『SSシリーズ風光る09(GI)レポート』 2日目編
 
配信日:5月4日


 岸和田競輪場で開催されている「SSシリーズ風光る09」(GI)は2日目を終了。昨日行われた『薫風賞』に出場した9名を除く残りのメンバーが『光華賞』に出走。伏見俊昭、神山雄一郎、山崎芳仁らが混戦をしのぎ明日の決勝戦に駒を進めた。同時開催されているFI戦でも準決勝戦が行われ、ともにファイナリストが出そろった。
 本場イベントは連日大盛況です。明日は天津によるお笑いステージライブや、野球解説者・有田修三氏や競輪解説者井上薫氏らによる『新設SSシリーズ』徹底予想会、ブランド王ロイヤルタイアップによる豪華景品が当たる「はずれ車券deスピードくじ大会」、先着1008名様限定!3連単車券プレゼントなどが行われます。最終日も岸和田競輪場へどうぞご来場ください。

<3R>
倉岡慎太郎選手
倉岡慎太郎選手
   3レースからはA級準決勝戦。レースは坂本貴史が阿部大樹を突っ張って先制すると、後方から倉岡慎太郎(写真)がまくりを決めて1着をさらった。
 「初めは坂本君のラインの後ろに付いたけど、突っ張るとは思っていなかったから連結が外れてしまった。普通に付いていればもっと楽な展開でしたね。最近は配分が続いたりで身体の動きが悪かったけど、ようやくコンディションが上がってきた気がします」
 2車ながら積極的に先行した坂本貴史は2着に逃げ粘った。
 「阿部君が押さえに来るのが遅かったから突っ張りました。作戦でも何でもない。ホント自然な流れでした。三番手に阿部が入ったのは分かったけど、そこで小細工しても仕方ないし、行ける所までいこうと。昨日より重くてきつかったけど、上積みもあったし、明日もやれると思います」
 大谷靖茂も坂本の競走を「予定外だった」と話す。
 「坂本君が引いて、阿部君が流したところを叩こうと思っていました。作戦と違ったし、そのあとも外々を踏んだからきつかった」


<4R>
村上直久選手
村上直久選手
   4レースは村上直久(写真)が連日勝負強さを発揮。後続を寄せ付けない圧巻の先行策で快勝した。
 「体調が悪いなか思ったほどやれているけど、バックからのスピードがイマイチ。練習の時はもっと車が流れる感じがしますけど、それが無いですから。でも誰にも抜かれなかったし、結果も伴ったし、少しホッとしています」
 白石護は村上にしぶとく食い下がり2着に流れ込んだ。
 「踏み出しは問題なかったけど、カカってからのスピードがすごい。特に2コーナーからの加速が凄くて、付いていくので一杯でした。昨日の坂本(貴史)君といい今日の村上君といい、連日刺激を受けますね」
 山原利秀は4着に入線し、決勝進出を決めた。
 「ちょっと踏み出しが悪かったけど、立て直してからは落ち着いていました。石坂(永伍)には悪い事をしてしまったけど、とりあえずは決勝に乗れたわけだから」


<5R>
吉川悟選手
吉川悟選手
   5レースからはS級戦。窪田陽介が浦山一栄との先行争いを制すると、最後は窪田マークの吉川悟(写真)が直線を追い込んだ。
 「窪田が、『後ろ攻めから先行する』と言ってくれたので作戦に従っただけ。浦山さんを相手にモガキ合ってくれたし、本当にありがたかった。残せれば良かったけど、踏まないと一気に食われてしまいそうだったので前に踏みました」


<6R>
高田大輔選手
高田大輔選手
   6レースは松田治之の巻き返しに乗った高田大輔(写真)が豪快にまくりを決めて1着。上田学とワンツーを決めた。 
 「今日は中団から組み立てたかった。そうしたら上田さんがしっかりと良い位置を取ってくれたし戦いやすかったです。先に松田(治之)さんが大井(浩平)君を叩いてくれたから、絶好の仕掛けごろになりましたね。今日は腰痛も出なかったし、身体も軽かった」


<7R>
荒木真慈選手
荒木真慈選手
   7レースは松山桂輔が後続のもつれを尻目にペース駆けに持ち込み、そのまま反撃を断ち切った。
 「後ろ攻めになってしまい、付いてくれた梅澤(謙芝)さんもきつかったと思う。どっちにせよ競られると思ったから、せめて前受けの橋本(強)君にタイミングを取らせないように気を付けてカマシました。ラインが壊れて残念だったけど、カカリも良かったし迷い無く先行ができました」
 荒木真慈(写真)が2着に。直線で外を鋭く伸びた。
 「バックから外々を踏んでいたし、あそこから内にコースもなかっから外に踏みました。伸びも悪く無かったですし、あともう少しでしたね」


