『第65回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 初日編

配信日:11月22日

 グランプリをかけたラストバトル。北九州メディアドーム・小倉競輪場で「第65回朝日新聞社杯・競輪祭(GI)」、「第1回競輪祭女子王座戦(GI)」が、ナイター開催で11月21日にスタートした。初日の一次予選1では、脇本雄太、郡司浩平、新田祐大のS級S班3人らが白星を挙げた。また、ガールズケイリンの予選では、佐藤水菜が力を見せつけたが、地元の児玉碧衣は6着に敗れて準決進出を逃した。シリーズ2日目の11月22日には、一次予選1、2とガールズケイリンでは決勝をかけて準決で熱戦が繰り広げられる。
 開催中の毎日、競輪専門紙「コンドル」による全レース予想会、SPEEDチャンネル競輪専門解説者の予想会、デンジャラス恐竜パーク、巨大迷路、ボルダリング、自転車競技紹介ブース、グルメ屋台の大集合などが予定されています。また、22日の2日目には、競輪女子による予想会in競輪祭、先着40人様限定での占いコーナーなども行われます。小倉競輪場では、様々なイベントでみなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

第65回朝日新聞社杯競輪祭、第1回競輪祭女子王座戦GI開会式
第65回朝日新聞社杯競輪祭、
第1回競輪祭女子王座戦GI開会式
前年度優勝の新山響平選手より優勝杯の返還
前年度優勝の新山響平選手より優勝杯の返還
 
世界選手権銅メダル獲得の中野慎詞選手へ報奨金の授与
世界選手権銅メダル獲得の中野慎詞選手へ報奨金の授与
敢闘宣言をする園田匠選手と児玉碧衣選手
敢闘宣言をする園田匠選手と児玉碧衣選手
Chayさんによるオープニングスペシャルライブ
Chayさんによるオープニングスペシャルライブ
女子王座戦参加全選手インタビュー
女子王座戦参加全選手インタビュー

<1R>

長島大介選手
長島大介選手
 けん制気味のスタートで前受けになった犬伏湧也は、誘導との車間を空けて赤板で小原佑太を突っ張る。犬伏が主導権をキープして、谷口をキメた長島大介(写真)が、4番手を奪取する。小原が8番手に戻り、一本棒の隊列で打鐘を通過。ペースを握った犬伏が快調に飛ばして、6番手の谷口が最終2コーナーからまくりを打つ。谷口は中団までで、張りながらまくり追い込んだ長島が前団をのみ込んで1着。
 「(上昇した)小原君(のライン)に付いていって、あとは犬伏君の動きを見ていい位置を取れればと。谷口君が4番手にいて、その位置が良かったんですけど車番的に難しかった。隙があればと思ってたら、隙があったんで取れました。(4番手に入ってからは)僕も余裕があったけど、(先行しているのが犬伏で)怖くてあんまり早く(仕掛けて)行けなかったです。山田さんが車間を空けて、詰めた時に行こうと。犬伏君を抜いたことがなかったんで、すごいドキドキしながら行きました。踏みごたえもあったし、犬伏君をまくって1着なんで自信になります」
 敢然と突っ張り先行に出た犬伏を利した山田庸平は、直線で差し脚を伸ばして2着。
 「(スタートが)けん制になるくらいなら出て、前だったら(犬伏は)突っ張るっていう感じだった。掛かりも良かった。車間を空けて、詰め始めて踏み込もうとした時に長島君が来て対応できなかったです。持ってきた練習用の自転車があんまりかみ合ってないかなっていうのがあります」

