『KEIRINグランプリ2013シリーズレポート』　初日編

配信日：12月28日

　グランプリ2013シリーズが今日から開幕した。メーンのガールズグランプリは加瀬加奈子のまくりを追った中村由香里が優勝。何もできず7着に敗れた昨年の悔しさを同じ舞台で晴らした。明日は「寺内大吉杯」の準決勝、そしてヤンググランプリで若手レーサーがしのぎを削る。
　明日は「我が家」のお笑いステージ（4R、8R終了後）やKEIRINグランプリ出場9選手によるトークショー（9R終了後）。未確定車券抽選会ではグランプリ出場9選手のクオカードセットやオリジナルジャンパー&キャップなどをプレゼント。明日もぜひ立川競輪場へご来場ください。

: 28名の精鋭が勢揃い

: 敢闘宣言をする後閑信一選手
: ピストブラザーズ＆HAN-KUNによるライブ

: ヤンググランプリ公開練習
: ヤンググランプリ公開練習

: 夜間練習
: 夜間練習

＜ガールズGP2013　レース経過＞
　内枠を活かして石井寛子が誘導後位へ。以下は中村由香里、中川諒子、梶田舞、加瀬加奈子、山原さくら、中山麗敏の順で隊列が落ち着く。
　最初に動きを見せたのは中山。赤板でジワジワと上昇するが、その動きを察知した中川が合わせて動き出す。中川は誘導が退避する打鐘を目がけて踏み込み先頭に立つ。中川の動きを追い外へ浮く形となった中山が最終ホームで叩きに行くも、中川はこれを突っ張って両者のモガキ合いに。中山の後ろへと切り替えていた加瀬が最終2コーナーから仕掛けると中村が加瀬の後位へスイッチ。モガキ合う中川、中山の後位から、加瀬後位へ切り替えようとした石井だが、中村に踏み負けやむなく3番手へ。まくり切った加瀬が最後の直線を粘り強く踏み込むと、中村も加瀬を交わさんと追い込みをかける。加瀬、中村の両者で接戦のゴール態勢となったが、中村がゴール寸前で加瀬を交わして悲願のガールズグランプリ初制覇。差された加瀬が2着、人気を集めた石井は3着となった。

: ゴール

: 表彰式
: 胴上げ

＜１Ｒ＞
吉岡篤志選手	打鐘過ぎに竹澤浩司を押さえて出た小川祐司は、落ち着いて一度はペースを落として最終ホームから再度スパート。別線を寄せ付けない先行策から、ラインで上位独占を果たした。番手から追い込んだ吉岡篤志（写真）が、小川の頑張りを称えて振り返る。　「小川君が頑張ってくれた。今日はそれに尽きますね。いいペースで行っていたし、小川君が（2着に）残ったかと思ったけど残せなかった。自分にもうちょっと力があれば…。自分は1着でよかったですけど」　3番手の三宅旬は後方からまくった小田倉勇二に合わせて、直線で外を踏み込んで2着。　「自分はギアを掛けているし、（後ろのラインに）かぶらないようにと思っていた。だから、（最終）2センターくらいだったら、（後続と）一緒に出ようと思っていた。内に行っても伸びないですからね。感じとしてはちょっと重いですけど、自分としては（2着なら）十分です」

＜２Ｒ＞
金成和幸選手	小埜正義の反撃に合わせて打鐘過ぎにペースを上げた馬場和広が、中団のもつれを誘い主導権。番手をキープした金成和幸（写真）は絶好の流れを生かして直線で抜け出した。　「（打鐘の）4コーナーで内に来たのも見えていたし、一瞬やばいとは思ったけど大丈夫だった。脚の感じは悪くないし、自分の仕事をしてと思いました。馬場君はジャンのところも突っ張ってくれたし、自分にとってはよかったです」　「並びだけは崩さないようにと」と、馬場ラインの3番手に付けた杉浦康一は、最終ホームでの勝負どころをポイントに上げて汗をぬぐう。　「抜群の流れでした。ホームのところですか、あそこは1番（西徹）に取られないようにと。金成君を追走できたし、自分の調子もいいんじゃないですか。外を抜きに行ったら、内の人に抜かれて4着だったことが頭をよぎったけど、そうならずにすんだし」

＜３Ｒ＞
豊岡哲生選手	天田裕輝が主導権。これで番手絶好になった豊岡哲生（写真）がゴール前で逆転。天田とワンツーを決めた。　「僕は何もしなくてもよかった。1年に2回あるかどうか、最高でした。天田さんもかかってたと思いますよ。僕の状態も問題ないですね」　2着に敗れたが、天田裕輝もレース内容には満足げだ。　「（水谷好宏と）やり合うとキツかったけど、出させてくれたんで。あとはペースで行きました。もっとガツンと行ければよかったけど、とりあえず走れてるし（状態は）大丈夫かなと思います」

