『第54回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 2日目編

配信日:11月30日
 「第54回 朝日新聞社杯競輪祭(G1)」は2日目。今日は「ダイヤモンドレース」をメーンに2次予選6個レースで準決勝への生き残りをかけた戦いが繰り広げられた。「ダイヤモンドレース」は単騎の浅井康太が人気に応えて快勝。準決勝へ弾みをつけた。2次予選では賞金ランク上位につける岡田征陽、脇本雄太らが敗退。暮れのGP争いがますますし烈になってきた。
 明日の吉本お笑いステージin競輪祭にはなだぎ武が登場(5R、10R発売中)。さらに片山右京&吉岡稔真のF1トークショー(8R発売中)や成田栞ライブ(7R発売中)、ホテルニュータガワ杯ちゃりんこGP'12(予選9:50分頃~、決勝3R発売中)などのイベントが予定されています。明日もぜひ小倉競輪場へご来場ください。
競輪専門解説者予想会
競輪専門解説者予想会
双子デュオ 健太康太 ライブ
双子デュオ 健太康太 ライブ
日本名輪会トークショー&写真撮影会
日本名輪会トークショー&写真撮影会
ダイヤモンドレース レース経過
 号砲で成田和也が飛び出す。隊列は藤木裕―成田、平原康多―後閑信一、浅井康太、芦澤大輔―長塚智広、神山拓弥―飯嶋則之で落ち着き、周回を重ねた。
 赤板手前から神山が上昇を始めると、これに茨城コンビも切り替えて続く。そのまま前団まで上がった神山は打鐘前2角から誘導を交わして前に出る。押さえられた藤木は中団5番手まで下げて平原と併走に、平原はためらうことなく2センターから踏み込んで前団に襲い掛かる。最終ホームでは神山を叩いた平原が先行態勢。平原には後閑―浅井と続き、4番手は神山が確保、6番手芦澤で、藤木は成田にも捨てられて早々に圏外へと去った。しかし、レースは完全に平原のペースとなって、後続からの反撃はなし。最後は、絶好の3番手から2センターで踏み出した浅井と粘る平原後位から抜け出した後閑のゴール前勝負となるが、僅かに浅井が伸び勝った。


ゴール
ゴール
表彰式
表彰式
<1R>
南修二選手
南修二選手
 残り1周は稲垣裕之と岩本俊介でモガキ合い。岩本が出切ったが、番手に入った稲垣がバックから再度前に出ると、離れながらも追った南修二(写真)がゴール前で捕らえた。
 「何とかっすね、ほんまに。ピタッと付いて行ければ苦しむことはなかったけど。追いつくまでは必死だったし、2センターくらいから楽になった。また(ラインに)迷惑をかけるかと思ったけど、よかったです」
 稲垣裕之は2着に。
 「(岩本に)気づくのがワンテンポ遅れたし、余裕を持って後ろを見れてればよかった。調子自体は悪くないんですけどね。まだ4倍のギアをものにできてないです」

<2R>
小倉竜二選手
小倉竜二選手
 稲毛健太が果敢に主導権を握ると、三宅達也のまくりに合わせて加藤慎平が番手発進。三宅のまくりは不発に終わったが、その後位から小倉竜二(写真)が伸びた。
 「(3日目で)帰郷にならなくてよかった。達也が頑張ってくれました。(山内)卓也とからんで危なかったけど、乗り切れてよかったです」
 番手から出た加藤慎平が2着に。
 「稲毛があんだけ行ってくれてるし、(気持ちに応えるには)出るしかないと思った。状態より、レースで体が動いてるのが大きいね」

<3R>
志智俊夫選手
志智俊夫選手
 3レースは逃げた柴崎淳の番手から、志智俊夫(写真)が追い込んで勝利した。
 「今日は柴崎君のおかげ。うまく中団争いをしながら、良いタイミングで行ってくれましたね。最後は(山口)富生さんに抜かれたと思ったけど勝ててよかった」
 山口富生は中割りを狙ったが、志智を交わせず2着。
 「初日9着だから、今日は1着じゃないと特選にはいけないんで。思い切り踏んだけどダメだったね」
 北津留翼は中団からまくり追い込んだが、思いのほか車が伸びず3着に。
 「前が掛かってたし、バックでこれは今出るとヤバいと思ったんで一回休みました。仕掛けたけど、出なかったですね。でも、後方にはならなかったってことは状態は良いんだと思う。調整してまた明日頑張ります」

