『第55回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 最終日編

配信日:12月1日
 北九州メディアドーム・小倉競輪場を舞台に開催されていた第55回朝日新聞社杯「競輪祭(G1)」は、最終日の12月1日の決勝で4日間シリーズの激闘に幕を下ろした。同時に年末の「KEIRINグランプリ2013(GP)」(立川競輪場12月30日)のラストシートを巡る争いにも終止符が打たれ、獲得賞金で浅井康太(同ランク9位)が滑り込みを決めた。今年最後のG1を締めくくるのにふさわしい豪華メンバーによって争われた決勝は、最終ホーム手前から深谷知広がカマして主導権。直線で金子貴志が、余裕を持って追い込み優勝。7月の寬仁親王牌に続く2度目のタイトルも、弟子の深谷とのワンツーだった。

「仮面ライダー鎧武」キャラクターショー
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池田彩のアニうたLIVE
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決勝戦出場選手を子供達がエスコート
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矢野光世選手と小林優香生徒エキシビジョンレース
矢野光世選手と小林優香生徒
エキシビジョンレース
決勝戦 レース経過
 号砲で内枠の3車が飛び出して位置取り争い。新田祐大が正攻法を確保すると、新田―岩津裕介―深谷知広―金子貴志―平原康多―長塚智広―神山雄一郎―藤木裕―大塚健一郎の並びで周回を重ねる。
 残り3周、青板ホームから早々と藤木がアクションを起こす。2コーナーで正攻法の新田に並びかけるが、新田もなかなか車を下げず、併走は赤板過ぎまで続く。内に詰まることを嫌った深谷はバックで8番手に下げると、赤板の1コーナー過ぎでようやく新田も下げて3番手。ここでようやく隊列は一本棒に戻る。打鐘に合わせて5番手から平原が仕掛けるが、新田も3番手からこれに応戦。さらに藤木も踏み込む。4コーナーで新田が出切ったが、番手は岩津が離れ、後ろは内に藤木、外で平原の併走に。気づいた新田がスピードを緩めると、そこをホームから一気に愛知コンビがカマして出る。ライン2車で出切った3番手には新田が。4番手の藤木はバックからまくり上げたが新田の外で一杯に。深谷の仕掛けで絶好となった金子が粘る深谷を捕らえて今年2度目のG1制覇。藤木後位から内々を突いた大塚が直線鋭く迫るが、深谷がタイヤ差しのいで2着。見事に師弟ワンツーを決めた。

ゴール
ゴール
表彰式
表彰式
胴上げ
胴上げ
<1R>
飯野祐太選手
飯野祐太選手
 前受けの濱田浩司が萩原孝之を打鐘で突っ張って踏み合いに。ロングまくりで前団を豪快に飲み込んだ飯野祐太を内藤宣彦がゴール前できっちりとらえた。
「やっと勝てました。4カ月半ぶりですね。今日は飯野君が頑張ってくれたおかげ。きつかったけどよかったです。すべてが悪かったんですが、これで流れが変わってくれればいいですね。もっと練習して頑張ります」
 飯野祐太(写真)が2着で北日本ワンツー決着となった。
「今日は展開1本ですね。前がもがき合ってくれて恵まれました。仕掛けはワンテンポ遅かったですね。バックからタレてきている感じだったし、感触はいまひとつでした」

<2R>
牛山貴広選手
牛山貴広選手
 阿竹智史が打鐘で佐藤朋也を突っ張って先行。難なく3番手をキープした牛山貴広(写真)が最終2コーナーから力強くまくって快勝した。
「阿竹さんが突っ張って流れが良かったです。振り返ってみると仕掛けはツーテンポぐらい遅かったかな。でも、十文字(貴信)さんとのワンツーが決まって良かったです。2日目、3日目は練習仲間の芦澤(大輔)に任せた結果だから納得しています。次もしっかり頑張ります」
 十文字貴信が牛山にしぶとく食い下がって茨城ワンツー決着となった。
「展開が向きましたね。牛山君が本当に強かったです。ワンツーが決まってうれしい。体調に不安もあったんですが、付いていけて自信になりました」