＜４Ｒ＞
早坂秀悟選手	紀井孝之が主導権を握ったが、ホーム手前から早坂秀悟（写真）が番手の鈴木誠が離れるほどの踏み出しで猛烈に巻き返す。早坂のスピードは最後まで衰えず、そのまま後続を振り切った。　「自分は1周丸々踏み切ることだけ考えてたので、後ろは分からなかった。とにかく前に踏んでと思ったし、状態もいいですね。出切ってから1回流して、2コーナーからニュートラルに入れて踏み直せましたから」　中団から仕掛けて早坂に続いた伊藤世哉が2着で準決勝へ駒を進めた。　「あの展開なら先にまくるか、（早坂が）来たらそこ目がけて行くか。まさかこんなに上手くいくとはね。（中四国の）3人を乗り切れるかが勝負だったし、（苦しくて）死んじゃいそうでした（苦笑）。この2着は大金星ですね」

＜５Ｒ＞
後ろ攻めから動いてきた西本直大を矢野昌彦が突っ張って打鐘から先行。番手の朝倉佳弘が展開をモノにしたが、矢野が3着に沈んでしまい喜び半分といった様子。　「矢野君を残せなかったので0点ですね。矢野君はグングンかかって行くから難しかったし、ゴール前で持って行ったけど直線だったから。（よかったのは）地元で1着、そこだけ。内容としては全然です」　中団に入った山本奨後位から前反祐一郎が2着に伸びた。　「駆け出しでキツかったですね。（前回）落車の影響でまだお尻や足の付け根が痛い。（2着は）行ってくれたおかげで、状態がよければ突き抜けてたと思う」

＜６Ｒ＞
人気の北日本ラインが前受けからすんなりと7番手まで下げて、松崎貴久が労せずに中団に。風を切った佐方良行を射程圏に収めると、後方の守澤太志に合わせてロングまくり。吉村和之とワンツーを飾った。　「落ち着いてゆるんだら自分のタイミングで行こうって思っていた。そしたら守澤君が来たのが見えたんで慌てて踏んだ。あんまり車の出が良くなかったけど、2コーナーでもう一度踏み直した。吉村君と2人で決まってよかった」　守澤をブロックして後続をシャットアウトした吉村和之は、追走した松崎をゴール寸前で楽にとらえた。　「守澤君も自分が、止めやすい感じのところで来たし。まずはやることだけはやってと思ってました。松崎さんのまくりは最初は出が良くない感じがしたけど、ギアも掛かっているからまたバックから伸びていった。自分の感触も悪くないですね」

＜７Ｒ＞
小川圭二選手	高瀬卓を叩いて金澤竜二が主導権を握るが、ホームから濱田浩司が早めの巻き返し。力で金澤を飲み込むと、そのまま押し切った。　「高瀬君も脚を使っての中団だし、仕掛けれんと思った。あれを待ってたら隊列が長くなるだけだから、（金澤の動きに）付いて行って詰まったら行こうと思ってた。レースで集中できてるし、まずまずですね」　小川圭二（写真）は勝ち上がりを決めてホッとした表情。　「1Rでアイツ（吉岡篤志）が勝ち上がったから、プレッシャーでしたよ。ハマコー（濱田）も最近調子がいいからか動き出しが早かった。僕は飛び付かれんように気にしてたし、向こう（濱田）は山おろしだから抜ける感じじゃなかった」

＜８Ｒ＞
藤田竜矢選手	藤田竜矢が主導権を握ると、番手の藤原憲征が山口貴弘のまくりを好ブロック。気迫の走りで1着をもぎ取った。　「僕のブロックのタイミングが悪くて、2回目持って行った後に前輪がグワンとなって前と遅れてしまった。でも追いついて抜けたし前回よりはいいですね。今日はガールズ（新潟勢）2人の前座だし、弾みをつけたかった。どっちかが取ってくれればいいね」　藤田竜矢（写真）も長い距離をしっかりとモガき切った。　「もっと短い距離ならね。カマそうと思ってたけど、押さえちゃった。でも後ろが藤原さんだし残してくれるだろうと思ってました。しっかり走れてよかったです」

＜９Ｒ＞
小橋秀幸選手	柳詰正宏が山田久徳の番手に飛び付きを狙うが、市田佳寿浩が番手を死守。車間を切って山田とワンツーを狙ったが、大外を鋭く伸びた小橋秀幸（写真）が鮮やかに1着をさらった。　「粘る予定だったんですけどね。顔見せですごい軽かったので自力のほうがいいかなと思った。たまに、年に3回くらいこんなことがあるんです。バックも向かい風に変わってたし、8番手だけど行けるところまでと思って仕掛けました。思ったよりいいと言うか、出過ぎましたね」　市田佳寿浩は冷静にレースを振り返る。　「2着権利というのもあるし、久徳もいいレースだったと思う。イン粘りも当たり前。それを踏まえてのレースだったから。僕は外で耐えることができたしね。最後は小橋のスピードがよかったということで」