<4R>
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 4レースは新田祐大がホームから巻き返して出ると、バックで逃げる松坂洋平を捕えた。最後は佐藤慎太郎(写真)が直線で追い込んで1着を手にした。
 「余裕はあったけど、今日は付いてただけなんでね。いつもこういう展開だといいんだけどね(笑)。とりあえず、これで4日間走れるんでホッとしました。3日で帰郷じゃカッコ付かないでしょう」
 新田祐大が2着に入り福島でワンツーフィニッシュ。
 「6番(佐藤成人)が切り替えずにいてくれたのは大きかったけど、逆に迷惑を掛けてしまった。今日は先行しようと思ってたんで」

<5R>
 前受けから下げた山崎芳仁が打鐘過ぎから一気に叩いて主導権。別線の巻き返しを封じると、番手の内藤宣彦が絶好の展開を生かした。
 「(レース前に)山崎が先行したいと言ってた。僕はまくりでいいと伝えたし、そのために前を取ったけど、先行できる展開になったからね。山崎も2着に残ったし、今日は恵まれました」
 逃げた山崎芳仁は何とか2着に粘った。
 「もう少しでズブズブまで行くところでしたね。かからなくて、バックからまたケツを上げて踏んだ。あと2日、グランプリへ脚を上げて帰らなきゃ」

<6R>
柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
 ここからは2次予選。最終主導権を握ったかに見えた九州トリオを吉田敏洋が一気に叩いて主導権を奪うと、乗った柴崎俊光が連勝で準決勝進出を決めた。
 「敏洋さんは1回行きかけて、そこからもう1回踏んで行った。すげぇなと思いました。敏洋さんのおかげですね。最後は小野さんにいいのをもらって焦ってしまった。連日、展開に恵まれすぎて怖いです」
 3番手で追った吉本卓仁後位から中を割った小野俊之が2着。昨日の特選のアクシデントで2次予選に繰り上がったツキをしっかりと生かした。
 「一度は勝ち上がりに失敗した身だし、気楽に走れた。今日は西川さんのおかげですね。初手で前から2番目が取れたので僕は恵まれた。持ってる? もっと言ってください(笑)」
 小野に続いた西川親幸が直線伸びて吉田との3着争いを制した。
 「自分でもビックリ。前の2人が頑張ってくれました。連日、ギアの分伸びてるし、ペースが上がってからも楽。最後のもうひと伸びが違うね」

<7R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
 人気を集めた福井コンビの勝ち上がりを阻んだのは、単騎の海老根恵太(写真)だった。矢口啓一郎のまくりに乗ると、大外を一気に突き抜けた。引き揚げてくると、「久しぶりに囲まれました」と大勢の記者を前に照れ笑い。4.08に上げたギアも展開にピタリとはまった。
 「1人だし、6番車だったしね。でも矢口にうまくスピードをもらえたんで。脇本もかかってたので、マズイかなと思ったけど、(競輪祭との)相性のみですね」
 まくった矢口啓一郎も2着で準決勝進出を決めた。
 「どこまで行けるかなと思ったけど、よく伸びてくれました。番手は市田(佳寿浩)さんだったし、コーナーを我慢して直線勝負だと思ってた。もっとけん制されるかと思ったけど、耐えられましたね。体調は昨日よりいいですね」
 脇本雄太は惜しくも4着。
 「自分では昨日以上にかかってたと思う。自分のレースはできてるし、仕方ないですね」とレースを振り返ったが、これでGP出場は絶望的となった。

<8R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 打鐘過ぎから飯野祐太、阿竹智史で踏み合いになると、飯野の番手に阿竹がすっぽり。川村晃司がこの展開を逃さずホームから仕掛けると、後続を一気に引き離す。最後は番手の村上義弘(写真)が抜け出した。
 「今日は川村が強かった。疲れを取って、また明日頑張ります」
 川村晃司も村上とワンツーの結果に満足げだ。
 「連日、展開に恵まれてますね。ラインで決めようと思ってたし、ワンツー決まってよかったです。状態も問題ないと思います」
 飯野の番手から京都コンビを追った阿竹智史が3着で準決勝に。
 「レース前は全然策が思いつかなかった。とりあえず飯野がどこまで来るかと思ったら、引くのも遅れた。でも(京都コンビの)3番手がおらんと思って追いかけたら、何とか出れたんで。もうフラフラですよ」

