『第54回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 前検日編

配信日:11月28日
 いよいよ明日から小倉競輪場で第54回競輪祭が開幕する。これが今年最後のG1戦。そして今大会で年末のグランプリに出場する9選手が決定する。賞金争いの渦中にいる選手は、みな気合い十分。明日から始まるグランプリをかけた戦いに注目だ。
 本場ではさまざまなイベントで開催を盛り上げます。明日は175R【SHOGO】ライブ &トークショー(4Fステージにて5R、10R発売中)や吉岡稔真 & 津田三七子トークショー(4Fステージにて7R発売中)、健太康太ライブ(4Fステージにて3R、6R発売中)などが予定されています。明日から始まる競輪祭をぜひ本場でお楽しみください。
<1R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 1R、1番車で登場するのは新田康仁(写真)。今年中盤に膝を手術してからは、G1戦線でも大活躍。今年最終戦でもオープニングレースに抜擢された。
 「落車のケガの方はもう大丈夫。前回は地元で気合が入っていたんですが、外国勢にうまくやられました。終わってから練習はしてきたし、感じは良かったです。G1はどこに入っても周りが強いですからね。出し惜しみせずに力を出し切る競走をします」
 中村一将はオールスターの落車から2カ月以上ぶりの実戦。それでも稲毛健太という頼もしい目標を得た。
 「オールスターの落車で肋骨5本に鎖骨も折れた。1カ月弱練習してきたけど、なかなかですね。簡単にはいかないなって感じです。でも稲毛君が頑張ってくれるだろうし、僕も何とか頑張りたい」

<2R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 オリンピック出場後は1着量産中の中川誠一郎(写真)。今回も「今まででは一番良い感じで入ってる」と胸を張る。
 「楽しみは楽しみだけど、G1はメンバーがいいですからね。今までG1では結果を出せてないけど、今回は何とか勝ち上がりたい。明日も1着より勝ち上がりを意識して、大事にいきたい」
 合志正臣は熊本記念決勝以来となる中川の番手回り。
 「前回の決勝は久々に中割りしたけど、すごい下手になってましたね。練習でも荒井(崇博)や(井上)昌己に千切れた。正直、よくはないけど、精一杯頑張ります」

<3R>
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
 大塚健一郎(写真)は10場所の着外がわずかに3回と安定感抜群。注目の初日は稲垣裕之マークを選択した。
 「セッティングは岸和田記念から微調整だけ。前回、防府の2日目も感じが良かったので、寛仁親王牌の次くらいには合ってると思う。(菅原)晃も大分にいたのでドーム合宿には行かず、地元でいつもどおり仕上げてきました」
 直前にワールドカップに参戦した新田祐大は1カ月ぶりの実戦。
 「疲れもないし、レース間隔が空いたのも大丈夫です。小倉も悪いイメージはないですね」

<4R>
 小野俊之はメンバーを見るなり「何も考えんでいいですね」とニッコリ。
  小野、小倉竜二と実力者に任された菅原晃は「汗が出てきました」と苦笑いする。
 「取手記念のあとは休養と練習。ドームは軽いので合宿には参加せず、別府の爆風のなかで練習して来ました。状態もいいと思います」
 先行力では飯野祐太も負けてはいない。
 「地元の平が終わったあとに体調を崩して、前回の岐阜は全然ダメでした。そのあとは普通に練習できたし、状態は戻りました。ずっとギアは4回転でしたが、今回は4.15に上げます。このギアはまだ1回しか使ったことがありません。G1はみんな上げているし、このギアで勝負します」
 2カ月の欠場明けとなる五十嵐力は「寛仁親王牌のあとに股のできものを取って、今回も別のところにできたのを取るために入院、手術した。自転車にも2週間しか乗れてないので」と表情は浮かない。

<5R>
金子貴志選手
金子貴志選手
 金子貴志(写真)は近況好調。F1戦とはいえ、連覇で競輪祭に乗り込んできた。
 「3場所前の広島からフレームを変えて、ギアを4.25にした。今は流れもいいと思います。前回(京王閣)の状態で入れたらよかったけどね。ドームではまた違うと思うけど、頑張りたいですね」

<6R>
園田匠選手
園田匠選手
 園田匠(写真)は今大会唯一の小倉ホームの選手。地元の代表として、まずは1次予選を突破したい。
 「成績がついてきてないけど、状態はいいですよ。最近は1着がないし、溜まってるものをそろそろ出したいですね。ここのためにやってきてるんだし、気合いも入ってます。卓仁とは前橋(オールスター)でもワンツーが決まってます」
 吉本卓仁は2次予選で敗れた前回の松阪記念をこう振り返る。
 「久留米のあとに体調を崩して、治ってから詰めてやったら前半はダメだった。3日目からは感じも良かったし、今回も思い切って頑張ります」

<7R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
 矢口啓一郎(写真)は神山雄一郎、中村淳の前回り。初日から責任重大な位置を任された。
 「取手記念のあとも普通にやってきたし、状態は大丈夫。こういう番組を組んでくれるのは嬉しいですね。どんなレースができるかでシリーズの流れが大きく変わると思う。明日が大事ですね」
 神山雄一郎は予選スタートにも明るい表情。
 「何年か前にもあったと思うし、競輪祭の予選はけっこうありますよ。状態はだいぶいいですね。練習の感じはほんとに良かったです」