<2R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 新田祐大(写真)が切って出て、そこを山田久徳、清水裕友の順番で出る。前受けの雨谷一樹も赤板2コーナーですかさず反応して、隊列は目まぐるしく入れ替わる。打鐘3コーナーで雨谷が先頭に立ち、中団までの追い上げかに思われた新田だが最終ホーム手前でさらに踏み上げる。新田が2コーナー手前で出て、和田健太郎の追走。6番手の清水がまくるも、新田の掛かりがいい。直線も踏ん張った新田が、ロングまくりで好スタートを切った。
 「1回、切りにいって、流れで自分の順番がきた時に逃さずいければと。脚の感じは見ていただいた通りです。トレーニングをして準備をしてきたので、強い気持ちをもって明日以降にも挑めれば。(感じは)いいと思う」
 新田の強烈な踏み出しに遅れかけた和田健太郎は、雨谷の飛び付きを許さず2着を確保した。
 「新田君が前、前に行ってくれた。新田君が上がりながら行ってくれて、自分は内に入りながら行って合流できて良かった。今日(初日)ので感じをつかむのは難しいけど悪くはないです」

<3R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 打鐘過ぎに大川龍二を叩いた坂井洋が主導権。関東勢に続いた単騎の山崎賢人は、タイミングを取って郡司浩平(写真)の仕掛けに合わせるように踏み込む。単騎で先行策に出た山崎を郡司が追いかけて、渡部幸訓、単騎の原田研太朗まで出切る。4番手の原田が4コーナーから追い込むが、郡司が余裕をもって追い込んだ。
 「直前に練習はできましたけど、いい感覚ではなかった。でも、そのなかでやれることはやってこられた。気持ちをレースに出そうと思って走りました。自分で外に持ち出して、あおりで(タイミングが)ズレてズレてでしたけど、結果的に山崎君が仕掛けたので冷静に。踏み出した感じ的にも坂井君が飛び付くのは難しいだろうなって見ながら判断もできた。今日(初日)は展開に恵まれましたけど、感覚はつかめた」
 郡司マークの渡部幸訓は、直線で山崎と郡司の間を踏み込んで2着。
 「郡司君は格上の選手ですし踏み出しに集中して、緊張感をもって走れたとは思います。郡司君は流れのなかで仕掛けてくれるので、後ろの選手は付けやすいと思います。郡司君が仕掛けてくれて、ちょうど山崎君も仕掛けてくれた。前々に攻めてくれた結果がつながったと思います。最後は外でも良かったんですけど、自分的に余力がなかったので、まっすぐ(山崎と郡司の)間をいきました」

<4R>

南修二選手
南修二選手
 先頭に立った三谷竜生のインを太田竜馬が進出して、深谷知広は赤板2コーナーから山降ろしで外を踏み込む。深谷が打鐘4コーナーで主導権を奪う。深谷ライン3車で出切ると、最終ホーム手前から三谷が反撃に出る。合わされた三谷が3番手の阿部力也のところに降りて、前の佐藤慎太郎と接触して落車。2コーナーでのアクシデントを避けた南修二(写真)は、4番手で4コーナー手前から追い込む。最後のハンドル投げで佐藤をとらえた南が1着。
 「(三谷)竜生が強いんで、まずは離れないことをと思ってました。(仕掛けた三谷は)いつも合ったところで勝負をしてくれるんで頼もしかったです。(三谷の落車があったあとは)内の太田選手を回避するのに時間が掛かってたけど、そのあとうまく対処できた。前も長いこと踏んでいたんで届いた。着が良かったので、(感触も)いいのかなと」
 深谷の先行を称えて振り返った佐藤慎太郎は、好展開も南との追い比べに屈した。
 「(赤板過ぎからの)前の動きがわからなくて、深谷もタイミングを崩されたと思うけど、うまく走ってくれた。(そのあと)深谷もまだまだ余力がありそうだったので、安心して付いていました。自分は今日(初日)は余裕がなかった。逆にあの感じで突っ込んでこられる南が強かった。マジかよって感じでした」

