『SSシリーズ風光る2010(GI)レポート』 初日編
配信日:5月3日
静岡競輪場にて本日、5月3日から「SSシリーズ風光る2010」G1が開幕した。S級S班18名のトップスターによる競演は2日間にわたり予選が行われ、本日は「薫風賞」が争われた。レースは伏見俊昭が8番手から圧巻のまくりで快勝。決勝へ駒を進めた。
なお、本場ではたくさんのファンサービスとイベントが用意されております。まずは開催を通して先着3000名様に地場産品を進呈。さらにオリジナルグッズが当たる抽選券を配布します。また、未確定車券抽選会、サイクルタイムトライアルなど盛りだくさん。明日5月4日は女優の安田美沙子さんによるトークショー、スピーチーズライブ、予想会が予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。
<1R>
白上翔選手
白上翔(写真)
が小林和彦の反撃を封じて堂々の逃げ切り勝ちを収めた。
「この大会に選んでもらったときから、頑張ってアピールしようと思ってました。お客さんも一杯いるし、強い選手もたくさんいるんで気合が入りました。ホームで8番(小林)が見えたんで思い切って踏んだし、流すところがなくてずっと踏みっ放しだった。何も考えずに積極的に走ったのが結果的に良かったですね。SSシリーズのオープニングレースを自分が勝ててよかった(笑)」
番手絶好の山中貴雄だったが、直線で伸びを欠いて4着凡走。中団の
梶原恵介
が鋭く迫って2着に入る。
「1番(藤原拓世史)と併走になったけど何とか堪えましたね。3コーナーでバックを踏んでしまったんでヤバいと思ったけど、何とか届いたんでよかった。いつも初日は重たいんだけど、今日は脚が軽かった」
<2R>
「たぶん初めてです」というA級予選スタートとなった
小原則夫
が貫禄を見せつけての白星発進。目標の田原大広が叩かれるピンチを、自らさばいて克服した。
「田原君も頑張ってくれたけど、出切られちゃいましたからね。ホームでは自分で何とかするしかないと必死でした。前回が特選で、今回が予選。初日に飛びたくないんで緊張しました。勝ち上がれてホッとしてます」
<3R>
山崎司選手
中団を取った
山崎司(写真)
が逃げる椎木尾拓哉をひとまくりして快勝。番手の小林宏年とワン・ツーを決めた。
「ジャン過ぎに叩こうと思って出たけど前が踏んでいたんで、無理にいくよりは空いてたんで中団に入りました。踏み出しは良かったんだけど、最後は少しタレましたね」
地元の
小林宏年
は「抜きたかった」と悔しがる。
「カマシが得意と言ってたし、ホームで行ってしまうかと思ったけど中団に入ったんで脚を使ったね。山崎君はもう1回立て直して行くんだから強いよ。今回は競輪学校で合宿をして倒れるくらい追い込んできた。せっかく練習してきたんだから山崎君を抜きたかったね。今回は最低でも決勝戦と目標を立ててきたんで、明日もしっかりと走ります」
<4R>
柴田竜史選手
特選レースは地元の新鋭・
柴田竜史(写真)
が金星を挙げた。小川祐司が阿部大樹を叩いて先行。柴田は7番手に置かれたが、バックからスパートすると猛スピードで前団を襲い掛かり、2センターで小川を抜き去った。
「ジャンで(小川と阿部が)もがき合うかなと思ったんで、下手に動くよりは前をじっくり見ました。ホームで前が結構良いスピードだったんで、あとはうまくタイミングを取って行くだけだった。でも、阿部さんがあんなに車間を空けて合わせてくるとは思わなかった。2センターで小川さんは踏み直してきたんでどうかと思ったけど、まくれてよかった。今回は地元で決勝に乗りたいんで、明日も頑張ります」
小川祐司
は「踏み出しは良かったけど、2コーナーくらいまでは重たかった。そのあとは誰も来なかったから流して、3コーナーからもう一回踏み上げていったけど、気付いたら柴田君が来てたんで間に合わなかった」と説明する。
<5R>
林巨人選手
5レースは3名が落車するアクシデントが発生。これを逃れた旭啓介が主導権を奪い、中団3番手を取った
林巨人(写真)
が好スピードでまくって快勝した。
「落車があったけど巻き込まれずに、そのあとも流れに乗れたんで。7番(旭)のペース駆けになったけど、落ち着いてタイミング良くいけばまくれると思ってました。駆け出しは良かったし、自信を持っていきました」
2着は
山崎将幸
が入る。離れながらも林を必死に追い、直線でしぶとく伸びてきた。
「ホームで少し外に上がったら加藤(忍)さんと接触してしまった。悪いことをしました。自分は落車しなかったけど、脚が一杯だった。林さんがまくってくれて絶好の展開なのに、体が反応できなかった。離れながらも前を追って、脚を溜めつつ最後の直線で勝負と思った。何とか勝ち上がれたんでよかった」
<6R>
金川光浩選手
後藤純平が押さえたところを、小谷田公則が叩いて主導権を奪った。最後は番手絶好の
金川光浩(写真)
が追い込んで地元で1勝を挙げた。
「今日は展開がよかったのもあるけど、ラインでもない小谷田君が先行してくれた。その気持ちが嬉しかったね。地元だし、直線では思い切って抜かせてもらいました。2着に残せなかったし、いつかお返ししないと。今年はこれが初勝利。お客さんもそれを知っていて応援してくれたんで嬉しかった」
