『KEIRINグランプリ2014シリーズレポート』 初日編

配信日:12月28日
 KEIRINグランプリ2014シリーズが今日から開幕した。メーンのガールズグランプリは加瀬加奈子のまくりを追った梶田舞が直線で鋭く追い込んで優勝を飾った。明日29日は「寺内大吉記念杯」の準決勝、そしてヤンググランプリで若手機動型がスピードバトルを演じる。
 明日も場内イベントは満載。嘉門達夫によるコミックソング爆笑ステージをはじめ、専門解説者による岸和田マックスインパクト予想会などが予定されています。ぜひ岸和田競輪場でお楽しみください。

開会式で敢闘宣言をする稲川選手
開会式で敢闘宣言をする稲川選手
歌でエールを送る長渕剛
歌でエールを送る長渕剛
ガールズGP出場選手の選手紹介
ガールズGP出場選手の選手紹介
選手からファンへプレゼント
選手からファンへプレゼント
ピストブラザーズ ライブ
ピストブラザーズ ライブ
<ガールズGP2014 レース経過>
 スタートは梶田舞が取り、以下は中川諒子、加瀬加奈子、石井寛子、山原さくら、小林優香、中村由香里の並び。誘導員が退避する打鐘までまったく動きがなかったが、三コーナーで山原が一気にスパート。山原の踏み出しは素晴らしく、小林は四コーナー手前から徐々に離れていき、正攻法の梶田も飛び付けず、山原は最終ホームでは後続を五車身ほど引き離して逃げまくる。二番手はインに梶田、アウトには反撃してきた加瀬が続いたが、加瀬の勢いがやや優る。小林は中川に阻止されてしまい、加瀬には中川、小林、石井、中村で続く。二コーナーを立ち直ったあたりから山原のスピードが落ちはじめ、最終バック過ぎに加瀬が山原をとらえた。加瀬の後ろは続いていた中川とインから飛び付いてきた梶田で並走となったが、脚勢で優った梶田が加瀬の後ろをキープ。懸命に粘った加瀬を梶田が鋭く差してガールズグランプリ初優勝を飾った。加瀬が二着に残り、小林は直線で迫るも三着までが精一杯だった。

ゴール
ゴール
表彰式
表彰式
胴上げ
胴上げ
<1R>
伊藤裕貴選手
伊藤裕貴選手
 オープニングレースを制したのは伊藤裕貴(写真)。レースは奇襲のカマシで良永浩一が最終ホームで主導権。伊藤は中団からバック前で仕掛けると、前団を飲み込んでラインを上位独占に導いた。
 「緊張はしなかったです。大澤(哉太)さんが突っ張ったので3番手で勝負しようと思いました。自分のタイミングで仕掛けたわけじゃないのでキツかったです。やっぱりグランプリシリーズだから後半のレースで走りたいですね」
 岩本和也は伊藤を交わせずも、しっかり続いて2着。
 「強かったです。久しぶりに抜けなかった。予想外の展開だったけど、(伊藤は)落ち着いて走ってたね。若いのにすごい。人気になっていたんで責任感を感じて走りました。ダービーへの賞金は厳しいけど、最後まで精一杯やるだけ。そこを目指して頑張れば、また次の年に繋がると思うから」

<2R>
坂本健太郎選手
坂本健太郎選手
 先行態勢に入った黒川茂高を吉田裕全が中団外併走の態勢から叩いて主導権。坂本健太郎(写真)が前団の混戦を鮮やかにまくって人気に応えた。
 「中団でずっと併走なら内が空いていたので、しゃくろうと思ってました。でも、吉田君が仕掛けてくれて展開が向きましたね。車の出も良かった。もっとこの時期の岸和田は重いと思っていたけど意外に軽かった。いろいろと考えて練習しているし、その成果が出ています」
 山口貴嗣がきっちり食い下がって2着に流れ込んだ。
 「展開が向きました。坂本君が強かったし、ワンツーで良かったです。調子は問題ないですね」

<3R>
北川紋部選手
北川紋部選手
 鈴木裕が打鐘で神田紘輔を叩いて先行。しかし、神田はイン粘りで南関勢を分断。神田は番手こそ奪えなかったが、3番手を奪取すると、その後ろで脚を溜めていた北川紋部(写真)が中を割って突き抜けた。
 「神田君が自在にああいうレースをしてくれたんで良かった。コース取りはちょっと失敗したかなって思ったけど、1着なんで。セッティングを変えたけど、いい感じなのでこのままいこうかな」
 直線で外を踏んだ村田雅一は、北川に迫り2着。
 「届かなかったね。昨日から脚が軽かったんで、チャンスがあればと思ってました。(作戦は)前々に踏んででしたけど、ちょっともつれちゃいましたね。紋部さんが内に行ったのが見えたんで外を行きました。状態は悪くないです」