<8R>
稲川翔選手
稲川翔選手
   8レースからは準決勝戦。後方に置かれると、中団にいた中川誠一郎をどかして強引にまくった稲川翔(写真)が逃げた志村太賀を捕らえて快勝。地元の期待に応えた。
 「勝ち方としては変でしたけど、地元だし今日は勝ちにこだわった競走をしました。七番手に置かれたままでは勝負になりませんからね。中川さんをどかして、うまく出ていけました」
 志村太賀は3着に残ったが、「一旦、飯嶋(則之)さんらと連結が外れましたけど、すぐに来てくれたしゆっくりペースに持ち込めると思ったんですけどね、さすがに詰めが甘かった」と苦笑い。
 飯嶋則之は志村追走から2着に食い込んだ。
 「追い上げたときに脚を使ってしまった。かばいながら踏んだつもりだったんですけど」
 稲川マークの佐藤成人は「かなり稲川が警戒されていましたね。ああなっては仕方ないでしょう」とサバサバしている。


<9R>
鈴木誠選手
鈴木誠選手
   9レースは福田知也が押さえ先行で駆けると、絶好の展開を生かした鈴木誠(写真)が番手有利に抜け出した。
 「流れ的にも福田君が駆けると思ったし、どこから仕掛けてもいいように準備をしていました。カカリ、踏み出しと、ともに最高に良かったし、自分は援護しただけ。明田(春喜)君も止められたし、仕事はできた」
 福田知也(2着)は、「誠さんも脚があるし、多少早めにでも仕掛けようと決めていました。坂本(亮馬)君が来ないのも分かっていたし、脚にも気持ちにも余裕がありました」と会心のレースに納得の表情。
 3着の南修二は、目標の坂本亮馬が不発に終わり絶対絶命の展開に。しかし明田のまくりに切り替えると、巧みなコース取りで3着に食い込んだ。
 「坂本君もきつそうだったし、自分にとってもきつい展開でした。4(深井高志)をキメて、5(伊藤大志)をどかしたけど、あれは気持ちで乗り切っただけ。狙ってできる動きではないですよ。地元の意地ですね」
 坂本亮馬は後方からの巻き返しが不発に終わり、「打鐘で仕掛けようと思ったけど、福田さんがかかっていたので動けなかった。それに伊藤さんのブロックが一発で入って、もうフラフラでした」と唇を噛む。


<10R>
成田健児選手
成田健児選手
   10レースは大波乱の決着に。藤野孝彦ラインの三番手を回った岩本和也がバック後方からまくりを放つと、それを追った成田健児(写真)が外コースを鋭く伸びて1着に。2着に岩本、3着に廣川貞治が流れ込み、3連単で139万円の高額配当となった。
 「バック最後方だったし半分諦めかけていたら、岩本が仕掛けた。でも伸びるかどうかも不安だったし、伸びるなら追走、ダメならばインコースを突っ込もうと思っていました。そうしたら思いのほか良いスピードだったんで外を付いていった。これが今期初勝利だし、本当に嬉しい」
 岩本和也は「山口(富生)さんが内にいったから、自分は外でと。まくりの準備はしていなかったけど、車が予想外に出ました」とレースを分析する。
 先行したのは木暮安由で、番手を回った廣川貞治が前傾姿勢で猛然と直線を突っ込み3着を確保した。とはいえ、一旦は木暮との連係を外してしまっただけに、「ダッシュが弱いな俺は。追いついてからは何ともなかったけど、あそこでしっかりと付いていけていれば木暮を3着までに残せたでしょうね。結局、あいつに無駄脚を使わせてしまったわけだから…」と、決勝進出にも素直に喜べない様子。
 その木暮安由は5着に沈んだ。
 「前受けの6(堂村知哉)が飛び付きだろうし、後ろのためにもセオリーどおりカマしたかった。その通りにはなったんですけど、残れないようじゃまだまだです」


<11R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手 合志正臣選手
合志正臣選手
   最終11レースは『光華賞』。勝った伏見俊昭(写真)は山崎芳仁のまくりに乗ると、最後は直線を鋭く伸びた。  「山崎が仕掛けたとき、そのまま行けるなと思ったけど、三宅(伸)さんのブロックがきつそうでしたね。だけど自分は後ろに友和もいたし、前に踏む準備もしていたんで焦らずに踏めました」
 神山雄一郎が2着に。永井清史マークからの組み立てで、苦しい展開を耐えしのいだ。
 「結構厳しい展開でした。今日は永井君に任せていたし、2着までに来れただけでも」
 井上昌己の後方からのまくり追い込みに乗った合志正臣(写真)がインコースを巧みに付いて3着をゲット。復帰戦で確定板行きと、大いに気を吐いた。
 「昌己がどこから踏むのかずっと待っていたんです。そうしたら3コーナー辺りから外を踏んだでしょう。付いていこうか迷ったけど、内に行けそうだったから思い切って行った。判断が良かったけど、最後コースが閉まると思って怖かったのが本音」
 山崎芳仁は「今日は作戦もないし、デタトコ勝負でした。ただ、車間を空けられると厳しいから、踏み合い覚悟で仕掛けました。永井(清史)が斜めに踏んでいたし、それを乗り越えたら今度は三宅さんのブロック。かなりきつかったですね」と話せば、先手を奪った石丸寛之は「風も無かったし、山崎のラインを殺せば1周くらいなら持つと思った」とそれぞれレースを振り返る。
 佐藤友和は「ギリギリセーフでした。直線でどうやって踏めば良いのか迷った。三番手の競走は難しい」とファイナル最後の椅子を手にしホッと胸をなで下ろす。

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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