『第50回競輪祭朝日新聞社杯争奪競輪王決定戦(GI)レポート』 3日目編
 
配信日:1月24日


 第50回競輪祭はいよいよ佳境に入り、三日目の準決勝を迎えた。負け戦も激しいレースに連続となったが、メインを迎える頃には場内は最高潮に盛り上がり無事に全レースが終了。ベストナインが出そろった。
 なお、場内では明日もたくさんのイベントが用意されております。本場来場者20名に1万円が当たる「現金プレゼント」(先着1,000名様に応募券を配布)が、特別ブースで競輪4専門誌(けいりんマガジン、週間レース、日刊プロスポーツ、公営レーシングプレス)による「第50回競輪祭大予想バトル」が行われます。
 また、明日の25日(日)は先着2,000名様に「オリジナル携帯My箸」をプレゼント。SPIRITS of JAPAN 嬢王決定戦(6R発売中)、「DRAGON GATE」in 北九州メディアドーム(12時06分頃から)、大阪「ウエムラパーツ」による自転車関係用品大卸売会(10時00分から)が行われます。
 いよいよ明日は決勝戦。ぜひ本場で生の雰囲気をお楽しみください。



<2R>
 2レースは三日目から補充の杉山剛が思い切って主導権を奪うと、西川親幸が後方からの反撃に合わせて早めに抜け出して1着。
  「ギリギリまで我慢したけど、後ろから来てたし松崎(貴久)君もまくってきたので出ていなとダメだと思った。今日は頑張ってくれた杉山君のおかげです」


<3R>
佐々木則幸選手
佐々木則幸選手
   まだまだ本調子ではない佐々木則幸(写真)だが三日目に意地を見せ、逃げ切りで1勝を手にした。
  「今日はラインが2車だけど、行けるチャンスがきたらカマそうと思っていた。ちょうど園田(匠)君が押さえて自分が駆けるタイミングがきたし、自分の状態を確かめたかったので思い切って出ました。駆けてみて昨日と変わらないけど、先行して1着が取れたのは嬉しいですね」
  バックドン尻の榊枝輝文だったが、3コーナーから内をスルスルと抜け、直線では中を割って2着に強襲。3連単で23万円台の高配当を叩き出した。
  「昨日に続きまた(後方)かよと思った。菊地(圭尚)君も行けないし、斎藤(登志信)さんも内を踏んだから終わったと思ったけど、3コーナーからは外に行ったんでコースが空いた。直線はとにかく突っ込まないとコースが空かないから、思い切って踏んだらたまたま中が空きました」


<4R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   ジャンで金子貴志が叩いて主導権を奪うと濱田浩司、長塚智広は反撃の機会がなく万事休す。最後は加藤慎平(写真)が番手から有利に追い込んで勝ち星を挙げた。
  「あの展開で1着がとれなきゃヤバいでしょう。でも、付いていて余裕はなかったですよ。ギリギリで1着だし、見た目以上に苦しかったですよ」
  巧く三番手に飛び付いた武井大介だったが、最後は伸びを欠いて馬群に沈んだ。
  「巧く三番手を取ったんだけど、最後に山田(敦也)君が内に突っ込んできて接触。後輪が潰れて踏めなくなってしまった。車間を空けてから踏めばよかったけど、そうする余裕がなかった。いい所(加藤の横)まで並んだのに…。悔しいね」


<5R>
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
   5レースは岡部芳幸(写真)が人気に応え、鮮やかなまくりを決めた。「やっと勝てた」とレース後は安どの表情。10月京王閣以来の勝ち星を素直に喜んだ。
  「中井(達郎)に勢いをつけてもらってからと思ったけど、中井は出足が良かったけど伸びを欠いてたので。感じは絶好調に比べてまだまだだし、今日も手こずってやっと勝てた。昨日のレースでモチベーションが下がるところがあったけど、ファンに『まだ始まったばかりだ』と言われて力が入りました」


<6R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   石丸寛之(写真)がSS班の意地を見せ、得意のまくりで新田祐大を一蹴した。
  「前が取れなかったし、最後は伊藤(保文)さんと併走になったからキツかったね。欠場明けで、末の粘りが今ひとつだし、若干重たい感じがする。練習はしっかりとやってきたんだけどね。流れもいまいちだし。赤パンのプレッシャーもあったけど、とにかく1勝がしたかったのでよかった」


<7R>
三宅達也選手
三宅達也選手
   三宅達也(写真)がジャンで押さえると、石毛克幸はイン粘りの作戦に出た。すると三宅が番手のもつれを尻目にマイペースに持ち込み、堂々と逃げ切った。
  「石毛さんが一回引いたから中団争いをするかと思ったら、また来たんで慌てて内を締めた。合志(正臣)君が失格してしまい残念だけど、今まで押さえ先行で10回も勝ったことがないし嬉しいね」
  村上博幸の三番手から阿部康雄が鋭く伸びて2着に食い込んだ。
  「落車を大きくよけて内に下りたときに4番手くらいだった。3着じゃダメだと思って必死で踏みました。抜けないと思ったけど良く伸びましたね」


<8R>
坂本英一選手
坂本英一選手
   8レースは成田和也が予想外の先行策に出て、即席ラインで番手を回った坂本英一(写真)が抜け出した。
  「今日は成田の頑張りに尽きるよ。4分戦だし、順番的に成田が駆ける展開もあると思っていたけど、あんなに積極的に行ってくれるとは。最後は成田を3着以内に残したかったけど、内から来ていたから踏ませてもらいました」


