『SSシリーズ風光る09(GI)レポート』 前検日編
 
配信日:5月2日


 5月3日から岸和田競輪場で、「SSシリーズ風光る09」(GⅠ)が開催される。今年から新設された今開催は、18名そろったS級S班同士がぶつかり合い、「SS最強」の称号をかけて争う。18名を筆頭に、FIシリーズの出場メンバーも元気に検車場入り。3日間続く激闘を検車場からレポートします。
 なお、本場では様々なイベントを開催して皆様のご来場をお待ちしております。明日(3日)はタレント・神無月によるお笑いステージや、野球解説者・有田修三氏や競輪解説者井上薫氏らによる『新設SSシリーズ』徹底予想会、ブランド王ロイヤルタイアップによる豪華景品が当たる「はずれ車券deスピードくじ大会」などが行われます。ぜひとも、波切バンクにお越しください。


<1R>
 前半はA級戦で、オープニングレースからは阿部大樹をピックアップ。3月大宮で特班後、二場所連続して優参するなど、1,2班戦でも全く引け目をとらない競走を披露している。
 「前回から2週間近く空いたし、いつも通り充実した練習ができました。人気を集めるだろうけど、メンバーがメンバーだし緊張しますね」


<2R>
 2レースの石坂永伍は、ダッシュを生かしたカマシ、まくりが勝負手。ここもいつも通りの組み立てだ。
 「盛田(将人)さんがどんな競走をするかがわからないけど、自分は自分のレースをするだけです。ここは2回目ですけど、先行して決勝にも乗っているし、バンクの特徴も分かっているので全く問題はありません」


<3R>
村上直久選手
村上直久選手
   3レースの村上直久(写真)は、2月の花月園で特班後、4月大宮Sで1,2班戦初優勝を飾るなど、順調な滑り出しを見せている。西日本地区はここが初登場。名前を売るには絶好のチャンスだが…。
 「先日、風邪を引いてしまったんです。練習もまともにできなかったし、ちょっと不安ですね。それに、400バンクがあまり得意じゃないんで、どうなるか…。でも、しっかりと先行して名前を売って帰りたい。結果が伴えばいいですけど」
 松尾玄太は93期の新鋭。直近十場所のバック数が村上と同じく20本を超えており、叩き合いも視野に入れている。
 「岸和田では結果を残せていないけど、走りやすいし好きなんです。最近は練習を変えて、街道中心から、バンクのモガキを増やすようにしたんです。少しずつ力が付いてきたなと実感しているし、今は練習もレースもやっていて楽しい」


<4R>
坂本貴史選手
坂本貴史選手
   4レースはA級特選。ここでは競走得点上位の坂本貴史(写真)が人気を集めること必至だ。
 「前回の宇都宮Sを終えてから、チャレンジ・ザ・オリンピックがあったりで結構バタバタしていました。それに青森で大雪が降ったりしてあまり練習が出来なかった。それでも体調は変わらずに良いし、いつも通りやるだけです。メンバーも凄いし、チャレンジャーのつもりで走ります」
 地元の菊谷信一が坂本を迎え撃つ。
 「前回も地元で優勝しているし、ここも狙いたい。A級では絶対に勝たなきゃいけないわけだし、油断をしないで3日間頑張ります」


<5R>
木本賢二選手
木本賢二選手
   5レースからはS級予選。地元の木本賢二(写真)は窪田陽介という絶好の目標を得た。
 「窪田君とは2月の四日市Sで連係したんだけど、まくりに離れてしまったんです。今回はそういうことが無いようにしないと。中武(克雄)さんもいるから尚更です」
 柏木伸介は単騎での戦いとなった。
 「単騎はかえって気楽にやれるしいいですね。ラインがいくつもできそうだし、“細切れの神様”の新田(康仁)さんにアドバイスをもらってみます」


<6R>
中園和剛選手
中園和剛選手
   病気で長期欠場を余儀なくされた松山桂輔は、3月から久々の実戦復帰。そこからは重いギアを使用している。
 「軽いギアで回しすぎるとちょっと焦ってしまうんですよ。だから、あえて重いギアを踏んで実戦を走ってみようと。実際ギアも重くないし、結果も出ているんで、しばらくはこのまま走るつもりです」
 松山には地元の小林寛尚がマークする。
 「連係は初めてですけど、松山君がどんなレースをするのかは前から知っているし全てを任せます。ただ、地元はそれほど相性が良くないんですよ。そこだけが不安かな」
 中園和剛(写真)は前回の西武園記念から中3日での参戦となる。
 「西武園を終えて、次の日から練習を始めたしそれなりに準備はしてきたつもり。昨日も完全オフで身体も休めたし、戦う上で全く問題はない。岸和田は自分にとって良い時と悪い時の差が激しいバンク。何とか良い方向に持っていきたい」


<7R>
宮司周郎選手
宮司周郎選手
   7レースの浦山一栄はこのところ成績を落としていたが、前回の競走で手応えと自信を取り戻したようだ。
 「西武園(記念)を補充で走ったんだけど、競走内容や、身体の動きがすごく良かったんです。これならやれるだろうと実感したし、悩みも一掃された。どこまでやれるか分からないけど一生懸命やりますよ」
 片や宮司周郎(写真)からは景気の良い言葉が聞こえてこない。
 「正直言って体調は良くありませんね。今回は中3日だし、走ってみないことには分からないですね…」


