『KEIRINグランプリ2014シリーズレポート』 前検日編

配信日:12月27日
 KEIRINグランプリ2014シリーズが明日からいよいよ開幕する。今年の舞台は岸和田競輪場。首都圏以外で開催される初めてのグランプリだ。初日メーンは11レースのガールズグランプリ、オールS級の「寺内大吉記念杯」は予選から強豪が激突する。2日目にはヤンググランプリ、最終日の30日は競輪界最高峰のレース、KEIRINグランプリ2014が争われる。
 本場ではイベントが盛りだくさん。初日は第5レース終了後に行われる開会式に、開催イメージアーティストの長渕剛さんが来場します。そのほか今期のガールズケイリン入場テーマを歌うピストブラザーズによるライブ、専門解説者による岸和田マックスインパクト予想会などが予定されています。明日から始まるグランプリシリーズを岸和田競輪場でお楽しみください。
KEIRINグランプリ2014出場選手
KEIRINグランプリ2014出場選手
ヤンググランプリ出場選手
ヤンググランプリ出場選手
ガールズグランプリ出場選手
ガールズグランプリ出場選手
<1R>
伊藤裕貴選手
伊藤裕貴選手
 オープニングレースは若手機動型が激しいバトルを演じる。伊藤裕貴(写真)は松戸記念の敗者戦で2勝。先行力は光っている。
 「松戸は勝ち上がれなかったけど勉強になる開催でした。3日目、最終日は先行して残れているし、状態は悪くないですね。前回向日町は初日に熱が出て、当日欠場したんですけど、もう大丈夫です。グランプリ開催で盛り上がると思うので、気を引き締めて走ります。1R1番車は期待されている証拠。気合を入れて頑張ります」
 岩本和也は差し脚快調。好目標を得た初日はチャンスだろう。
 「今年は20勝以上できてますからね。この歳で去年よりもはるかにいい成績を残せた。いい1年だったと思います。今回は今年最終戦なので、来年につながるような走りをしたいですね。伊藤君の番手は初めてだけど強いイメージしかない」
 近藤隆司は5場所連続で予選敗退。今期前半の快進撃から急降下している。
 「警戒されてきたのもあるけど、これが実力でしょう。でも、練習の状態はずっといいし、気持ちも切れていない。練習もしっかりやってきたので頑張りたいですね」

<2R>
坂本健太郎選手
坂本健太郎選手
 坂本健太郎(写真)は12月の玉野、取手で連続優出。今年最終戦は来年のダービー出場へ勝負駆けのシリーズだ。
 「ダービーの賞金がかかっているので、決勝に乗るつもりで来ました。最近は練習でサッパリだけど実戦で車が出ている。でも、初日は難しいですね。黒川(茂高)君の先行1車でしょう。すんなり駆けられると厳しいけど初日はしっかり突破したい」
 山口貴嗣も近況は高いレベルで安定している。
 「成績的にはまとまってますね。でも、決勝でもうちょっといい着を取りたい。まだまだですね。脚の感触はいいので、坂本君の番手でしっかり頑張ります」
 追加参戦の吉田裕全は総力戦で予選突破をもくろむ。
 「前回の取手が不甲斐なかったので、その分も一生懸命練習してきました。追加は3、4日前に受けたので問題ない。岸和田は10月に走っているので感触も分かっています。難しいメンバーだけど、自力基本に後手だけは踏まないように走ります」

<3R>
鈴木裕選手
鈴木裕選手
 南関勢が強力本線を形成。鈴木裕(写真)がラインの先頭で積極果敢に攻める。
 「喘息が少し出ているんですが、練習は普通にやれているから大丈夫だと思います。脚の感じは悪くないですね。初日は先行しやすいメンバーなんで戦いやすい。2着権利なので、しっかり残れるように上手く駆けたいですね」
 神田紘輔は12月の立川、平で連続優出するなど本格化の兆しを見せている。
 「地元地区の大きなレースに参加できるのはうれしいですね。やることはいつもと一緒。自力自在に何でもやっていきます。展開次第では位置を狙うレースもやるつもりです」

<4R>
佐藤和也選手
佐藤和也選手
 佐藤和也(写真)は11月京王閣の落車で肩甲骨を骨折。復帰戦の12月久留米で決勝進出を果たした。
 「久留米は悪い中でも成績をまとめられました。終わってからはかなり強めに練習してきました。今は小田原で練習しています。感じは前回よりも確実に良くなっているので頑張ります」
 才迫開は前回の地元記念の勝ち上がりで2勝を挙げた。
 「前回は展開が良かったですね。でも、準決勝クラスは脚が違いました。終わってからは休んでリフレッシュしてきました。自力で力を出し切ります」

