『SSシリーズ風光る09(GI)レポート』 初日編
配信日:5月3日
本日5月3日から岸和田競輪場で、「SSシリーズ風光る09」(GI)が開幕。18名そろったS級S班が「SS最強」の称号をかけて争うバトルは2日間にわたり予選が開催され、本日は「薫風賞」が行われた。レースを制したのは小嶋敬二。バック後方八番手に置かれる絶体絶命の展開を、スピード抜群のまくりで切り抜け快勝し、ファイナルレース進出を決めた。
本場ではイベントが盛りだくさん。明日(4日)は演歌歌手・城之内早苗さんによる演歌ライブをはじめ、侍戦隊シンケンジャーショー、野球解説者・有田修三氏や競輪解説者井上薫氏らによる『新設SSシリーズ』徹底予想会、ブランド王ロイヤルタイアップによる豪華景品が当たる「はずれ車券deスピードくじ大会」などが行われます。どうぞ、岸和田競輪場へお越しください。
<1R>
1レースはA級予選。レースは先制した
阿部大樹
の後位で作田悦章が粘ると、阿部が後続のもつれを尻目にペース駆けに持ち込み、そのまま押し切った。
「作田(悦章)さんが粘るのは予定外でした。でも粘ってくれたおかげで誰も仕掛けてこないと思ったし、ペースで駆けられました。4コーナーから踏めば野淵(信栄)さんも(競りに)勝てると思ったし。オープニングレースで緊張したけど、落ち着いて駆けられました」
作田悦章
は「阿部君が早めに押さえてきたら引いたけど、赤板でも誘導を使っていたし、それならもう粘ろうと。だけど弱かったですね」と番手に粘った背景を説明する。
<2R>
石坂永伍選手
2レースでは、
石坂永伍(写真)
が大健闘。反撃に打って出た盛田将人を突っ張り切って主導権を死守すると、最後は末を欠いたが、強靭なパワーを発揮していた。
「何としても盛田さんを出させたくなかった。打鐘でガンと踏んだあと、少し流しすぎてちょっとやばいかな?と思ったけど、うまくしのげました」
勝ったのは石坂マークの
工正信
。再三にわたり盛田をブロックして石坂を援護すると、最後は直線を鋭く伸びた。
「2コーナーで盛田を止めた時が一番きつかった。石坂がまだ掛かっていなかったし、なかなか(盛田が)止まらないわけだから。あとは石坂に付いていくだけで一杯。交わせるか分からなかったけど、石坂もあれだけやり合っていたからどうにか交わせた」
<3R>
3レースは
村上直久
が別線を封じる競走で、力の違いを見せ付けた。それでも、「松尾(玄太)君がすんなり引いてくれたし、駆けやすくなりました。だけど、良いときに比べればカカリも良くないし、踏んだ感触も悪い。内容としては納得していません」と表情は硬い。
後方から仕掛けた
大谷靖茂
は3着に食い込み、準決勝に駒を進めた。
「打鐘で前に行こうと思ったら、離れていた6(山崎保)と被ってしまい仕掛けが遅れてしまいました。やっぱり強い人をあっさりと駆けさせてはダメですね」
<4R>
白石護選手
4レースはA級特選。坂本貴史が主導権をにぎると、番手絶好の展開を生かした
白石護(写真)
が直線を抜け出した。
「坂本君とは初めて連係したけど、桁違いに強かった。グングンかかっていましたよ。ただ、最後はちょっとタレ気味だったんで、精一杯かばいながら踏みました。僕自身、付いていけたし自信になりました」
その
坂本貴史
は3着に逃げ粘るも、「ペースで駆けて別線を封じ込めたけど、内容としてはダメ」とさばさばとした受け答え。
菊谷信一
は地元ファンの期待に応えられず、「打鐘後、突っ張るか引くか迷ってしまった。中途半端な競走をしてしまった」とうつむく。
<5R>
木本賢二選手
5レースからはS級予選。レースは窪田陽介に乗った木本賢二‐中武克雄がワンツー・フィニッシュ。地元コンビが、オッズ一番人気に応えた。
