『第56回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 3日目編

配信日:11月23日
 第56回朝日新聞社杯「競輪祭」はいよいよ3日目。今日は準決勝3個レースで今年最後のG1戦、ベストナインを決める最後のサバイバルレースが繰り広げられた。準決勝2着の神山雄一郎は自力でグランプリの切符をゲット。決勝進出で可能性を残す平原康多、金子貴志に準決勝で敗れた岩津裕介、今日1着の新田祐大は決勝戦の結果次第でグランプリ出場が決まる。いずれにしても見逃せない最終日となりそうだ。
 最終日は中村アンが小倉競輪場に登場。決勝メンバーの選手紹介(13:12頃~)や8R発売中にはトークショーも予定されています。さらにスピーチーズライブ(11:08頃~)やスタジオMJ九州男児新鮮組ダンスステージ(12:06頃~、14:24頃~)など最終日も様々なイベントで開催を盛り上げます。注目の決勝戦はぜひ小倉競輪場でお楽しみください。
仮面ライダードライブショー
仮面ライダードライブショー
料理研究家 園山真希絵 トークショー
料理研究家 園山真希絵 トークショー
ナチュラルoレディオoステーション ライブ
ナチュラルoレディオoステーション ライブ
豊満乃風 ライブ
豊満乃風 ライブ
<1R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 竹内雄作の動きに合わせて出た芦澤大輔が粘って、赤板から主導権を握った竹内の番手は競り。後位のもつれをしり目に竹内は、根田空史に反撃の隙を与えず逃げ切り勝ち。しかしながら、その表情は浮かない。
 「体がずっと重たいです。今日は競りだったんで一回踏んでからと思って、それで自分のペースに入れた。ん~、どうなんですかね。今日は多少距離を踏んだんで、それで良くなってくれればいいんですけど…」
 気迫のレースで坂上忠克を競り落とした芦澤大輔(写真)が、竹内の番手を奪取。そのまま流れ込んで2着に入った。
 「(竹内が)ダッシュした段階で結構きつかった。(竹内の)後ろに付いてわかりましたけど、あれじゃ自分はまくれない。きつかったけど、抜きたかった。自分の持ち味を見失っていたところもあるし、初心に返ってこうやってガンガンやっていきたい」

<2R>
柏野智典選手
柏野智典選手
 斬った岩本俊介の上を大西祐が押さえて主導権。大西はラインで出切るとそのままペース駆け。最後は番手の柏野智典(写真)が追い込み、中四国で上位独占となった。
 「作戦通りでした。岩本君が引いてくれたから展開が向きました。祐もしっかり行ってくれたし、あれだけ行けたらもっと上いけるね。3人で決まってよかった」
 友定祐己は落車の影響が残る状態ながらも連対を果たした。
 「きつかったです。自分でわかっているけど、落車の影響で要所、要所で遅れている。でも、勝ち上がったから何とか頑張ります」
 補充出走でも、逃げて好走した大西祐は満足げな表情。
 「ラッキーでした。ペースで駆けましたね。補充だから思い切った競走が出来ました。初日じゃあこれは出来ない。初手の位置取りも良かった。ドームも好きだし、(脚は)軽いです」

<3R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
 「流れが悪かっただけ」と話す松岡貴久(写真)が連日のうっ憤を晴らすまくりで快勝。会心の笑顔でレースを振り返った。
 「連日、流れが悪かっただけなんで。引いて飯野(祐太)を目標に行けたからスピードには乗った。失格2回で1班の点数がヤバイんで、少しでも点数を上げんと」
 飯野を出させず主導権を握った中村一将が2着に粘った。
 「よかったです。初手でいい位置が取れたし、3車いるんで(先行したら)どうにかなるかなと。行かれたらしょうがないしね。今日は東口のおかげです」
 ゴール前詰め寄った東口善朋だが中村を交わせず。
 「抜いてなかったですね。ホームでモガき合いになったけど、一将さんはいいピッチで踏んでた。余裕はあったけど、イメージと違う。それは今回の着が物語ってますね。上のレースに一将さんと乗れたんでよかったです」

<4R>
山田英明選手
山田英明選手
 赤板の2コーナーで俊敏に阿竹智史ラインをすくった山田英明(写真)が、6番手をキープ。大カマシを敢行した藤田竜矢に菅田壱道のまくりが襲い掛かり、前団の隊列が縮まると山田がまくり一気。抜群のスピードを披露した。
 「今日は判断がすごく良かった、迷いがなかったですね。中途半端になったりしてもたつくと、それで仕掛けがワンテンポずつ遅くなるし。今日みたいにうまく動けるとそのあとが楽ですね。まくったスピードも良かったし、デキすぎなところもある感じもする(笑)」
 山田にマークした小野俊之は、最終3コーナーのあおりで一瞬立ち遅れたものの2着を確保した。
 「今日は2日目と違って離れる感じはなかったです。(飯嶋則之のブロックを)一瞬見てしまった分、付いていけなかった。(感触は)まだ全然ダメだけど、自分の場合練習を(十分に)すれば出るんで見ててください」