<4R>
前反祐一郎選手
前反祐一郎選手
 打鐘で先行態勢に入った藤井栄二を才迫開が強引に叩いて先行。これに乗った前反祐一郎(写真)が直線で鋭く差し切った。
 「4番(藤井)も地元が付いて意地があるだろうし、(才迫)開にも意地がありますからね。あそこで出切るんだから強い。かかっていたし、付いてていっぱいでした。恵まれました」
 才迫開がしぶとく2着に粘って、広島ワンツー決着となった。
 「後ろが先輩なんで、しっかり先行しようと思ってました。もうちょっとスーッと出れれば良かったんですけどね。そこら辺の余裕はなかったんですが、最後までしっかり踏み切れました」

<5R>
佐藤朋也選手
佐藤朋也選手
 永井清史が成松春樹との主導権争いを制して先行。佐藤朋也(写真)は最終2コーナーからタイミングを見計らって仕掛けると、抜群のスピードで前団を飲み込んだ。
 「前で踏み合ってくれたから、早めでもごちゃごちゃするよりかは早い方がいいと思って仕掛けました。前がタレていた分、(スピードが)速く見えたと思うけど、今日のは展開です。本当は練習して先行をしたいんですけど、今は自信がないですね」
 白戸淳太郎は佐藤に続いて準決勝進出。ラインでワンツー決着となった。
 「恵まれました。前のおかげです。抜けていないので、脚があるとは言えないですね。緊張はそんなにしてないですし、焦ってたらピタリと付いてしまうんですけど、車間を空ける余裕もありました。運だけで勝ち上がれたので、明日も運だけで勝ち上がります」

<6R>
安部貴之選手
安部貴之選手
 人気の安部貴之(写真)は最終バックで後方の8番手。そこから大外を豪快にまくって前団をひと飲み。スピードの違いを見せつけた。
 「2着権利なんで、消極的になってしまった。もうちょっと早めに仕掛けて大森(慶一)さんと決められれば良かったんですが…。あの位置になったら、もうアタマまで行くしかない。外に浮くわけにはいかないので必死でした。勝てたけど内容は良くない。明日はもうちょっと考えて走ります」
 6番手からまくった古屋琢晶は不発。その後ろから杉本正隆が2着に食い込んだ。
 「古屋が止まっちゃいましたからね。後ろから来るのは分かっていたし、申しわけないけど踏ませてもらった。2着権利だから少し焦ってました。前回より感じはいいです」

<7R>
箱田優樹選手
箱田優樹選手
 箱田優樹(写真)が打鐘から主導権を握りレースを支配。別線を完封して直線に入ると、番手の阿部秀樹との一騎打ちも制して押し切った。
 「先行1車みたいなメンバーだったので、あれで入着できないようじゃダメと思っていました。石丸(寛之)さんにはよくまくられているし、寒いのもあって、ペースに入りきれないような気もしましたけど、ゴールまでは踏み切れました。明日以降はもっと強い選手とあたると思うので、頑張ります」
 阿部秀樹は、箱田に迫るも微差で2着。
 「自分の仕事して、残そうと思ったら抜きっぱぐれました。でも、自分は着はないようなものだと思っているので、気にしていないです。タイムも出てないから重いとは思うけど、もともといつもキツいですよ」

<8R>
櫻井正孝選手
櫻井正孝選手
 大谷靖茂が打鐘過ぎの3コーナーからスパート。人気の櫻井正孝(写真)は早めの巻き返しで中部勢に襲いかかる。逃げる大谷を力でねじ伏せた櫻井がファンの支持に応えた。
 「自分できつい展開にしてしまった。8番(大久保直也)が中団を取りにくるのは当たり前だし、内を決められずに、バタバタしながら仕掛けた感じ。きつかったけど何とか初日をクリアできて良かった。少し気持ちが楽になりました」
 伊藤大志が懸命に櫻井を追って2着をキープ。欠場明けの一戦で連にからんだ。
 「信頼して付いてました。吉田(健市)さんが番手で余裕がありそうだったし、前に踏まれて気を取られているうちに脚にきました。1カ月以上空いていたけど何とかしのげました。苦しかったんですが、感触は良かったです」

<9R>
山田義彦選手
山田義彦選手
 山田義彦(写真)が奥平充男を最終ホームで叩いて先行策。そのまま抜群のスピードで駆けて押し切った。
 「3コーナーから踏み上げれば、ラインで決まると思って踏みました。こういう舞台に立ったことないので緊張しますね。昨日から緊張して舞い上がって重く感じていて、キツかったです。」
 飯嶋則之は山田に微差で及ばず2着。口には出さないが、表情は悔しげ。
 「計算ミスです。やられました。山田はすかさず行ってくれたし、自分が悪いだけ。強かったね。(山田が)前から行きたいとは言っていました」
 3着にも阿部康雄が続き、関東勢で上位独占となった。
 「最近になく良かったね。ホーム3番手で付いていけるかが課題でした。やっぱり前の2人が強い」

