8レースは吉川誠(写真)が小嶋敬二、石丸寛之らを相手に逃げ切り。番手の高木隆弘に「あれでいいよ」と褒められる会心のレースに。「嬉しい。高木さんにはいつも迷惑を掛けっぱなしだし、何より小嶋さんを相手に逃げ切れたのが一番嬉しい。良い緊張感があったし、南関でワンツースリーまで決まって最高です」と笑顔が絶えない。
9レースは佐藤友和(写真)が昨日敗戦したうっ憤をまくりで晴らす。 「マニュアル通りなら俺の先行だけど、それだと考えやすいでしょ。ホームから沢田(義和)さんが駆けたし、まくりに構えました。敗者戦だし、まくりも出しとかないと、いざという時に出ないから」
11レースは前受けの九州勢が打鐘前先行の平原康多の番手でイン粘り。これを単騎の新田康仁(写真)が上がり10秒9の好ラップで一気にまくり切った。 「イン粘りなんて予想もしてないし、単騎で何の作戦も立ててなかった。ホームで追い上げてやろうかな? とも思ったけど、脚を溜めて正解でしたね。いつでも行ける態勢にしてたし、タイミングも良かった。去年は3日目で帰郷だったけど、今年こそはと仕上げて来てたので良い結果が出て良かった」 新田のまくりに山田裕仁、浜口高彰の岐阜コンビが続いて、ともに一昨年の高松宮記念杯以来となるGI優出を決める。2着に入った山田裕仁(写真)は、「荒井(崇博)が粘れば平原のペースになるから、どうかな? と思ったけど流れが向いてますね。自分で行こうと思ったら、ちょうど新田が行ったので、それに付いて行った。勝ち上がれる時はこんなもんですよ」と淡々とレースを振り返る。 3着の浜口高彰も久々の優出に笑顔が絶えない。 「二人とも(GIの決勝は)久しぶりだからね。山田はホームではいつでも行ける態勢だったし、落ち着いてましたね」 平原康多は新田の切れの前に成す術なし。 「余裕はあったけど出切られたし、タイムが10秒9では…。まあ、やることはやったので仕方ないです」
最終12レースでは山崎芳仁と村上義弘の意地がぶつかりあったが、軍配はカマした山崎に。続いた有坂直樹と北日本ワンツーかに、三番手から手島慶介(写真)が鋭く伸びる。 「今回はあまり調子も良くなかったし、村上君にもからまれたからあんなに伸びるとは思わなかった。作戦は東北勢に全部任せてたし、心中する覚悟でいました」 2着の有坂直樹(写真)は手島の強さに脱帽する。 「引いてすぐ行く作戦だったから、作戦どおり。それにしても山崎はすげぇカマしだったなあ。あれには誰も飛び付けないでしょ。差してワンツーくらいの感じだったのに、手島が来たから。脚あるなあ。強いよ」 豪快なカマシで3着に粘った山崎芳仁も和歌山記念とは別人の動き。 「フレームを元に戻して、流れるから良いですね。今日は村上さんと二分戦だけど、突っ張るつもりはなかった。たとえ手島さんが切り替えても八番手からカマす。元々カマシは自信があるし、あとは村上さんの抵抗がどれだけあるかでした。決勝に乗れたし、体調も悪くないです」 4着で惜しくも優出を逃した三宅伸は、「内に詰まりたくなかったので、山崎のカマシに乗って突っ込む作戦だった。チャンスはあったけど、村上君にからまれたから。それにしても前の三人は強い。バイク? いや台風だったね」と、優出した3人の強さに苦笑い。 逃げた村上義弘も山崎のカマシに屈した。 「今日はがっぷり先行勝負するつもりだった。それでギアを上げたけど、結果裏目に出ましたね。叩かれて引いても仕方ないし、前々にとは思ったけど、最低でも有坂さんのところで合わせたかった。力のなさがはがゆいけど、そのうち出せると思います」