＜１０Ｒ＞
高木隆弘選手	S級特選は坂本亮馬、牛山貴広が斬った上を新田康仁が主導権。伏見俊昭のまくりは高木隆弘（写真）のアウトで一杯に。番手絶好の高木がレースを制した。　「新田の頑張りですね。いいところを取って、斬って斬ってしたところをすかさず行ってくれた。残んないかなと思ったけど、いいかかりだったね。僕の状態も変わりなく。新田の踏み出しに離れながらも付いて行けたし、いいと思います」　2着には大外を鋭く伸びた坂本亮馬が突っ込んだ。　「久しぶりにモガいたので苦しかったですね。風を受けたのは4、50mくらいだし、ホームでも踏み遅れてた。そこは気を引き締めていかないといけないですね。ただ最後は思いのほか踏めてたんで。明日はその辺を考えながら組み立てたい」　新田康仁は狙いどおりの先行策だった。　「自分の（逃げる）順番が来るように組み立てたし、狙いどおりです。あとはラインで決まるように、逃げ切れるように逃げた。逃げ切れなかったのは残念。力負けだったけど、3着までに入って車券にはからめたので」

＜１１Ｒ＞
加瀬加奈子選手	ダッシュを効かせて中川諒子が打鐘から主導権。後続は2列併走状態で人気の石井寛子はインに閉じ込められたまま。外にいた加瀬加奈子（写真）は、前の中山麗敏の動きを見極め最終2コーナーからまくり発進。満を持しての仕掛けだったが、切り替えた中村由香里にゴール寸前で交わされクイーンの座はスルリ。女王の中村を称えながらも、悔しさを滲ませる。　「落ち着いてはいけました。（押し切って優勝に）いけたと思ったんですけど…。自分としてはやった方だと思います。今日は（優勝を）獲りながらも、見せるレースをしようって。来年は33バンクでお願いしたいくらいです（笑）。その方が直線が短いんで。（中村）由香里は切磋琢磨してきた仲間なんで、由香里の優勝はうれしいですよ」　加瀬のまくりを中村が追ってV差し。紙一重の差で加瀬へのスイッチが遅れた石井寛子は、加瀬、中村の後ろから直線で猛追するも差は縮まらず。　「（道中の展開は）バッチリ、完ぺきだったと思います。ただ、力不足。自分のダッシュがもっとあれば、加瀬さんの番手に飛び付けたと思うし。今の自分の調子的には3番手からじゃ厳しいと思ってたら、やっぱり厳しかったですね。悔いはないです」　外併走の2番手から中川に合わされた中山麗敏は、悔しそうに玉の汗をぬぐう。　「あそこで（中川）諒子が行くとは…。絶対に先行してやろうと思ってたんですけど」

＜２９日１１Ｒ　ヤンググランプリ2013＞
猪俣康一選手	6レース終了後に公開練習がバンクで行われた。選手たちのボルテージも徐々に、29日の本番へ向けて高まりつつある。　37歳にして出場のチャンスをつかんだ猪俣康一（写真）は、いつもの冷静さで静かに闘志を燃やす。　「バンクで走った感触は悪くないですね。（竹内）雄作は常に先行をしているし、それをどこまで自分がガードできるかを考えている。（番手の）経験は少ないけど、できるだけやりたい。僕も雄作もこれが（ヤンググランプリ出場の）ラストだし、2人で頑張りたい」　同県の和田真久留との別線を選択した郡司浩平は、公開練習を終えて本番へのイメージを膨らませる。　「なんか段々緊張してきましたね（笑）。実感が沸いてきました。一発勝負も単騎もそんなに嫌いじゃないし。こういうのは好きですから。バンクも今走ったら軽かったし、体の方も軽かった」

＜３０日１１Ｒ　グランプリ2013＞
金子貴志選手	ヤンググランプリに次いで、7レース終了後には2日後に大一番を控えた「KEIRINグランプリ2013」の公開練習も行われた。　初めてのグランプリにもかかわらず弟子の深谷知広との同乗に金子貴志（写真）は、気負った様子もなくいつもの口調で報道陣の質問に丁寧に口を開く。　「（公開）練習で深谷がモガくって言っていたし、離れないようにって思っていました。今日でもバンクが重たかったけど、（グランプリ本番の）夕方だったらさらにですよね。でも、深谷は軽いって言ってました（笑）。自分はいつも通りだし。いい雰囲気といい緊張感でいます」　新田祐大はバンクでの感触をじっくりと確かめながらも、本番へ備えて持てるパワーを充電。息を整えながら、さらりと振り返る。　「今の段階ではバンクはすごいいいコンディションだと思うけど、バンクのコンディションは変わってくるんで。自分の状態はダッシュをまだしていないし、エネルギーが溜まっている状態。いいですよ」　昨年準Vの成田和也は3年連続のグランプリ出場。グランプリメンバーだけが味うことのできる時の流れを楽しみながら、リラックスする。　「グランプリでしかない幸せな時間ですから。明日、もう一日あるし、今日は（バンクで）感覚だけ意識して、いい感覚で走ることができたと思います。前（新田）がしっかりしてますからね」

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