<5R>

和田圭選手
和田圭選手
 赤板過ぎに突っ張った黒沢征治を、松井宏佑が強引に押さえ込んでペースが上がる。5番手に松浦悠士が入り、打鐘を迎える。後方に引いた中野慎詞は、3コーナーから一気の巻き返し。合わせて抵抗する松井を中野がスピードの違いでとらえて、和田圭(写真)が続く。最終ホームで北日本勢に反応した松浦だが、追い切れない。番手で間合いを取った和田が、きっちりと差し切った。
 「(中野の)踏み出しが強かったし、最終的にねじ伏せる形になって強かった。ジャン過ぎに松井が全開で、中野も全開だったと思う。そこを乗り越える時は(自分も)いっぱいだった。(自分が抜いてのワンツーは)最高ですね。(状態は)しっかり練習してきたので大丈夫」
 持ち前のスピードを爆発させた中野慎詞は、ナショナルチームとの兼ね合いでタイトなスケジュールも元気いっぱいだ。
 「ここしかないって全力で叩きにいきました。思った以上に掛かりが良かったし、(ジャパントラックカップの)競技の疲れもあまりなく、自信をもって戦えた。いままで、いいレースができてなかったので、最初の組み立てのところ以外はほめてもいいのかなと。(小倉は初めてだが)風がなくて気にしなくていい。でも、みんな同じ条件でどんどん掛かっていくので集中して走っていた」

<6R>

嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手
 嘉永泰斗(写真)、小松崎大地の切り合いのあとに、橋本壮史が仕掛けて打鐘3コーナーで叩く。3番手に小松崎が飛び付いて、5番手の嘉永は最終ホーム過ぎに外に持ち出すが前のペースも上がり進まない。人気の古性優作は8番手に置かれ、2コーナーからまくって出る。3番手の小松崎は、鈴木竜士のけん制で不発。3コーナーから再度まくり上げた嘉永が、直線で前団をとらえて古性の強襲を退けた。
 「小松崎さんより先に切って、突っ張るか出させるかはその時の雰囲気っていう感じだった。(最終)1コーナーで行ったんですけど、出なくて焦りました。でも、小松崎さんも前に踏んでいってくれたので、入り直して行けるところからって感じでした。小松崎さんも進んでいる感じがしなかったので、そこを目がけていけました。レース勘に不安はあったんですけど、1走したので大丈夫ですね」
 前受けを強いられた古性優作は、最終ホームで一本棒の8番手。苦しい展開のなかをまくって2着。
 「前は取りたくなかったんですけど、誰も出なかったので。ちょっと整わなかったですね。無理やり行った感じだった。あの組み立てではダメですね。ダイジェストを見て修正したいです。かなり外を回ってあそこまでは行けたんですけど。嘉永君より先に行きたかった」

<7R>

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 前団に構えた新山響平は、いつも通りのスタイルで赤板過ぎに渡邉雄太(写真)の上昇を阻んで突っ張る。渡邉が中団に降りてもつれたところを松本秀之介が仕掛ける。新山も合わせて踏み込むが、打鐘過ぎにから諸橋愛が遅れる。最終ホームまで続いた踏み合いは、新山に軍配。松本秀が空いた番手に収まる。松本貴治は内に包まれて、立て直した渡邉雄太が8番手で2コーナー手前からまくる。渡邉が懸命に逃げる新山を直線の入口でまくり切った。
 「切りにいって、入れたところから勝負と。小原さんに愛媛勢の後ろに入れてもらって、そこは落ち着いていけた。(松本秀が仕掛けに行って)いい目標になったと思う。押さえに行った時に脚を使ったが、余裕があった」
 渡邉のまくりに危なげなく続いた小原太樹が2着で南関ワンツー。
 「新山が突っ張ると思うので、後ろにならないようにと思ったが、後ろになってしまった。でも、渡邉君が強かったですね。自分は余裕がなくて渡邉君の後輪しか見ていなかった。抜ければベストですけど。直前の千葉(ピスト6)で落車して、打撲がメインで首のむち打ちもあった。長丁場なので日に日に良くなると思う」