<3R>
林雄一選手
林雄一選手
 小埜正義のカマシ先行に乗った林雄一(写真)が直線でズブリ。シリーズを連勝で締めくくった。
「小埜君が頑張ってくれたおかげ。自分はうまくブロックできるタイプではないので、車間をなるべく空けて、別線のまくりに対応しようと思いました。余裕はあったし、脚はだいぶ戻ってきたと思います。これからが楽しみです」
 伏兵の池田良が2着に突っ込み、高配当を演出した。
「田中(誠)さんがいい位置を取ってくれたおかげです。脚に余裕はあったし、うまく突っ込めました。次につながる走りができたと思います」

<4R>
山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 打鐘で前へ前と踏んだ山賀雅仁(写真)は、最終的に5番手の中団をキープ。前の坂本亮馬にも惑わされることなく、最終2コーナーでまくりを敢行。逃げる原田研太朗を沈めて、ラインの勝瀬卓也と上位を独占した。
「いつも気合は入っているけど、勝瀬さんに任せてもらってさらに気持ちが入りました。踏んでいるからこそ、あの位置が取れたし。そこからも行けると思ったタイミングで行かないと。脚が溜まってなかったけど、仕掛けて行ってよかった」
 勝瀬卓也がタイヤ差だけ山賀をとらえて、3日目に続いて今シリーズ2勝目を挙げた。
「もう今日は山賀君が勝てるレースで好きなようにと思っていました。(最終)バックでは前に坂本君もいたし、山賀君は行けないかなと思ったんですけど、行っちゃいましたね。自分はもう展開です。チャンスがあればなんとかモノにはできているんで」

<5R>
小川勇介選手
小川勇介選手
 村上直久との踏み合いを制して、守谷陽介が主導権を奪取。小川勇介(写真)はもつれた前団の動きを見て、チャンスをうかがい最終1コーナーからまくって最終日を白星で締めた。
「本当はカマすことができればベストだったんですけど…。モガキ合う感じだったんでああなりました。それでも中団から早めに動いたしよかった。甘いところもあるけど、自分なりに攻めていけた4日間だったと思います」
 まくった小川ラインを追った藤田竜矢が、直線で小川に詰め寄るも2着まで。
「自分としてはすごく楽にいけてたんで、ゴール勝負をしようと思ったんですけど。(小川を)抜けなかったですね。それでもきょうが一番いい感じでした」

<6R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 打鐘過ぎから巻き返した吉田敏洋(写真)は、最終ホームで4番手にスッポリ。落ち着いて態勢を整えて、最終2コーナーからのまくりで圧勝。
「今日は流動的に行こうと思っていた。流れに逆らわずにと。ただ、自分の調子からあんまり長い距離を踏むのは分が悪いかなって。前回から上げたギアがまだ体に慣れていないし、そこの慣れも必要ですね。今年のG1が終わってこれで一区切りです」
 後位の志智俊夫がからまれて、吉田のひとり旅。逃げた稲毛健太を利した佐藤康紀が、2着に追い込んだ。
「自分は地区は違ってもラインになれば同県のつもりなんで。稲毛君が頑張ってくれたのは、本当にありがたいです。稲毛君は別線で一緒に走って強いのも知っていた。自分はジャンから思い切り踏んでいるから、余裕がなかったです」

<7R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 松岡貴久のまくりに乗った中川誠一郎(写真)が直線一気。ラインの力でシリーズ2勝目を挙げた。
「前がもがき合った時点で(松岡)貴久がまくり切れると思いました。最後に新田(康仁)さんが外に振って失速する感じだったので、早めに踏む形になってしまいましたね。でも、地元の園田君とワンツーが決まってよかったです。昨日の準決勝がすごい悔しかった。力みすぎたし、もう少し平常心で走れればいい勝負ができたと思います。来年は絶対にG1の決勝に乗りたいですね」
 園田匠が懸命に中川を追って2着に流れ込んだ。
「自分が内に降りたり少し余計な動きをして危なかったけど、結果的にワンツーでお客さんの一番人気に応えられてよかったです。昨日がきつかった分、今日はかなり余裕がありました」