<5R>
永井清史選手
永井清史選手
 永井清史(写真)は大敗が目立つ近況。なかなかスランプから抜け出せないでいる。
 「最近は決勝にも全く乗れてないですからね。練習はしっかりやっているけど、その成果がなかなか出ない。調子自体はずっと悪くないんですよ。(初日は)後ろが2人いるので心強い。2着権利なので、あまり早いと厳しいけど、緩んだら仕掛けるつもり。自信を持って走ります」
 点数上位は白戸淳太郎だ。初日は佐藤朋也の番手から差し脚を伸ばす。
 「最近は前の選手の頑張りでいい結果を残せています。4コーナーで番手のレースが多い。前回は最終日の決勝だけ4.58にギアを上げたけど、今回は25でいきます。佐藤君に任せて頑張ります」

<6R>
安部貴之選手
安部貴之選手
 安部貴之(写真)は2場所前の西武園で今年4度目の優勝を飾った。調子、成績とも非常に高いレベルで安定している。
 「調子は変わらずにきていると思います。前回が終わってから練習も普段どおりやってきました。雪は積もるほど降っていない。かなり寒いですけどね。でも、冬場の重いバンクの方が自分に有利かな。自力で頑張ります」
 杉本正隆は大怪我から一戦ごとにリズムを回復している。
 「9月の落車で鎖骨と肋骨を骨折しました。12月に復帰して2場所走ったけど、いい頃に比べるとまだまだですね。でも、少しずつ良くなっています。昨日、鎖骨の針金を抜いてきたけど、たぶん大丈夫だと思います。古屋(琢晶)君との連係は2、3回あるし、同級生なんで信頼して付いていきます」

<7R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
 実力上位の石丸寛之(写真)が人気の中心だろう。同型相手にスピードの違いを見せる。
 「追加なんですけど、このシリーズは盛り上がりも違うし、走った方がいいでしょう。(岩津)裕介もグランプリに出ますからね。前回の小田原は3.92のギアでいい感じで戦えました。今回はメンバーがきついんで、もしかしたら上げるかも。順番が来たらしっかり仕掛けます」
 箱田優樹は前回玉野で久々の決勝進出。先行1車の初日は自分のペースで駆けられそうだ。
 「やっと結果が出て良かった。調子は変わらずに来ています。練習は冬季移動ぜずに地元でやってます。石丸さんはスピードがあるけど何とか抵抗したいですね」
 阿部秀樹は前回佐世保記念の2日目に落車した。
 「怪我は打撲とむち打ちでまだ少し痛みは残っているけど大丈夫だと思います。箱田君の先行1車なので展開は向きそうですね。しっかり頑張ります」

<8R>
櫻井正孝選手
櫻井正孝選手
 半年間のS級で大躍進した櫻井正孝(写真)。今年最後のレースとなる今節だが、東北ならではの悩みを抱え検車場入り。
 「前々のスタイルは変わらずにできています。雪が降っていたので、焦って自転車に乗ったら街道中に落車しちゃいました。右半身が痛いですね。ケアをしつつ、パワーマックスとかには乗ってきたけど、いつも通りの練習じゃないから走ってみないと状態はわからないです。でも、今年最後なんで気持ちを入れて走りたいと思います」
 大谷靖茂は前回平から中3日での参戦。しかし、体調面に不安はなさそう。
 「調子は悪くない。平はナイターなんで実質中2日ですね。平の後は、ケアをしながら調整してきましたし、疲れは大丈夫です。(櫻井は)強い子なんで考えながら走りますよ」
 落車から復帰した伊藤大志は、櫻井を目標にして初日に挑む。
 「(落車で)1カ月以上休みました。肘を縫ったけどもう大丈夫です。(櫻井とは)初連係。(状態は)だいぶいいとは思うし、最後の一走なんで気合を入れて走ります」

<9R>
飯嶋則之選手
飯嶋則之選手
 飯嶋則之(写真)は、今期も競走得点を110点オーバーと相変わらずの安定感。しかし、自身が目指す高みには届かなかった。
 「あと一歩足りない感じです。それが一流と超一流の違いですかね。安定はしましたけど、紙一重で劣っている。爆発できていない感じですね。(状態は)前回よりは良いと思います。最近はワットバイク中心にしたり練習方法を変えました」
 11月小倉で完全Vを飾り、ダービーへの賞金を上乗せした山田義彦。今年はメンタル面の変化が成績を向上させた。
 「前は後ろの人のためにっていうお人よしだったけど、今は自分でどうやったら勝てるかに考え方が変わりました。自分の競走に徹しています。ここを走りきればダービーもいけると思うし、順調ですね。来年はどうなるかわからないので、年内はしっかり頑張ります」

