『第56回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 最終日編

配信日:11月24日
 北九州メディアドーム、小倉競輪場で開催されていた第56回朝日新聞社杯「競輪祭」が11月24日、4日間の熱戦に幕を下ろした。今年最後のG1戦を制したのは平原康多。武田豊樹の先行に乗ると、番手絶好の展開を生かして今年初タイトル。同時に暮れの岸和田グランプリ出場権を獲得した。
 なお、今日でグランプリを戦う9戦士が決定。決勝3着の神山雄一郎は5年ぶり、岩津裕介は9番手で嬉しいグランプリ初出場を決めた。
スピーチーズ ライブ
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スタジオMJ ダンスステージ
スタジオMJ ダンスステージ
競輪王決定戦出場選手紹介
競輪王決定戦出場選手紹介
中村アン トークショー
中村アン トークショー
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴って横一線のスタートから、最内枠の金子貴志が佐藤友和を制していち早く正攻法の位置を確保。稲垣裕之―浅井康太―金子の中近勢が前受けし、中団に山崎芳仁―佐藤の北勢、武田豊樹―平原康多―神山雄一郎―木暮安由の関東ラインが後攻めで並びはすんなり落ち着いた。
 レースが動きだしたのは青板バックからで、武田がゆっくりと上昇を始める。赤板で武田が前団まで上がると、稲垣は車を下げて正攻法の位置が武田に代わる。関東3車が武田に続き、中団位置が関東勢を追った山崎と、稲垣で併走になる。これを見ながら武田が打鐘前2角から誘導を交わして先制。結局、山崎は下げて武田―平原―神山―木暮―稲垣―浅井―金子―山崎―佐藤で一本棒の態勢に。後続の様子を確認しつつ武田は緩めることなく加速していき、レースは完全に関東ペースとなった。最終2角で稲垣がまくるが、出ハナで木暮のけん制され、さらに武田との車間を斬った平原にも2度、3度と車体を振ってのけん制を受けて伸び切れない。稲垣は懸命に踏むも、平原に並び掛けるところまでもいけず直線へ。後続の反撃を許さずに逃げ粘る武田の番手から平原が抜け出し、神山は両者の中を割る。1着は平原で、最後のグランプリ切符をゲット。4着以下が横並びとなり、2着武田、3着神山と関東勢が表彰台を独占した。


ゴール
ゴール
表彰
表彰
胴上げ
胴上げ
<1R>
飯嶋則之選手
飯嶋則之選手
 主導権を握った岩本俊介に襲い掛かった高橋陽介だが、打鐘の2センターで坂本亮馬のけん制を受けてそのスピードが鈍る。しかしながら、諦めることなく踏み込んで、最終ホーム過ぎに主導権を奪取。2着に粘り込んだ。
 「岩本君もヤル気だったし、自分も苦しかったですね。(3日目までは)ストレスが溜まるレースばっかりで、自分が情けなかった。だから、今日は2車でも後ろから押さえて逃げるつもりでした。今日の感じは悪くなかったです」
 番手の飯嶋則之(写真)は逃げる高橋との車間を空けると、直線で抜かりなく追い込んで1着。今シリーズの最終日にようやくの白星を手にして自然と笑みがこぼれる。
 「よかった〜、1着で。すごくうれしい。別に体自体は悪くないと思っていたけど、1次予選とかを考えると頭と体が一致してなかったのかもしれない。結果が出てよかったです」

<2R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 後ろ攻めから先行態勢に入った松川高大と園田匠の九州コンビを、ホームからカマした田中晴基が叩き切って南関コンビが主導権。しかし間髪入れずに2コーナーからまくり上げた吉田敏洋(写真)が、前団をきっちり捕えて吉村和之とワンツー決着。
 小田原記念のあとに腰の手術を行った吉田は、今回が3カ月ぶりの復帰戦だった。
「覚悟はしていたけど、やっぱりこんなもんでしたね。正直、レースになると半分も力を出せていない。腰に関しての恐怖心があるのも事実。今回の収穫は無事に4日間走れたこと。その中で最終日に1着を取れたのは、次以降につながると思う。来年1月からは競輪の形態がガラッと変わるだろうし、その時にスタートダッシュを決められるよう、焦らずに調子を上げていきたい」
 吉田にピッタリ続いた吉村和之は「何とか凌げましたね」とホッとした様子。
「(僅差の5着に敗れた)初日をしのげていればもっと良いシリーズになったんだろうけど、最後に2着で締められたことは大きいですね。また次走頑張ります」
 大塚玲は初のG1を振り返り、「もっと余裕がないとダメですね。でも良い経験が出来たし、またこの舞台に戻って来られるように頑張りたい」。

