『第52回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 3日目編
 
配信日:12月4日


 「第52回朝日新聞社杯競輪祭(GI)」は後半戦に入り、3日目を迎えた。今日のメインは準決勝。どのレースも死闘が繰り広げられ、激戦を勝ち抜いた決勝の9戦士が出そろった。
 明日はいよいよ決勝戦。この大一番の結果をもって年末のKEIRINグランプリ10の9名と、新SS班が決定いたします。
 場内ではイベントも盛りだくさん。明日も「競輪専門解説者予想会」を実施。予想会終了後に、各専門解説者が予想し購入した車券をプレゼントいたします。また、「コンドル」予想会、大ギア体験コーナーも行われております。さらに、明日5日(日)の最終日は競輪王決定戦出場選手特別紹介、「スピーチーズ」ライブ、ガールズエキジビションレースなどが予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。


<4R>
浅井康太選手
浅井康太選手
   浅井康太(写真)がホームから早めの巻き返しで藤田竜矢をまくり、シリーズ初勝利を挙げた。
 「勝ち上がりには失敗したけど、来年を見え据える意味でも2日目にギアを3.71に落として試してみたけど、あまり感触が良くなかったんで今日は3.85に戻しました。やっぱりこっちの方が車が伸びますね」


<5R>
五十嵐力選手
五十嵐力選手
   5レースは五十嵐力(写真)が柴崎淳の番手にはまる展開となり、追い込んで1着となった。
 「皆が先に動いてくれて、良いタイミングが自分に回ってきましたね。ホームで金成(和幸)君が来てたんで全開で踏んでたし、柴崎君が単独で来ているのも分からなかったけど、巧くはまれましたね。2次予選で負けてしまったけど、2勝できたんで嬉しいですね」
 山田裕仁が離れ、柴崎淳は援軍を失って3着に。
 「思い切りの良さがないというか、最近は先行してないんで出切って一杯になってしまう。先行力が落ちてますね」


<6R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   久しぶりに石丸寛之(写真)に笑顔が戻った。好調時を彷彿とさせるキレの良いまくりで快勝。意気揚々と検車場に姿を現す。
 「こうやって頭を取れているんで調子は上がってきてるんですよね。展開がはまれば勝てるんだけど、そこに持っていくのが下手くそなんで…。G1での1着はいつ以来だろう? これが連発するようになれば本物ですね。でも実質SS班の佐藤友和をまくれたんだから、少しは自信になりました」


<7R>
木暮安由選手
木暮安由選手
   木暮安由(写真)が厳しい展開をしのいで稲村成浩とワンツーを決めた。
 「良かった。今日は稲村さんのおかげですね。4コーナーで岩津さんに持って来られて危なかったけど、最後まで諦めずに踏みました」
 稲村成浩も「木暮がまだ踏んでいたから抜きに行くタイミングを待った。変に早く踏むと後ろを引き連れちゃうからね。最高の形で決まって良かった」と応じる。


<8R>
兵藤一也選手
兵藤一也選手
   イン粘りした神山拓弥の後ろから兵藤一也(写真)が意地の追い込みで1着。SS班入りへ、わずかながら望みをつないだ。
 「粘るのは作戦の一つだった。拓弥は一旦引いといてうまく3番手にいったし、センスがあるし強いよ。(SS班は)明日走ってみないと分からないからね。自分は明日も精一杯やるだけ」
 先行した永井清史が2着に粘る。
 「すんなり駆けられたし、今日が1番軽かったですね。車輪を柔らかいものから硬いのに替えて感じがよかったですね。明日もうひと頑張りします」


<9R>
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
   坂本亮馬が思い切ったレースを見せた。栗田雅也が押さえたところを、ホームからカマして先行。最後は加倉正義が有利に追い込んだ。
 「今日は初手で中団にいて、押さえてラインを叩く作戦でした。踏み出しで怪しい感じがして口が空いたけど、そのあとは対処できたし1着が取れたんでね。亮馬が強かったし、踏み出した瞬間に行ってしまうと思いました」
 坂本亮馬(写真)は交わされ2着も、力を出し切り満足げ。
 「今日は思い切って行くつもりだったし、作戦通りにいきましたね。仕掛けてすぐに行けると思ったし、余裕がありましたね」


