『第35回共同通信社杯(GII)レポート』 最終日編

配信日:9月16日

 松阪競輪場を舞台に開催された「第35回共同通信社杯(GII)」は、9月16日に最終日が行われた。地元の柴崎淳をはじめ好メンバーがそろった決勝は、単騎の郡司浩平がまくりでV。一昨年3月のウィナーズカップ以来、2度目のビッグ制覇で優勝賞金2130万円(副賞含む)を獲得した。

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決勝戦 レース経過

 号砲で飛び出した渡邉一成がスタートを取り、佐藤慎太郎が続く。以下は、柴崎淳-金子貴志、平原康多-諸橋愛、山崎賢人-稲川翔、最後方に単騎の郡司浩平で周回を重ねる。
 赤板手前から山崎が動きかけると、先に平原が上昇してハナに立つ。そこを山崎が叩いて先制。郡司が山崎ラインに続き、4番手に平原、6番手に渡邉、柴崎は8番手で打鐘を迎える。隊列を一本棒にしてハイペースで逃げる山崎に、最終バック手前から郡司が仕掛ける。一気に前の2人を抜き去ると、そのまま後続を振り切って、一昨年ウィナーズカップに続く2度目のビッグ制覇を果たした。郡司を追ってきた平原を、最終3コーナー過ぎに稲川が大きくけん制すると、バックからまくっていた渡邉もあおりを受けてスピードが鈍る。一方、空いた稲川の内のコースをそのまま踏んだ佐藤が2着に入り、平原が3着でゴールした。





<1R>

庄子信弘選手
庄子信弘選手
 押さえて出た高木翔が先行態勢を取るが、打鐘で単騎の中西大が9番手からカマす。中西が主導権を奪って、中西とは別線の野原雅也が最終ホームからまくり上げる。野原を追うように、高木後位から切り替えてまくった庄子信弘(写真)が1着。ビッグ初出場の最終日に、うれしい勝ち星を挙げた。
 「高木が動いてくれたおかげですね。(高木は中西を)追っていったけど、野原君もまくって行ったんで、自分でいかせてもらった。(初のビッグで)みんなが強いし、自分は全然足りない。いい刺激になったんで、また出られるように」
 中西の単騎ガマシをまくりでとらえた野原雅也が2着。
 「(北日本勢が)切りに行ったところにも付いていってないし、(中西)大さんのカマシにも…。全部、反応が遅れた。調子はいいと思うんですけどね」

<5R>

武田豊樹選手
武田豊樹選手
 打鐘で主導権を握った高久保雄介に山岸佳太が襲い掛かるが、高久保が突っ張って山岸と踏み合い。武田豊樹(写真)は南修二の後ろで、山岸の余力を計りながらじっと我慢。最終バック手前で小松崎大地がまくるが一息。武田が差し脚を伸ばして勝ち切った。
 「(山岸は)出られれば良かったけど、(番手が)南ですから。なかなか出られないですよね。(山岸が)出切れば付いていこうと思ってたんで、その余裕もありました。(山岸が不発で自分は3番手から)まくりに行きたかったけど、これが現状です。でも、久しぶりシリーズ2勝ができたんで、まだまだこれからです」
 まくった小松崎マークから中村浩士が伸びるも3着。
 「コースはあそこしかないっていうところにいったけど、自分の脚がない。伸びてなかったです」

<7R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 和田健太郎が切った上を黒沢征治が打鐘の3コーナーで出て、そのまま駆ける。8番手の伊藤信が最終ホーム手前から仕掛けると、5番手の山田英明が合わせて出る。中川誠一郎(写真)は山田に付け切れず、山田、伊藤を追いかけてまくり気味に追い込む。前団をまくりで仕留めた山田を中川が交わした。
 「(山田に)ちゃんと付いていかないと…。レースセンスがなさすぎる。(伊藤の)勢いが良かったんで行ってしまうのかなと思ってたら、ちょうどヒデ(山田)も行って…。結果ワンツーだったけどダメですね」
 山田英明は5番手から伊藤を合わせ切るまくりで2着。
 「セイさん(中川)が付いてるんで、仕掛けないと意味がないですから。かぶったらもったいないし、飛び付いて(態勢が)整ったらすかさず行こうと思ってた。踏んだ時は、(進みが)僕なりに良かった」

