『被災地支援競輪第58回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 最終日編

配信日:11月27日
 北九州メディアドーム・小倉競輪場を舞台に開催された今年最後のG1、平成28年熊本地震被災地支援・第58回朝日新聞社杯「競輪祭(G1)」は、27日に最終日が行われた。決勝は深谷知広、金子貴志の愛知の師弟コンビが主導権。単騎の稲垣裕之の3番手まくりに乗った平原康多が、その上をまくって優勝を飾った。一昨年の競輪祭以来、6度目のG1制覇。4年連続7度目のグランプリ出場を決め、賞金2890万円(副賞含む)を手に入れた。また、「KEIRINグランプリ2016(GP)」の出場権をかけた壮絶なバトルも、これでピリオド。今年はすべて異なる7人の選手がG1を優勝しGPの権利を獲得。賞金で浅井康太、武田豊樹がGP出場に滑り込んだ。

バブリー芸人「平野ノラ」お笑いライブ
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ファイナリストが意気込みを語る
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「稲村亜美」神スイング トークショー
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スタジオMJ 九州男児新鮮組 ダンスステージ
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決勝戦 レース経過
 新田祐大が号砲と同時に勢い良く飛び出し、新山響平を迎え入れる。隊列は新山−新田の北日本コンビが前受け、中団に平原康多−武田豊樹−芦澤大輔の関東勢、後方に深谷知広−金子貴志の愛知師弟コンビ、これに稲垣裕之、近藤隆司の単騎2人が続き、周回を重ねる。
 青板周回の1センターから深谷がゆっくり上昇を開始。3コーナーで誘導員を下ろして先頭に立つ。単騎の稲垣がこれに続き、平原は4番手、新山は8番手まで車を下げる。後続の出方をうかがいながら踏み込む深谷に対し、打鐘前の2コーナーから新山が襲いかかる。これを確認した深谷もスパート。4コーナーで自ら外に振って新山を出させなかった深谷が主導権を握る。新山は後退し、新田も外併走で苦しくなる。単独で絶好の3番手をすんなり回れた稲垣が最終2コーナーから好回転でまくる。金子のブロックを乗り越えた稲垣が2センターで先頭に躍り出る。これを追う形になった平原がその外を踏み込み、直線で鋭く抜け出して優勝を飾った。平原を懸命に追った武田が2着に流れ込み、関東ワンツー決着。ゴール前で末を欠いた稲垣は3着に敗れた。


ゴール
ゴール
表彰式
表彰式
胴上げ
胴上げ
<1R>
武田憲祐選手
武田憲祐選手
 松岡篤哉が打鐘で坂本亮馬を押さえて先行。後ろの競りは外から柏野智典がキメにかかるが、コーナーで一歩前に出た武田憲祐(写真)が奪取して最終ホームを迎える。早めに決着をつけた武田は、ペースを上げて逃げる松岡を追いかけて佐藤友和のまくりをブロック。ゴール寸前で松岡をとらえた。
 「まずは(番手を)取り切ることに集中していたし、(飛び付かれての)3車併走も覚悟していた。引かないようにと気持ちを入れてました。柏野さんに押し込められた時に、自分の肩が出ました。2(着)と1(着)じゃ違うし、大きいですね。うれしいです」
 「突っ張るのかと思ったし、(坂本)亮馬に踏まされました」と、静かに口を開いた松岡篤哉。主導権を握って別線を完封はしたが、最後は武田に交わされて2着。
 「(後ろが競りで)やりにくいって言えば、やりにくかった。初日の方がいい感じだったし、今日は疲れもあった。ちょっと末が甘くなりましたね。久々のG1だったけど、(シリーズを通して)自分のレースはできたと思います」

<2R>
小川勇介選手
小川勇介選手
 連日のうっ憤を晴らすべく地元の小川勇介(写真)が最終日に奮起。赤板で上昇を始めた雨谷一樹の番手に飛び付いて牛山貴広をさばくと、最終ホームでカマした松岡健介追走の勝瀬卓也が離れて番手を奪った雨谷を3コーナーからすくって松岡健介をとらえた。
 「このバンクは前々にいないと勝負にならないんで。下げて待つよりも粘ろうと。そのあとの対応もできたし松岡(健介)さんを差せたので。ここまで空回りとか力みもあって不甲斐なかったですけど、最終日に何とか結果がでて良かった」
 松岡健介は前団がもつれタイミングよく巻き返したかに思われたが、直線で末を欠いての2着に悔しそう。
 「長い間併走だったので。遅いタイミングでしたけどしっかり仕掛けられたけど(小川に差されて)もったいなかったですね。(小川は)牛山君と絡んでいたし、来るなら松岡貴君かなって思ってたけど、内にいたんで誰もこないと思ったんですけど」

