客様をお待ちしています。また「TKO」による松竹芸能お笑いライブや、GP表彰式ではロンドン五輪ボクシングで金メダルを獲得した村田諒太選手がプレゼンターを務めるなどのイベントも予定されています。ぜひ、京王閣競輪場へ足をお運び、ビッグレースの興奮と、イベントをお楽しみください。

アメリカザリガニお笑いライブ
アメリカザリガニお笑いライブ
安田大サーカスお笑いライブ
安田大サーカスお笑いライブ


〈YGPレース経過〉
 号砲が鳴ると各車ゆっくり発走機から出ていく。その中で増原正人がいち早くスタートを取りに行き、原田研太朗を迎え入れる。隊列は原田ー増原、窓場千加頼、小松崎大地、竹内雄作ー松岡篤哉、稲毛健太、井上嵩、馬場和広の順で並んだ。
 周回が進み、動きがあったのは青板周回から。まず、バックから稲毛が上昇を始めると、井上、馬場、竹内ー松岡の順でこれに付いていく。稲毛が赤板で前を押さえると、さらにその後ろから竹内が叩いたところで鐘が入る。岐阜の2人を追った小松崎が3番手に入り、その後ろがややもつれ、最終的に稲毛が4番手を確保。以下は馬場、井上、窓場と続き、前受けから引いた原田ー増原は8、9番手に置かれた。
 先頭の竹内は一旦ペースを緩めたが、3コーナーからすぐさまピッチを上げて先行態勢に入る。一本棒のまま最終ホームを通過。竹内が懸命に逃げるなか、1コーナーから原田がまくり上げていく。すると、2コーナーから稲毛、さらに井上とまくり合戦に。しかし、原田は大外を回されて力尽き、井上も稲毛に合わされる形で伸びは今ひとつ。好スピードで稲毛が迫ってくると、松岡が番手まくりを敢行。やや稲毛に出られたものの、松岡が内から巻き返して抜け出し、先頭でゴールを駆け抜けた。稲毛は2着となり、松岡を追った小松崎が3着に入る。
ゴール
ゴール
表彰式
表彰式
胴上げ
胴上げ
<5R>
茂木和臣選手
茂木和臣選手
 前受けから7番手まで下げた小島雅章が、桑原亮が作り出したスローペースを打鐘の4コーナーからカマす。
 「今日は番手が茂木(和臣)さんだったし、気持ちが入りました」と、同県の先輩とのワンツーに汗をぬぐって小島が、こう続ける。
 「俺にはちょっと踏んだ距離が長かったですけど。それでも初日よりも全然踏んだ感じがいいですね。あと1日ですけど、しっかり走ります」
 最終2コーナー手前では中村圭志の猛ブロックにあった茂木和臣(写真)だったが、番手を守り最後は小島を交わし1着。久々の白星に笑みを浮かべる。
 「よかったですよ。踏み出しのところも離れなかったし、(ブロックを)もらってからも余裕があった。それも小島君のスピードが乗っていたからだと思う。でも、後ろがどうなっているのかとドキドキしました(笑)」

<6R>
鈴木良太選手
鈴木良太選手
 打鐘手前でインを斬った宿口陽一の上を、柴田竜史が叩いて主導権。柴田はそのまま快調に飛ばして逃げて別線のまくりを完封。絶好の展開が巡ってきた鈴木良太(写真)が、番手から直線で抜け出して強襲する松本大地を退けた。
 「柴田君が頑張ってくれたし、後ろの三住(博昭)さんも…。自分の感じも正直言って悪くはないんですけど、こういう展開になることが本当に久しぶりで。なんとか1着を取れてよかった」
 別線の松岡孔明、宿口陽一に脚を使わせて、思惑通りに主導権を握った柴田竜史は好内容も直線で失速の6着。
 「踏んでいる感じは悪くなかったんですよ。4コーナーを回った感じでは3着までには残れるかと。掛かり切ってなかったのかもしれないですね。それでも主導権を狙い通り取ることはできたんで」

<7R>
田中晴基選手
田中晴基選手
 岸澤賢太のインを突いて鈴光洋彦が主導権を握ると、田中晴基(写真)はペースがゆるんだ一瞬の隙を見逃さず大カマシ。3番手以降を大きくちぎって、番手の山田幸司と一騎打ち。長い写真判定の結果、両者で1着を分け合った。
 「鈴光さんが内に行って、どうなるのかなって。そこで(先行争いの)決着がついたら、すかさず行こうって。初日よりは踏んだ感じも全然いいですね。ギアも初めて4.08を使ってみて、クランクを短くしたり。そういうので乗って感じが良くなってきた」
 鈴光に不意を突かれた岸澤賢太は、立ち遅れて3着に詰め寄るのが精いっぱい。
 「自分ではそんなに内を空けているつもりはなかったんですけど…。鈴光さんが来るとは思わなかった。ああなっちゃうと田中さんのレースですよね。それまでは田中さんを後方に置いて、いい展開だと思ったんですけど。もったいない」

<8R>
武井大介選手
武井大介選手
 赤板手前から上昇を始めた永井清史の後ろは、武井大介(写真)と室井健一で取り合い。1センターで武井が室井をけん制して番手を奪取すると、その後は室井も追い上げるチャンスを失い、競りは武井に軍配が上がった。
 「永井君が主導権を取って、それで4コーナーまで行くと思った。(番手を)勝負してよかった」と、逃げた永井をとらえて1着で準決をクリアした武井が振り返る。
 「今日はギアも下げたし、それも正解だった。永井君は最終の3コーナーまでずっと伸びている感じだった。自分に余裕があれば車間を空けてみようかと思ったけど、そんな余裕はなかった。自分の距離でやっと永井君を抜けた感じですよ」
 武井に付けた飯田辰哉は、後ろの室井を警戒しながら慎重に脚を伸ばして3着入線。
 「後ろに室井さんがいるのもわかっていたし、自分が変なことをすれば内をすくわれちゃうと。そこだけはしっかり。2日間走って、思ったよりも感じは悪くない」
 後続をクギ付けにして別線につけ入る隙を与えなかった永井清史は、武井に差されたものの2着に粘り込んだ。
 「初日より暖かく走りやすかった。すんなり駆けられたし、自分の調子も問題ない。徐々に元の体に戻ってきている。最近は決勝の成績があんまり良くないんで、明日はしっかり走って成績もついてくればいいですね」