<10R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 「寺内大吉記念杯」の初日特選には、記念レベルの豪華なメンバーが集結。なかでも今年は2度のG1優出を決めた稲垣裕之(写真)が登場。
 「佐世保(記念)前のオーバーワークで肉離れの兆候があったので、ケアを中心に調整してきました。競輪祭が自分の中での一区切りで、その競輪祭からの疲労の蓄積ですね。競輪祭が終わってからは、来年を意識して走っていますし、3日間出し切りたいと思います」
 原田研太朗は前回取手で優出と調子が上向いてきた。
 「2キロくらい体重が落ちてきました。いつもはバンクで練習をしてるんですけど、直前は街道メインで練習をしてきました。最近は流れに乗れているので、ここも流れに乗れたらチャンスはあると思ってます」
 芦澤大輔は、落車など苦悩した1年を乗り越え、今年最後のシリーズに挑む。
 「こういうメンバーなのでチャレンジャーの気持ちで頑張る。(最近は)考えても下がっていくだけなので、自分で変えていかないといけないし、自分の求められているものを感じれるようにしたいです。まずは気力で負けないように、前々自在にいきます」

<11Rガールズグランプリ2014>
小林優香選手
小林優香選手
 新人ながら、約半年でガールズの勢力図を大きく変えた小林優香(写真)。新女王として最後の大一番を迎える。
 「しっかり練習はしてきましたし、パワーをつけてきました。良いイメージを持ちながら、どんなパターンになっても勝てるようにシミュレーションもしてきたし、スピードあるレースを見せたいです。今はすごく楽しんでいます」
 昨年に続き、今年もガールズグランプリに駒を進めた石井寛子。対小林に向けて準備万端の様子。
 「去年の3着は、負けたことより準備ができてなかったことが悔しかったです。でも、今年はしっかり準備万端で入れました。(小林には)力ではまったく太刀打ちができないので、上手さで勝つしかないですね」
 その女王小林に唯一土をつけた梶田舞は、現在4連覇中と乗っている。
 「(4連覇は)ガールズグランプリに出場が決まって、気を楽に走ったからかもしれませんね。(小林に対しては)よく言われますけど、1回しか勝ってないですし、あんまり意識はしてないです。調子は上がってきてすごく良いです」

<2日目11Rヤンググランプリ2014>
三谷竜生選手
三谷竜生選手
 2年連続のヤンググランプリ出場となる三谷竜生(写真)は、ビッグ戦線でも好走を見せるなど、今年はさらにパワーアップ。野原雅也の番手から優勝を目指す。
 「調子は良いですね。取手の後は1週間しかなかったので、追い込んではないです。展開はわからないけど、やれることはやりました。野原がうまく走ってくれると思います。前で走らないし、2回目なんで緊張はしていません」
 金子幸央は気心しれた坂本将太郎と栃木タッグで挑む。
 「自分でやってみて、それだけですね。1カ月あったので準備はバッチリです。こんな奴いるんだって目立てるように、総力戦で頑張ります」
 金子を後ろから援護する坂本将太郎は、近況の流れは良くないものの一発勝負の利点を生かす。
 「いつも通り緊張しますね。今回は特に。ここ3場所は成績が良くないけど、一発なんでここにかけてます。前に任せて頑張ります」

<最終日・11Rグランプリ2014>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 今年は2年ぶりのグランプリとなる武田豊樹(写真)。競輪祭では盟友平原康多を優勝に導き、自身も2着に粘る圧巻の走りを披露。グランプリでは平原と並びを入れ替え番手戦で頂点をつかみ取る。
 「今年はF1戦を中心にグランプリにきました。戦法とか、戦い方だったり、いろいろ学ぶことが多かったです。自分の中では着外を減らすのが課題で、それに一生懸命取り組んだ結果ですね。(グランプリに向けて)特別な練習はしてきていません。復帰してから一生懸命走ってきたので、成果を出したいし、勝ちにこだわるレースをしたいです」
 今回が初出場となる稲川翔は、グランプリを目標に掲げ自身を大きく成長させた。
 「前まではチャンスがあってもものに出来なかったけど、ここ1年でチャンスをものにできるだけの力はついたと思います。岸和田グランプリが自分を成長させてくれました。現状でやれることはすべてやってきた。気持ちだけはしっかり持って、力を出し切れるように頑張りたいです」
 直前の広島記念で自らの持つ記念競輪の最年長優勝記録を更新した神山雄一郎は、関東3番手を選択。しかし、「気持ちは武田の番手」と、絶対の信頼を置く武田に命運を託す。
 「緊張はするけど、いつもと変わらずだね。メンバーが強いだけだし、武田がいれば誰がどうあろうと関係ない。(ギアは)雰囲気ゴーマル(4.50)だね。走るからには優勝を目指す」
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