昨年新設されたS級S班18名によるSSシリーズ風光る2010が今年は静岡競輪場で開催される。現在の競輪界は絶対的な王者不在の戦国時代に突入しており、今後のタイトル戦線の行方を占う意味でも見逃せない一戦となるだろう。 |
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S級S班によるハイスピード決戦!
村上兄弟の台頭で競輪界の勢力図は塗り替えられた |
昨年の競輪界は北日本と関東の2大勢力が頂点にどっかりと腰をおろし、タイトル戦線は常に2大勢力を中心に動いていた。しかし、今年に入ると、これまでは伏兵的な存在だった近畿が勢い増してきて、3月の日本選手権では有力選手たちが次々と脱落していく中、決勝では義弘と博幸の村上兄弟がワンツーを決め、これまでの2大勢力の絶対的な支配に風穴をあけた。
今回もS級S班18名の真っ向対決だけに絶対的な優勝候補不在の乱世ムードは避けられないところで、日本選手権ワンツーで今最も乗れている村上兄弟が一歩リードといっていいだろう。
村上兄弟の活躍に引っ張られるようにして急浮上してきたのが市田佳寿浩だ。
2月・奈良記念を優勝、続く西王座戦でも村上兄弟の3番手から優勝、3月の日本選手権と岸和田記念は優出できなかったが、地元・福井FIはきっちり優勝している。3月末現在、勝率が4割5分でS級S班の中では2位、連対率は7割で堂々のトップだ。近況は追い込み型としての技術も上がってきており、今回も直線で鋭い差し脚を発揮してくるだろう。
伏見俊昭は第1回大会の覇者だ。昨年の決勝では展開のあやで山崎芳仁との連結が外れてしまったが、自力に転じて、小嶋敬二の捲りのさらに外を捲り追い込んで1着をもぎとっている。
近況も山崎と伏見の連係した時、2人のワンツーが決まったのはまだ1回だけだ。それでもやはり、自力に転じた時のスピードも群を抜いており、今回も展開無用の一発が十分に期待できる。 |
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勝率トップの平原康多が巻き返す!
渡邉晴智が地元ファンの期待にきっちり応える |
3月末現在、S級S班の中で勝率トップなのは4割6分をマークしている平原康多だ。ただ、連対率となると4割6分と下がってしまい、順位も10位に落ちてしまう。日本選手権でも連絡みは二次予選の逃げ切りのみで、残り3走は大敗が続いた。それでも、1月の地元・大宮記念を優勝、東王座戦で優出と調子は悪くなく、昨年11月の競輪祭の時のような呆れるほど強い平原が必ず戻ってくるだろう。
永井清史は1月・和歌山記念では豪快な捲りで記念初優勝を達成したが、その後は2月・奈良記念、西王座戦、日本選手権と連続して優出を逃しており流れが悪くなった。しかし、3月・名古屋記念では久しぶりに徹底先行・永井が戻ってきており、今回も中部勢を連れての積極的な走りが期待できる。
海老根恵太も地元戦で期待されていた日本選手権では優出ならず、次場所の岸和田記念でも準決勝Aで敗れて途中欠場と近況はいまいちの状態が続いている。だが、日本選手権の特選では上がり9秒4の捲りで圧勝しており、やはりツボにはまった時のスピードは別格で、今回も海老根の一発が侮れない。
地元戦に燃えるのが渡邉晴智だ。渡邉は東王座戦で落車、その影響で日本選手権でも振るわなかったが、2月・静岡記念では新田康仁の先行を差して優勝している。1月・大宮記念でも準優勝と好走しており、今回も地元ファンの声援にきっちり応える走りを見せてくれるだろう。 |
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FI展望 |
歴戦上位の新田康仁が中心だ。新田は2月・静岡記念で山崎芳仁を相手に逃げて2着に粘り渡邉晴智とワンツーを決めており、今回も展開に応じた先行、捲りで勝機を掴んでくる。
捲りに威力のある荒井崇博が逆転候補の筆頭だ。日本選手権は一次予選で敗退したが、FIでは今年はすでに3回の優勝があり、うち2回は捲り3連発の完全優勝、1月・大宮記念でも準決勝Aを捲りの1着で突破して優出している。
先行勝負で挑むのは稲垣裕之だ。稲垣は2月・奈良記念の決勝では先行して市田佳寿浩の優勝に貢献、3月・松阪FI決勝も先行2着と調子を上げてきている。
4月12日現在の出場予定選手によるレース展望です。選手の欠場等により出場選手が変更となる場合がありますので、ご了承ください。
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