<9R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
柏野智典選手
柏野智典選手
 打鐘の3コーナーで西村光太ラインを受けた稲垣裕之(写真)が、絶好の3番手をキープ。山中秀将の反撃に合わせて最終2コーナーからまくりを打つが、自転車の進みは一息。一瞬冷やりとさせられたが、強引に別線をネジ伏せてゴール線を真っ先に突き抜けた。
 「(西村が)いい勢いで来たから、落ち着いて3番手に引いた。そこからは車の出が悪かった。いくら自分のタイミングで踏んだ訳じゃないって言ってもねぇ…。その分後ろにも迷惑をかけました。まだ、(シューズを換えた)違和感があるし、そこら辺を決勝でしっかりと修正していきたい。決勝は自分で納得できるように、今年を終われる走りをしたいですね」
 園田匠に付けた柏野智典(写真)は、直線までじっと我慢。最後にコースが開けると、渾身の踏み込みで秀逸の伸びを見せた。
 「園田君は外に踏んでくれると思ってたし、余裕がありました。周りの動きとかも見えてましたね。ここは直線が長いし、なんとかなると思って我慢してたけど。最後はさすがに焦りがあった(笑)。恵まれた部分もありました」
 西村の番手から朝日勇は、稲垣のまくりに合わせて番手発進。辛くも3着で優出を果たした。
 「西村君があんだけ行ってくれたし、できるなら(まくりを)止めたかった。でも、稲垣君が後ろの3番手に入ったのもわかっていたんで。(西村を)残せずに、反省することもある。ただ、踏んでいる感じは悪くない」

<10R>
望月裕一郎選手
望月裕一郎選手
 押さえに来た伊原克彦の仕掛けが遅いと見るや、前受けの坂木田雄介は果敢に突っ張り先行。中団はもつれて、最終2センターでは後閑信一と金田健一郎が落車のアクシデント。望月裕一郎(写真)が3番手から中のコースを伸びて突き抜けた。
 「流れがすごくいいんで。僕の状態も良かったし、それで突き抜けることができたし、よかったですね」
 番手の勝瀬卓也は、後続をけん制しながら追い込み2着。初日予選、準決と連日の願ってもない展開に、ラインへの感謝を忘れない。
 「昨日もそうだったけど、展開がいいですよね。突っ張ったのもすべて坂木田さんの判断だし、本当にありがたいです。自分はギアを換えたり、クランクを換えたりして来年に向けてやっている。感触もまずまずだと思う」
 まくった伊原が不発になると南修二は、外を回して直線で伸びた。
 「状態としては悪くない。いい仕上がりだと思います。もちろん優勝は意識するし、(来年のダービー特選枠の)賞金もあるけど。自分がやることは一緒なんで」

<11R>
井上嵩選手
井上嵩選手
小松崎大地選手
小松崎大地選手
 兄弟子の松岡篤哉を連れて、竹内雄作は赤板の2コーナーから果敢に飛び出す。稲毛健太と馬場和広の中団争いの決着を待った地元の井上嵩(写真)は、6番手からまくるもあおりを受けて及ばずの4着。
 「狙いとしては間違っていなかったし、レースも思ったような感じで流れたけど、勝負どころで馬場君を迎え入れた一車分が大きかった。やっぱり競輪は一車でも前にいないと厳しいですね。最終バックで稲毛君が仕掛けた時は、そのまま出切っちゃう勢いを感じたので、付いていって抜くだけだと思ったんだけどなぁ。松岡さんも踏み遅れていたように見えたし。要所、要所で自分の位置は確保できていたから、やっぱり自分に脚がないということ。悔しいけど、次につなげられるよう頑張ります」
 岐阜コンビの後ろを手に入れ、単騎で器用な立ち回りを見せた小松崎大地(写真)だったが、最後は外の稲毛に被ってコースを失った。
 「絶好だったんですけど…。しょうがないです。レースでは流れを見て、あとはラインがあるところを並べてはダメだと思って、あそこに入った。被って踏めなかったことがすべてでしょう」

<30日11R グランプリ>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 27日に競輪場入りしたグランプリメンバーは、それぞれが思い思い時間を過ごし、2日目の7レース終了後にはバンクでの公開練習で場内のファンにアピール。初めてのグランプリをホームバンクで迎える岡田征陽(写真)も、ここまではリラックスムード。自転車のセッティングを入念に確かめ、検車場でにこやかに行ったり来たり。
 「とくべつに何にもないですよ。今のところは緊張もしてないんで。ただ、明日になれば緊張もすると思う。初日に(ガールズGPを)東京の選手が獲って、今日も井上(嵩)君が気合の入った走りを見せてくれた。自分もそれに続きたいですね」
 北日本の先頭を走る佐藤友和が、レースのポイントをあげる。
 「このメンバーでこの大きな舞台になれば、仕掛けるポイントはピンポイントになってくると思う。自分はそれを逃さないように。去年は悔いが残るグランプリだったし、今年はそういうことのないように。あとは体が反応してくれれば」と、締めた。
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