<9R>
 渡部哲男が新田康仁との中団争いをものともせず、外併走から豪快なまくりを決めて圧勝。ライン3人で上位を独占した。
  「外併走? 苦になりましたよ(笑)。中団争いになるだろうし、今日は先行するつもりだったけど吉田(敏洋)くんがけっこう踏んでたので。普通、あの形は飛びますよね。(今年早くも5勝の良い流れが)期間限定じゃないことを祈ります」
  吉田後位の浜口高彰にからまれたが、これを上手くしのいだ小倉竜二が2着をキープ。
  「哲男は(中団争いで)いつ飛ぶんだろうと思ってたら前に踏んで行った。強いですね。浜口さんに飛ばされたら終わりだし上手くしのげたけど、あれで抜くタイミングが取れなかった。抜けたら最高だったけど、しのげたので70点やね」


<10R>
北津留翼選手
北津留翼選手
   北津留翼(写真)がホームから落ち着いて先行態勢に持ち込むと、最後は小野俊之の追い込みを振り切って1着。
  「小野さんがスタートで良い位置を取ってくれたし、巧く作戦を立ててくれた。昨日はスピードが足りなかったから、今日は入念にアップしたら感じが良かった。初日は力を出し切れなかったけど、昨日今日と自分らしいレースができた」
  番手の小野俊之は「翼がよく頑張ってくれたね。今日は翼が一番力を出しやすく、最後までアイツがもつタイミングで仕掛けさせた。別線も多分、まくり追い込みでくるから、早めの先行はキツいでしょう。いつもだったら4コーナーから踏んでしまうんだけど、今日は行かせなかった。今日は翼は気合が入っていたし、お客さんの声援もすごかった」
  三番手から仕掛けた村上義弘と、まくってきた平原康多で激しくつばぜり合いとなり、空いた内を坂上樹大が伸びて3着。初のG1決勝進出を果たしたが、「バックで音がしたんで後ろから、平原か(佐藤)友和が来たと思って村上に教えたけどまだ来ていなかった。自分のせいでタイミングを狂わせてしまい申し分けないことをした」と喜びは半減といったところ。
  村上義弘は「北津留は掛かっていたけど、自分のタイミングではなく無理やり出たから車の進みが悪かった」と悔やんだ。
  平原康多は「村上さんに気持ちで負けました」と一言。


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手 伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   ダイヤモンドレースでは競り負けたが、ギアを4.08に戻した山崎芳仁(写真)が息を吹き返し、七番手から目の覚めるような強烈なまくりを決めた。
  「初手が中団だったら合わせて出て行こうと思ってたし、後ろだったら蓋をして駆ける予定だったけど、前を取らされたから引いてカマシかまくりしかなかった。ギアを戻してスピードに乗るか少し不安があったけど、1着も取れたし問題はない」
  伏見俊昭(写真)はマークが精一杯。
  「久々に連係が決まってよかったよ。あの位置(七番手)になったけど心配はしてなかった。2センターで外に膨れたけど、山崎は全くスピードが落ちなかった。あれは抜けないし、よく付いていった方でしょう」
  3着は山内卓也。前田拓也が荒井崇博をけん制すると、空いた内を突いた。決勝進出を果たしたものの「内を行って申し訳なかった」と終始反省しきり。
  稲垣裕之は先行して4着に沈んだが、力を出し切り納得の様子。
  「マイペースで駆けたし、まくってきたのも見えていた。最善の走りをしたんだから自分に力がないってこと。今日は走っていて楽しかった」
  番手回りの前田拓也は一瞬決勝が見えたが…。
  「荒井は止まったけど、山崎は無理だった。レース前、稲垣は駆けると言ってくれたし、実際チャンスがあったから結果を出したかった」と悔やむ。


<12R>
井上昌己選手
井上昌己選手
   井上昌己(写真)が1着で勝ち上がり、連覇に王手をかけた。レースは目標の菅原晃が武田豊樹にまくられたが、そのラインに俊敏にスイッチし、最後は軽く追い込んだ。
 「今日は晃が『頑張る』と言ってきれたから信頼していた。武田さんが前を取ったから、早く巻き返してくるは思っていたけど良いタイミングできましたね。昨日は少し重たかったけど、セッティングを微調整したら軽くなりました」
 小嶋敬二はまくり不発となったが、山田裕仁が外を鋭く伸びて2着で決勝進出を決めた。
 「今回は決勝に乗っても恥ずかしくないデキだったけど、競輪は調子だけでは勝てないからね。今日は小嶋(敬二)が行けないようなタイムでレースが進んだけど、そんな中でも何とか3着以内に入れたのは良かった。最近は北日本ばかりがG1を獲っているから、明日は中部が獲れるように頑張りたい」
 飯嶋則之は3着に入ったものの「体の状態は問題ないんだけど、渡邉君のまくりを止められなかったし、自分の仕事をしていない。今日は武田さんのおかげです」と言葉少な。
 小嶋敬二は仕掛け所を逸して終わった。
 「一成が行ったタイミングで自分も行きたかったんだけどね。タイミングを逃したと思ったら、今度は昌己に先に行かれてしまったし…」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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