<8R>
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
   8レースは選抜戦。注目を集めるのは、前回の西武園記念でファイナルに駒を進めた坂本亮馬(写真)だ。
 「戻ってから間隔もないし、全く練習ができませんでした。調子も前回と全く変わらずですね。今、調子が良いのも流れがいいだけ。ただ今はレースが練習になっている感じで、気持ちや状態と競走がうまく噛み合っている」
 篠原忍は前回の4月宇都宮SでS級初優勝。それでも「たまたまとしか」とまるで他人ごとのよう。
 「勝てるときは勝てるし、負けるときは何をやってもダメ。それくらい割り切っているし、むしろ自分に力が付いたと錯覚しないようにしないと。明日は先行も頭にあるけど、流れで何でもやりますよ」


<9R>
稲川翔選手
稲川翔選手
   9レースには地元の稲川翔(写真)が満を持して登場する。
 「4月にあっせんが止まりましたけど、あらかじめ分かっていたことだし、ここに向けて計画的に練習が出来ました。合宿にも行ったし、身体を休める時間も設けたし充実していましたね。今回は村上(義弘)さんが欠場なのが残念だけど、その分優勝するチャンスがあると思う。地元で魅せるためにも、ここは全力で狙いに行きます」
 佐藤成人は稲川マークから勝機を見出す。
 「稲川にはS級初優勝(3月四日市)の時に決勝で引っ張ってもらっているんです。それだけに信用しているし、何があっても付いていくだけ。自分の調子も変わらずに良いですね」
 藤野孝彦は「疲れは無いけど、まともに練習もできなかったし、今回は色々と考えながら走ります」とやや控え目な面持ちだ。
 橋本強は「得意だし大好き」と公言する単騎戦で挑む。
 「前回の高知記念は腰痛で途中欠場したけど、日程も空いたし、持病の腰痛も癒えてきたから今回は戦えると思う。出られるかわからないけど、今年は松山でオールスターもあるし、そこへ向けてモチベーションも上がってます」


<10R>
木暮安由選手
木暮安由選手
   10レースは特選競走。木暮安由(写真)は4月共同杯での落車失格しているのが気になる。
 「落車後は、3,4日休んで練習を始めました。今は良いときの8割くらいまで戻っているかな。だけど実戦は走ってみないと分からないし、明日一走して様子を見たい。今回は村上さんと対戦したかったんですが(欠場で)残念でした」
 このところ自在戦を標榜している中川誠一郎は、木暮、福田知也を相手に「中団以内を取る」と意気込む。
 「このメンバーなら、どうにか中団が欲しいですね。後手を踏むことだけは避けたい」
 福田知也は「最近、成績こそ良くないですけどそれはグレード戦続きだから。調子自体は悪くないんです。それだけにグレード戦で結果を残すことが今の課題ですね。今回はFⅠ戦だけど、メンバーも良いしキツそう。だけど何とか決勝に乗りたい」と課題と目標を掲げる。


<初日11R 薫風賞>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   11レースの「SSシリーズ・薫風賞」は、ほとんどのメンバーが西武園記念からの転戦だ。武田豊樹(写真)と平原康多の関東両者はともに「疲れを抜いてきた」と口をそろえる。武田豊樹は「自転車にも乗らず、ゆっくりしていました。そのおかげで疲れは全くありません。明日は平原(康多)君を信じて走るだけです」。。
 平原康多も「地元戦に向けて集中していた反動が、優勝したことで一気に出ました。疲れていたし、ここ何日はゆっくり休んでいました」と話す。
 小嶋敬二(写真)は西武園では決勝9着と大敗も、「前回はいろいろとテーマを掲げて走りました。内容も良かったし、今回も問題ない」と全く意に介していない様子。
 岡部芳幸は「S級S班」としての第一戦となるが、「繰り上がりだからといって、気負いや引け目は全くありません。むしろ、(SS班として)もっと早く走りたかったくらい」と物怖じしていない。


<2日目11R 光華賞>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   明後日11レースの「光華賞」に出場する残りの9名は、検車を済ませともにリラックスした表情だ。
 山崎芳仁は競輪祭以降、やや精彩を欠く近況にも、「普段どおり2勤1休で練習してきました。ダービーや共同杯で結果を残せなかった分、ここで良い走りを見せたい」と普段どおりの姿勢を貫く。
 佐藤友和(写真)は直前にチャレンジ・ザ・オリンピックに参戦。当日は強風のなか、まずまずのタイムを叩き出していた。
 「終えてから何日か空いたし、いつも通り練習してきました。状態も悪いときに比べれば格段に良くなっているし、レース勘さえつかめれば…」
 井上昌己は「地元の共同杯を終えてから、少し休んで調整してきた。特にここへ向けてとかはないけど、宮杯を前にしてのもっとも大きいレースだし、気を引き締めて優勝を狙いに行く」と頼もしいコメント。
 石丸寛之(写真)は三宅伸との連係から勝機を見出す。
 「前回(西武園)は展開が向かなかっただけで、状態は決して悪いわけではないんです。終わってからは結構追い込んで練習してきました。ちょっと疲れはあるけど、走るのは明後日ですからね。ゆっくり一日置けるのは大きいですよ」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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