<5R>
宗景祐樹選手
宗景祐樹選手
 高橋陽介を突っ張った原田研太朗が主導権。3コーナーから上原龍が三谷将太に合わせて出ると、番手の筒井敦史がブロック。そこをすくった宗景祐樹(写真)が直線で追い込んだ。
 「前か、後ろかの作戦でした。上原が頑張ってくれたね。原田君が早い組み立てで、高橋君を出させなかったのもでかい。そういう展開の分も助かった」
 大外を強襲した菊地圭尚だったが、僅かに届かず2着。
 「届いたと思ったけど。前でガシャンっていって、交わしながら踏んだから届かなかった。それがなかったら突き抜けてました。1着取りたかったな…」
 原田研太朗は粘って3着。
 「久しぶりに出し切りました。3コーナーからは失速しましたね。筒井さんが後ろで結構振ってくれてたんで、ラインで決めたかったです」

<6R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 赤板過ぎから先頭に立った相川永伍がそのまま主導権を握る。立ち遅れた菅原晃の巻き返しが遅れ、先まくりの田中晴基を岡田征陽(写真)がブロック。そのまま岡田が抜け出した。
 「前のおかげです。でも、残し切れなかった。菅原さんも来てたし、引き連れちゃったのは反省ですね。できれば3人で決めたかった。また明日頑張ります」
 何とか2着に届いた菅原晃だが、レース内容には反省しきり。
 「8、9番手(に置かれるの)はない。打鐘は(うちが空くか)運だった。池田(良)に見つかって、空かないと思って下げた。もう一車しゃくれたらよかったですね。位置取りですね…。でも2着なんで」
 相川永伍は3着に敗れたが、持ち味を出したレース内容には満足げ。
 「今日は行けるところから行こうと思ってました。早めに出たんで誰か来たらイヤだなと思ったら来なかったので。最後は末が甘かったですね。でも征陽さんは強いんで。僕も3着で上に上がれるからよかった」

<7R>
林雄一選手
林雄一選手
 遅めに押さえに来た天田裕輝を、前受けの松谷秀幸が突っ張り神奈川トリオが主導権を握って出る。吉本卓仁の反撃に、最終2コーナーから五十嵐力が番手まくりで応戦。神奈川のシンガリを務めた林雄一(写真)が、追い込みで1着をもぎ取った。
 「せめて五十嵐君が3着までに残ってくれればと思ったんですけど…。自分も南(修二)君が真後ろにいて何にもできなかった。内も空けないようにって思ってたけど、最後はやっぱり南君に来られてしまったし。前の2人が頑張ってくれて、本当にうれしいですね」
 神奈川勢の後ろにいた単騎の南修二は、中割りで林とのゴール勝負に持ち込むが及ばずの2着。
 「松谷君は飛び付きもできるし、中団もできるんで。それだったらそこでと思っていた。(天田が)押さえに来るのも遅かった。流れというか、展開は読み通りだったけど。あとはもっと脚があれば突き抜けられていると思う」

<8R>
井上昌己選手
井上昌己選手
 田中誠が打鐘前から先行策。最終ホーム前から一気にまくった早坂秀悟が前団を飲み込むが、離れた後位にスイッチした井上昌己(写真)が直線鋭くとらえた。
 「組み立てとしては理想。誠さんがいい感じで駆けてくれた。(早坂には)反応できなかった。本当は合わせて出て行こうと思ったけど、スピードが違ったね。伏見(俊昭)さんが離れてくれてラッキーでした。(疲れは)大丈夫です」
 後方からまくった牛山貴広が2着。
 「人目当てのレースだった。(隊列が)短くなった分仕掛けやすかったですね。(脚は)良くないです。自力で勝負できるように頑張ります」
 ホーム前から仕掛けた早坂秀悟だったが、最後は力尽きて6着に沈んだ。
 「自分の好きなところで勝負してみろって言われてました。もうちょっとうまく後ろを連れてって2、3着勝負出来れば」

<9R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 3日目にしてようやく新田祐大(写真)が本領を発揮した。打鐘から主導権を握ると、別線の巻き返しを封じて押し切り。節目の200勝を飾ったが「今日も集中力を切らさずに。(3日目から)自転車を換えたけど変わってない。200勝もあんまり気にしてないです」と素っ気ない対応。グランプリ出場へ、残されたラスト1走に集中力を高めていた。
 対照的に2着の佐藤慎太郎は笑顔でレースを振り返る。
 「恵まれました。新田にあのレースをされたら後ろも脚にくる。下手に抜きに行ったら中を割られるからね。2着が1着みたいな感じですよ」
 池田勇人は後ろ攻めになってしまったことが誤算だった。
 「初手で後ろになるとは思わなかった。それが全てですね。2車なので打鐘で突っ張るのもどうかと思った。こういうときもあるし、仕方ないですね」