<9R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 赤板1コーナーで吉澤純平が押さえて出て、京都コンビが3、4番手に続く。吉澤の先行で、松浦悠士(写真)は5番手で和田真久留と併走して打鐘を迎える。松浦は最終ホーム手前から仕掛けて、3コーナー過ぎに逃げる吉澤をとらえた。
 「レースとしては1回も切って(先頭になって)ないんで、どうかなっていうのがあります。あそこで叩いて(和田)真久留がカマシ先行だと、番手が堀内(俊介)さんですからね。それだったら併走でもと。ラインで決まってないから、(渡部哲男が)付きづらかったんだと思います。ただ、感触自体は良かったんで、(二次予選の)勝ち上がりが悔やまれる」
 単騎の園田匠は、またも勝負どころで後方に置かれる。直線の入り口でもまだ後方だが、外を伸びて3着に入った。
 「(最終)2コーナー手前から、(渡部)哲男さんが追いかけるのかっていうのもあった。それで内に入ってっていうのも。そのあと4コーナーでは内も見えてたけど、全力で踏めれば直線だけでもある程度なんとかなるっていうのがあった。このメンバーでも伸び負けはしてない」

<10R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 後ろ攻めから切った岡本総を宮本隼輔が赤板の2コーナーで叩いて逃げる。ハイピッチで飛ばす宮本に対し、8番手となった岩本俊介が最終2コーナーからまくり上げる。好スピードで迫る岩本を巧みにけん制しながら清水裕友(写真)が鋭く追い込んだ。
 「審議が長くてドキドキした。賞金がゼロと140万では天と地の差ですから。シュン(宮本)が強かったし、ジャンからホームの掛かりがすごかった。シュンとワンツーを決めたい思いが強すぎて、(小川)真太郎さんには悪いことをしました」
 逃げた宮本隼輔は、3着でシリーズを終えた。
 「流れのなかで仕掛けて行こうと。(清水)裕友と初めて連係できたのはうれしかったけど、ここでかって感じでした。まあ(清水が)1着を取ってくれたし、良かったです」

<11R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 5番手から先に動いて切った平原康多を山崎賢人が赤板の2コーナーで押さえて先行態勢を取る。このラインを追った単騎の郡司浩平(写真)が3番手に収まり、平原は4番手、6番手に渡邉一成、地元の柴崎淳は8番手となって最終ホームを通過。後続を一本棒にして山崎が軽快に駆けるが、2コーナー過ぎから好回転でまくった郡司が先頭でゴールを駆け抜けた。
 「ゴールした瞬間に1着とわかったので、ガッツポーズできました。今回は獲りにいって獲れたので、自信をもって優勝できたっていうのがあります。スタートで失敗してしまったけど、まず山崎君が動いたのでそのラインに乗ってどこから仕掛けるかって考えていました。3番手をすんなり取れたのが勝因ですね。(後ろに平原がいたが)かぶってなにもできないのが一番怖かったので、抜かれたらまた練習すればいいと。(賞金ランキングが上がってグランプリが見えてきたが)意識しないっていったらウソになるけど、最後まで気を引き締めてやるだけです」
 山崎の番手を回った稲川翔が3コーナーで平原を大きく張ると、空いた内を佐藤慎太郎がすり抜けて2着に食い込んだ。
 「もうあそこのコースしかなかった。ただ、準決と違って脚に余裕がなかったです。(渡邉)一成がホームで仕掛けるのかとかいろいろと考えてしまった。あとはレース全体の流れを見て自分が届くギリギリまで待った。いいタイムのレースだったと思う」
 地元の柴崎淳は、最終バック8番手が響いて5着がいっぱい。
 「どちらにしろ一発狙いって感じでした。一成さんが(最終)2コーナーで仕掛けなかったら、自分が仕掛けていくしかないかなと。あおりがすごかったし、あの外は無理だなって。あそこで思い切って内へ行く勇気があれば良かった。(地元のビッグ決勝で)気負いせず楽しもうって感じでした。金子貴志さんにも好きに走れって言われていた。スピード的には苦しいとかなかった。もうひとつ前(のラインの位置)にいられれば良かったんですけど」

次回のグレードレースは、9月21日~24日の4日間、岐阜競輪場において「開設70周年記念長良川鵜飼カップ」が開催されます。
今開催は中部勢が浅井康太、竹内雄作、志智俊夫、金子貴志など実力者が、武田豊樹や太田竜馬、山崎賢人などを迎え撃つ様相。
最終日6Rに実施される「S級ブロックセブン」にも注目です!
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