8レースは新田康仁の番手を奪った紫原政文の後位から、藤野義高(写真)が鋭く伸びて1着を手にした。 「今日は新田君の番手なり三番手なりに飛び付く作戦で、早く行かれてしまったら仕方ないから中団あたりに入るつもりでした。志智(俊夫)君なり誰かが外を来れば内が空いて中を行けるから、早く来ないかなと待っていた。今日は余裕がありましたよ。これで(通算)299勝、やっと300勝にリーチが掛かりましたね」
9レースは新田祐大の番手がもつれる展開となったが、最終的に三番手を確保した西川親幸(写真)が鋭く中割りを決める。 「新田君は突っ張るだろう思って初手はそのラインに付けたけど引いたんで。石毛君も調子は悪くないし、カマすと強いからそっちに切り替えた。前々に位置していたのが良かったね。最後は夢中で踏んだけど2着かと思ったら頭まで行ってしまった感じ。明日は特秀戦だから、この1着は大きいですよ」 石毛克幸は作戦がはまった。 「ラインが3車ならカマシも考えたけど、2車だったから先行は厳しいかなと。前に出てある程度踏んでおけば、新田君の後ろが離れてくるかだろうからそれを狙っていました。思った通りにいきましたね」
11レースは中団を取った井上昌己(写真)が、渡邉一成の巻き返しに合わせて先まくりを放ち快勝。 「レース前、荒井(崇博)さんと自分のどちらかが決勝に乗れるようにと話していたけど、あの展開だったら二人でワンツーが決められた。兵藤さんの動きを見てから仕掛けずに、もうワンテンポ早く踏めばよかったですね。踏んだ感じは良いですよ」 2着には兵藤一也が入ったが、武田豊樹を3着に残せず悔しがる。 「3着は8番(香川雄介)かあ。中団に1番(井上)が入っていたのが分かったんで、まくり追い込み狙いで早めに来ないだろうから最後まで(武田を)抜きに行かなかったんだけどね。井上と荒井の動きは予想できたけど、まさか8番がくるとは予想できなかった。今回は状態が良いし(優勝を)獲るつもりで来ているから決勝も頑張る」 その香川雄介は昨日同様、内を抜けて3着に滑り込んだ。 「2コーナーで苦しいと思ったから、もう内を行くしかなかった。決勝に乗れたのは嬉しいけど、連日恵まれているんで何だか恥ずかしいですね」 渡邉一成は「レースが淡白過ぎましたね。もう少し脚を使わせる展開に持ち込むべきだった。一瞬のキレ勝負に持ち込もうと思っていたんだけど」と悔やむ。
12レースは山崎芳仁(写真)が豪快まくりを決める。レースは絶体絶命の七番手に置かれたが、バックから仕掛けると徐々に番手を上げ、直線で一気に前団をゴボウ抜き。 「(渡部)哲男が踏んだ時点でもうワンポイントの(仕掛けの)レースになりました。村上(義弘)さんは前との車間が空いていたけど、着を度外視することはしないだろうし、徐々に詰めると思っていたから心配はしていなかった。前を見ると失敗するんで、村上さんだけしか見ていなかった。(村上が)行くふりをして内に下りた瞬間か、まくったらすぐその上を行こうと思っていた。連日感じ良く踏めているし、決勝に乗れたからには連覇を狙っていきます」 佐藤慎太郎がマークして2着。山崎の強さを改めて感じた一戦となり「山崎の後輪から煙が出ている感じだった」と驚愕。 「3コーナーを目掛けて行ったから、後ろの二人は山を上って苦しかったけど、そこを越えれば何とかなると思った。最後は内も考えたけど、思いの外山崎が伸びたんでそのまま付いていた。年が変われば流れも変わるもんですね。明日は差します」 渡部哲男に乗った加倉正義(写真)が3着に入り、9年ぶりにGI決勝進出を果たした。 「村上が止まった時点で決まったと思ったけど、まさかあの上を(まくって)来るとは思わなかった。明日は(井上)昌己が勝つレースをしてくれれば自分にもチャンスがあると思う。ここまで来たら決勝も頑張ります」