『第52回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 前検日編
 
配信日:12月1日


 明日12月2日から「第52回朝日新聞社杯競輪祭(GI)」が開幕する。開催時期が晩秋に戻り今回が2回目となる。今年は暮れのグランプリ10の出場選手決定に加え、新SS班も決まる重要な大会となった。泣いても笑ってもこの一戦が最後のG1戦。すでにグランプリ出場を決めている選手や、賞金の上積みを狙う選手、ここでの一発に賭ける選手など思いは人それぞれだが、狙うは優勝のみ。各選手は死力を尽くして覇を争う。
 場内ではイベントも盛りだくさん。まずは開催を通して「競輪専門解説者予想会」を実施。予想会終了後に、各専門解説者が予想し購入した車券をプレゼントいたします。また、「コンドル」予想会、 大ギア体験コーナーも行われております。さらに、明日の2日(木)はバンク内にて開会式(1R選手紹介前、9:45頃~)が行われます。こちらもどうぞお楽しみに。


<1R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
   7月豊橋記念を優勝するなど、今年1年でブレークした若手・脇本雄太(写真)が登場する。
 「ドームは今回が2回目だけど、初めて走ったときは良い印象だったんで頑張りたいですね。練習中に落車して、怪我明けの2戦目。左手首の怪我は治ったけど、レースの感覚は完全に取り戻していないんで、それはちょっと心配ですね」
 対する五十嵐力だが、直前に風邪をこじらせ状態にやや不安が残る。
 「一宮から1週間あったけど、風邪を引いてしまって軽めにしか練習ができなかった。風邪はもう治ったけど、脇本君と飯野君は強いし、なかなか厳しいですね」


<2R>
   稲垣裕之は8月の富山記念で落車し骨盤を骨折。今回が復帰2戦目となる。
 「怪我の影響はもうないけど、前回は展開が向いた面もあったし、自分の中ではまだもう少しですね。レース運びも今ひとつだったけど、競輪祭の前に1走しといて良かったですね。福井のあとはしっかり練習ができてるし、少しずつだけど状態は良くなってます」
 武井大介は明日は目標がなく総力戦で挑む。
 「最近は自分で戦ってないんでちょっと不安があるんですけどね。でも、調子は変わらず良いし、流れに応じてうまく立ち回りたい。あまり迷わずにいけば、良い位置を取れると思います」


<3R>
   3レースはバック数で大きく上回る川村晃司が主導権を握るか。
 「今回は近畿が少ないんでラインが2車になるかなと思ってたけど、明日は後ろが九州なんですね。他地区でもラインができるのはありがたいし、いつも通りの競走をします。小倉の成績は良かったり悪かったりだけど、走りやすいですね」


<4R>
田中誠選手
田中誠選手
   金子貴志は前回の一宮記念を優勝し、良い流れで小倉入り。
 「前回の優勝は深谷のおかげです。一宮のあとは地区プロがあって調整程度の練習しかできなかったけど、状態は変わらないと思います。前回優勝できたし、良い感じでここに入れましたね」
 田中誠(写真)は前回の福井を途中欠場しており、不安を抱えての前検入りとなった。
 「前回は準決で飛んで心が折れてしまって(笑)。でも、レースになれば大丈夫です。小倉は今年2回優勝してるし、すごく相性が良いバンクなんで、それを信じて頑張ります」


<5R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎選手
   小倉のエースである園田匠は5レースに登場。今回はSS班入りを賭けて戦う。
 「前回の伊東は最低ノルマが決勝戦だったし、準決は必死でしたね。(SS争いで)良いモチベーションを保ってこれているし、この緊張感も良い。ここのところ配分が詰っているけど、自分はその方が良いんで」
 前を任された菅原晃は「2週間空いたんでしっかり練習できました。感じは良かったし、仕上がってると思います」と気合十分だ。
 対戦する石橋慎太郎(写真)も好調を維持し意気が揚がる。
 「上積み自体はないけど、前回(一宮)は気持ちの面と、脚の感じも良かったですね。二次予選で負けたけど、そのあと2連勝できたし自信になりました。デキは8割か9くらい仕上がってますね」
 藤田竜矢は11月高松、大垣といずれも準優勝しているが、「配分が詰って疲れが溜まってますね。自分は疲れが出ると成績がガタっと落ちるんで、今回はそうならないようにしたい。小倉は成績が良いんで、初戦に集中して勝ち上がりたいですね」


<6R>
木暮安由選手
木暮安由選手
   兵藤一也はSS班入りを目指し今回が勝負駆けとなる。
 「前回もそうだったけど、意識して走るってよりは、一戦一戦やるだけですね。上ではグランプリ争いをしている人もいる訳だし、(SS入りに)意地になってたら笑われてしまうでしょう。大分感じが良くなってきたし、とにかく全力を出し切ることが1番で、あとは結果を待つだけですよ」
 木暮安由(写真)は先輩の兵藤を察し「後ろはSSがかかってますからね」と、やや緊張気味。「小倉は好きなバンクだし、調子は良いんで先行も考えていきます」。
 柴崎俊光は今年1年で大きく成長した一人。今ではG1の舞台でも存在感は大きい。
 「直前に地区プロがあってしばらく競技用のフレームで練習してたけど、練習には変わりがないし、(競輪用のフレームに)違和感はないですよ。昨日も練習した感じは悪くなかったし、良い勝負ができる状態だと思います。でも、まずはG1で1勝したいですね」