木本賢二(写真)
が「窪田があれだけ駆けてくれたわけだから本当ならば残したかったけど、僕も中武さんも地元だし、そこは割り切って目一杯踏ませてもらいました。窪田に尽きますよ」と話せば、
中武克雄
も「三番手として、しっかり固めたつもり。2着までに入れて嬉しい」と笑顔を見せる。
内をすくって中団を確保した
梅澤謙芝
は3着に食い込んだ。
「位置取りに脚を使ったし、そこからまくり上げるだけの脚は残っていませんでした。それに木本君がものすごく車間を空けていたし」
<6R>
守谷陽介選手
6レースはラインが4つに分かれる細切れ戦で、中園和剛がバックまくりを放つと、中園の後位に入った
守谷陽介(写真)
が、仕掛けに乗って直線大外を突き抜けた。
「バックを何度も踏まされて、嫌な展開だなと思っていたら、ちょうど中園がまくったんで付いていった。スピードをうまくもらえたから外に伸びたんでしょう。腹膜炎をやってから少しずつ調子も戻ってきたし、結果が出たんでうれしい」
その
中園和剛
は2着を確保し、予選突破を決めた。
「バックから無理やり仕掛けたけど、あそこしかいくタイミングが無かった。ただ無理やり行ったし本当にきつかった。今日のレースは本来ならば完全に終わっているはずのレースでした。組み立てがへたくそだったですね」
<7R>
江連和洋選手
7レースを勝ったのは
江連和洋(写真)
。浦山一栄の番手から、俊敏な差し脚を伸ばして外コースを伸びた。
「脚には余裕があったけど、本当に良く伸びましたね。今日は浦山が無理に仕掛けてくれたし、その流れに乗っただけです」
2着に入線の
堂村知哉
は、「引いても仕方がないし、前々に踏んでいったら、たまたま関根(幸夫)さんの番手に入れた。ただ、そこから全然進まなかった。良いときなら1着もあったかもしれません」とレースを振り返る。
<8R>
坂本亮馬選手
8レースからは選抜戦。ここは
坂本亮馬(写真)
が逃げた篠原忍をバックまくりで粉砕。坂本は、後続が離れたものの力強い競走で存在感を発揮していた。
「前受けは作戦どおりでした。押さえて駆けるのは今日はきつそうだったし、引いてから仕掛けようと。前回から3日しか空いていないし、疲れが結構あって脚もガチガチでしたけど、動きは良かったと思います」
篠原忍と連係した
飯田辰哉
‐成田健児がそれぞれ2、3着に流れ込む。
「押さえてあれだけドカンと行ってくれたわけだし、何とか残したかったけど、四角で一杯そうでしたね。自分は展開が向いただけだし、今日は篠原君に感謝するだけです」
着外に沈んだ
篠原忍
は、「展開で自分が先行しただけ。作戦とかはほとんど立ててはいませんでした」と言葉少な。
<9R>
岩本和也選手
9レースは三角からのまくり追い込みを決めた
志村太賀
が1着をさらった。
「稲川(翔)君が後攻めだったし、先行すると思ったからとにかく中団を狙っていました。藤野(孝彦)君が下げてくれたし、脚をそれほど使わずに中団に入れたのが勝因です。今日はまくりだったし、疲れはほとんどない。明日以降に温存できましたね」
先行したのは稲川翔。その三番手から直線を追い込んだ
岩本和也(写真)
が2着を確保する。
「稲川は打鐘先行みたいなもんでしょう。自分も内を締めながらだったし、付いていくので結構一杯でした。それに後ろに橋本(強)君、その後ろに志村君がいたのも分かっていたし、いつ来るのかヒヤヒヤしながらだったんで本当に気が気じゃなかった。最後は被る前に踏ませてもらったけど、良く2着まで入れましたね」
稲川翔
は末脚を欠き5着に沈んだ。