<9R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 金子貴志が最終ホームから踏み上げると、渡邉一成(写真)は前団と大きく離れた7番手に置かれてしまう。先に中団の松岡貴久が仕掛けると、最後は脅威のスピードで外を強襲。上がりタイムは10秒5でバンクレコードに並んだ。
 「上がりは別に気にしてない。結果が全てなので。松岡が動かなければ自分で踏んだけど、金子さんもかかってたので松岡の仕掛けを見てからと思った。体は動いてるけど、展開次第(のレース)になってますね」
 先まくりを打った松岡貴久は怪我による欠場明け初戦とは思えないスピードを見せた。
 「金子さんのダッシュがはんぱなくて、空きすぎたから追いつきざまに行っただけ。後ろも合志(正臣)さんだったしね」
 渡邉マークの伏見俊昭は何とか3着に入り、準決勝へ。
 「首の皮一枚つながりましたね。これで(優勝確率が)27分の1になりました。まさか初手から山口(貴弘)君が来るとは思わなかった。あれで気合いも入ったけど、何とかよかったです」

<10R>
山口幸二選手
山口幸二選手
 菅原晃、桐山敬太郎の順で動いた上を小嶋敬二が叩いて先行。番手の山口幸二(写真)がゴール前できっちり捕らえた。
 「最近は結果が出てないなか準決まで行けたのは嬉しいですね。駆けてるのが小嶋だし、桐山も遅めに仕掛ければ準決勝に乗れる。全てが僕らに向いたね」
 小嶋敬二は「疲れた…」と口にしながらも、力強い逃げを打った。
 「バックではまくられるような感じじゃなかった。幸二さんだし、差されたのはしょうがないね。あとは明日。明日頑張らないと意味がないから」
 武井大介、園田匠の強襲をしのいだ桐山敬太郎が3着に食い込んだ。
 「(中部ラインが)もう一車いれば番手も考えたけど、菅原さんも来るかもしれないので引きました。飛びつくのにけっこう脚を使いましたね。(3番手から動けずに)情けない」

<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 苦しい展開をしのいだ武田豊樹(写真)が神山雄一郎とワンツー。圧倒的な人気に応えて、安どの笑みを浮かべた。
 「新田(康仁)君や中川君もいるのに、あんな人気になるとは思わなかった。厳しいメンバーだったけど、今日を乗り切れたら少しは楽になれるかなと。(去年は決勝でタイヤ差敗れたリベンジと聞かれ)まだそこまでの気力がわいてこないけど、また明日頑張ります」
 神山雄一郎もとにかく武田マークに専念した。
 「このメンバーでここまでの支持率だったからヤバイなと思った。ホームでキツかったし、必死ですよ。(オッズを見て)離れられないと思った」
 中川のカマシに乗った荒井崇博は、「自分のせいで誠一郎が負けた。仕事ができなかった…」
 中川誠一郎も「今日はやったと思ったんですけどね。松岡(健介)さんの巻き返しが早くて、合わせたら最後のもう一足を残せなかった。なかなか(準決勝に)乗せてくれないですね」と悔しさをあらわにした。
<12R>
後閑信一選手
後閑信一選手
 「ダイヤモンドレース」は細切れ戦。単騎でも人気は浅井康太に集まった。その浅井はホームガマシの平原康多ライン3番手に続くと、2センターからまくり気味に追い込んで後閑信一との伸び比べを制した。
 「人気に応えられるようなレースをしようと思ってたので、しっかり展開も読めたかな。(勝つためには)早めには行けないと思った。準決勝も平原さんと一緒だし、動きのいい桐山(敬太郎)さんもいる。行けるところで行くけど、あとは運ですね」
 2着の後閑信一(写真)は悔しそうにレースを振り返る。
 「俺は康多を残そうと思って、浅井を見てから行ったので。先に踏めば面白かった。残念ですね」
 カマした平原康多は「後閑さんに勝って欲しかったけど、あれじゃ浅井が来ちゃいますよね。でも戦える状態にはあると思う」。本当の勝負は明日。浅井と再戦する準決勝へ視線を移した。
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