<8R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)は現在賞金ランク10位。いよいよ明日からグランプリ出場をかけた戦いが始まる。
 「みんなプレッシャーをかけるから(苦笑)。今年は全日本選抜もないし、去年よりし烈な争いだと思う。直前に向日町で合宿したけど、調子的には悪くないと思う。油断するとダメだし、頑張りたいですね」
 南修二が脇本を援護する。
 「前回の初日に落車したけど、ケガは擦過傷もほとんどなく、無傷に近かったです。変わらずいい状態で来れたと思います。明日は脇本がいますからね。強いから信頼しています。しっかり付いていけば、たぶん大丈夫でしょう」

<9R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 予選のメーンを任されたのは山崎芳仁(写真)。2カ月ぶりの実戦となった前回の松阪記念では最終日の1勝のみに終わったが、グランプリへ向け、そろそろエンジン全開といきたいところだ。
 「うまくモガキでやってこれたと思います。オールスターと前回使ってたフレームは人の後ろだといいけど、自力のときは進まなくて…。だから、今回からフレームを戻します。あとは気持ちでやるだけですね」
 佐藤慎太郎は「スピード出てたよ」と直前の山崎をこう評価すると、自身の話を始めた。
 「ダービー特選がかかってるから追加(で熊本F1)に行ったりばたばたしてここになった。本当はここに絞ればいいんでしょうけどね。でももちろん優勝を狙ってるので。まずは目の前の一走が大事ですね」
 川村晃司は前回の完全Vで自信を深めた様子。
 「いきなり山崎君とは厳しいけど、仕方ないですね。どーんと構えてくれたらいいんだけど。前回は調整なしで行ったのに、3連勝できて自信になった。結果、内容ともによかったですね」

<10R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 賞金ランクで7位にいる村上義弘は安全圏にいるが、妥協を許さない性格だけに、あくまで今回も勝ちにこだわる。
 「優勝を狙うためにここにきてるんで。勝つことが理想だけど、今回は賞金でまた違うプレッシャーがありますね。千葉記念が終わってから練習をしたけど、前回(松阪記念)は調子はあまりよくなかった。でも、一週間くらいあったんでしっかり強めにやってきました」
 伏見俊昭はグランプリ出場には優勝するのみ。今回は最後の勝負駆けだ。
 「練習はもちろん、モチベーションも、調整はスケジュール通りできました。毎年勝負と思ってるけど、SSを維持したいですね。今年は鳴かず飛ばずだったんで、今回は優勝しかないけど、しっかり集中していきます」
 一方、佐藤友和(写真)はすでにグランプリ出場を決めており、余裕の様子で検車場入り。だた気掛かりなのは、約1か月ぶりの実戦ということだけだ。
 「取手の前検日にギックリになって、松阪も欠場しました。でも、3日くらいで治ったし、その後はしっかり練習ができました。人と走ってないんで元通り戻ったのかは分からないけど、とにかく一生懸命やるだけです」

<11R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 賞金ランク11位の渡邉一成(写真)だが、あくまでマイペース。
 「特に意識はしてないです。GPはタイトルを獲って出るものだと思ってるし、今回も自分の力を信じて走ってその結果ですね。前回のあとは前半しっかり練習して、後半はゆっくりしてきた。あとはタイミングと展開だし、1走1走頑張りたいですね」
 渡邉の前には4回転を新たな武器に加えた深谷知広が立ちはだかる。
 「大垣記念から4倍のギアを使い始めて、なんとか戦えそうな手応えをつかんだので、それの練習を普通にしてきました。練習の感じも悪くないので、それをしっかり出せればいいと思います。小倉は風がないので、力をしっかり出し切れれば良い結果が出ると思います」
 井上昌己は9月千葉F1の鎖骨骨折から今回が復帰戦となる。
 「練習は1カ月くらいやってきました。ほんとは1本走って競輪祭に行きたかったけど、前回の別府はまだキツかったので欠場した。練習の感じは普通でした。まずは1本走ってみてですね」

<12R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 岡田征陽(写真)は賞金ランク8位。悲願の地元グランプリ出場へ今回が最終決戦。初日は武田豊樹の番手という絶好位が巡ってきた。
 「賞金を意識してないと言えば嘘。でも頑張ればおのずと結果は出るだろうし、平常心で走ります。ドキドキしてるけど楽しみのほうが大きいですね。ここに向けて仕上げてきたし、状態も上向きできてる。小倉は好きなバンクだし、10月に来てシュミレーションもできてます」
 賞金ランク12位の岩津裕介もグランプリへ十分に可能性を残している。
 「状態に不安はないですね。地区的に2次予選に回るとキツい。僕は初日から勝負だし、頑張りますよ」
 浅井康太は松阪記念で完全優勝。2日目から使った4回転のギアが連日火を噴いた。
 「4回転を初めて使ってみて、軽かったというのが印象ですね。今回しっかり走ればグランプリ(に出られる)。(賞金ランクは)そこまで考えてないです」
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