<10R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 先行態勢を取った脇本雄太をスーパーダッシュで渡邉一成が、強引に叩いて先行策。最終ホームで後続の動きを確認した番手の佐藤友和(写真)は、脇本に合わせて番手発進。そのまま後続を振り切って、昨年6月以来の久しぶりのG1ファイナル進出を果たした。
 「俺はもう(渡邉)一成に離れないようにと思っていた。スピードの違いでワッキー(脇本)の前までは出切れるとは思った。そのあとは誰が来るのかはわからなかった。最後は番手まくりをさせてもらった。自分の感触は悪くないと思う。(G1)いつ以来の決勝ですかね? すごく(日にちが)空いた気がする」
 3番手に入った脇本がまくって出るも佐藤に合わされ不発。稲垣裕之はシビアに佐藤を追って、直線勝負で2着。
 「自分が人気になっているのもわかったし、最後は(佐藤)友和を抜きたかった。(今シリーズは)初日に1レース1番車のプレッシャーを乗り越えられたんで、それで精神的に余裕ができた。2日目も落ち着いてレースができた。今日はもう脇本の頑張りに尽きます。最後は後ろに平原(康多)君がいるのはわかったし、脇本には悪いけど…。脚の状態もいいし、気持ちも充実していると思います」
 脇本の番手に飛び付けず平原康多は、3番手の岩津裕介をどかす苦肉の策。何とか3着に滑り込み、ホッと一息ついて笑みを浮かべる。
 「今日はラッキー以外の何ものでもない。(岩津は)同期でグランプリがかかっているのもわかっているし、申し訳なかったけど勝負させてもらった。前々にいないと無理ですから。今日で終わりではないし、また(決勝でも)闘う気持ちで」

<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 後ろ攻めから動いた松岡健介が誘導後位に入ると、そこを小松崎大地が叩いて先行。山崎芳仁(写真)、松岡のアンコになりながらも3番手をキープした浅井康太が2コーナーからまくると、浅井を張りながら踏んだ山崎が番手絶好の好展開を生かした。
 「大地くんの頑張りにつきる。彼には残るように駆けてくれと言ってました。浅井が3番手に入ったし、誰が入ってもすぐ来るだろうと思ってた。見たら浅井が俺の脇にいたんで。2人で共倒れするより、そこからの判断はよかったと思う」
 シビアな位置取りからまくりを打った浅井康太は山崎に合わされながらも2着をキープした。
 「しっかり打鐘でいい位置を取れたので、そこが勝因だと思います。まくりに行った感じはよかったんですけど、ザキ(山崎)さんに合わされた。でも、しっかり(その後ろに)切り替えられましたね。脚の感じはすごくいいです」
 金子貴志が3着に食い込み、グランプリ出場へ望みをつなげた。
 「浅井は早めに仕掛けてくれた。止めそうな感じだったけど、また踏んでいってくれたし、卓也もずっと内を締めてくれた。そのおかげで3着にはいれました。ここまで来たら悔いのないように力を出し切りたい。体調はすごくいい。集中できてるし、久々にいい緊張感で走れてます」
 バック最後方から空いたインコースを突いた大塚健一郎だったが、惜しくも4着。
 「(中川誠一郎に)離れてるようじゃダメッすね。離れずの下りなら何ちゃなく3着に入れてた。誠一郎は頑張ってくれました。悔しいっすね」

<12R>
木暮安由選手
木暮安由選手
 武田豊樹が打鐘過ぎから先行。斬って構えていた荒井崇博だったが、飛びつけずライン3車できれいに出切ってしまう。武田のハイペースの前に別線の反撃は叶わない。番手から抜け出す神山雄一郎が1着かに、3番手から木暮安由(写真)が外を突き抜けた。
 「打鐘で神山さんが石井(秀治)さんと接触して、ちょっと危ない面もありましたけど落ち着いてリカバリーできたと思う。最後は神山さんと一緒に踏みました。伸びましたね。ギアを1枚上げたのがあの伸びだと思います。調子は非常にいいので、決勝も落ち着いて走れると思います」
 神山雄一郎は2着で決勝に進出。グランプリ出場の切符をたぐり寄せた。
 「石井とぶつかって口が空いた。そこを(荒井に)粘られてキツかったね。つき直してからは武田がかかっていたから、ついて行くだけだった。(グランプリ)確定なの?これで。2カ月苦しかった? うん」
 ラインでの上位独占に貢献した武田豊樹は「苦しかった」を連呼した。
 「逃げるって大変ですよ。でも、(G1の)準優でワンツースリーはあまりないですしね。ラインで決めるのが最大の目標だけど、最近は簡単に抜かれてるような気がします。対戦相手との勝負が終わったら、後ろとの戦い。どんなにいいレースをしても後ろに抜かれてるんじゃ課題が残る。そこを妥協したら選手として終わりだから」
 飛びつきに失敗した荒井崇博は「武田さんが強い。遅れて飛びつききれんかった」と悔しさを隠せなかった。
↑ページTOPへ