<7R>
水上正二郎選手
山口貴弘が最終ホームから早めに巻き返し、今井裕介の逃げをあっさりと捕らえた。ゴール前はライン三者の争いとなったが、3番手から中を割った
水上正二郎(写真)
が突き抜けアタマ。思わず笑顔がこぼれる。
「これが今年初勝利です。何より嬉しいですね。踏み出しも楽に付いて行けたし、あとはどのコースを踏むか探すだけでした。うまく空いてくれましたね。ただ前に踏むだけでしたよ。これがキッカケになれば」
<8R>
柴崎俊光選手
中団をさばいた
柴崎俊光(写真)
が4番手から鋭くまくって快勝。「中団勝負だけは負けられない」と話していたとおり、絶対条件の好位キープから持ち味を発揮した。
「あそこ(4番手)の取り合いだけは勝っておかないと何にもなりませんからね。小島(雅章)さんには避けられたけど、最終的に踏み勝てたんで良かったです。このスタイルでどこまで行けるか頑張りたいし、明日からも自分のできるレースをしっかりやっていきたい」
2着には地元の
望月裕一郎
が食い込んだ。
「本当に地元開催で良かった。気合で2着に入れた感じです。村上(直久)君が流さずいってくれた気持ちも嬉しかった。久しぶりの選抜スタートで緊張したけど、漏れなくてよかった。やれそうな手応えはあるので、準決勝も気持ちを入れて走ります」
<9R>
西谷岳文
が前受けから車を下げると、ジャン過ぎ4コーナーからカマして先行。得意パターンに持ち込んだ。直線に入ってもスピードは衰えず、北川紋部を振り切って1着を手にした。
「今日は前を取って作戦通りにいきましたね。踏んでいて感じは悪くなかったけど、自分の中で最後に少しフォームが崩れてしまった。着が良くても内容がダメだと先輩に怒られてしまうんで。今日は良いレースができたかな」
北川紋部
は「出切ってからホッとしてしまった。ビビッて車間も空けられなかった。西谷が強かったね。明日はしっかりと前を交わせるように頑張ります」と気合を入れ直した。
<10R>
新田康仁選手
F1戦のメイン、10レースは
新田康仁(写真)
が1着となった。レースは岩本俊介が押さえて先行する展開に。稲垣裕之が迫ってくると新田がこれをブロックし、直線で抜け出した。
「もう少し俺が巧ければ岩本を残せたんだけどね。ブロックをするか番手から出る迷ってしまい中途半端になってしまった。調子は普通だけど、自分の調子というよりは今日は人の後ろなんで何とも。明日も岩本君と一緒だからしっかり走ります」
小倉竜二
が直線で外を伸びて2着に入った。
「前が止まったんでね。2着には来れたけど重いというか、周回中からずっと踏んでいる感じで軽く回せてないね。今日は荒井(崇博)君が頑張ってくれたおかげ」
稲垣裕之
はブロックを受けたものの、しぶとく堪えて3着に踏み止まった。
「今日は自分も行くつもりでいたけど、岩本君が駆ける気でいたんでね。行かれて引く訳にはいかないから、併走でも中団にこだわった。出足が少し重たいから、要所要所で合わされてるね。その辺がまだまだ」
<11R>
伏見俊昭選手
山口幸二選手
薫風賞は
伏見俊昭(写真)
が制した。最終ホームで8番手に置かれる絶体絶命のピンチ。本人も「終わったと思った」と言う展開からの大逆転に場内は大きく沸いた。
「よく行けたと自分でも思います。ホームで浅井(康太)君が武田(豊樹)さんに入られちゃったのが誤算でしたね。後方になったので行けるかどうか不安だったけど、前の3人は脚を使っているので、外を踏めば何とかなるかもという気持ちもあった。イエローラインの外から行けたし、状態は良い頃に近いですね。来る前の練習でもそういう感覚はあったけど、それが確信に変わった感じ。今日のレースは自信になります。これで明日一日を良い気分で過ごせます」
村上博幸
も厳しい展開をしのいで決勝に勝ち上がった。
「もう終わったと思いました。内は行けないのでイチかバチかで外を踏みました。あの展開で4着までに入れたんで感じは悪くないですね。とにかく焦りました」
初めて山田裕仁に前を任された
山口幸二(写真)
は「やるべき事はやりました。永井(清史)も頑張ってくれましたね。武田が中団に入っているのは分かっていたし、何とか止めたかったんですけどね。二発目のブロックで態勢を崩しながら前に踏んだので伸びがなかった。でも、あそこで波を作れば山田や永井にもチャンスがありますから。周りが強かったです」
武田豊樹
は5着で明日の結果待ち。選考順位は2位と有利なポジションに付けているが…。
「海老根君が5着になったらダメなんでどうなるか。今日は永井君の掛かりがすごかったね。スピードが乗っている分、山口さんも仕事がしやすかっただろうけど、それでも山口さんがうまかった。今日は自分も頑張ったけど、皆頑張ってたし相手にスキがなかった」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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