<3R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 桐山敬太郎を突っ張った上原龍が主導権を握る。芦澤大輔(写真)は、カマしてきた大西祐をブロックすると、最後は直線で抜け出した。
 「龍も着に残れるように100パーセント援護しようと考えてました。今日の1着は自信になりましたね。(シリーズを通して)悔しい思いをしてきました。でも、復調の兆しはつかんだし、近いうちには番手(マーク選手)に変わっていくと思う。何でもやるような競走をしていきたいです」
 渡部哲男は、中団に入った桐山のブロックで大西と離れる展開も、懸命に踏み上げて2着に入線。
 「厳しい展開でした。判断ミスもあったしね。前がタレていたから自分が伸びた感じ。今日はセッティングがかみ合いました。もっと追い込みで場数を踏んでこれから頑張ります」
 桐山敬太郎は不発で8着に沈んだ。
 「大西が押さえなかったのは予想外でした。しょうがないですね」

<4R>
竹内雄作選手
竹内雄作選手
 後ろ攻めを選択した竹内雄作(写真)は、赤板で吉本卓仁を押さえて主導権。吉本、松谷秀幸の中団取り合いをしり目に、マイペースに持ち込んで3日目に続く逃げ切りで連勝を飾った。
 「(脚は)重たいは、重たいですけど。レースを作って力を出し切ることだけを心がけた。何もやらないで、それで着が悪いよりはいいですからね。(周回中も)最近は変に中団とか前だったんで、基本にかえって後ろから行こうって思っていた。ダメな時こそ基本にって。自分のペースで駆けて行けたし、何よりです」
 後方に置かれた池田良は前の田中誠が内藤秀久にキメられると、最終2コーナーから自ら踏み込む。中団まで取り付き、あとはコースを縫って3着まで伸びた。
 「(直線の入り口で)外に行ったのは良かったけど、(東口善朋に)当たりすぎた。それでスピードが止まった。(前回の落車の)影響はないし、感じは悪くないと思います」

<5R>
筒井敦史選手
筒井敦史選手
 正攻法に構えた中村一将が後ろ攻めから上昇した池田勇人を突っ張って打鐘から先制。結局、池田は7番手に逆戻りとなり、最終ホームは初手と同じ態勢に。終始3番手をキープしていた松岡貴久が満を持して2角からまくり、筒井敦史、友定祐己を連れ込んだ。
 「いやぁーラッキーでした。中村さんが突っ張るかどうか半信半疑で見ていたら、本当に突っ張った。3番手はしっかり確保して、あとはタイミング逃さずまくろうと。昨日ほどのキレはなかったけど押し切れて良かった。点数も119点ゲット出来たし、1班の点数もまだ可能性が残ってますね」
 筒井敦史(写真)は松岡にゴール前で迫るもわずかに届かず。
 「抜けるかなって思ったけど。最後まで彼が強かった。でも見せ場は作れたしラインで決まったので満足してます」
 池田勇人は中村に突っ張られて万事休す。
 「出させてくれるかなとも思ったけど、結構突っ張る気満々でしたね。考えが甘かったです」
 突っ張るも及ばずの中村一将は「一旦突っ張って様子を見ようと。そしたらあっさり引いたのでそのまま逃げました。もっと中団がゴチャ付けば面白かったけど、松岡君がすんなり3番手だったみたいで。それじゃあ仕方ないです」とレースを振り返った。

<6R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 前受けの早坂秀悟が誰も出させず主導権を握る。菅原晃の巻き返しに合わせて、渡邉一成が番手からまくって出ると、北日本3番手を回っていた菊地圭尚(写真)がゴール寸前で渡邉をとらえた。
 「(早坂は)男気がありますね。期待に応えられてよかったです。今日は2人とも頑張ってくれました。今回は自分の思っている以上に体の状態は悪くなかった」
 渡邉一成も自慢のダッシュで菅原の反撃を許さなかった。
 「早坂のおかげですね。あとはタイミング次第でと思ってたら、菅原さんが思った以上に早めに来たので。しのげないかと思ったけどよかったです。最後食われたと思ったら圭尚さんでよかった。さすがですね」

<7R>
村上博幸選手
村上博幸選手
 赤板前から三谷竜生が一気に仕掛けて主導権を握ると、飛ばしまくって別線を大きく引き離す。原田研太朗が中団から車間を詰めながら最終1センターでまくり上げるも、番手の松岡健介が合わせて発進。最後は、松岡マークの村上博幸(写真)が追い込んだ。村上は今シリーズを振り返る。
 「(今日も)状態が悪いからしんどいですね。選手になって一番悪い状態で(競輪祭に)入りました。腰の痛みは少し和らいだけど、競輪祭に入る1週間くらい前まで痛かったです。グランプリに向けてはいろいろ考えてます」
 グランプリ出場権獲得へ少しでも賞金の上乗せをしたかった岩津裕介は、最終日4着で競輪祭を終えた。
 「今シリーズに悔いはないです。来年G1を獲ってグランプリを決められれば精神的に楽なんですけど、賞金争いを出来るのも幸せなことですね。後はいい知らせを待つだけです」
 原田研太朗は近畿勢の連係に屈して8着。
 「きついですね。いっぱいでした。あれは突っ張れない。カマしてくるのも見れなかったです」