「打鐘で藤野君が下げたから、あれっと思って少し慌ててしまいました。変なタイミングから強引に駆けたし、今日はあまり良い先行では無かった。明日は内容のあるレースがしたい」
<10R>
木暮安由選手
10レースはS級特選。ここでは
木暮安由(写真)
がトリッキーな動きで別線を翻弄し、最後は豪快なまくりで飯嶋則之とワンツーを決めた。
「打鐘後、福田(知也)さんの内が空いていたから迷わず突いたけど、鈴木(誠)さんに閉められてしまい少し焦った。だけど落ち着いていたし、レースも見えていたから慌てずに4(大木雅也)をどかして出て行きました。外に出てからは自分のタイミングで仕掛けられたし、車の出も良かったです」
飯嶋則之
は木暮に懸命に食らいついた。
「どんな動きをするか全く読めないし、もう前しか見ていませんでした。踏み出しに付いていくので俺はもう一杯ですから。それなのにあいつは軽々と踏んでいた。ああなっては絶対に抜けませんよ」
木暮の好走が目立ったが、逃げた
福田知也
もしっかりと3着に逃げ粘り、仕上がりの良さをアピールした。
「今日はメンバーや状態を見てギアを下げてみましたが、良かったですね。ずっと踏みっぱなしだったけど、最後まで持つ感じがした。木暮君が内に来て少し焦ったけど、誠さんが締めてくれていたし、落ち着いて先行態勢に入れました」
中川誠一郎
は「木暮君が内に行って、南(修二)君が追い上げていたから、仕掛けるならば最終ホームからでしたね。行こうとしたけど、車が思いのほか出なかった」と敗因を振り返る。
<11R>
小嶋敬二選手
平原康多選手
11レースはSSシリーズ・予選『薫風賞』。勝った
小嶋敬二(写真)
は表彰式を終えると、検車場でひと息つき、記者団の取材に応じた。
「4コーナーからカマせるかなと思ったけど、ちょうどみんな車間を切りだしたし、前には(番手まくりに構えている)新田(康仁)もいたんで仕掛けるタイミングがとりにくかった。そうしたら新田に仕掛ける素振りが無かったから、少し早めだったけど思い切って仕掛けました。前回の西武園から自分の中でいろいろやりたいことを試しているけど、型になりつつありますね」
2着、3着には武田豊樹、平原康多の関東コンビがそれぞれ流れ込む。
平原康多(写真)
は中団をキープできたことが大きいと話す。
「打鐘で一回切っておかないと、後方に置かれてしまうと思った。実際に切って正解でしたね。前と車間を空けながら、詰める勢いでバックから仕掛けようとしたら、すでに小嶋さんが来ていた。最終的に2、3着でしたけど、自分も良い位置を取ったし、武田(豊樹)さんも仕事をしてくれたから、今日のレース内容には納得しています」
武田豊樹
も「小嶋さんがまくるのは分かっていたし、被ると踏むところが無くなるから山口(幸二)さんをどかしてコースを作った。平原が頑張ってくれたおかげです」と連係が実ったことを喜ぶ。
先行した
海老根恵太
は「唯一、三車だったし駆けることに全く迷いはありませんでした。だけど、車が思うように進まなかったし、風がきつくてバックで止まってしまった」と悔しさを露わにする。
海老根マークの
新田康仁
は4着に入線し、決勝進出を決めた。
「小嶋さんが仕掛けてきたさい、外に車を振ったし完全に止まったと思ったんですよ。少し油断をしていたら、すごいスピードで行かれてしまった。慌てて前に踏んだけどダメでしたね」
山口幸二
は小嶋との連係を外してしまい、「出だしで口も空いてしまったし、ギアを上げて失敗でした」とひとこと。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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