<3R>
山内卓也選手
山内卓也選手
 井上昌己、高橋陽介に田中晴基の順に動くと、そこを川村晃司が打鐘過ぎに叩いて主導権を握る。4番手の田中がまくり上げるが、これを山内卓也(写真)がブロック。好展開を生かして抜け出した。
 「(川村が)前取ったからどうするかなと思ったけど、僕はお任せだったんで。いいとこで行ってくれましたね。いつも頑張ってくれるし、文句なし。強いです。とりあえず良かったです」
 バック最後方からコースを突いた友定祐己が2着に突っ込んだ。
 「たまたま。昌己が仕掛けてくれたからコースが空きました。でも初手で昌己を後ろ攻めにしてしまった僕が悪い。中団欲しかったけど取れなかったんで。それが全て。昌己に悪いことをしました」

<4R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 中団の渡邉一成が先に動くと、赤板でその上を中井俊亮が押さえて先頭に躍り出た。すると、矢野昌彦が打鐘を目掛けてカマして主導権。番手の藤田竜矢が離れたため、矢野は単騎で逃げる展開に。最終ホームを通過し、これを追った中井が2センターからスパート。近畿勢が一団となってゴールを目指したが、その後ろから渡邉一成(写真)がスピードの違いを見せつけひとまくり。
 「遅れてきた藤田さんに締め込まれてキツかったですね。今日は中井より先に動いて矢野さんが叩いて。そこからは休めました。1回動いてから、来たところで飛び付いて(位置を取って)、そこからまくれたので今日はよかったと思う。今回は練習で手応えがあったからやれると思ったけど、疲れがありましたね」
 中井の番手から、稲川翔が追い込んで2着に入る。
 「矢野さんが勢い良く来たけど、G1だし赤板を過ぎれば必ず誰かがカマしてきますよね。それよりも、僕にもっと力があればもっと中井君を上手く誘導できたのに。一成さんが来るのは分かってる訳だし。その辺を反省してまた次頑張ります」
 矢野昌彦は今日も積極的な走り。9着に沈んだものの、今回は手応えと自信を得たシリーズとなった。
 「中井君は出させない感じで踏んでたから、自分も思い切って踏んだらトップスピードになってしまって。緩めたら行かれるし、もうそのまま行ってしまおうと。今回は3日間先行できたしよかったですね。今後につながるレースができました。内容としては100点だったと思います。やれる感じもあったし。あとは帰って練習するだけです」

<5R>
竹内雄作選手
竹内雄作選手
 竹内雄作(写真)が別線の包囲網を突破して初日に続き逃げ切りでシリーズ2勝目を挙げた。
 「なんでだろう。体は動くのに(力が)自転車に伝わってくれない。杉森さんが流したところで行ってるけど、出切れると思ってフワッていってしまった。出切るまではスパッといかないといけないのに後ろにも迷惑をかけてしまった。前回が悪くなかったからその感じで今回もこれたと思っていたけど、全然違う感じで。何が悪いのか分からないですね」
 杉森を上手く竹内後位に迎え入れた木暮安由が杉森をとらえて2着に。
 「一瞬(杉森が)突っ張るのかなって思ったけど番手に入ったので。でもまあ自分も後ろの状況は確認できたし余裕はありました。最後踏んだ感じは悪くないけど、シリーズを通して課題も見つかったしここからですね。まだ伸びしろがあるってことで。また出直してきます」
 竹内の番手にはまる形となった杉森輝大だが結果は3着まで。
 「突っ張ろうとも思ったけど、1車だって確認できたので。でもあれで差せないようじゃダメですね。まだ本調子ではないってのもあるけど。もう少し戻していかないとですね」