<8R>
成田和也選手
成田和也選手
 渡邉一成が打鐘で竹内雄作を突っ張って先行。番手の成田和也(写真)が直線で鋭く追い込んで人気に応えた。
「渡邉君のおかげでいい形で終わることができました。ありがたいですね。番手で余裕はありました。調子に関しては前回の松阪記念よりも良かった。準決勝は十分にチャンスがあったのに、あれで連にからめないのは甘いですね。このあとはCSCで練習する予定です。グランプリに向けてしっかり練習します」
 単騎の諸橋愛はバックからまくった稲川翔に乗って3着に突っ込んだ。
「竹内君の先行と読んでいたので、どうしようかと思ったんですけどね。稲川君が仕掛けてくれて、ピンチからチャンスに変わりました。何とか3着に入れた感じ。今回は調子があまり良くなかったので、これから上げていきたい」

<9R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 赤板で上昇してきた佐藤友和を稲垣裕之が突っ張ると、桐山敬太郎(写真)が内を突いて番手勝負に出る。村上博幸に競り勝った桐山がこん身の追い込み勝負でシリーズ3勝目。4.50の大ギアで連日、変幻自在に攻めてファンを沸かせた。
「今回は決勝に乗りたかったけど、特別は最終日で悪い着が多かったし、しっかり勝ちにいくレースをしようと思ってました。内から先行しようと思ったけどいけなくて、引けないので粘りました。稲垣さんの先行はやっぱり強いですね。最後はいっぱいだったけどなんとか勝てました。これからもっとムラをなくして安定した成績を残せるようにしたい」
 高木隆弘がしぶとく2着に食い下がり、今シリーズ2度目のワンツーを決めた。
「桐山が連日、頑張ってくれたね。本当に強かった。ワンツーが決まってうれしい。桐山と2人で小倉のお客さんにアピールできたかな」

<10R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 決勝を前にしてグランプリ出場が確定していなかった浅井康太(写真)にとっては、ファイナル進出を逃し是が非でも賞金を上積みさせたい一戦。主導権を握った近畿ラインに飛び付き、最終2コーナーからまくり上げるが、最後は野田源一にその上を行かれて2着。
「めちゃくちゃきつかった。もうちょっと(川村晃司が来るのが)遅かったら突っ張った方がよかったけど。そこからは1周半踏みっぱなしだった。自分はやることをやったんで」
 こう振り返った浅井は、決勝で愛知コンビが上位独占を果たして、最後のグランプリチケットを手に入れた。
「まずは自分のレースでしっかりと走ればと思ったし。2人(金子貴志、深谷知広)が頑張ってくれたおかげで、グランプリに乗れました」
 最終バックからまくって浅井をとらえた野田源一は、2勝を挙げてシリーズを締めくくった。
「ああなって、やばいかと思ったけど。もうまくって行くタイミングが、自分ではあそこしかなかったと思う。柏野(智典)君が自分に付いてくれたんで、それも大きかったです」

<11R>
深谷知広選手
深谷知広選手
新田祐大選手
新田祐大選手
 決勝戦は、打鐘で仕掛けた平原康多に合わせて、新田祐大が踏み込む。前の藤木裕も合わせて踏んで3つのラインが脚を使ったところで、満を持して深谷知広(写真)がスパート。金子貴志との師弟ワンツーが決まった。
「あそこで自分が引けたのがよかった。そこが(ワンツーの)勝因だと思います。なかなかあんなにきれいに決まるとは思わなかったし、(師匠と)なかなか経験できることではない。初日のことがあってしっかり修正できたのがよかった」
 目標の藤木は4番手まくりを新田に合わされ不発も、大塚健一郎がそこから“らしさ”を見せて3着の表彰台。
「藤木君は前に前に踏んでいってくれて、それがすごく頼もしかったです。新田君の後ろに入ってからも、まくってくれたし。それで自分にチャンスができた」
 岩津裕介が離れて打鐘の4コーナーでは新田祐大(写真)の後ろを平原と藤木で併走。ペースを落とした一瞬の隙を深谷に突かれて3番手からの立て直すも不発。
「しょうがないっすね。あれが僕の持ち味であるダッシュを生かした結果だったんで。みんなが脚を使ったところに深谷君が来て、結果的に深谷君の展開になってしまった…」
 平原康多は最終ホームで新田に合わされ、外併走からズルズルと後退。シンガリに敗れた。
「出し切ってないし、消化不良で終わった。細切れだから思惑通りにはいかないですね…」
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