<8R>
相川永伍選手
相川永伍選手
 青板過ぎから上昇を開始した相川永伍(写真)が、前受けの脇本雄太を押さえ、打鐘から誘導を斬って主導権。脇本のまくりを浦川尊明が強烈にブロックすると、相川がそのまま逃げ切った。
 「主導権はしっかり握ろうと。かかっているかはわかならかったけど、押し切れて良かった。浦川さんのサポートが大きかったです。これからも油断せずに一戦一戦がんばっていきたい」
 仕掛けを逃した石井秀治だったが、最後は内に進路を取って確定板入り。浦川の失格で2着に繰り上がった。
 「前がイエローラインの上まで(けん制で)持っていってたので、見てしまいましたね。あの展開で確定板なのでよかったと思います」
 脇本雄太は珍しく位置取りにこだわって3番手を確保。そのまままくり上げたが妨害を受けて着外へ沈んだ。
 「たまにああいう競走もやるんですけどね。確かに不利もあったけど、それは結果論になってしまう。あれでも乗り切れる脚を付けられれば。練習不足ということです」

<9R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 前受けから赤板の1センターで中川誠一郎を突っ張った新田祐大(写真)が、3日目の逃げ切りで吹っ切れたように快調に先行。ポテンシャルを存分に発揮しての連勝で、今シリーズを締めた。
 「今日は(齋藤)登志信さん、中村浩士さんの好ブロックがあって、最後まで落ち着いて踏むことができた。練習の感じでは問題なく決勝に乗って、優勝争いのできるコンディションだった。それが(グランプリの賞金争いを)意識する形になって、パフォーマンスを出せないで歯がゆい部分もあった。自分の弱さを痛感した。来年はタイトルホルダーとして、戻ってきたいです」
 新田の突っ張りは想定内だったとはいえ、中川誠一郎は動きの良さが光った。齋藤登志信のブロックで一度は後退したものの、最終ホームで態勢を立て直すと再度まくり上げて3着。
 「(新田に)突っ張られるのは半分くらいは覚悟していた。そこからの組み立てと思っていたので、突っ張られても結構落ち着いていました。そのあとは立て直して、すぐに(まくって)行けたし力まず踏めている」

<10R>
小松崎大地選手
小松崎大地選手
 牛山貴広、井上昌己の順で斬ると、村上義弘にフタをしてから小松崎大地(写真)が主導権を握る。村上の巻き返しは3番手、林雄一の外まで。逃げた小松崎が力強く押し切った。これでシリーズ2勝、準決勝でも好勝負を演じた小松崎は4日間をこう振り返る。
 「新しい世界がどんどん飛び込んできて、必死についていってる感じ。タイトル? 来年からはしっかりそこを見て。タイトルを狙わないと(決勝には)乗れないですよね」
 2着の佐藤慎太郎は小松崎の強さを称えた。
 「強い、強かった大地が。(先行屋を)育てるのも俺の仕事だからね。(バックで南)修二が後ろにいたからあんまり持っていくとしゃくられる。牛山が来たのも分かったけど、大地が強かったです」
 3着には今大会鋭い伸びを連発させていた諸橋愛が突っ込んだ。
 「最後、牛山のあおりがなきゃ2着でしたね。打鐘前にもう1回斬って欲しかったけど、牛山も反応できなかったみたい。今シリーズは伸びたし、またこの状態を維持できれば」

<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
 第56代の競輪王に輝いたのは平原康多。関東4車の先頭で、ラインを上位独占に導いた立役者は武田豊樹(写真)だった。
 「いやーキツかった。カマしてくるかと思ったので打鐘で結構速度を上げたのでホームでは一杯でした。自分のやる事はやりましたし、関東の結束力が上がったのも良かったと思います」
 神山雄一郎(写真)は中割りを狙ったが及ばず3着。それでもしっかり完走し、グランプリ出場を決めた。
 「まずは無事に走ろうと。もしかしたら(優勝狙えるかな)と思って入っていったけどダメでしたね(笑)。でも上出来。良かったです」
 「今日は武田さんとの力勝負と思っていたので」と話す稲垣裕之は5番手からのまくりにかけたが不発に終わった。
 北日本コンビは残念ながら出番なし。山崎芳仁は「稲垣さんがホームで叩きにいくと思ったが。緩んでいたし、普段の稲垣さんならいってたでしょう。でもそうならなかった。やっぱり決勝だからですかね」と展開の読み違いを悔いた。
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