<8R>

脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)は早めに誘導との距離を取り、赤板1コーナーでは8番手まで下げ切る。5番手で脇本を警戒した岩谷拓磨が、打鐘過ぎに仕掛ける。最終ホーム手前で岩谷が主導権も、柏野智典が連結を外して岩本俊介が追いかける。脇本は最終ホーム手前から踏み込んで前団に襲い掛かる。脇本があっさりと岩谷をつかまえて、ラインの浅井康太が続く。岩谷後位から岩本がスイッチするが、前の2人を脅かすまでには至らない。脇本が浅井を振り切って1着。
 「とにかく相手のペースにならないように、(赤板)2コーナーの下りで行こうと思っていたら岩谷君が行ってくれた。結果的にそれを利用して行けました。柏野さんが離れているのを見て、すかさず体が反応してくれたのは良かったです。自分なりの反省点はあるので、そこを煮詰めていければ。出切ってからのフォームがバタバタしたので、少しずつ改善していければ」
 1輪差まで詰めたところがゴール。脇本と断然の人気に応えた浅井康太がシリーズ1走目を振り返る。
 「1番人気に応えられたのは良かったですし、追走できたっていうことは(前回の)四日市に引き続きいいのかなっていうのと、修正はできているのかなって感じています。全部、脇本君の感性に任せていた。結果的にカマシ、まくりになったんですけど、いつでも行ける感じだったと思う。(自分は)ウォーミングアップの感触が良くなかったので、アップから良くなるようにしたい」

<9R>

梅川風子選手
梅川風子選手
 梅川風子(写真)は、6番手のポジションで前との車間を空けて打鐘を通過する。4番手の尾方真生が2センター過ぎに仕掛けるが、前の山原さくらも合わせて踏んで両者の叩き合い。隊列が短くなったところを梅川が、最終1センターからまくる。好展開が巡ってきた梅川が、バックで山原、尾方をまとめてとらえて、二の足で押し切った。
 「山原選手、尾方選手は残り1周前から積極的に動く選手で、2人が前にいきたそうにしていた。それで後ろで落ち着いた方がいいと。いつもより冷静でした。調子と体調が良くなかったので一発狙いになると思った。良かったころに比べると物足りない。調子と体調はワーストくらいだけど、そのなかでの1着なので、どういうことなのかなって。1ステージ、1ステージをクリアして、明日(2日目)も大事。明日の脚見せまでに調整して、ムダのないレースをしたい」
 飯田風音は、周回中に7番手の最後方。結果的にはそれが功を奏す形になり、前の梅川のまくりに流れ込んだ。
 「自力を考えていたけど、いい位置が取れなかった。梅川さんに入ってもらって、自力ではなくて自在に組み立てようと思った。(梅川を追ったが)めっちゃ強かったです。付いていくことだけを意識していました。(状態は)悪くないです」

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太田りゆ選手
太田りゆ選手
 太田りゆ(写真)は打鐘を6番手で迎えて、前団の様子をじっとうかがう。2番手の久米詩が、畠山ひすいとの車間を空けて、後続の反撃に備える。畠山がそのままペースを上げて駆けて、最終周回へ。太田は1コーナーからスパート。合わせて踏み上げた久米のまくりを楽にとらえた太田が後続を離した。
 「(周回中の位置は)畠山選手、久米選手、柳原(真緒)選手が前にいる以外は、そんなに気にしないでいいかなと。(6番手から仕掛けた最終1コーナーの)そのくらいから徐々にペースを上げていきました。正直、連続で競技をやってのガールズケイリンだったので、ギアのギャップを感じました。あんまり伸びも良くなかったです。出切ったのがわかったので、落ち着いてレースができた。体力的な面ではあまり心配してもらわなくても大丈夫だと思います。あとは(ガールズケイリンに)慣れること。自信をもって走ることが一番だと思います」
 2番手の好位置を手に入れた久米詩は、最終2コーナーからのまくりで2着。脚力差を痛感したところもあったが、収穫もあった。
 「内枠だったので(周回中は)なるべく前にと思ってました。(太田の仕掛けに)準備をしていたって感じでした。展開が良かったので、もっと脚力が欲しいなっていう課題もみえた。でも、(太田)りゆさんに上を越されても、2着に粘れたのは成長をしている部分かなと。初日からいいレースができた。コンディションもわりかしいい方だと思います」

