『第48回競輪祭朝日新聞社杯争奪競輪王決定戦(GI)レポート』 最終日編
 
配信日:1月28日



 北九州メディアドームを舞台に開催された今年最初のGI・第48回競輪祭も今日が最終日。優勝賞金2690万円と今年のGP出場権第一号の座を手に入れたのは山崎芳仁だった。レースは逃げる山崎後位で伏見俊昭と手島慶介が併走となり、最終ホームで手島、有坂直樹が落車。これに山田裕仁、浜口高彰まで乗り上げるアクシデントが発生する。外を追い上げていた伏見が山崎に再度ドッキングし、離れながら追った残り三車は追い付かない。逃げる山崎は伏見を振り切り、昨年6月の高松宮記念杯以来となる自身二度目のGI制覇を飾った。
 


決勝戦ダイジェスト

 号砲と同時に大塚健一郎が飛び出して誘導員を追った。大塚後位は多少入れ替わりもあり、隊列が決まったのは2周回を終えたところ。前から三ツ石康洋―大塚―手島慶介―山田裕仁―浜口高彰―山崎芳仁―伏見俊昭―有坂直樹―新田康仁で落ち着いた。
  赤板前のバック過ぎから山崎が上昇を開始。すると手島が山崎後位を狙って伏見の内に車を合わせる。赤板で三ツ石のアウトに車を合わせた山崎に対し、三ツ石もすぐには車を下げない。打鐘前に山崎が誘導員を交わしたところで三ツ石は車を下げる。山崎がペースを上げない為、手島、伏見共に車が外に浮き、山崎に差し込んだ形となってしまう。三番手にいた有坂が必然的に山崎に付ける形になると、手島がアウトから有坂を押し込む。しかし、この時に手島がバランスを崩して落車、有坂も手島に引っ掛かり落車してしまう。これに山田、浜口が追突落車し計4人が落車のアクシデント。アウトに車を外していた伏見は落車に巻き込まれず山崎に付け直した。最終バックは山崎、続いた伏見でもはや2車立てのような態勢。落車を避けた新田、大塚、三ツ石は大きく離れてしまった。ゴール前は山崎と伏見のマッチレースとなったが、山崎が振り切って2度目のタイトルを奪取した。

最終ホーム
ゴール
最終ホーム
ゴール
表彰式
胴上げ
表彰式
胴上げ


<2R>
矢口選手
矢口啓一郎選手
   前半戦は2レースから。このレースは逃げる園田匠を七番手から矢口啓一郎(写真)が豪快にまくり切った。
  「今日は一般戦だから何とかなったけど、今回は初日から反応が悪いですね。力任せで踏んだけど車は出た。やっと勝った感じですね」


<4R>
木村選手
木村貴宏選手
   4レースは斎藤登志信―木村貴宏の80期同期ラインがホームガマシを決めてワンツー決着。勝ったのは番手の木村貴宏(写真)だった。
  「強いよ、斎藤さん。レース前も作戦なんかない、出たとこ勝負だなんて言われてたんだけど。斎藤さん2着ですよね? だったら良かった。在校1位を抜けただけで嬉しいです」


<5R>
坂本選手
坂本勉選手
   5レースは菊地圭尚の先行に乗った坂本勉(写真)が、城戸崎隆史のまくりに合わせて番手まくり。
  「菊地君があんなに行くとは思わなかった。どっちのラインも番手がしっかりしてるし、まくった上を行くほうが面白いんじゃない? なんて言ってたくらいだから。でも、実際レースになったら行く気マンマンだからビックリしました」


<6R>
小嶋選手
小嶋敬二選手
   6レースでは小嶋敬二(写真)が逃げ切りで、きっちり最終日を締めくくった。
  「今回は2日目、3日目と運がなかったけどね。今日は逃げてどれだけのタイムが出せるかを意識してた。まずまずタイムは良かったし、次は運も味方にすれば今年の目標を達成できると思う」



<7R>
 7レースは荒井崇博と金子貴志がホームから主導権争い。これをバックから武井大介が鋭くまくった。
  「金子さんがすごいスピードで来て、その上を荒井さんがまくって行ったから仕掛けるタイミングがなかった。カマせれば良かったんだけど」


<8R>
成田選手
成田和也選手
   8レースでは五十嵐力の番手で成田和也(写真)がイン粘り。神山雄一郎に競り勝つと、直線抜け出す大健闘を見せた。
  「狙ってました。今回は勝ち上がれなかったけど、後半2日間1着が取れて何より。やりたい競走で勝てたし、次に繋がると思います」


<9R>
兵藤選手
兵藤一也選手
   9レースは武田豊樹のカマシ先行に乗った兵藤一也(写真)がゴール前鋭く伸びる。
  「武田さんは前半でものすごい掛かり切ってたし、バックでは三番手の阿部(康雄)さんがしゃくられたのが見えて(抜くタイミングが)難しかった。最後は思ったほど伸びなかったですね」


<10R>
平原選手
平原康多選手
   10レースは佐藤友和が打鐘過ぎからカマシ先行。番手の佐藤慎太郎が快勝かに、離れた中団四番手で北ラインを追った平原康多(写真)が外を強襲する。
  「ファンに『今日一番面白いレースだから頑張れよ』って言われました。でも、やってる方はキツいですよ(苦笑)。なかなか佐藤友君も斬りに来ず、やりあいかな? って思ったけど、良い勢いで来たので出しました。離れた高木(隆弘)さんが良い目標になって、助かりました」
  逃げた佐藤友和は、サバサバとした表情でレースを振り返る。
  「相手が相手だから、中途半端な競走はできないですからね。その中でやれるだけのことはやりました。慎太郎さんが1着じゃないことだけ悔いが残りますけどね」


<11R>
山崎選手
山崎芳仁選手
伏見選手
伏見俊昭選手
新田選手
新田康仁選手
   11レースは注目の決勝戦。このレースは最終ホームで有坂直樹、手島慶介、さらに山田裕仁に浜口高彰までもが落車するアクシデントが発生する。後続が離れ、逃げる山崎芳仁に、追い上げた伏見俊昭のマッチレースになったが、山崎芳仁(写真)が力強く押し切り今年最初のGI覇者となる。
  「前回に続いて逃げ切り優勝っていうのが、僕にとって最高の競走だったと思う。3回GIの決勝に乗って、内2回優勝と確率が良いけど、自分では信じられないですね。今年はこんなに早くタイトルが獲れるとは思ってなかったけど、12月まで一戦一戦気を引き締めて走りたい」
  惜しくも準Vに終わった伏見俊昭(写真)だが、「ドンから(手島と)競りだったから、9着も覚悟で頑張るしかないと思ってました。イチかバチか追い上げたら、ちょうど番手にはまった。展開ですね。サラ脚で抜けなかったら悔やむけど、山崎とワンツーが決まって良かった」と満足げな表情を浮かべる。
  3着には離れながらも新田康仁(写真)が入線した。
  「落車に巻き込まれそうになった時に自転車が壊れてたから、まずは完走だと思ってた。そしたら後ろにピッタリ付けられてるのが分かったので、ニュートラルに入れながら走りました。3位よりも、転ばなかっただけ良かったですよ」
  4着の大塚健一郎は、「落車を避けるので脚が一杯」。5着の三ツ石康洋も、「何もできなかった。ショックがでかいですね」と予想外の展開を悔やんでいた。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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