<10R>
南修二選手
南修二選手
 「寺内大吉記念杯」の初日特選は近畿コンビで連を独占。原田研太朗の先行を稲垣裕之が3番手からひとまくり。これに乗った南修二(写真)が直線で鋭く差し切った。
 「展開が向きました。稲垣さんが本当に強かったですね。自分の脚の状態は問題ないです。明日も稲垣さんの番手でしっかり頑張ります」
 稲垣裕之は原田を出させて3番手を難なく確保。最終2コーナーから好回転でまくり切った。
 「早い展開でしんどかったです。自分が駆けるか(原田を)出すかはギリギリのタイミングでしたね。いい感じで走れたと思います。走る前は肉離れの兆候があって不安だったんですが、大丈夫でした。でも、(南)修二は仕上がってますね」
 原田研太朗はライン2車でも果敢に主導権を奪った。
 「あんな早い展開になるとは思わなかった。あそこを叩かないとチャンスはないですからね。ちょっと見てしまってワンテンポ遅れてしまったけど、叩くところをしっかり叩いて先行できました。まくられたけど落ち着いて走れました」

<11R>
加瀬加奈子選手
加瀬加奈子選手
 打鐘2センターからカマした山原さくらが、後続を4車身以上離して先行。お株を奪われた加瀬加奈子(写真)は、山原を最終3コーナーでまくり切るも、直線で梶田舞に差され2着。2年連続のグランプリ準優勝となった。
 「大舞台で魅せるレースをして、どこまでやれるかって思ってました。山原を追うのに脚を使ってしまいましたね。でも、バックを取れないとか、魅せるレースが出来なかったわけじゃないし、風を切って差されたんでしょうがないですね」
 小林優香は本来の加速を見せれず、まさかの3着。検車場に引き上げて、悔しさを口にする。
 「緩んだらいこうと思っていたけど、前のさくらさんが仕掛けて、迷ってしまいました。さくらさんにすんなり付いていけば良かったです。1センターで(中川)諒子さんに当たって前に進まなかった。本当にここに向けてやってきたので悔しいです」
 先行した山原さくらだったが、最後は最終3コーナーで力尽き7着。
 「誰がどう動くかわからない状態だったし、普通に走っても勝てないので、思い切って自分らしいレースをしようと思ってました。自分のやりたい事はできました」

<29日11Rヤンググランプリ2014>
小原唯志選手
小原唯志選手
 小原唯志(写真)は、12月松戸記念の2次予選で佐藤友和を封じて逃げ粘るなど本格化。10月防府での落車も完治し、上昇ムードだ。
 「岸和田は初めてですね。いつも通りしっかり練習してきました。今回は吉澤(純平)が欠場になってしまって、その吉澤の気持ちも背負って頑張りたいなと思います」
 変幻自在な戦法の近藤龍徳は、今年は初のS級戦も、後期は優出を重ねるなど大きく成長。
 「1年間S級で何でもやってくるっていうレースをしてきたので、その1年の集大成として目立てるようにしたいです。魅せるレースで頑張ります」
 近畿勢は3車で結束。そのリード役を任されたのは野原雅也
 「S級に上がってからはすごい苦労したんですけど、ちょっとずつ慣れて成績も安定してきたかなと思います。しっかり力を出し切って、主導権だけは取りにいきたいと思います」

<30日・11Rグランプリ2014>
深谷知広選手
深谷知広選手
 今年最後の大一番まで残り2日となったが、出場メンバーは決戦を前にリラックス。グランプリが約3カ月ぶりの実戦となる深谷知広(写真)だったが、気になる状態面は上向きの様子。
 「(ケガは)最初は良くなかったけど、ある日を境にすごく良くなった。相手も強いがチャンスはあると思っています。3カ月以上走っていないので、デビュー戦のつもりで。やれるだけのことはやってきたので、とにかく自然体で、悔いの残らないように走りたいと思います」
 メンバー中、1番早く岸和田行きのチケットを手にした村上博幸は、自粛や腰痛に苦悩するも、F1戦や記念競輪を中心に勝ち星を積み重ねた。
 「10月、11月は腰痛が出たけど、12月は予定通り調子も上がってきました。(開催中は)今出来ることをやります。朝に練習して、ローラーに乗って、整備をしてといつもと変わらないですね。(グランプリ前は)合宿もしてベストコンディションで臨めたと思いますし、あとはしっかり全力でレースしたいと思います」
 単騎戦を選択した岩津裕介は、タイトル奪取こそなかったが、ビッグで2度の表彰台入りと高いレベルで安定。
 「(レースは)わからないので、考えても仕方ない。みんなの雰囲気を感じて、その時に考えますよ。(緊張して)毎日心拍数が上がってます。自然体に近い感じで走れたらいいレースができると思うんで、なるべく集中して、いいレースをしたいと思います」
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