<11R>

坂口楓華選手
坂口楓華選手
 打鐘で誘導が退避して、先頭の増田夕華がペースを握る。2番手で前との距離を置いた坂口楓華(写真)は、5番手の児玉碧衣を警戒する。坂口は増田との車間を詰めながら、最終1コーナーで踏み上げる。増田をとらえた坂口が2コーナー手前で先頭に立ち、吉岡詩織が続く。児玉のまくりは、3番手の尾崎睦の外までで伸びはいまひとつ。3コーナーから踏み上げた吉岡も合わせた坂口が1着。
 「(児玉)碧衣さんに勢いをもらって行かれるのは嫌だったので、前の方に進んでレースをしました。誘導のスピードが上がって前と車間が空いたけど、自分のもつところから行きました。正直、不安のなかで走った。けど、ここを勝てないとタイトルはないって。碧衣さんは偉大ですし、乗り越えたいと思ってレースに出た。結果を出せて、明日(2日目)につながります。体調はいいです」
 坂口に続いた吉岡詩織は、最終3コーナーから外に持ち出したものの合わされて坂口に付き直した。
 「(坂口を)最後に交わせたら良かったですけど、いまの力はこんな感じかなと。オールガールズクラシックでは動こうとしたけど、33バンクで外に浮いて悔しかった。今回は予選を突破できてひと安心。調子は上向きです」

<12R>

佐藤水菜選手
佐藤水菜選手
 下条未悠、太田美穂の上昇もあり、佐藤水菜(写真)は打鐘で6番手。打鐘4コーナー付近からペースが上がり、最終ホーム手前で奥井迪が2番手から踏み込む。太田の内に入り中団まで押し上げた佐藤が、2コーナー手前からまくる。バックで一人だけ違うスピードの佐藤は、そのままグングンと加速。奥井をのみ込んで、2着を9車身ちぎってゴールした。
 「(後方になってしまった時は)1周半でもいいから行こうとって。結果、中団ら辺から風を切ることができたんで良かった。(最終ホーム過ぎは)外を行っても良かったけど、自分がしっかりと1着を取って、後ろにいてもらった吉川(美穂)選手にも信頼してもらえるようにと。それで外より内だと。昨日(前検日)の指定練習では自転車に対する違和感があったけど、レースでは違和感はなかった。しっかりとしたフォームで、力いっぱいモガけたので良かった」
 奥井に続いた小林莉子が2着。離れながらも佐藤を追いかける吉川美穂の外から追い込んだ立ち回りは、小林のレースセンスの良さだろう。
 「(周回中は)位置的にも自分の狙ったところが取れた。(奥井の後ろの位置も)そうですけど、3番手以内にはいたいなと。(佐藤の後ろより)松戸のオールガールズクラシックから前々に勝負だなと。でも、やっぱりサトミナ(佐藤)が強い。あの展開で越えちゃうんだから。(自分は)早く車輪を抜いて(吉川の)外をっていう判断が早くて良かった。(脚の感じは)悪くないと思うけど、サトミナに勝たないとグランプリ(出場権)がないので悔しいですね」

≪2日目≫

<3R>

北津留翼選手
北津留翼選手
 17年の競輪祭では準V、09年、一昨年にもファイナルの舞台を踏んでる北津留翼(写真)は、前回の静岡FIを161着。2勝をマークして、ホームバンクのGIに仕上がりは悪くなさそうだ。
 「(前回の準決は)失敗しました。状態面は悪くなかったけど、ハンドルの高さとかもあった。でも、自分の戦略ミスかなと。静岡のあとは違反訓練があって、帰ってからは追い込み気味に練習して、調整もできた。状態はいいと思います。地元なんでバンクの特性もわかっているので、自分の順番が来たらしっかりと仕掛けようと思います」
 5月の日本選手権で初戴冠を遂げた山口拳矢にとっては、年末のグランプリを見据える意味でも重要なシリーズになってくる。
 「(競輪祭は)一昨年はグランプリ争いの状況で入って、去年は(グランプリに)手が届く感じではなかった。(今年はグランプリの出場権があるので)気持ちの面では余裕をもって入っています。(前回は)フレームも新しくして、今回も乗ってみてどうかなと。(前回は)まだ乗りこなせてない。踏み込めてない感じだったので、(そのあと)1週間くらいあったんで、その自転車で練習をしてきた。(2日目からだと)5走連続になるので、初日走りたかったですね」