<10R>
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
   準決勝に入り、レース前の選手の緊張はさらに高まった。10レースは武田豊樹がジャンで叩いて先頭に立つと、小嶋敬二も巻き返して併走状態に。隊列が短くなったところを、新田祐大が会心のまくりを決めて決勝1番乗り。
 「初手は本当は中団が良かったけど後ろになってしまったんで、後ろから一旦押さえてから様子を見ました。小嶋さんが引いてきたらヤバかったですね。前が波を作って小嶋さんが行けない感じになってたから、これはチャンスかなと。決勝に乗れて嬉しい」
 マークした岡部芳幸(写真)が2着に流れ込み決勝進出。
 「今日はレースをかき回すのは武田だから、武田の動きを利用する作戦だった。残り1周で小嶋も絶対に仕掛けるから、チャンスはあると。その通りになったけど、菅原のところを乗り越えるときがキツかったね。自分は3日間、後輩が頑張ってくれたおかげで決勝に乗れた。決勝も謙虚にいきます」
 山口幸二は7着に敗れた。「小嶋はやるだけやってくれたし、気持ちが伝わってきた。頑張ってくれての結果なんで仕方ない」と肩を落とした。GP出場は他選手の結果待ちとなった。


<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   川村晃司の先行に乗って準決勝を1着でクリアした村上義弘(写真)。だが、その顔は険しい。
 「何とか勝てたけど、僕には(番手を回る)技量が足りないですね。この先、もっと強烈な先行屋が出てきたら、博幸や市田が番手になるかもしれない。そういう意味でも自分に残されたチャンスはそうないと思うし、決勝戦ではとにかく勝ちに行きたい」
 駆けた川村晃司は清々しい表情だ。
 「最低限、自分の仕事はできたと思います。もちろん残れるように駆けたけどまだまだですね。今度は一緒に(決勝戦に)乗れるよう頑張りたい」
 山口富生は笑いが止まらない。SS班入りも視野に入り、俄然、眼光に鋭さが甦ってきた。
 「僕の位置はかぶってしまう可能性も高いし、後方から脚を溜めて突っ込んでくる選手に交わされるパターンも多いから、最後までヒヤヒヤしてました。色んな意味で大きい決勝戦ですね。ここまで来たら頑張りたい」
 不発に終わった山崎芳仁は「村上さんが番手から出るのか見てしまったのが…。松岡がレースをかき混ぜるのを待つ形になってしまった」と言葉少ない。


<12R>
深谷知広選手
深谷知広選手
   超新星・深谷知広(写真)がついに大仕事をやってのけた。G1準決勝を逃げ切りで突破。ゴール後は思わずガッツポーズが飛び出した。
 「お客さんの声援も大きかったですね。そのおかげで逃げ切れました。今日は良い感じで駆けられましたね。とにかく今日は主導権を取りたかった。向こう(北日本勢)に逃げられると、伏見さんが車間を空けて牽制してくるだろうから、かなりやりにくくなったと思う。まだ(決勝に乗ったという)実感はあまりないけど、しっかり先行して力を出し切りたいですね。たくさんの人が自分に期待してくれているのは感じるので、その気持ちに応えたい」
 村上博幸は2着での優参。直線で伸びを欠いたが「3コーナーでスリップしてバランスを崩してしまった。あれで硬くなっちゃいましたね」と理由を説明する。
 3着で入線した海老根恵太はしばし茫然自失。
 「すんなりでまくれないんだから格好悪いですよね。まくれない感じはないんだけど、踏んだら出なかった。深谷は強いですね。でも後ろが14枚のギアがしっくり来ないんで、(まくれなかったのは)そのせいにしておきますよ(笑)。明日は4回転で一発狙います」
 鈴木謙太郎は悔しさを隠せない。深谷知広との対決は全く見せ場を作れなかった。
 「今日はわがままを言って、自分が一番得意なカマシで勝負するつもりだった。脚も今日が一番軽かった。打鐘過ぎに仕掛けを迷い、その後も1コーナーでためらってしまった。初めて深谷に完敗しました。悔しいですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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