<7R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
   7レースは地元地区の九州勢に人気が集まりそうだ。ラインを引っ張るのは松岡貴久(写真)
 「前回の函館記念で脚が落ちている感じがしたんで、石垣島で合宿を組んでしっかり練習してきました。帰ってからはしっかり休養をとってきました。明日は小野(大介)君がどう出るか分からないけど、自分のレースをしっかりやるだけです」
 松岡と連係する大塚健一郎はSS班入りがかかっており、負けられない一戦となる。
 「一宮記念まで配分が詰ってたんでゆっくり休んできました。SS班はどうなるか最後まで分からないし、自分は与えられたレースで頑張るだけですよ。展開が向けばモノにできる脚はあるけど、自分はまず番手の仕事をして、そこからが勝負です」


<8R>
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
   8レースは福島コンビに注目が集まる。アジア大会帰りの新田祐大は好調を宣言する。
 「こっちに帰ってきてからはいつも通り普通に練習してきましたよ。手応えが良かったし、調子はすごく良いですね。競技で練習していることが競輪にもつながっているんだと思います。明日は力を出し切れるようにしっかり走りたいですね」
 佐藤慎太郎(写真)も「計画を立ててやってきました」と、仕上がり十分の様子だが、「今回はフレームとシューズを替えてみました。調子は悪くないけど、今まで以上を求めるんだったら何かするしかないと思って。どっちに転がるか分からないけど、一か八かのセッティングでいきます」と、グランプリ出場に向けて勝負に出る。


<9R>
深谷知広選手
深谷知広選手
   予選のトリを飾るのは輪界の新星深谷知広(写真)だ。
 「直前に地区プロがあったけど、普段の競輪と同じメーカーのもので走ったし違和感はないですね。前回の一宮はしっかり踏めていたし、今回も同じ感じで行ければ大丈夫だと思います。悔いが残らないように、今回は4日間しっかり先行することが目標です」


<10R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
   ここからは特選となり、2日目の「ダイヤモンドレース」進出を賭けて戦う。10レースは成長著しい鈴木謙太郎(写真)が、格上の武田豊樹に挑む。
 「(前回の)福井が終わってから体の芯から疲れていたんで、2日間ゆっくり休んで、1日だけ乗ってきました。あまり練習はできなかったけど、良い感じでできました。明日は(武田豊樹もいて)松阪記念の準決みたいな番組ですね。そのときは2着になったし、そのイメージを思い出して走ります。九州は記念を取ったこともあるし相性が良いところ。小倉も成績が良いんで頑張ります」


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   11レースは激戦区。山崎芳仁(写真)は前回の熊本記念で途中欠場。その後は平、一宮記念を欠場したため、1カ月半分ぶりの実戦となる。
 「熊本のあとも体調を崩してしまい、練習するとすぐに体を壊してしまってと、ずっとその繰り返しだった。だから追い込んだ練習をあまりできなかった。今回も調子が悪いですね」
 坂本亮馬はふくらはぎ筋肉を断裂し一時は当所出場が危ぶまれたが、驚異的な回復力で復帰戦の久留米でいきなり優勝。続く一宮記念で準優勝する超人ぶり。この勢いで念願のG1制覇となるか。
 「怪我をしてからは休んで状態を戻していくか、レースを走って戻していくか悩んだけど、走ってよかったですね。ただ、状態は一宮と変わらない。G1クラスでタテ勝負して勝てるほどではないし。まあ、あの手この手を使えば何とか勝ち上がれるかな」
 中部勢は永井清史―山口幸二の岐阜コンビと、浅井康太が分かれて別戦勝負となった。浅井には今年快進撃を続けた村上博幸が付くことになった。
 「一時は落車で調子を落としたけど、千葉記念くらいから練習がしっかりできるようになったし、その通り成績も良くなってきましたね。前回(一宮)は思ったよりも車が出たし、今回も状態は良い。あとは気持ちと体がかみ合いさえすれば」


<12R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   海老根恵太(写真)は来年のSS班は当確しているが、グランプリ覇者としてここで負ける訳にはいかない。最後の一発に賭け、グランプリの切符を狙う。
 「九州勢に混ぜてもらって、石垣島の合宿に参加させてもらいました。井上昌己、松岡貴久、合志正臣とかたくさんいて良い刺激になりました。暖かいところでやってきたんで仕上がりました。錯覚でなければ良いんですけどね(笑)。今回は(優勝を)獲らないとグランプリに行けないけどプレッシャーはないですよ。リラックスして力を出し切って最後の一発を狙います」
 高松宮記念杯を優勝し、ひと足先にグランプリを決めている平原康多はリラックスムード。余裕を持ってセッティングの最終調整をする。
 「練習のものと微妙にずれていたんで、競走用のものを(練習用と同じに)調整しました。一時はヘルニアが出てしまったけど、少しずつよくなってきたんで。まだ100パーセントではないけど、その辺は気持ちでカバーします」
 小嶋敬二はSS班死守に鼻息が荒い。
 「観音寺の優勝でダービーの特選スタートが見えてきて、そのあとはSS班も可能性が出てきた。結果はどう出るか分からないけど、今の状態ならやれると思うし頑張るだけ」
 神山雄一郎は「とにかく、1レース1レースをしっかり走って、勝ち上がっていかないとね」と、グランプリの権利を賭けて挑む。



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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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