<4R>

眞杉匠選手
眞杉匠選手
 眞杉匠(写真)は、前回の豊橋FIを3連勝の完全V。GI初制覇を飾った8月のオールスター以来の優勝で勢いをつけて、今シリーズを迎える。
 「今年は(オールスターを)優勝したけど、ラインのおかげで優勝できた。いままで番手でとかの(グレードの優勝が)なかったんで、大きく動いた年かなと。(前回は)セッティングをいじって、結構、良くなった。(そのあとは)宇都宮競輪場が使えないので、宇都宮の街道をメインで、前橋(バンク)にも2回入りました。(2日目から)5連勤なんですけど、(優勝した)オールスターもそうだったんで大丈夫だと思います」
 前回の高松FIでは2日目の準決、最終日を続けて7着。そこから中8日の伊藤颯馬だが心配はなさそうだ。
 「(前回は)脚の感じも悪くなかった。疲れもあって、いい着が取れなかったけど、脚の状態は悪くない。いつも通り練習して、調整をしてきました」

<5R>

寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 11月から競輪に専念の寺崎浩平(写真)にとっては、心機一転のGIシリーズ。前回の地元、福井FIでは3連勝でV奪取した。
 「(ナショナルチームは)引退しました。まだ静岡にいるけど、年内には拠点を福井に戻すつもりです。直近が福井でFIが入ってたんで、(今回は)福井で練習して競輪祭にきました。(福井では)新しいシューズとかも使って、久しぶりに優勝できた。(そのあとは)練習もそこそこできた。走るのが2日目からなんで、今日(前検日)もしっかりと乗り込んで、また調整もしっかりとできたらなと思います」
 獲得賞金ランクでのグランプリ出場は厳しい状況の平原康多だが、3度のV実績がある競輪祭だけに大逆転があっても不思議はない。
 「(今年は)大怪我が続いた。ただ、それを克服できていないのも含めて実力だと。これを乗り越えて、また強くなれるようにと思ってます。腰痛も一番ひどい時よりは、良くなっている。怪我をする前くらいのセッティングで乗れたんで、だいぶ良くなってきたんじゃないかと。(優勝すればグランプリに)まだチャンスがあるので、あきらめないでいます」

<6R>

太田海也選手
太田海也選手
 GIデビューとなった8月のオールスターが21141着。続く寬仁親王牌でも期待が膨らんだ太田海也(写真)だったが、1648着と思うようなパフォーマンスができなかった。
 「オールスターから寬仁親王牌と短い期間で(GIに)出させてもらって、自分の走りをすれば結果はついてくると思ってたんですけど。それなりにみなさんに注目してもらって、自分の実力がそういうなかで発揮できなかった。注目されてでも脚力で勝てるような選手になっていきたいって、前場所(寬仁親王牌)で思いました。(直前は競技の)ジャパントラックカップを3日間走ったからこそ、いまはレースを走る体になっている。これで疲労が抜ければ完ぺきに近い状態になるんじゃないかと。(2日目のレースで)1日休めるのはありがたいことだと思います」
 獲得賞金ランク13位(11月20日現在)の守澤太志は、条件つきだが競輪祭準Vでもグランプリ出場の可能性は残されている。大怪我にも見舞われて、今年はここまで不本意だったが、今シリーズは上昇気配。
 「SS班として走らせてもらっている以上、結果を残さないといけないので、1年を通して不甲斐ない成績で悔しいです。首の骨折も治ってますし、体調が悪いとかはない。良くなってきたと思うと、またしっくりこない。うまく立て直せてないっていうのが、僕の実力です。ただ、玉野(防府記念)に関しては良くなってきた。体の使い方を見直して、セッティングも昔よりに戻した」