<6R>
原田研太朗選手
原田研太朗選手
 打鐘で仕掛けを躊躇した原田研太朗(写真)は結局まくりに回ってしまう。古性優作の逃げをまず石井秀治がまくり、吉澤純平が追いかけ逆転した外を好回転で伸び切ったがレース後の表情は浮かない。
 「タイミングはあそこ(打鐘)しかなかったのに、吉澤さんに合わされると思ってどうしたらいいか分からなくなった。しょうもないレースをしてしまいました。後味悪いレースというか…。シリーズ3勝してもバックも取ってないし、何やってるんだろうって感じです」
 吉澤純平は惜しくも2着に。
 「原田を見て遅らせてから行こうかなと思ったら中村(浩士)さんの動きで(古性を)追いかけられなくなった。石井さんが仕掛けてくれて追いかけたけどあおりが大きくてキツかったです」
 3着の石井秀治は満足げにレースを振り返る。
 「後ろから2人(原田、吉澤)来ちゃうから、その前に出ないと。それがあのタイミングだった。その上を来られたらそこから勝負だと思ったんだけどね。いいレースはできた。力勝負はできたでしょ」

<7R>
坂口晃輔選手
坂口晃輔選手
 青板のバックから早めに上昇を開始した山崎芳仁を、脇本雄太が突っ張って逃げる腹を固める。脇本が絶妙なペースを演出して、別線は動くに動けない。脇本ラインの3番手にいた坂口晃輔(写真)は、まくり気味に追い込む中川誠一郎を振って直線勝負。シャープな伸びで突き抜けた。
 「ワッキー(脇本)は突っ張ったらペースを上げて、誰も出させない感じでした。まずは追走に集中していました。あれだと番手より3番手の方が脚が溜まるかもしれないですね。中川さんを振らないと飲み込まれる感じだったんで、振ってからでした。今回は連日、デキが良かった」
 4番手キープの中川誠一郎は、山崎のまくりに合わせるように踏み出すも2着まで。
 「(脇本は)上手って思いました。ずっと行けそうで、行きたくないっていう感じのペースだった。さすが先行で戦っている選手ですね。今日は(脇本は)引いていつものカマシかなって思ったけど。雰囲気からもしかすると(突っ張り)と思って、それで(4番手を)空かないように気をつけていた。ラインに迷惑を掛けないようにと」
 「バックを踏まされる先行よりは、自分のペースで2周半先行した方が楽ですから」と、3着の脇本雄太は生粋の先行選手らしいコメントで振り返った。

<8R>
松浦悠士選手
松浦悠士選手
 後ろ攻めから動いた山本伸一が先行態勢に入ると、中団は内に吉田拓矢、外に松浦悠士(写真)で併走に。山本がペースを上げると、松浦が吉田をキメて中団を確保。バック手前からまくり上げると、市田佳寿浩のブロックもかいくぐって押し切った。
 「(吉田の)突っ張りも頭にあったんで。でも山本さんが前に出たんで先手取るほうについて行こうと。中団で粘るとは思わなかったけど、余裕はあったしその辺は問題なく。踏み出しも良かったしフレームのおかげで最後まで踏み切れました。今回から新車だったけど、初日が良くなくてどうなるかなって思ったけど昨日の時点で感触は良かったし、1着で締めくくれたので良かった」
 2着に入線した吉田拓矢だがガックリと肩を落とすと「突っ張りたかったけどうまくいかなかったし中途半端になってしまった。今回は内容が良くないんで。警戒されているのもあるけどその辺を修正しないと。調子自体は前回よりも良かったけど先行できていないので何ともいえない」。さらなるステップアップへ課題を口にした。

<9R>
椎木尾拓哉選手
椎木尾拓哉選手
 後ろ攻めの和田真久留を警戒し、赤板から自力型各車が前に踏んで行く。2コーナーで誘導が退避し、前受けした菅田壱道が打鐘のバック線を通過すると、和田が後方からカマして主導権を握る。海老根恵太は踏み出しで離れたが、ホームで菅田の内をすくって再度ドッキングに成功。その菅田と和田が2コーナーでもつれると、海老根はその内から自力で出た。さらに、後方から山田英明がまくって両者で直線勝負かと思われたが、椎木尾拓哉(写真)が外を鋭く突き抜けた。
 「前がどうなっているのか分からなかったですね。展開がぐちゃぐちゃで。打鐘で三谷君は内を踏んだけどバックを踏まされて。三谷君は警戒されてるし、難しかったですね。三谷君がどこに行ったのか分からなくなったから、申し訳ないけど自分で踏んでいきました。そしたら山田さんが目標になりましたね。今回は2勝できたし、よかったですね」
 園田匠は直線で差し脚を伸ばしたが2着まで。
 「4コーナーで山田君が締め気味に回ってきたので、その分伸び切れなかったですね。今日は何としてでも1着を取りたかった。S班最後のレースで2着はオレらしいね。でも、今回調子が良かったし、来年につながると思います」
 菅田のあおりを喰らい、山田英明は外を回され3着まで。
 「まくりのリスクを受けましたね。打鐘で叩くべきだったし、消極的になってしまいました。その1点ですね。あそこで行ってれば1着があったかもしれないのに。接触があって海老根さんが内から出るのも想定内だったし。今日は最後まで諦めずに踏んだってことだけでした」

<10R>
松坂英司選手
松坂英司選手
 吉田敏洋の動きに続いた郡司浩平が打鐘前2コーナーから誘導員を下ろして先行態勢に入る。4番手外併走からホームで村上義弘が巻き返すが松坂英司(写真)のブロックで不発に。2コーナーからまくり上げた香川雄介が迫ってきたが、合わせて前に踏んだ松坂が抜け出した。
 「連日、後輩に助けられました。(村上へのブロックは)浩平が合わせてくれてるんで、俺は大したことしてないんですけど。浩平はちょっと流したかったかもしれないけど、しっかり踏み込んでくれた。その気持ちがね」
 村上ライン3番手から香川のまくりを追うように外を踏んだ合志正臣が2着に突っ込んだ。
 「2コーナーで前(村上)は無理と思った。自分で行こうかなと思ってたら香川さんが来てました。松坂さんには負けるなと思ったけど、香川さんを食えば2着はあるなと思ったんで。香川さんも強い。もう少しタレるかと思ったけど」
 初日落車の香川雄介だが、2日目以降は3度の確定板。今日も混戦をまくってみせた。
 「展開が早かったし、村上の気迫がね。でも単騎で9番手はペケやね。あとは詰まった勢いで行ったけど長かった、今日は」

<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
深谷知広選手
深谷知広選手
 今年最後のG1ファイナルが16時30分に運命の号砲が鳴った。レースは深谷知広が新山響平を突っ張って主導権を握ると、その3番手から稲垣裕之がスパート。すると、その後ろから平原康多ー武田豊樹がまくってワンツーフィニッシュ。競輪グランプリへ残り2人の椅子を、関東の2人が滑り込みで手にした。
 武田豊樹(写真)は大会連覇はならなかったが、最後の最後にグランプリを決め、今から気持ちを切り替える。
 「自分の状態がひどい状態で、そのなかで戦って2着は満足してないけど、勝ったのが平原だから満足はあるけど。平原を抜くことが目標のレースだったけどね。今年1年は気力が充実してなかったのでキツかったですね。競輪祭でどうにかなるかなという気持ちは多少ありましたけど。今までは早い段階でグランプリを決めてたけど、今後の日程は想像してないし、このあとは記念に行くことを考えてたので。このあと、2、3日で気持ちを切り替えてグランプリを目指したい」
  逃げた愛知コンビの後ろを確保した稲垣裕之は2コーナーからの先まくり。直線で平原、武田に屈したが、単騎でも見せ場は作った。
 「近畿のみんなの頑張りあっての決勝戦。力を出し切るレースをしようと思ってました。深谷君の気迫みたいなものを感じたし、深谷君の先行だろうと。そこからは自分のタイミングで思い切り踏もうと思った。出し切って負けたんで、また力を付けたい」
 深谷知広(写真)は新山の挑戦を退けたものの、金子の援護もむなしく最後は馬群に飲まれた。
  「(初手で)前を取らされるかと思ったけど、皆出ていったのでいつも通りに(組み立てよう)と。遅ければ突っ張りを考えてたけど、とりあえず1回動いてからと思ってました。落ち着いていけたし、かかりも悪くなかったんですけどね。(新山を)突っ張れたけど、稲垣さんのところでもうひと踏みする力があれば」
  任せた新山は深谷を叩けず1コーナーで大きく外へ。4番手、外併走になった新田祐大にも、もはや余力は残っていなかった。
 「G1選手は決勝になってくると気持ちがいつも以上に入る。(新山とは)その辺の違いが出てるんじゃないかな。2車で難しいレースになったけど、新山も考えることがまたひとつできたと思う。深谷は全開で突っ張ってたし、(外併走になっても)一本棒でどこにも入れない。ああなるとなす術ないって感じ」
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